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第23回ファンタジア大賞 大賞:ライジン×ライジン RISING×RYDEEN/初美陽一

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(あらすじ)
「ふっ……見せてやるぜ。風よ、吹き荒れろっ!!」「―――で、これかい?君の『異能』というのは……」下野根隆良、16歳♂。『異能』を持つストレンジャーに憧れ続けていた彼が、アリアと名乗る謎の爆乳美女に導かれて手に入れた能力は最低ランクの残念異能だった!?そんな隆良が通う学校に『最強異能』の金髪少女・雷轟魅神が転校してくる。彼女は言い放つ。「アナタは私の下僕です。拒否権はありません」「―――ふ、ふざけんなよっ!」。

answer.――― 62 点

現代の流行り病と云える中二病を患う人物を主人公&ヒロインにおく小説は、ライトノベルではもはやスタンダードと化しているが、個人的にどこか「踏み」止まっている感がどの作品にもあった。それは当然で、読み手はどう歌舞いても主人公に同化/同調するのだから、最終的には落ち着くところに落ち着く―――モテたり、格好良くなったりしてもらわなければならない。本作もまた、一応はその体ではあるがしかし、酷い。あらすじにあるように、リアル中二病の主人公はとうとう念願的宿命の『異能』が開花するのだが、それは火を出したり、電撃を放つようなものではなく、ザーメン(のようなゲル状の物)を身体より飛ばすという『残念』な能力だった、と。そんな冒頭はF1のグランプリでブルドーザーがピットインしてくるかのようなデカダンスで、これは振り切ってるわ、と普通に笑ってしまった。瞬間的面白さはまさに<大賞>級である。ただ、トータルで見れば、本作の大賞受賞はこれまた「ヤラカシ」編集部の失態だろう。ファンタジア文庫の凋落はやはり編集部にあると弾劾されても仕方ない。ザーメンを飛ばして結局、何が面白いかという話だ。著者にも問題があり、勢いある絶品最低の冒頭を過ぎると、文章を含め作りが雑になる。<お約束>の消化に努めている感があり、女性キャラクターの扱いに慣れていないようにも感じた。さすがにメインヒロインはそれなりに立ててくるが、この作品中のヒロインたちと比して立っているだけで、クオリティとしては並みだ。大声で誤魔化すノリツッコミが多く、頼みの下ネタを取っ払うとすぐに底が見えてしまう。それでも、出来にムラはあるものの主人公はザーメン異能もありやはり強力に映る。後の祭りだが、著者にアドバイスを送るなら、自己否定と自己肯定―――中二病の醍醐味はそこにあるので、もっと主人公にザーメンを肯定させる葛藤を描けば良かったね。冒頭の異能の開花、ザーメン発射の描写は秀逸なのでそこは一読の価値がある。

第23回ファンタジア大賞 大賞:ライジン×ライジン RISING×RYDEEN/初美陽一

category: は行の作家

tag: ファンタジア大賞大賞 OPEN 60点 初美陽一

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