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酒飲み書店員大賞受賞作一覧


▼ 第11回~ (2015年~) ▼



第12回 受賞作:ベンチウォーマーズ/成田名璃子
第11回 受賞作:海と真珠/梅田みか

▼ 第1回~第10回 (2005年~2014年) ▼

酒飲み書店員大賞1

第10回 受賞作:球団と喧嘩してクビになった野球選手 破天荒野球選手自伝/中野渡進
第9回 受賞作:セレモニー黒真珠/宮木あや子
第8回 受賞作:キネマの神様/原田マハ
第7回 受賞作:俺たちの宝島/渡辺球
第7回 受賞作:アフリカにょろり旅/青山潤
第6回 受賞作:月読/太田忠司
第5回 受賞作:太陽がイッパイいっぱい/三羽省吾
第4回 受賞作:ファイティング寿限無/立川談四楼
第3回 受賞作:東南アジア四次元日記/宮田珠己
第2回 受賞作:笑う招き猫/山本幸久
第1回 受賞作:ワセダ三畳青春記/高野秀行

category: 酒飲み書店員大賞

tag: OPEN 受賞作List 酒飲み書店員大賞

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第16回小説すばる新人賞 受賞作:笑う招き猫/山本幸久

笑う招き猫 (199x290)
(あらすじ)
オトコより、お金より、あなたの笑いがほしい!新人女漫才コンビ、アカコとヒトミ。彼氏もいない、お金もない、だけど夢は忘れない2人に、テレビ出演のチャンスが……。

answer.――― 69 点
(第何次なのかは不明だが)お笑いブームの最中に投下された、女漫才師コンビを主人公にした第16回小説すばる新人賞受賞作。漫才師ということで、物語の焦点は芸が鈍っても売れるTVタレントとなるか、売れなくてもライブで沸かせる漫才師にこだわるのかという二択にコンビそれぞれが思い悩み、衝突するところに置かれている。王道と云えば聞こえはいいが、ありがちと云えばありがちな焦点なだけに、女漫才師を如何に才人に描けるかがキーポイントとなる。が、可もなく不可もなく……なために及第点に到らず。もっとも、文字に起こしての「漫才」披露は著者のチャレンジ精神を買いたいところ。笑いの本質は「間」なのだろうから、それを実質封じられる文章で「つまらなくはない」と思わせる仕上がりは好印象を抱いた次第。題材を変えた著者の「次」の作品に興味を持てる。作中で個人的に興味惹かれたのは、先輩芸人の妻である元アイドルのユキユメノを巡る痴情。結局、ゴシップ(そして、それに巻き込まれること)が一番面白いのは二次元でも、三次元でも変わらない。漫才師たちの「悩み」、選んだ「答え」なんて、現在進行形でTVで汗掻きながら映っているので、そのライブ感と比すれば、本作の内容では霞んでしまう。ユキユメノというゴシップをもっとクローズアップしても良かったと思う。なお、千葉近辺の書店員・出版社営業が催した酒飲み書店員大賞の第2回の受賞作でもあります。

第16回小説すばる新人賞 受賞作:笑う招き猫/山本幸久

category: や行の作家

tag: OPEN 70点 山本幸久 小説すばる新人賞 酒飲み書店員大賞

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第8回小説新潮長編小説新人賞 受賞作:太陽がイッパイいっぱい/三羽省吾

太陽がイッパイいっぱい
(あらすじ)
バイト先の解体現場に人生のリアリティを見出した大学生のイズミ。巨漢マッチョ坊主カンや、左官職人崩れで女性に対し赤面症の美青年クドウ、リストラサラリーマンのハカセなどと働く「マルショウ解体」の財政は逼迫し、深刻な問題が……。

answer.――― 81 点
投稿時の『ハナづらにキツいのを一発』から出版に際して『太陽がイッパイいっぱい』と爽やかに改題された本作。その概要は、生温い大学生活から解体現場のアルバイトに身を投じれば、「労働って素晴らしい!」と汗水垂らして底辺の同僚たちと帰りにビールを煽る、刹那のイッパイいっぱいな青春模様を描くもの。基本的には連作短編の章構成で、主人公イズミの働き先であるマルショウ解体の面々を紹介しながら、草野球、デート、給料泥棒、経営危機など、泥臭くもハートフル、ソーシャル・ブルーなストーリーを展開していく。が、中盤からは実質の主人公交代、本作の主役は無敵の喧嘩師カンとなる。半グレ集団“シックス・クール”との抗争はまさしく怒涛のサプライズで、「カン!カン!!カン、カモ―ン!!!!」と血湧き肉躍る大活劇に読み手の頁をめくる手は止まらなくなる。喧嘩真っただ中の描写も頭一つ、二つ抜けている匠を見せつけてくれるが、個人的には喧嘩前、カンとハラケンの探り合いは珠玉の描写として挙げたい。不良の不良らしい、怜悧かつアドレナリン滾る分析&思考放棄は、書こうと思っても書けるものではない。そんな脇役カンに「ほんで?ややこしいハナシはえぇから、はよ用件ゆうてや」と主役の座を完全に奪われた主人公だが、終盤に垣間見せるナンダカンダで鍛えられているサービスな事実は実に心地良い。作品としての〆めも抜かりなく、社会の「形」を教えてくれる。何の変哲もない若者譚が続く序盤は若干のストレスも感じるが、終わって見れば視界良好!快作と呼ぶ相応しい青春譚、青春小説でした。地味なところで、この汗臭い設定で女性キャラクターの存在感をしっかり出せているのも素晴らしい。出版時期から考えて、版元は関西版『池袋ウェストゲートパーク』として売り出したかったんだと思うが、本家よりも気に入りました。【推薦】させて頂きます。

第8回小説新潮長編小説新人賞 受賞作:太陽がイッパイいっぱい/三羽省吾  【推薦】

category: ま行の作家

tag: OPEN 80点 三羽省吾 小説新潮長編小説新人賞 酒飲み書店員大賞 推薦

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