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第19回電撃小説大賞 メディアワークス文庫賞:路地裏のあやかしたち 綾櫛横丁加納表具店/行田尚希

路地裏のあやかしたち (203x290)
1.人間の話
2.天狗の話
3.狸の話
4.猫又の話
5.狐の話

answer.――― 69 点
「職業」「職人」のような現実社会に根ざした1テーマにスポットを当てると、キャラクターではなく、人と面と接するかの如く《知識》挿され、自ずと大衆小説の匂いをまとうものだ。年重ねるライトノベラー、そして、隙あらばライトノベルのコーナーに寄りつかない層を取り込むべく創設されたMW文庫。そこへ配属された本作は掛け軸、屏風等を扱う『表具師』を題材にしたライトノベル。5つの短編連作で、各章の表題で察せるように表具に「妖怪」というファンタジーを絡めるのがエンターテイメントとしての味付けとなっている。全体の印象を述べれば、無難、その一言に尽きる。1章「人間の話」を読めば、以降はゲストキャラクター、表具を変えただけの金太郎飴的展開で、5章「狐の話」でようやく変化をつけてくるが、時すでに遅し。「悪くはないけど、……」と語尾濁され、イマイチの烙印を押されてしまうことだろう。金太郎飴と切ったが、《怪異(表具)が持ち込まれる→解決》という展開自体が悪いわけではなく、根本の問題は「主人公がどの章でも傍観的」なことにある。これを改善するだけで金太郎飴の印象は払拭されるが、果たして著者は気づける―――もとい、気づけたかな?文章含めソツのない仕事っぷりに伸びしろを感じるので、ここは絶筆するつもりで入魂の一作を創って頂きたい。結婚詐欺師の狸は、次巻以降の化け具合が気になるキャラクターでした。

第19回電撃小説大賞 メディアワークス文庫賞:路地裏のあやかしたち 綾櫛横丁加納表具店/行田尚希

category: や行の作家

tag: OPEN 60点 行田尚希 メディアワークス文庫賞

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