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第11回日本ファンタジーノベル大賞 優秀賞:BH85/森青花

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1.発生 「毛精」はとてもよく効く
2.第一日 京都の下水は流れない
3.第二日、第三日 眼下に広がるチューバッカ
4.第四日 さまよえるひとびと
5.第五日、第六日 めぐりあうひとびと
6.森沢恭一の長い午後
7.からだは地球を抱きしめる
8.大地は緑、空は青

answer.――― 60 点

この表紙にこの話、といった感じ。若手の研究者が左遷による焦燥から未認可の毛生え薬を市場に回し、そこから端を発するバイオハザードの結末を描いた作品。毛生え薬というアイテムから想像出来る通り、ストーリーは危機意識が希薄なコメディ調で綴られている。起伏の無い展開の上、その弛緩系の書き口もあって小説としての魅力は乏しい。中盤に事実上の<結論>が出るため本作の結末を書かせて頂くが、ごくわずかの人類(&その他)を残し、地球はネオネモという藻によって覆い尽くされる。そこにわずかな虚無感は漂うものの、絶望は無い。中盤以降、人類がマイノリティになってから―――いわゆる終末の状況になってから、<物語を読む>と言うより、キャラクターの台詞を通した著者のコラム(題目:個と群について)を読んでいる感覚になる。この辺が本作のセールスポイント。ただ、積極的に評価出来るかは怪しいところだ。藻に覆い尽くされたなか、残った人間が最終的に何を食べるのか?が最後に問われ、眼前の藻を食べる。この場面が美しい。本作は絶版とのことなので、興味を持たれた方は中古品でお探し下さい。

第11回日本ファンタジーノベル大賞 優秀賞:BH85/森青花

category: ま行の作家

tag: 日本ファンタジーノベル大賞優秀賞 OPEN 60点 森青花

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