ナマクラ!Reviews

04/1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31./06

第23回小説すばる新人賞 受賞作:たぶらかし/安田依央

たぶらかし
(あらすじ)
マキは、市井の人々の中で誰かの「代役」を演ずる役者。花嫁や母親の代行から、果ては死体役まで。依頼人たちの身勝手さに苛立ちながらも、淡々と仕事をこなしていたマキの前に、ある日、謎の男が現れて……。

answer.――― 72 点
How-Toとは、何らかの作業をする方法や手順に関する非形式的な記述のこと―――と、Wikipediaから引用させて貰ったが、情報溢れる現代社会だからこそ《正確な情報》を集約したハウツー本は、《知識》を得られる手段として以前にも増して歓迎される。昨今では飽くなき娯楽追及からか、ハウツー本にも《ストーリー》、そして、《キャラクター》の導入を求めている印象もある。もっとも、需要があるからといって《知識》ばかり挿していると、形骸化するのはお約束。《ストーリー》や《キャラクター》用いるハウツー本もどきを制作したいならば、書き手は《知識》もさることながら、それを扱えるだけの《知性》を作品に―――有り体に言えば、登場人物に施さなければならない。セレブ母、新妻、時には死体……依頼のままに、あらゆる人物の「代役」を派遣する会社に勤めるマキ(39)を主人公にした本作『たぶらかし』。設定の目新しさこそあれ、連作短編での優等生な起伏が読み手の想像を上回らないのが残念だが、上述の死体役やら、年齢的にも枯れたマキへホの字を書く若者の出現など、トリッキーさは目を惹くし、トントン拍子な「ドラマ化」も納得出来るところ。個人的には、《知識》出すことなく、《知性》感じさせる作風は好印象。《知性》とは何か?という話になるが、それは登場人物が《キャラクター》ではなく、《人》ないし《人間》である瞬間があることだと思う。《キャラクター》求められる現在だからこそ、《人》&《人間》を(キャラクターのなかに)垣間見せる「技」は必須でしょう。

第23回小説すばる新人賞 受賞作:たぶらかし/安田依央

category: や行の作家

tag: OPEN 70点 安田依央 小説すばる新人賞

[edit]

page top