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第3回本屋大賞 8位:ベルカ、吠えないのか?/古川日出男

ベルカ、吠えないのか
1.「おれは解き放ちたいのだ」
2.一九四三年
3.「組長、おやすみ」
4.一九四四年から一九四九年
5.「ロシア人は死んだほうがいい」
6.一九五〇年から一九五六年
etc...

answer.――― 82 点

紐解けば、四頭の犬を始祖とする血のドラマ―――神(作者)を頂点とした俯瞰的視点は、まさに上から下へ言葉を落として、読者の脳髄に力強く響く。爆笑問題の太田光など一癖ある芸能人たちから支持される古川日出男。本作はその作者の本領を発揮したようなBite!Bite!Bite!なロックンロールが貫かれている。暴力とセックスこそ娯楽の醍醐味!と知る作者は、犬たちに「お前」と呼びかけながら、―――発情した!勃起した!と彼らを本能のままに20世紀を駆けさせる。表紙での本作の紹介に「エンタテイメントと純文学の幸福なハイブリッド」と銘打っているが、文学的な要素は希薄。ただ、およそ半世紀の時を血を軸に一冊に封じた点に価値を見る。物語の〆め方に作者の息切れを感じるものの、<圧倒的>と評するに足る熱を記憶に残してくれる作品。心構えとしては、古川日出男という作家と、犬による変則的なセックス&バイオレンスを楽しむつもりで読むのが一番正しい気がする。繰り返すが、後半は<息切れ>をする。犬が宇宙へ飛んだときが本作の創造のピークです。

第3回本屋大賞 8位:ベルカ、吠えないのか?/古川日出男

category: は行の作家

tag: OPEN 80点 古川日出男 本屋大賞

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