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第1回小説新潮長編小説新人賞 受賞作:あなたへの贈り物/和泉ひろみ

あなたへの贈り物
(あらすじ)
白人の血を引く女医である主人公が、自分で考えて行動していく様子を、丁寧に、そして誠実に描く。生まれながらにして男女平等の考えを持つ彼女が、仕事と家庭に苛立ちながら選んだ生き方とは……?

answer.――― 58 点

あらすじは、共働きの夫婦が育児疲れをキッカケに夫が不倫を起こし、妻が思い悩んだ末に離婚する、というもの。この一連の流れにはエンターテイメントらしいエンターテイメントは不倫相手がスーツの綻びを直すなど姿を見せずに挑発、やがて直接接触してくること、夫の実家に乗り込んで姑を味方に引き入れることくらいで、娯楽作品としては事実上、成立していない。Wikipediaには小説新潮長編小説新人賞は<娯楽作品を対象>と記載されているが、実際は<文学賞>の趣きがあるようだ。あるいは、応募作群がその水準に達せず、仕方なく賞の「格」を維持する消極的な方針として本作を受賞させたのかもしれない。この辺は以降の受賞作群を読んでみないことには分からない。さて、<文学>として読むとすると本作の旨みは、やはり妻が離婚に踏み切るまでの自己分析の過程。視点は医師の妻を基本に、変化球として独善的な姑の視点を挟む。また、家庭以外の舞台として妻は終末医療に関わる。そこで患者夫婦の絆を目の当たりにして自己を振り返る仕組み。……うーん、このレヴューを書いていても、やっぱり「典型的」過ぎる。文学には<謎>……何故、そんな行動を取るのか?が必要だと思うが、妻があまりに冷静に分析してくれるのでそれが無いのも頂けない。夫の不倫相手が可憐なフリして全然可憐じゃないのを男子諸君に理詰めで教えてくれるのが良いと云えば良いか。私は女の子は好きなのだが、異常なまでに女「性」嫌いなので(女「性」を認めない)、そこに関しては得るものはないが、確かに大概の男は引っ掛かっているので、そんなオッパッピー男子は読んで損はないかもしれない。

第1回小説新潮長編小説新人賞 受賞作:あなたへの贈り物/和泉ひろみ

category: あ行の作家

tag: OPEN 50点 和泉ひろみ 小説新潮長編小説新人賞

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