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第13回日本ファンタジーノベル大賞 優秀賞:しゃばけ/畠中恵

しゃばけ
(あらすじ)
江戸有数の薬種問屋の一粒種・一太郎は、めっぽう体が弱く外出もままならない。ところが目を盗んで出かけた夜に人殺しを目撃。以来、お江戸を騒がす殺人事件が続き、一太郎は家族同様の妖怪と解決に乗り出すことに……。

answer.――― 86 点

小説講座なる<出来たらお陰、出来なかったらせい>な阿漕な商売でも、畠中恵のような作家がまかり間違って巣立つのだから、ますます阿漕に拍車が掛かる―――天下の讀賣新聞が主催するために保たれる格調高き日本ファンタジーノベル大賞、その優秀賞を受賞し、さらに新伝綺ブームからの派生とも云える妖怪ブームの到来、そこから人気シリーズと世間で認知される頃に訪れたゲゲゲ旋風。まさに時機を得に得た本作『しゃばけ』は小説講座の恩恵なのか、元よりの作者の素養からなのか、起承転結が等分に配されたお手本のような構成が魅力。十人が十人、「転」と分かる分岐点からは、次へ次へと頁をめくる作業に没頭してしまうだろう。江戸時代の殺人事件に関わる病弱な若旦那(15)、それを取り巻く愛嬌ある妖怪たちの日常パートは奇妙ながらに気が抜ける。恋愛色は希薄ながら、そこそこに匂わせてくれる設定もあり、隙が無い。唯一の欠点は落とし処でしっかり落とさず、続編へと読者を誘導するラストだろう。爆発力こそ無いが、大人から子どもまで楽しめる、質の高い小説。寄らば大樹の蔭、冒険したくない読者にお薦めのシリーズだ。ちなみに、畠中恵は現在、讀賣新聞の名物「人生案内」を担当。さすが任されるだけあって相談者に的確と思える助言(一緒に頑張っていこう!的書き口で好感を抱ける)を送っている。

第13回日本ファンタジーノベル大賞 優秀賞:しゃばけ/畠中恵

category: は行の作家

tag: 日本ファンタジーノベル大賞優秀賞 OPEN 80点 畠中恵

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