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第3回メフィスト賞 受賞作:六枚のとんかつ/蘇部健一

六枚のとんかつ
1.音の気がかり
2.桂男爵の舞踏会
3.黄金
4.エースの誇り
5.見えない証拠
6.しおかぜ⑰号四十九分の壁
7.オナニー連盟
8.丸ノ内線七十秒の壁
9.欠けているもの
10.鏡の向こう側 
etc...

answer.――― 57 点

(……これ、案外と面白いんじゃねえか?)と玉石混交のメフィスト賞の受賞作において、石ころ中の石ころ!と聞き及んでいた身としては、予想外のリアクションを取っている事実に自分でも驚いているが、巻末の解説―――「たんなるゴミである」(笠井潔)&「作者はバカミスを逃げ口上にしているだけ」(村上貴史)―――を読んで納得した。そりゃ、1頁目から2頁目へのような順番に頁をめくる「読み物」として読んだら「ゴミ」でしょうよ。作品としては保険調査員・小野由一を主人公にした連作短編で、《アホバカ・ミステリ》とのレッテルの通り、各短編に施されたトリックが剛力彩芽な力技で、それを馬鹿らしいと呆れるのが醍醐味となっている。がしかし、馬鹿らしいと呆れて楽しめるのは実際問題、上級者の対応なので、僕(私)、一般的な感性!と自負のある方には本作の購読はまずお薦め出来ない。と、ここで冒頭の(……これ、案外と面白いんじゃねえか?)な私の反応に戻らせて頂くと、私が本作を案外なまでに楽しめた理由は《オチから読んでいた》からだ。むしろ、起承転結で云えば、「起」と「結」しか読んでいない。個人的な見解だが、これは読み手のための作品というより、書き手のための作品と見るほうがしっくり来る。特に、キャラクターが確立しているライトノベルで同じネタをすれば、ウケがまた違うと思う。それこそ、―――わたし、気になります!にはピッタリの幕間になるのでは?という訳で、読み方次第の作品。お気に入りは例によって「しおかぜ⑰号四十九分の壁」、「丸ノ内線七十秒の壁」かな?こういう力技は心のどこかで望んじゃうよね。

第3回メフィスト賞 受賞作:六枚のとんかつ/蘇部健一

category: メフィスト賞

tag: OPEN 50点 蘇部健一

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