ナマクラ!Reviews

05/1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30./07

第3回スーパーダッシュ小説新人賞 佳作:殿がくる!/福田政雄

殿がくる!
1.殿がきた!
2.彼の新しい勤め先
3.君知るや戦国の世
4.狂った夏
5.王位を窺う者
6.日本国総理大臣織田信長

answer.――― 58 点

殿がくる!という何ともな表題から察せられる通り、本作は歴史上の登場人物が現代へタイムスリップしてくるという、物語の型とすればある種の王道に連なる作品。さてさて、肝心のその殿とは、―――織田上総介信長。大うつけ、第六天魔王とエピソードに事欠かない愛知が誇る三英傑が一人である。そんな殿は現代に召喚されてもカルチャーショックをさほど受けることなく柔軟に対応し、北朝鮮の侵略を理由にしたアメリカ、そして、売国奴からジャポンを守る!というのが本作の内容。出版年月を考えればちょうど小泉劇場と世間を賑わした小泉純一郎を多大に意識している感があり、時事ネタを絡めて作中、ライトウィングしている。著者ご自慢、このために本作を書いた!という終盤のNHKでの大演説は、成る程、込み上げてくるものがある―――笑いが。これは立派なDQN作品、まさかライトノベルで現代政治を足りない知識で真っ直ぐぶつけてくる作家がいるとは思わなんだ。ライトノベルで啓蒙しようというその意気や、悪し!恥を知れ!頭を丸めろ!と鼻くそをほじりながらこのレヴューを書かせて頂いているが、誉めたくなる点もある。それは人物描写で、「男の左肩が右肩に比べて、極端に下がっているのがわかった。昔の武士はそうだった。生まれたときから刀を腰に下げて生活していると、……」なる描写と知識を合わせた挿し方は好感が持てた。この辺は題材の強味を自覚しての演出だと思うので、作家としての能力が低いわけではない。ただ、DQN具合が邪魔をしているので、とりあえずは「福田政雄君、政治は男のロマンだ。ファイヤー」。

第3回スーパーダッシュ小説新人賞 佳作:殿がくる!/福田政雄

category: は行の作家

tag: スーパーダッシュ小説新人賞優秀賞(佳作) OPEN 50点 福田政雄

[edit]

page top