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第17回電撃小説大賞 銀賞:はたらく魔王さま!/和ヶ原聡司

はたらく魔王さま!
1.魔王、生活のために労働に励む
2.魔王、新宿で後輩とデートする
3.魔王と勇者、笹塚に立つ

answer.――― 72 点
電撃小説大賞は《大賞》より、《金賞》より、《銀賞》のほうが面白い!と誰が言い始めたのかは定かでないが、この第17回より以前の《銀賞》受賞作をさかのぼると、目ぼしいところで、忘れちゃ困る『ウィザーズ・ブレイン』、ああアレか『先輩とぼく』、大本命『狼と香辛料』、萌え燃えキュン『ロウきゅーぶ!』と挙げられるが、概して通説は二例で実しやかにささやかれ、三例と数えられれば定説の如く謳われるもの。『狼と香辛料』、『ロウきゅーぶ!』とリーチが掛かってきたところで、本作『はたらく魔王さま!』の登場が本稿冒頭の言葉に鬼の首を獲ったかのような快哉をつけたのだと思う。ストーリーラインは、勇者に追い詰められた魔王が逃げた先はここ、現代NIPPON!頼りの魔力は失われ、生きていくためにはまずアルバイト!ここから、……正社員を目指すぞ!といったもの。三章仕立ての構成で、第1章は魔王とその従僕の《日常》を描いている。これがファーストフード店の接客&豆知識を絡めた実にコミカル且つ丁寧な出来で、魔王たちの現状、その紹介がてら読み手を作品世界に馴染ませてくれる。この第1章は展開も起伏に富み、好意寄せる後輩、因縁の女勇者の投入、何より章〆め間際のシリアスに、そして、ミステリアスに危機を迎え、先を「予告」させる演出が素晴らしい。流石のヒット作!と唸らされたところで、そこから先の展開を期待していると、第2章以降は「転」あれど、いわゆる想定通りで拍子抜けするものの、設定とキャラクターのギャップ、ナンダカンダの善性を楽しむものと思えば不満はない。ちょうどファンタジー求める時流もあってやや過大な評価を受けたようにも映るが、諸所に隙間突くライトノベル作家の素養を見せているので、今後も信頼おけるキャリアを築いて、良い中堅作家になってくれることでしょう。良作。

第17回電撃小説大賞 銀賞:はたらく魔王さま!/和ヶ原聡司

category: わ行&数字の作家

tag: 電撃小説大賞銀賞 OPEN 70点 和ヶ原聡司 このライトノベルがすごい!

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