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ファミ通文庫:東雲侑子は全ての小説をあいしつづける/森橋ビンゴ

東雲侑子はすべて
(あらすじ)
3年生になり、卒業後の進路の事を考えなくてはならない英太。東雲はやはり進学するという。特別優れているわけでも劣っているわけでもない自分も、ひとまずそう考えるべきなのだろうと思いながら、自分のやりたい事が分からずに迷う。小説家という夢を既に実現してしまっている東雲と自分を比べて、漠然とした焦燥に駆られる英太だが、東雲と過ごしてきた時間が、彼の望む未来をほのかに照らし始める……。

answer.――― 66 点

男が雄であるために、避けて通れないもう一つの真剣勝負―――株式会社ナインストーリーズ代表取締役こと何の変哲もない高校生、森橋ビンゴこと三並英太が初めてのセックスに挑む!!ファミリーレストラン・ジョナサンで、覚醒する男の性、漢のSAGA!! 大好評、「東雲侑子」シリーズの最期を飾る本作は《少なくとも俺は、東雲の事を心から好きだと言える。純粋に。》と最初から最後までアクセル全開で惚気るHAPPY×HAPPY・Chainsaw Hな一作。稀に見るChainsaw H仕様らしく、前作でたわわなオッパイで誘惑してきた喜多川絵夢(18)は教育実習生(22)に破廉恥に告白され、♂が♀にバチコーン!クラスメイトの男たちは一人の女よりもお互いの友情を選んで、♂が♂にバチコーン!眼鏡外したあの子も後輩に告白させて、♂が♀にバチコーン!司書もパン屋で、♂が♀にバチコーン!兄貴とそのカノジョも、ゴムを着けていつも通りに♀が♂にバチコーン!と、全ての登場人物が「オレタチ、HAPPY×HAPPY!!」(;/゚)⊃[□;';';';';';';';';';';)と無敵のジェイソンとなって、それぞれ幸せになる展開は、上述の通り、―――森橋ビンゴ、ファミリーレストラン・ジョナサンで覚醒する男の性、漢のSAGA!! で、思わず(……うわぁ頑張ったなぁ)と著者の年齢を鑑みてしまい、素で感心してしまった。本作最大の見せ場は、やはり三並英太&東雲侑子、両名の旅館でお泊まり場面だろう。憧れの有美さんによるコンドーム指導等、読み手を(……準備は良いですか?良いですね?本当にやりますからね、私は止まりませんよ?)と煽りに煽って、部屋のドアが閉まれば、もう我慢出来ず、―――の主人公の青い衝動によるベッドへの押し倒しは、はわわわわわわ(〃ノωノ)と赤面必至の演出となっている。とまあ、茶化し気味に書いてはいるが、シリーズ全3巻、著者が真摯に作り上げたことが伝わる良質の青春譚。続刊毎に点数が控え目になっていますが、如何せん、展開が平坦なんでね。こんなもんだと思います。

ファミ通文庫:東雲侑子は全ての小説をあいしつづける/森橋ビンゴ (2012)

category: ま行の作家

tag: OPEN 60点 森橋ビンゴ 「東雲侑子」シリーズ

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ファミ通文庫:東雲侑子は恋愛小説をあいしはじめる/森橋ビンゴ

東雲侑子は恋愛
(あらすじ)
2年に進級した英太と東雲。東雲との関係が公になったことで心なしか賑やかな学校生活になってきた英太とは対照的に、東雲は初めてのスランプに陥っていた。そんな折、演劇部の女子喜多川が、「学園祭の舞台の脚本を東雲さんにお願いしたい」と英太に頼み込んでくる。その頼みを気分転換も兼ねて引き受けることにする東雲だが、思うように筆の進まない東雲と、奔放な喜多川に振り回される英太は少しずつすれ違っていき……。

answer.――― 68 点

「創作手法」の面からライトノベルと大衆小説のクロスオーバーに系譜を連ねてきた異色の恋愛譚「東雲侑子」シリーズ、第二弾。前作のレヴューから引用させてもらえば、その概要は《本当に俺は東雲が好きなのか?》というもの。前作で《俺は、東雲侑子の事が好きなのだ。》と気づいた主人公が、自分に好意を寄せる第三者が現れることで、思春期特有(?)の疑念を抱き、―――の展開には他作品と比したところで、特段の目新しい場面があるわけでもない。しかしながら、大衆小説に読み慣れていない(人生経験値少ないTeenな)ライトノベラーならば、無口な兄とその彼女の恋愛事情を交えた《本当に俺は東雲が好きなのか?》の丁寧な流れに十分な満足感を得られるだろう。前作に続いて本作も気に入ったのなら、そのままの勢いで完結編となる次作「東雲侑子は全ての小説をあいしつづける」で、……俺たちって、最高!エターナル・ラブ!なハッピーエンドを迎えて損は無いはずだ。さらりと学年が上がっていくのは青春の三部作に仕上げるべくの、著者のツボを押さえにきたアレンジ。……しかし、シリーズの表立ったギミックの東雲侑子が作家である設定は、本当にブラフみたいなもんだな。東雲侑子が作家である必要性がほとんど無い。作品の焦点をあくまで「思春期の恋愛」に置いてるからなんだろうけど、例えば設定を活かして、作家あるある披露したりの豆工夫、豆サーヴィスをしても良いんじゃねえかと思う。

ファミ通文庫:東雲侑子は恋愛小説をあいしはじめる/森橋ビンゴ (2012)

category: ま行の作家

tag: OPEN 60点 森橋ビンゴ 「東雲侑子」シリーズ

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第1回ラノベ好き書店員大賞 4位:東雲侑子は短編小説をあいしている/森橋ビンゴ

東雲侑子は短編
(あらすじ)
何事にも無気力、無関心な毎日を過ごす高校生、三並英太。楽そうだからという理由だけで図書委員になった彼は、ともに委員を務める東雲侑子の熱のない静けさに、自分の空虚さに似たものを感じていた。しかし偶然彼女の秘密を知ってしまったことから、自分との違いを思い知らされる英太。だが、その秘密のために、彼女と距離を縮めることとなり、失ったはずの感情に胸を締めつけられていく……。

answer.――― 72 点

小説家のみならず、ゲームシナリオライター、漫画原作者と多角に創作活動を展開する森橋ビンゴ。本作は2013年度の「このライトノベルがすごい!」において第8位にランクインされたように、名実ともに森橋ビンゴの代表作となった「東雲侑子」シリーズ、第一弾。その概要は、少し冷めた高校生・三並英太が、感情表現乏しいクラスメイト・東雲侑子が作家と知ったことから始まる「擬似」恋愛劇―――と並べずとも、本作は作中のたった一文で表せる―――《俺は、東雲侑子の事が好きなのだ。》。「東雲侑子」シリーズは言うなれば、ライトノベルではなかなかお目に掛かれない、作中の一文を長編にする(創作するスタイルの)作品で、続刊、『東雲侑子は恋愛小説をあいしはじめる』では《本当に俺は東雲が好きなのか?》、『東雲侑子は全ての小説をあいしつづける』では《少なくとも俺は、東雲の事を心から好きだと言える。純粋に。》、とまとめられる。この手の「一文で表せる」作品は著者自身がテーマを完璧に把握出来るため、ブレずに描ける半面、拡がりに欠けるデメリットを負う。本作でも、ラブホテルに入る、というライトノベルだからこそ映えるサプライズが一点あるのみで、それ以外は《俺は、東雲侑子の事が好きなのだ。》に辿り着くまでの何てことはない、平坦な過程が描かれるのみとなっている。しかしながら、それがライトノベラーの心を打つのは「作中の一文を長編にする」作品を読んだことが無いからだ。この手の創作スタイルは、概して大衆小説で採られるのである。「面白い」イヴェントは少ないものの、本作は「創作手法」の面からライトノベルと大衆小説のクロスオーバーを試みた良質の一作。良いんじゃないでしょうか。ちなみに、あとがきとか読むと一文デ表セルッテ…( ´,_ゝ`)プッ!後付けワロス!と思うかも知れんが、これ、そういう作品だから。著者がシリーズの表題に自画フムフムしている時点で、発想が《言葉》から始まってる(囚われてる)じゃん。まあ、分からねえ奴には分かんねえだろうけど、そういう奴はそういう作品創っちゃうんだよーん。

第1回ラノベ好き書店員大賞 4位:東雲侑子は短編小説をあいしている/森橋ビンゴ

category: ま行の作家

tag: OPEN 70点 森橋ビンゴ 「東雲侑子」シリーズ ラノベ好き書店員大賞

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