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第1回本屋大賞 6位:4TEEN/石田衣良


1.びっくりプレゼント
2.月の草
3.飛ぶ少年
4.十四歳の情事
5.大華火の夜に
etc...

answer.――― 74 点

石田衣良の作品は、非常に<流行的>だ。大体、書き手が当時代の文化を消化するまで2~3年を要すると思うが、石田衣良はその半分の期間で済ませてくる。本作は石田衣良の作風とその限界を知る上で好例とも言える作品。登場人物はオナニーとセックスに興味を持つ中学生たち。彼ら演じるセックス&フレンドシップ⇒センチメンタル路線を読者として楽しむ体。友人が早老病だったり、拒食症があったり、殺人事件があったり、とそれなりに刺激的で、それでいて、不幸過ぎることはない―――これはデビュー以来、彼の作品が持つ共通の作風だ。どこか多幸感に溢れた登場人物たちは、石田衣良的予定調和がつきまとう。何が言いたいのかといえば、彼の作品は何作も読むものじゃない、ということ。本作のみとしてなら暇潰しにはなる出来ではある。ちなみに文化面で流行(現代)についていっているのに、登場人物たちが昭和育ちの「石田衣良」なのはやはり違和感がある。現在の14歳は、その時代の人(の筆)に任せるべきだと思う。石田衣良の14歳が読みたかった。

第1回本屋大賞 6位:4TEEN/石田衣良

category: あ行の作家

tag: OPEN 70点 石田衣良 本屋大賞

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文春文庫:池袋ウエストゲートパーク/石田衣良

池袋
(あらすじ)
果物屋の息子で普段は池袋西口公園(IWGP)で屯しておいる“池袋のトラブルシューター”真島誠。持ち込まれるしばしば困難な依頼を持ち前の好奇心と偏差値の低さに反比例する機転の良さで解決していく。刺す少年、消えた少女、潰し合うギャング団……今夜も転がり込むトラブルを退屈しのぎに池袋を駆け抜けろ!

answer.――― 81 点

一昔前なら中堅作家の筆頭格に挙げられただろう石田衣良、その代表作。本作を語るとき、切っても切り離せないのが、クドカンこと宮藤官九郎の脚本によるTVドラマ。主演に長瀬‘TOKIO’智也、ヒロインに加藤‘温泉盗撮’あいの他、窪塚‘キング’洋介、佐藤‘ルーキー’隆太、妻夫木‘天地人’聡、坂口‘世界の荒鷲’憲二を脇に固め、果ては酒井‘ビビる’若菜、「松山」小雪、渡辺‘spモード’謙などをチョイ役に起用という現在ならば有り得ないキャスティングは豪華の一言で、視聴者からのリクエストに応えて制作されたスペシャル版では演者たちの多忙により、ほとんどが別撮りで仕上げられるというまさにチグハグなドラマとなった。もっとも、TVドラマでの一番のサプライズはそもそもの話、原作の面影はどこよ?となるクドカンお得意の原作レイプにある。本作は連作短篇の形を取っている訳だが、ドラマで使用されているのは実は<第一章>のみで、それも読んでみれば原形を留めない大改編が行われていることに気づく。そして対比してみれば、まさかの「ドラマ>原作」の事件を目撃することに―――もっとも、原作は原作で十分なエンターテイメントを提供しているのも事実。石田衣良らしいセックス&フレンドシップな作風で、愁眉は主人公のKissから始まる夜は熱く、Because I’m a Masochist!な性交場面……M気質の人は勃起しちゃうので通勤中は気をつけて!石田衣良を知りたければ、本作を読むだけですべてが分かる作品。

文春文庫:池袋ウエストゲートパーク/石田衣良  (1998)

category: あ行の作家

tag: OPEN 80点 石田衣良

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