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第14回メフィスト賞 受賞作:UNKNOWN/古処誠二

UNKNOWN アンノン
(あらすじ)
侵入不可能なはずの部屋の中に何故か盗聴器が仕掛けられた。密室の謎に挑むのは防諜のエキスパート・防衛部調査班の朝香二尉。犯人の残した微かな痕跡から、朝香は事件の全容を描き出す。完璧に張り巡らされた伏線!重厚なテーマ性!リアリティ溢れる描写力!!

answer.――― 64 点
派手さはないが、淡々とした静謐な語り口、簡潔な文体、誠実な筆致を用いて、人間ドラマに主眼を置き、戦争を真摯に描き続ける異色の作家である。―――とは、Wikipediaに載る評だが、端的に云えば、本作は真面目で地味な筆で綴られた丁寧なデビュー作。概要は、盗聴器の発見から自衛隊内の背徳者を探すというものだが、一読しての印象は、コントロールの良い最速138km/hのストレートを投げる高校球児(2年)といった感じで、今すぐ契約したいとは思わない―――転じて、金を払ってまで読むものでもない一作。ただ、次作が気になる作家というのが青田買いが好きな読書家には誰しも心のうちにいると思うが、そこに気負わずに推薦したくなる「ほぼ」完成された作家(筆)であることは魅力的で、実際、「候補」止まりながら、著者の後の作品は山本周五郎賞、直木三十五賞といった著名な販促賞に一度ならず挙げられている。そんなこんなで、本作を読むなら著者の後発の作品を読むのがベターかな、と。私も未読なので、ファンの方がいましたらオススメを教えて頂ければ之、幸い。「UNKNOWN!」って言いたかっただけなんじゃねえか?と勘繰りたくなる平坦な本作で著者の作家としての可能性の結論を出しちゃいかんわな。余談ですが、完成された作家(筆)とは、漫画家で例えるなら「あだち充」を指します。デビュー初期から変わらないでしょ?そして、別に変えなくても良いでしょ?完成されている、とはそういうことです。

第14回メフィスト賞 受賞作:UNKNOWN/古処誠二

category: メフィスト賞

tag: OPEN 60点 古処誠二

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