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第6回えんため大賞 佳作:狂乱家族日記 壱さつめ/日日日

狂乱家族日記
1.陰謀結婚
2.七不思議家族全員集合
3.空に太陽。鬼に口紅。
4.約束
5.笑撃の茶番劇
6.狂乱家族、鬼ト宴ス
7.宴のあと

answer.――― 64 点

私の記憶のかぎり、著者近影、メディアへのインタヴューなどライトノベル界で一、二を争う勢いで自己プロデュースに失敗した男ヒヒヒと書いて日日日(あきら)。高校生ながらに恋愛小説コンテストラブストーリー大賞、新風舎文庫大賞など新興の公募賞を片っ端から相次いで受賞する様は、漫画『ONE PIECE』で云うところ大型新人“ハイエナのベラミー”もかくやといったインパクトがあった。実際、17歳での複数作の受賞―――消費者へのその訴求力は抜群で、デビュー作である『ちーちゃんは悠久の向こう』は後にはその発行部数とマーケット戦略が絡み合って見事、映画化もされた。同時受賞が出来た一番の要因は、日日日が<速筆>だからだ。この辺はまさしく天賦の才で、現在を以って同時刊行出来ていることを鑑みても(ゴーストの可能性も否定出来ないが……)、やはり本物なのだろう。さて、本作はその天才の代表作に挙げられる人気シリーズの第一巻。ストーリーは猫耳娘、特殊部隊の青年、イジメられっ娘、オカマ、ロボット、ライオン、そして、海月が疑似家族となって過ごすというもの。それぞれのキャラクターにはコンプレックスがあり、本作では長女であるイジメられっ娘に焦点が当てられている。イジメ、虐待―――これが描かれているわけだが、ここからも察せられるように日日日は実のところ、作家としての素養はライトノベルに向いていない。鮮烈な登場から七年過ぎた今、彼の作品群を振り返ってみれば、それがよく分かる。たとえば本作の場合、上記の家族構成は確かにライトノベルならではの揃え方ではある。中心キャラクターである猫耳娘の性格も出版当時、ライトノベル界を席捲していた涼宮ハルヒを模したものだろう。しかし、……中身はどうだろうか?本作中で印象に残る場面は、長女のイジメについての回想、葛藤、その心内描写だろう。それ以外の場面はどうかというと、取り立てて思い浮かぶシーンが無い。各所で持ち上げられている、著者独特の<節回しが楽しい!>といった読み方は本来ライトノベル「らしく」ない楽しみ方だ。本作ではビルを倒壊させてオチをつける。しかし、そこに面白味を見い出すことは難しいだろう……ライトノベルなのに、である。ライトノベルの外装、それを外して初めて本作の本当の姿が見えると思う。結局、何が言いたいかって、日日日の作品はあんまり面白くないですよ。ってことなんだけどね。念のため、追記。本作での長女は次巻以降は次女となります。

第6回えんため大賞 佳作:狂乱家族日記 壱さつめ/日日日

category: あ行の作家

tag: えんため大賞佳作 OPEN 60点 日日日

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