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第19回電撃小説大賞 大賞:アリス・リローデッド ハロー、ミスター・マグナム/茜屋まつり

アリス・リローデッド ハロー、ミスター・マグナム
1.グッバイ、サラマンデル
2.ハロー、ミスター・マグナム
3.ライトニング・ワイルド
4.イッツ・ア・バッド・デイ
5.ブラック・ザ・ポイゾナス・スカイ
6.マイ・ネーム・イズ

answer.――― 68 点

プロとアマチュアの差を考えれば、―――読み手を意識するかしないか。端的に言って、そんな結論に辿り着く。しかしながら、実はそんな結論にも盲点的な事実が隠されていることを、プロになった者さえ気づかないままであることが多い。すなわち、読み手を意識して「魅せる」のはストーリーか、はたまた、自分の力か。―――これ(掌底)、顎に当てると倒れんねん。とニヤつくゴロツキ・茜屋まつり。電撃文庫の黎明期は第3回電撃(ゲーム)小説大賞《銀賞》受賞者にもかかわらず、名を変え、ド素人として改めて電撃小説大賞に殴り込みをかけた生粋の喧嘩師である。本作は、今やライトノベルの最高勲章となった電撃小説大賞《大賞》受賞作であり、アマチュア臭を残しながらも、茜屋まつり、喧嘩三段!と謳いたくなる自分の力を魅せてきた一作。その概要は、わたしの名前はミスター・マグナム。偉大なる魔女によって生み出された魔法の銃だ。という紹介の一文通り、物珍しい《銃》からの視点で語られる「過去」への時間跳躍、呪術絡んだGun action!ライトノベルらしく、歴史の変化そのものより「時間跳躍」によってキャラクターの(心境)変化に力点をおいているのが特徴で、合い間に挿されるエピソードが登場人物の紹介も兼ねた予告の役割を担っている。1章から4章まで活劇満載で、特に2章【ライトニング・ワイルド】の終盤、ヘッジストーンでの暴動は頁数に反比例したかのようなコミカル且つ、ソウル揺らしてくれる茜屋パレード。大向うから「茜屋っ!」「(受賞)二度目!」と声掛けしたくなること必至のインテリジェントな名場面だ。幼女アゴンロジを筆頭に《せくしゅある》な仕掛けも如才なく施し、本作が読み手を意識して作られた作品なのがよく分かる―――が、しかし。《銃》視点、時間跳躍といった粗目立ちながらも喧嘩三段!なアレンジはともかく、捨て切れなかった【オリジナリティ】は自ら貶めた格好。造語、スラングへのルビ振りの嵐は見苦しく、幕間は雑多で、それら読み手を振り回す横暴に世界観への感嘆の前に拒絶が入ってしまう。それでも、前半は上質の掛け合い&活劇で-(マイナス)を帳消しに出来ていたのだが、……喧嘩師ならではのスタミナ切れか。3章、その途中よりストーリーが整理し切れずに渋滞し始め、4章はストーリーの処理に奔走した印象で、ハッピー・リローデッドながらに後味が悪い。用意したストーリー自体は悪くないが、続刊前提のキャラクター処理が透けて見えるのは頂けないところ。ここはプロになって欲しかった。ただ、個人的には粗さが魅力にも映るので、読みやすさを求めつつも、喧嘩四段、喧嘩五段と昇段して行って欲しいな、と。とりあえず、アゴンロジに「どんどん噛みなさい」と萌えました。

第19回電撃小説大賞 大賞:アリス・リローデッド ハロー、ミスター・マグナム/茜屋まつり

category: あ行の作家

tag: 電撃小説大賞大賞 OPEN 60点 茜屋まつり

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