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第11回電撃小説大賞 金賞:ひかりのまち nerim's note/長谷川昌史

ブギーポップ
1.疾走
2.幽霊
3.「本当のこと」
4.議会
5.祭
6.ひかりのまち
7.夜明け

answer.――― 57 点

以下、18歳未満の方には不適切な表現内容が含まれるレヴューとなっております。ご注意下さい。

「そんなにSEXがしたいなら、この家から出ていけっ!」 

上記は、おそらく本作を購入したすべての人が抱いた共通の思いだろう。人はこれほどSEXを憎むことがあるだろうか?いや、無い(断言)。醜悪極まる本作のあとがきは中盤以降、頁をめくるたびに猛り狂うぶつけようのない憤り―――自分がただの読者、他人の作品を読むためだけの存在であることへの怒りを鎮めるどころか、逆に薪をくべるように怨々と燃え上がらせてくれる。著者は執筆業を片手間に塾講師を生業にしているらしいが、本作よろしく不純異性交遊に奔る前に即刻、地域住民の手でパイプカットして頂きたい。私の読書歴のなかで五本の指に入る最低のライトノベル―――と、重度の性犯罪者を断じるような言葉を並べたが、「五本の指」と自分の人生を引き合いに出してまで「最低」と罵らせてもらったのには確たる理由がある。本作、おそらく数多あるファンタジーノベル史上「最高」と評しても良いOPを以って幕を開けるからだ。いつになっても夜の明けない町、そこに住まう学生の主人公ネリム……その登校シーンはもどかしい《現実》のなかにいる読者をスケートボードでの跳躍とともに、この陰謀渦巻く《ひかりのまち》へと誘ってくれる。かのジブリ作品をも凌駕しなかねないこの冒頭に魅せられることは必至で、抗うことは難しい。実際、この冒頭だけで金を払う価値がある。しかし掛け値なしにファンタジーノベル史上「最高」のOPも、SEXひとつでもろくも崩れる。支持率90%超の大統領も戦争ひとつで歴代「最低」の大統領とその評価が覆るように、本作はSEXひとつで「最高」から「最低」へとその品格を落としてしまったのだ。主人公のネリムはきっと著者自身なのだろう。そして、著者は真正の童貞なのだ。SEXがしたくてしたくて堪らず、かといって風俗に行く度胸もなく、そうして、行き場を失った童貞の欲望はついに己の作品にて筆を下ろすという禁忌を犯した。ティッシュに包まれるべき著者のザーメンは本作にぶつけられた。そうとは知らず、我々は不用意に本作に近づき、気づけば彼のザーメンを顔面に浴びていたのだ。マスターベーションの果てに見えたのは、ひかり(のまち)。著者、渾身の筆下ろし。イカ臭いデビュー作だ。

長谷川昌史「最低だ、俺って……」 

第11回電撃小説大賞 金賞:ひかりのまち nerim's note/長谷川昌史

category: は行の作家

tag: 電撃小説大賞金賞 OPEN 50点 長谷川昌史

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