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第2回本屋大賞 7位:犯人に告ぐ/雫井脩介

犯人に告ぐ
(あらすじ)
川崎市で起きた連続児童殺害事件。その捜査は行き詰まりを見せ、ついに神奈川県警は現役捜査官をTVニュースに出演させるという荒技に踏み切る。白羽の矢が立ったのは、6年前に誘拐事件の捜査に失敗、記者会見でも大失態を演じた巻島史彦警視だった―――史上初の劇場型捜査が幕を開ける。

answer.――― 78 点

―――「犯人に告ぐ」。そんなタイトルからも期待してしまうように、マスコミを通して犯人自身に呼びかける《劇場型捜査》が大きなセールスポイントに挙げられる本作。発表当時は、伊坂‘優等生’幸太郎ら同業者も絶賛し、ベストセラー、映画化になるなど話題を振りまいた。主人公は過去の失敗から左遷された中年刑事・巻島。序盤は思いの外、静かな―――規模こそ大きいが、想定を超えない―――《劇場型捜査》に野次馬気分も冷め、様子見の観客(読者)となるが、中盤から終盤に掛けては書店や映画などの宣伝文句には見られなかった同僚の功名心、痴情など、割にナマモノ的なゴシップ伏線を回収していき、鼻についていたエリートたちの転落を楽しめたのは嬉しいサプライズだった。肝心の事件も最後、巻島が犯人に「告ぐ」、クライマックスらしいクライマックスを用意してあるので劇場捜査の終幕後、温かい拍手を送れる。勘違いしていたのは本作、《踊る大捜査線 the movie》かと思いきや、《はぐれ刑事純情派 the movie》だったこと。宣伝に踊らされたね。読了後、良くも悪くも、手堅いエンターテイメントだった印象が残るだろう。余談だが、巻島の外見の描写がどことなくブラック・ジャックを参考にしているような感じで、個人的に苦笑。上下巻を合わせたレヴューです。

第2回本屋大賞 7位:犯人に告ぐ/雫井脩介

category: さ行の作家

tag: OPEN 70点 雫井脩介 本屋大賞

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