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第11回山本周五郎賞 受賞作:血と骨/梁石日

血と骨
(あらすじ)
1930年代の大阪を舞台に、その体躯と凶暴性で極道からも畏れられた金俊平。彼の蒲鉾製造業や高利貸しによる事業の成功と、その裏での実の家族に対する暴力、そして、その後の愛人との結婚による転落、遂には「故郷」である北朝鮮での孤独な死までを描いた作品。

answer.――― 82 点
舞台は、戦前―――そして、戦後の大阪。在日朝鮮人・梁石日が実父をモデルに、おぞましいまでの「悪」を描いた大作が本作『血と骨』。頁をめくれば、「傲慢」「嫉妬」「憤怒」「怠惰」「強欲」「暴食」「色欲」……誇張があるにせよ、いわゆる「七つの大罪」、そのすべてを大いに犯す「極悪」金俊平(183cm、100kg!!何よこのサイズ!?)に戦慄を覚えることは必至で、嫌韓感情が渦巻くこのご時世に、「……ざ、在日朝鮮人死ぬべし!殺すべし!!」とそれこそ火病してしまう。とにかく、《外道》極まっている。金俊平にとって自分以外の存在は搾取の対象であり、女はただ犯す対象である。作中、その圧倒的な暴力で人は性別問わず嬲られ続け、それがRape & Violence!For Money!という後ずさりたくなるエンターテイメントとして成立。最大の被害者と云える「妻」英姫が金俊平に見初められてからの目を覆いたくなる転落劇は、男尊女卑のもはや結晶である。いや、それさえ上回るのは「愛人」清子への仕打ちか。嗚呼、外道!ここに極まれり!!しかし、そんな「誰も止められない」金俊平が因果応報の理に巻き込まれる終盤も終盤は何とも胸がすくm9(^Д^)プギャー展開。最期までダーティーに魅せてくれる。金俊平がチ♂コ挿入すれば女はメロメロになるというトンデモな設定があるものの、そこにさえ目をつむれば、稀に見る性悪説の体現者を覗き見続けられる逸品。表題となっている「血と骨」など随所に朝鮮人の価値観/文化が挿され、教養的な面も施されているので、その点も「買える」ところ。個人的には、《吝嗇》がここまで「悪」へと繋がる事実に感銘にも似た驚きを受けました。Web上で韓国と言えば、……!な「トンスル」への言及も有り。と、ふと気づいたが、著者の趣味なのか、それとも朝鮮人を扱うと必然なのか、糞便演出が多かった気がする。何にせよ、「極悪」金俊平の存在感は圧巻。ピカレスク小説を描きたい人は参考にさえ出来るだろう。日本人にはこの手の「悪」は描けないんじゃないだろうか?

第11回山本周五郎賞 受賞作:血と骨/梁石日

category: や行の作家

tag: OPEN 80点 梁石日 山本周五郎賞

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