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第3回酒飲み書店員大賞 受賞作:東南アジア四次元日記/宮田珠己

東南アジア四次元日記 (198x290)
(あらすじ)
会社を辞め、東南アジアへ旅に出た。遊園地にしか見えない教団施設、仏像の迷路、バナナを頭にのせた虎の像など、奇奇怪怪なものが続々登場。しかもその道程は、オンボロバスに乗せられたり、オカマの祭りで股間に危機が訪れたりと、ハイパーデンジャラス!

answer.――― 60 点
旅行エッセイストの著者による「そうだ、東南アジアに行こう!」という脱サラ後の過程を描いた旅行エッセイ。やや滑り気味の書き口がなかなか厳しかったものの、何と言うか、流石はExotic Asia!といった各国の文化の豆知識の紹介には実際、目が点になった。ベトナムにも盆栽の文化はあるようだが、《ベトナムの盆栽はさらに、その岩に五重の塔ふうパゴダや仙人仙女の人形などを配し、全体を箱庭のようにしてしまう》なんてのはその典型。トラブルに巻き込まれ気味な著者の性分と未知の分野を知れるという意味で、読み捨てる分には「可」なエッセイ。

第3回酒飲み書店員大賞 受賞作:東南アジア四次元日記/宮田珠己

category: ま行の作家

tag: OPEN 50点 宮田珠己 酒飲み書店員大賞

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第7回小説すばる新人賞 受賞作:包帯をまいたイブ/冨士本由紀

包帯をまいたイブ_0001 (202x290)
(あらすじ)
バーに勤める男役レズビアンのケイ。でも本当に惚れているのは、店長でやはり男役の麻生で……。セクシュアリティを超えた「純愛」を描く、第7回小説すばる新人賞受賞作。

answer.――― 57 点
第7回小説すばる新人賞受賞作。内容としてはセクシャル・マイノリティ―――レズを題材にしたもので、属性として「タチ(性行為でいう能動的な側)」を主人公に担わせ、タチ同士の、ある種の変則的な純愛を描いていく。仕掛けとしての面白味は、表題でも採用されている《包帯》。ミスリードの形で、読み手は想定外の《イブ》を知ることになる。が、それ以外には特に言及したくなるような感想は浮かばず。ただ、金魚をマ♀コに突っ込んだプレイはなかなか衝撃的。実際にそういうプレイがあるのかしらん?

第7回小説すばる新人賞 受賞作:包帯をまいたイブ/冨士本由紀

category: は行の作家

tag: OPEN 50点 冨士本由紀 小説すばる新人賞

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第5回小説すばる新人賞 受賞作:砂時計/吉富有

砂時計_0001 (201x290)
1.砂時計
2.アサンブラージュ
3.地図上の海

answer.――― 59 点
かつて母と蒸発した父の同僚から届く「母を見舞って欲しい」という手紙―――ローオフィスで働くヒロインは両親たちの過去を知ってなおCoolに、そして、ポエムのように綴る。作中、マドンナ、グロリア・エステファン、アニタ・ベイカーという《記号》を持ち出して作品世界を飾っていく“お洒落”な作風だが、今なお売上的に“現役”である例外中の例外のマドンナを除けば、その効能は推して知るべし。アニタ・ベイカーの歌を引用されたところで、(……誰?)とならなければ良いほうだろう。出版は93年とバブル崩壊の時期ながら、世界でも稀な、かつてない好況を謳歌した世で思春期―――己の感性を育んだのが解かる作品。そういう意味では、貴重と云えば貴重。ここには“Cool”だった文章があるのだ。表題作の他、中編を二編収録。

第5回小説すばる新人賞 受賞作:砂時計/吉富有

category: や行の作家

tag: OPEN 50点 吉富有 小説すばる新人賞

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第4回小説すばる新人賞 受賞作:マリアの父親/たくきよしみつ

マリアの父親_0001 (204x290)
(あらすじ)
魚の活け造りができなくて板前修業を諦めたナイーブな青年「てっちゃん」、不思議な色気を漂わせる美少女「マリア」、そしてマリアの保護者代わりの天才科学者「デンチ」。3人が繰り広げる、不思議な道中記。地球への恋愛小説。

answer.――― 56 点
原発から25kmに住む筆者だから書ける地元目線の真実!と、一時話題になった『裸のフクシマ』の著者たくきよしみつによる小説すばる新人賞の受賞作。本作の執筆の動機は『朝まで生テレビ』での原発論争とのことで、作中でも《真実》とピースフルな想いが説かれる。物語を通して社会へ「主張」する作品の是非は各自の判断にお任せしたいが、しかしそんな主張ありきで作ってしまうと陥ってしまいがちな落とし穴に著者は見事に嵌まってしまった印象。というのも、右翼と警察とヤクザ、そして、国際秘密組織にまで追われている謎の美少女マリアとその保護者デンチはなかなか興味そそる登場人物ながら、二人になし崩し的に関わる普通の人「てっちゃん」を中心にしているため、その描かれ方は《外伝》的で掘り下げが足らない。素直に「マリア」視点、「マリア」始まりで良かったはずだが、その発想を妨げたのが執筆動機―――著者の「主張」を驚きとともに拝聴する「てっちゃん(読み手)」ありき、という話。《外伝》ではなく、まず本編を描きましょう。

第4回小説すばる新人賞 受賞作:マリアの父親/たくきよしみつ

category: た行の作家

tag: OPEN 50点 たくきよしみつ 小説すばる新人賞

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第1回小説すばる新人賞 受賞作:川の声/山本修一

川の声_0001 (203x290)
(あらすじ)
1.川の声
2.寒菊に自転車
3.青梅の雨

answer.――― 55 点
誰が呼んだか、集英社出版四賞のなかでジャンル不問のエンターテイメント小説の公募賞と云えば、小説すばる新人賞。本作はその記念すべき第1回の受賞作……といっても、第1回という手探りの回らしく受賞作は二作あり、もう一つの受賞作『こちらノーム』と比すれば本作『川の声』は《文学》寄りの一作となっている。その概要は、忙しい都会よりうらぶれて地元に戻った主人公に、元クラスメイトの女に銀行強盗の計画を持ちかけられる、というもの。銀行強盗、という田舎を舞台にした非現実的な計画がエンターテイメントとなっているわけだが、淡々と進み、さらりと決行されれば、失恋―――という着地で、特段の面白味というものはない。唯一印象に残るのはその〆め方で、後日、女より届けられた手紙を燃やし、それを「遺灰」と称したことか。《楽しませる》という視点が致命的に欠けているものの、そういう叙情性は拾ってあげても良いと思う。受賞作である表題作の他、短編が二編収録されている。

第1回小説すばる新人賞 受賞作:川の声/山本修一

category: や行の作家

tag: OPEN 50点 小説すばる新人賞 山本修一

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第13回スーパーダッシュ小説新人賞 大賞:ファーレンハイト9999/朝倉勲

ファーレンハイト9999 (205x290)
(あらすじ)
アニメ、漫画、ゲーム、ラノベ、フィギュア―――すべてが規制の対象となった現代。警視庁に新設された“オタクを取り締まる機関”焚書課の高校生捜査官・維刀臥人は、中学生の先輩・奏手イリナとともに違反者を検挙し続けていた。だが、隠れオタクである臥人はその裏で規制に反逆する白亜の聖堂騎士・エルガットとして単身政府に抵抗していた!?

answer.――― 56 点
ヲタクが断罪される日本が舞台―――高校生の主人公(♂)はヲタクを取り締まる職に就きながら、ヲタク文化を愛好する背徳者であり、時にアンチヒーローとなってヲタクの取り締まりを妨害する構図。とりあえず、著者に提示したいのは『鏡』である。生まれついての書き手などいない。誰しも読み手からそのキャリアは始まる。しかし奇妙なことに読み手から書き手に回ったとき、自分が見えなくなってしまう―――自分がどんなものを書いているのか、自覚せず脱稿してしまうことが間々ある。そんな時のために、『鏡』が求められる。百の批評より一つの『鏡』―――「えー?俺の作品ってこんなのなの?……冗談でしょ?www」と、映るのは残酷なまでの現実である。注意事項として、『鏡』は貴方の身内に用意させてはいけない。貴方を無駄に傷つけまいと手心を加えられてしまうからだ。という訳で、関わりのない第三者である私が著者に『鏡』としてお薦めしたいのが、―――と続けたかったのだが、適当なのが思い浮かばなかった。ヲタクが迫害されるコミカルな世界に訪れる謎の美女、大規模なジェノサイドを予告されるミステリアスな進行、辿り着く俺TUEEEE!な大活劇!これが本作の展開だが、この《コミカルな世界》設定からすでに(……面白い)じゃなくて(……このまま読んで大丈夫か?)と齟齬が書き手と読み手の間に生まれている。「核兵器」という作中のスケールを考えると、トンデモな爆弾を導入しているところは買えるが、ラストのどんでん返しは『空色パンデミック1』のようなスマートなイメージならば、実際は『繰り世界のエトランジェ 第一幕 糸仕掛けのプロット』のような、結婚式に「努力は必ず報われる!」と刺繍された特攻服で列席する仕上がりなので、その辺はしっかりイメージを修正しておきましょう。地力はありそうなので、著者には変化球な作風でなく、もっとストレートな作品を作って頂きたい。

第13回スーパーダッシュ小説新人賞 大賞:ファーレンハイト9999/朝倉勲

category: あ行の作家

tag: スーパーダッシュ小説新人賞大賞 OPEN 50点 朝倉勲

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第11回スーパーダッシュ小説新人賞 大賞:暗号少女が解読できない/新保静波

暗号少女が解読できない (202x290)
1.最初で最後のラブレター
2.ひとりぼっちのカイブン様
3.逆立ち歩きのガールズハート
4.三ツ竹山メモワール

answer.――― 56 点
本作の概要は、転校初日、自己紹介に失敗し、孤独を満喫していた主人公に話し掛けてきた暗号好きの美少女との不可思議な暗号解読の日々といったもの。《暗号を解く》というのがセールスポイントなわけだが、その暗号はそこそこに易しいもので(……ほう)と前のめる求心力に乏しいのが難点。また、「Q.どんな話?」「A.ヒロインの出す暗号を解く、……話かな?」とショートショートにも似た内容の割に一編の頁数も多く、《暗号を解く》という着眼点こそ買えるものの、そこに悪い意味でこだわってしまった印象。受賞時期に焦点を当てると、本作の《大賞》受賞は桜庭一樹の『GOSICK ―ゴシック―』シリーズ、米澤穂信の『<古典部>』シリーズの便乗といったところなのだろうが、このクオリティーで《大賞》の冠をかぶせてトレンドにぶつけてしまうのはレーベルのブランドを落としてしまうし、何より、要推敲作品でのデビューは著者のためにならない。主人公のテンションの波、たとえば「暗号の匂いがします」などの章区切りにセンスを感じるので、著者には本作での失敗を糧にして再デビューを目論んで欲しい。

第11回スーパーダッシュ小説新人賞 大賞:暗号少女が解読できない/新保静波

category: さ行の作家

tag: スーパーダッシュ小説新人賞大賞 OPEN 50点 新保静波

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第25回ファンタジア大賞 金賞:心空管レトロアクタ/羽根川牧人

心空管レトロアクタ (203x290)
(あらすじ)
電子機器が廃れ、新たに心空子文明が発展した世界。メカオタクの少年クウゴは、従妹のツグミ一家と平穏に暮らしていた。しかし、人類の敵であり電子文明を滅ぼした根源“邪禍”と呼ばれる化け物がクウゴたちの住む島に出現。窮地を救ったのは、対邪禍戦闘集団“心空機士団”の一人の少女メリナ、そして、世界唯一の武器“ブレイドグラフィー”を起動させたクウゴ本人だった。

answer.――― 58 点
作家というか、これは主に作家志望者に伝えたいことなのだが、作品を下読んでもらって感想を求めると、面白いか否かを訊きがちになると思う―――が、自分の実力を見極めたいならば、まずは何よりも《鏡》を教えてもらうことが大事だと思う。《鏡》とは、すなわち自作と「同等」と見做された作品である。注意して欲しいのは作品の「内容(ex.ストーリー、構成)」ではなく、作品全体の「質」で同等と見做されることだ。また、これは称賛の観点からではなく、disの観点から「同等」の作品を紹介されたほうが後のためになる。というのも、人間、自分を美化しがちだからだ。貴方も20年も生きれば目にしていることは多々あることだろう、……いわゆる《勘違い》というヤツを。《勘違い》はおよそ是正される機会が無い。他人がわざわざ嫌われ役を買って出てくれるはずがないからだ。故に、当事者は結果でのみ(あれ、もしかして俺って……?)と気づく。むしろ、気づければまだ幸運である。だが、気づいたとしても、時間のロスは如何ともし難い。そこで《鏡》である。《鏡》は残酷なまでに現実を映してくれる。現実に己の主観はまったく立ち入る余地は無い。disの観点で《鏡》を紹介してもらえば、「……え!?俺、これなの!?」と驚くことは必至だ。絶対違うよ(笑)と余裕ぶるだけ時間の無駄である。という訳で、著者に《鏡》を紹介するならば『A&A アンドロイド・アンド・エイリアン 未知との遭遇まさかの境遇』ないし『ヒマツリ ガール・ミーツ・火猿』だろうか。両作とも丁寧な作品である。ただ、それ以外に印象に残るものがない。……本作、そんな感じです。まあ、こういう丁寧なデビュー作を創れる著者だと、次作は“勝負作”を創るはずだから、伸びしろを確認する意味で次作を立ち読みたくはなりました。

第25回ファンタジア大賞 金賞:心空管レトロアクタ/羽根川牧人

category: は行の作家

tag: ファンタジア大賞準入選(金賞) OPEN 50点 羽根川牧人

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第25回ファンタジア大賞 銀賞/読者賞:ブルークロニクル/白星敦士

ブルークロニクル (206x290)
1.記憶の無い少女
2.迷子の「取扱い」と「助け方」
3.崩れる嘘と芽生える望み
4.適性の搭乗者
5.ディライヴァ―

answer.――― 59 点
いつの頃からか、ファンタジア大賞に《読者賞》なる賞が設けられていたわけだが、どんな意味合いがあるのか調べてみると、 《ドラゴンマガジンで募集した読者モニターの意見をもとに決定している》とのことだった。なるほど、《読者賞》である。さて、本作『ブルークロニクル』は第25回ファンタジア大賞において《銀賞》とともに、その《読者賞》を授与された受賞作。その概要は、文明が一度滅びた世界を舞台に、「運び屋」として生きる少年リカルに依頼されたのは、謎のコンテナの運搬……その中身は、記憶喪失の少女だった、というもの。味付けは、登場人物たちが「ステアクラスト」なるロボットに搭乗すること。富士見ファンタジア文庫のロボットといえば、やはり金看板『フルメタル・パニック』があるが、そこから長らく後継者らしい後継者が現れていないのは残念なところ。本作もその後継の枠に応募するも、とりあえずのシリーズ「3巻」、その第1次審査であっさりと脱落してしまった。実際、何が駄目だったのか?というよりも、どこを推すのか?にそもそも迷う、ごくごく量産的な内容で、エンタメ溢れるこの御時世では木枯らし吹いて早々に塵芥に埋もれてしまう。<買える>のは、不遇な境遇の主人公が利他に葛藤しながらも、良心に負けて行動を選択していくライトノベルらしい「善性」か。ただ、それを目当てに買う人はいない。人間として、作家として、自身をもっと熟成してから「執筆」という作業に入るべきでは?10年後、どんな作品を書くのか興味はある。

第25回ファンタジア大賞 銀賞/読者賞:ブルークロニクル/白星敦士

category: さ行の作家

tag: ファンタジア大賞佳作(銀賞) OPEN 50点 白星敦士 読者賞

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第23回山本周五郎賞 受賞作:後悔と真実の色/貫井徳郎

後悔と真実の色
(あらすじ)
“悪”を秘めた女は駆除する。若い女性を殺し、人差し指を切り取る「指蒐集家」が社会を震撼させていた。捜査一課のエース西條輝司は、捜査に没頭するあまり一線を越え、窮地に立たされる。これは罠なのか?男たちの嫉妬と裏切りが、殺人鬼を駆り立てる。挑発する犯人と刑事の執念。熾烈な攻防は驚愕の結末へ。

answer.――― 59 点
本作はデビュー以来、無冠のままキャリアを築いてきた貫井徳郎の悲願の山本周五郎賞“受賞”作。元は日本推理作家協会賞の“受賞”を「狙って」制作された背景を持っていたようだが、先に出版した『乱反射』が同賞を受賞(受賞理由:作家としての技量やミステリ界に対する貢献などが加味された。Wikipedia参照)したことで、棚ぼた式に山本周五郎賞を“受賞”出来たのは、著者にとっては嬉しい誤算だっただろう。がしかし、販促賞が作家の知名度を高めるためのツールであることを考慮してみると、本作の“受賞”は失敗だったと思う―――著者の他の本を読みたいと思わせられない故に。女性を殺し、人差し指を切り取る「指蒐集家」の捜査が混迷するなか、主人公の不倫が暴露され……というスキャンダラスなストーリーライン。“受賞”を「狙って」制作されただけあって、男の嫉妬やらの《人間》を描くことに力を注いでいる印象を受けるが、序盤より愛人とパコっているエリートらしい主人公のナルシーな間抜け具合が披露されるように、何を「面白い」、誰を「格好良い」と見定めれば良いのか判断が付けられず、読み手は迷走。そんな迷走をほぼ放置されたまま、主人公は何者かに不倫を暴かれて、同僚、世間に軽蔑され、でも俺は正義を捨てられねえ!あっやべっ、愛人死んでもうた!事件は会議室で起こっているんじゃない!俺の周りで起こっているみたいだ!と、ホームレスになってまで事件解決に勤しむ。……とネタバレ気味に書いてしまったが、要するに、―――「長い」。出来事と受賞「狙い」の《人間》模様が重なり、著者のスペックを超える処理量になっている。何を一番《後悔》しているのか、突き詰めれば、読み手は主人公を通して何を《後悔》するべきだったのか。ご大層な表題『後悔と真実の色』が読書中は勿論、読了してみても霞んだまま。「すでに」不倫しているのではなく、「途中で」不倫を始めたほうが良かったのでは?もっとも、それくらいのアレンジじゃ望むレベルでシンプルにならないが。著者にとって悲願の“受賞”作のひとつなわけですが、間違いなく著者の“代表作”ではないでしょう。

第23回山本周五郎賞 受賞作:後悔と真実の色/貫井徳郎

category: な行の作家

tag: OPEN 50点 貫井徳郎 山本周五郎賞

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第20回メフィスト賞 受賞作:月長石の魔犬/秋月涼介

月長石の魔犬
(あらすじ)
右眼に藍玉のような淡い水色、左眼に紫水晶のような濃い紫色の瞳をもつ石細工屋店主・風桜青紫と、彼を慕う女子大生・鴇冬静流。先生に殺されたいと願う17歳の霧嶋悠璃。境界線を彷徨う人々と、頭部を切断され犬の首を縫い付けられた屍体。異常と正常。欲望と退屈。絶望と救い。

answer.――― 59 点
奈須きのこ、というと未だ世に影響力が残っているのかは定かではないが、「蒼天已死 黄天當立 歳在甲子 天下大吉」なる黄巾の乱の首謀者・張角よろしくビジュアルノベル『月姫』、そして、その原典『空の境界』によって頭の弱いピーターパンたちにナイフを持たせる理由を与えてしまったのは、―――もはや「神」!とばかりに祀り上げられていた00年代前半当時を振り返ってみてもやはり罪深い。ちなみに、そんなピーターパンたちはきっとバタフライナイフが流行ったときも手を出したかったに違いないが、木村拓哉と彼に影響されてソレを所持するいざ面と向かえば頭は下げるくせに心のなかでは社会のクズどもと見下しているヤンキー/チーマーたちへの拒否感から、あのナイフはデザインが……(笑)とか判で押したように言っていたので、俺はそんな光景を目にする度に(……人間、そんな種類はねえんだな)とエニアグラム性格論の証明、その一端を見ていた。さて、ナイフを買いに奔らせただけではないのが、奈須きのこが駆け上がっていった階段の高さである。奈須に続けとばかりに、フォロワーにかこつけた中二病罹患者たちが己のうちで鎖を巻いて封印していた狂気(大笑)を解き放ち、登場人物たちを多重人格に、あるいは精神疾患に、虐待、惨殺、強姦、堕胎などの暗い経歴をバーゲンセールのように付けていった。そうして、俺ハ狂ッテイル!とポエミーな文章で訴え、股の付け根をニョキニョキこじらせて……前振りが長くなったが、本作は「その手」の作品、と。いや、本当に「その手」の作品かどうかは実際に手に取ってみて自分で決めて頂きたいが、とりあえず多くの人にとって本作は食傷に当たって早々にげんなりとするだろう。ただ、何でげんなりするのか?は「……食傷!」と一言で切って捨てないで考えてみても良いと思うけどね。

第20回メフィスト賞 受賞作:月長石の魔犬/秋月涼介

category: メフィスト賞

tag: OPEN 50点 秋月涼介

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第18回メフィスト賞 受賞作:日曜日の沈黙/石崎幸二

日曜日の沈黙
(あらすじ)
「ミステリィの館」へようこそ。もともと当ホテルは密室で死んだ作家・来木来人の館。これから行われるイベントでは、彼が遺したという「お金では買えない究極のトリック」を探っていただきます。まずは趣向をこらした連続殺人劇をどうぞ。20世紀最後の「メフィスト賞」受賞作!究極のトリックを封印したミステリィの館で推理合戦!

answer.――― 53 点
とある助教授が「殺人事件の本ばかり読んでいるんです 」と嘆けば、その嘆かれた教え子は「ミステリィです」と訂正するように、ミステリーに殺人事件は付き物だが、本作では死人は出れども……というアットホームなミステリー。いざ手に取って頁をめくれば、序盤からユリとミリアという女子高生コンビのワキャバカワキャバカした台詞の羅列に閉口すること必至のおバカなミステリー(の予)感満載で、この軽さを(これはこれで……)と楽しめる人と眉をひそめて(……売り物じゃねえ!)と早々に結論づけてそのまま投げる人に分かれると思うが、個人的には後者のほうが大勢を占める気がする。ただ、(どっちがどっちかたまに判別つかなくなる)ユリとミリアという《イマドキ》の象徴が作中の推理を壊していくので、この辺はアンチテーゼ的で存在感があった。バーコードの打たれた縦書きよりも無償の横書き(web小説)が似合う作品です。

第18回メフィスト賞 受賞作:日曜日の沈黙/石崎幸二

category: メフィスト賞

tag: OPEN 50点 石崎幸二

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第9回メフィスト賞 受賞作:QED 百人一首の呪/高田崇史

QED 百人一首の呪 
(あらすじ)
百人一首カルタのコレクターとして有名な会社社長・真榊大陸が自宅で惨殺された。一枚の札を握りしめて……。関係者は皆アリバイがあり、事件は一見、不可能犯罪かと思われた。だが、博覧強記の薬剤師・桑原崇が百人一首に仕掛けられた謎を解いたとき、戦慄の真相が明らかに!?

answer.――― 55 点

高田崇史のデビュー作にして、好評を博すQEDシリーズの第一弾。個人的には題材となっている《百人一首》に興味を抱けず、ただただ退屈だったが、この《百人一首》を例えばプログレッシヴ・ロックやらモダン・ジャズ、ジーンズ、銅版画に置き換えてみると、途端に興味が湧いたので、題材次第の作風にも思う。キャラクター性は垣間見れるものの、全体的には平坦な登場人物たちのやり取りには改善を求めたいが、ともかくマニアックな含蓄ミステリー。気に入る人はこの一作目から気に入ることでしょう。

第9回メフィスト賞 受賞作:QED 百人一首の呪/高田崇史

category: メフィスト賞

tag: OPEN 50点 高田崇史

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第6回メフィスト賞 受賞作:歪んだ創世記/積木鏡介

歪んだ創世記
1.結末
2.挿話
3.過去の消えた男女が現れる
4.割り込み
5.過去を探す
6.ここで「事件」が起こる
7.割り込み
8.消えた死体と西洋扉の問題、或いは、平凡な推理
etc... ...

answer.――― 50 点

「記憶にございません」という言葉を耳にしたのは、例によって国会中継だった気がするが、繰り返されるその言葉に子供心に苛つき、しかし間もなくその意味、その意図を解説されて「……なるほど」と感銘を受けたが、―――さて、「メタフィクション」という言葉がある。「超」「高次な」を意味するギリシャ語の接頭語「メタ」を付けている通り、如何にもキナ臭く便利な言葉で、「これぞメタフィクション!」と銘打てば、あるいは声を大にして誰かが持ち上げれば、読み手はかの張飛益徳に長坂橋で大喝されたかのように安易に放り投げれず、とりあえず最後まで肯定的に読もうとしなければならない。《真犯人は本を閉じた、この本の裏表紙を見るために》―――裏表紙へ誘導するこの文句を読むために、本作はある。そして、俺がその文句を書いた。だから安心していい、……君は読まなくてOKだ。そう、これが「これぞメタフィクション!」なのである。

第6回メフィスト賞 受賞作:歪んだ創世記/積木鏡介

category: メフィスト賞

tag: OPEN 50点 積木鏡介

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第4回メフィスト賞 受賞作:Jの神話/乾くるみ

Jの神話
1.桜の園
2.散華
3.召命の朝
4.受難の姉妹
5.受胎告知
6.再来
7.原罪
8.第四の駒
9.煉獄の門
10.対決
etc...

answer.――― 55 点

『イニシエーション・ラブ』の著者として知られる乾くるみのデビュー作は、何やらミステリーからよもやのSFへと様変わりするメフィスト賞の受賞作らしい受賞作。閉鎖的な全寮制の女子高で起きた変死、ということで、「レイプ」やら「切迫流産」やらのゴシップな話題を提供しつつの百合百合しい気配を序盤から醸し出してくるが、まだ書き慣れていないのが伝わってしまう冗長な文章が読み手の読書を妨害。これは最後まで解消されることなく、10章【対決】の末尾、「ストーリーは成り立っている。細部の辻褄も……」を目にしたところで、著者の一人相撲に付き合ってしまった徒労感が思わずため息となって表れるだろう。という訳で、真面目に読んではいけない作品と前提を置いて、本作、巷では《エログロ》と言及されるが、それは何故かと云えば、犯人「J」の存在故。本作をSFせしめているのもこの犯人「J」なのだが、―――オウイエェア!イエスンハァーイエスイエス!ファックミーイアぇア!オウ〜カモンベイビーイエスイエス!シーッハッーオウ〜!(@これ、文字に起こした人凄いわ……Respect!)といった感じのアメコミに登場しそうな「J」のキャラクター性は嫌いじゃない。映画『キラーコンドーム』を思わせる突飛なアイディアを評価出来るか否か。と書いていて改めて思ったが、「J」はさっさと姿を現すべきだったな。アクション小説としての裾野を広げられたと思う。振り返って、頭を抱えたくなる若気の至り的作品。

第4回メフィスト賞 受賞作:Jの神話/乾くるみ

category: メフィスト賞

tag: OPEN 50点 乾くるみ

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第3回メフィスト賞 受賞作:六枚のとんかつ/蘇部健一

六枚のとんかつ
1.音の気がかり
2.桂男爵の舞踏会
3.黄金
4.エースの誇り
5.見えない証拠
6.しおかぜ⑰号四十九分の壁
7.オナニー連盟
8.丸ノ内線七十秒の壁
9.欠けているもの
10.鏡の向こう側 
etc...

answer.――― 57 点

(……これ、案外と面白いんじゃねえか?)と玉石混交のメフィスト賞の受賞作において、石ころ中の石ころ!と聞き及んでいた身としては、予想外のリアクションを取っている事実に自分でも驚いているが、巻末の解説―――「たんなるゴミである」(笠井潔)&「作者はバカミスを逃げ口上にしているだけ」(村上貴史)―――を読んで納得した。そりゃ、1頁目から2頁目へのような順番に頁をめくる「読み物」として読んだら「ゴミ」でしょうよ。作品としては保険調査員・小野由一を主人公にした連作短編で、《アホバカ・ミステリ》とのレッテルの通り、各短編に施されたトリックが剛力彩芽な力技で、それを馬鹿らしいと呆れるのが醍醐味となっている。がしかし、馬鹿らしいと呆れて楽しめるのは実際問題、上級者の対応なので、僕(私)、一般的な感性!と自負のある方には本作の購読はまずお薦め出来ない。と、ここで冒頭の(……これ、案外と面白いんじゃねえか?)な私の反応に戻らせて頂くと、私が本作を案外なまでに楽しめた理由は《オチから読んでいた》からだ。むしろ、起承転結で云えば、「起」と「結」しか読んでいない。個人的な見解だが、これは読み手のための作品というより、書き手のための作品と見るほうがしっくり来る。特に、キャラクターが確立しているライトノベルで同じネタをすれば、ウケがまた違うと思う。それこそ、―――わたし、気になります!にはピッタリの幕間になるのでは?という訳で、読み方次第の作品。お気に入りは例によって「しおかぜ⑰号四十九分の壁」、「丸ノ内線七十秒の壁」かな?こういう力技は心のどこかで望んじゃうよね。

第3回メフィスト賞 受賞作:六枚のとんかつ/蘇部健一

category: メフィスト賞

tag: OPEN 50点 蘇部健一

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集英社文庫:暗黒童話/乙一

暗黒童話
(あらすじ)
突然の事故で記憶と左眼を失ってしまった女子高生の「私」。臓器移植手術で死者の眼球の提供を受けたのだが、やがてその左眼は様々な映像を脳裏に再生し始める。それは、眼が見てきた風景の「記憶」だった…。私は、その眼球の記憶に導かれて、提供者が生前に住んでいた町をめざして旅に出る。悪夢のような事件が待ちかまえていることも知らずに……。乙一の長編ホラー小説がついに文庫化。

answer.――― 50 点

集英社文庫、そして、角川スニーカー文庫で一癖ある中編、短編を執筆し、着実にキャリアを築いていた乙一が満を持して送りだした初の「長編」小説。当時の乙一は意図的に作風を文庫によって変えていて、集英社文庫ではグロテスクなものを、角川スニーカー文庫ではセンチメンタルなものにし、ファンの間でそれを「黒」乙一、「白」乙一と仕分けられていたが、本作は集英社文庫から出版されたことからも分かる通り、グロテスクな「黒」乙一な作風。初の「長編」ということで気合が入ったのだろう、―――見事に失敗している。おそらく乙一の作品の中で一番「拙い」作品が本作だろう。失敗の原因は、冒頭から挟まれる暗黒童話「アイのメモリー」の存在。この話の質自体は悪いものではないが、本編に実質必要性が無く、その癖、本編に関わっているように描かれるため、挟まれる度に読み手の注意力が(……何が言いたいんだ?)と散漫となってしまう。これならば、省いてしまったほう余程良かった。本作で興味を引かれたのは、眼の移植による影響で成績その他が低下し、ヒロインが親、クラスメイトから現在の自分を完全に否定されること。なかなかの文学的アプローチで、初の長編ならではの挑戦かと思ったが……完全に私の気のせいだった。序盤以外、見事に描かれることなく消えていった。眼の記憶に導かれて遭遇する事件でのグロテスクな描写はニーズを満たせると思うが、展開の拙さは目に余る。これぞ駄作な印象の作品。また、私が乙一に対し、作家としての才能に疑問を抱いたのが本作だったことも付け加えておく。作家には短編、中編は描けても、「長編」を描けない作家がいる。文学の歴史を紐解けば、例えば芥川龍之介がそうであり、乙一もそこに分類されてしかるべき一人だと思っている。

集英社文庫:暗黒童話/乙一 (2001)

category: あ行の作家

tag: OPEN 50点 三大犯罪者 乙一

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第4回GA文庫大賞 奨励賞:空に欠けた旋律<メロディ>/葉月双

空に欠けた旋律
(あらすじ)
百年以上前から泥沼の戦争が続く世界。レイは単騎で敵を撃墜し続ける銀色の魔女、クッキィに恋をした。彼女への憧れから士官学校を卒業後、パイロットとしてクッキィのいる基地へとやってきたレイ。配属早々の戦闘のさなか、敵軍のエースに撃墜されたクッキィを救うため、レイは戦線を離脱する。ところが戦域から離れた場所で、死を望んでいるかのようなクッキィの言動に、思わず告白してしまう。

answer.――― 55 点

駒都えーじのイラストで手に取った、という話が散見される本作は、端的に言ってしまえば、幕下による横綱相撲を真似た失敗作。ストーリーラインはあらすじの通り、泥沼続く戦争でメロディなる呼称のロボットに乗り、やはり終わることのない戦いを続ける青年たちを描く。概してロボットを題材に扱う輩にはヒロイックな悲劇嗜好があるものだが、この著者も例に違わず、登場人物たちにバンザイを強いる。悲劇を取り扱う際に留意しなければならないのは《自分に酔わないこと》。自らの手で登場人物が死ぬ、あるいは殺す、苦しみ、悶える……それは他者の自由を奪い、己へ万能感をもたらす作家の本懐とも云えるが、故に読み手を置いての一人相撲になりがちになる。本作では冒頭から、何て哀しい!何て虚しい!何て悲劇!と登場人物が台詞で半ば言ってしまう完全な一人相撲を展開し、頁をめくる度にうすら寒さ覚える自慰倒錯の仕上がりとなっている。先にこれはネタバレになってしまうが、販促の上ではプラスに働くと考え、打ち明けさせて貰えば、本作は百合小説。そして、それが著者の一人相撲の中で理性を唯一感じることが出来る本作最大の仕掛けとなっている。つまり、主人公のシコシコは実はグチョグチョであり、読みようによっては……まとめると、読む時間が勿体無い作品。ただ、ロボット作品を描く際は、反面教師な作品として一読するのも良いかもしれない。文章はやや背伸びしている印象。とりあえず、著者は自分の「鑑」を見つけないとな。何で売れなかったのか、本人、未だに分からんべ?

第4回GA文庫大賞 奨励賞:空に欠けた旋律<メロディ>/葉月双

category: は行の作家

tag: GA文庫大賞奨励賞 OPEN 50点 葉月双

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第19回電撃小説大賞 大賞:きじかくしの庭/桜井美奈

きじかくしの庭
1.亜由の復讐
2.舞の親友
3.祥子の居場所
4.田路の便乗

answer.――― 59 点

「きじかくし」―――それ即ち、「アスパラガス」。本作を読んでの主だった収穫は、そんな豆知識だった、……終わり。と呆気なく〆るのは天下の電撃小説大賞、その《大賞》受賞作に若干と言わずの後ろめたさを感じるので、作品内容に触れれば、本作は三十路手前の男性教諭・田路を軸に、生徒たちの恋愛、友情、進路など“悩み”を描いていく物語。とりあえず、恋人取られちゃった、親友に裏切られちゃった、というスパイスで各章を編んでいるが、著者が《ライトノベル》というジャンルで何をしたかったのかが「全く」伝わってこないのが本作最大の問題点。ライトノベルと大衆小説のクロスオーバーを狙った、というなら、《ライトノベル》の要素はどこにあるのか?これを著者自身答えられないなら、著者のデビューはもはや《ライトノベル》への害悪でしかない。本作は何のことはない、単なる「大衆小説」だ……それも、かなり出来の悪い部類の。軸キャラクターである田路が三十路前ということで「ちょっと疲れたアラサーたちへ、心を癒すこの一冊」とのことだが、どこに焦点を当ててのこの文句なのかが定まらない。生徒の悩みを幼いと楽しむのか?生徒視点時、「やれやれ」と手助けしてくれる大人な田路に気分を良くしろと?まさか、田路が2章であのMOODYSへ向けて「バコバコバスツアーのシリーズ終了反対!断固反対!絶対反対!!」と声に出しながら新任の女教師と自宅でパコっている場面を笑えと?確かにライトノベルでバコバコバスツアーなんて単語を見掛けるなんて信じられなかった。あの場面には爆笑させてもらった。そんな訳で、電撃小説大賞《大賞》受賞作にもかかわらず、本作が電撃文庫ではなく、メディアワークス文庫からのリリースとなっているのが《大賞》授賞のそもそものポイントなのだろう。読み手にこんな文庫ありますよ、書き手にこの程度で良いですよ、と「メディアワークス文庫」の呼び水として《大賞》を与えられた作品。《ライトノベル》という蓑を被せて、作家としての幼さ、作品としての拙さを肯定させる典型的作品というわけだ。大衆小説としては「下」の「中」のクオリティ、ライトノベルとしては「下」の「下」のクオリティです。ライトノベルを舐めてるって、こういう事を言うんじゃねえの?何でライトノベル作家になろうと思ったの?

* あまりにあまりな作品だったので、ちょっと面白い場面創作しちゃいました(・∀<)☆

第19回電撃小説大賞 大賞:きじかくしの庭/桜井美奈

category: さ行の作家

tag: 電撃小説大賞大賞 OPEN 50点 桜井美奈

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第6回HJ文庫大賞 金賞:サムライブラッド ~天守無双~/松時ノ介

サムライブラッド ~天守無双~
1.婿探し
2.秘めたるもの
3.待人であること
4.御前試合
5.竜の力

answer.――― 57 点

歴史上の人物たちの系譜に己のファンタジーを絡めた作品。ベースとなっているのは安土桃山時代の面々で、主人公は異人の血を引く浅井長政の子孫(♀)。この手の作風は正直好みではないのだが、既知の情報が脳皮を刺激する故か、一定の需要があると見込まれてどこかしらでしぶとく出版され続けている。もっとも、本作の最大の特徴は「障害者」を登用していることだろう。ヒロインの花鳥は(強い)婿を見つけないと代々受け継がれた名門道場が潰れてしまう、ということからのストーリー。しかしヒロインの異人の容姿は避けられて、婿探しは絶望的。諦めかけたその時、身体障害者の旅芸人一座に盲目の天才が……。この少女と見紛う盲目の登場人物が、本作の実質の主役格。ところで障害者を真ん中に配するには、それに相応しい舞台(と力量)が要る。本作ではそれが整っていない。「障害者使いたいな!」という面白半分の発想で、障害者を主役にしている―――中略。著者の性格の悪さを除けば、陰陽道と云えば安倍晴明、と判で押したキャラクターの名前までラストに出してくる、そんじょそこらでよく見掛ける凡作。取り立てて誉めるところはないが、著者がレイプを題材にしたマスターベーションが好きそうなだけに、著者の代理人格と思われる織田信長の子孫がセックスの達人という設定になっているのが、個人的に非常にキモくて面白かったです。

第6回HJ文庫大賞 金賞:サムライブラッド ~天守無双~/松時ノ介

category: HJ文庫大賞

tag: HJ文庫大賞金賞 OPEN 50点 松時ノ介

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第6回小学館ライトノベル大賞(ガガガ文庫部門) 大賞:狩りりんぐ! 萩乃森高校狩猟専門課程/森月朝文

狩りりんぐ!
1.ある日森の中、熊さんに出会った
2.友達四人できるかな
3.ラブと友情
4.鳥獣義科、中間報告
5.梅雨入りの人々
6.泣きっ面にイノシシ
7.後の祭り

answer.――― 55 点

これは酷い、と一言でレヴューを終わらせたくなる作品。この出来で文庫のその年の「顔」となる<大賞>をわざわざ授賞させたとなると、読み手の需要を調べるべく観測気球を打ち上げてきた感さえある。いや、事実、そうなのだろう。ライトノベル・バブルとも云える現在、ヒット作をヒントにワナビーが考え煮詰め、あえてヒットの真逆を進んでエンターテイメントの意味を履き違えることは間々あることだ。ゲームの勇者に憧れ、日本初の狩猟専門課程がある萩乃森高校に入学した主人公(読み手)に待っていたのは、畜害を通して学ぶ命の大切さ。作中、鉈やボウガンでイノシシを殺傷するが、これは著者があとがきでも書いているように犯罪で、現実世界では御法度である。それでも、これを採用したのはエンターテイメント性を高めるためだ。……そう、本作は何が面白いのか、著者自身が把握していないのが最大の敗因。表紙を飾る「熊の神」な幼女が出たり、巨乳、貧乳のヒロインがいたり、事故的ノゾキがあったり、と要素を並べるが、(一応の)作品のテーマは思春期の少年たちが命を奪うことで「命」を感じることだ。だが、……そんな真面目なテーマを誰が好き好む?ライトノベルで真面目をやってみよう、それを作品の出発点にするのが間違いだと分かる典型的作品。そんなに真面目なテーマを扱いたいなら、登場人物全員にまず眼鏡を掛けさせてみろ!お前にはそういう度胸と覚悟が無いんだよ!唯一、畜害を扱ったところはオリジナリティとして評価は出来なくもない。

第6回小学館ライトノベル大賞(ガガガ文庫部門) 大賞:狩りりんぐ! 萩乃森高校狩猟専門課程/森月朝文

category: ま行の作家

tag: 小学館ライトノベル大賞(ガガガ文庫部門)ガガガ大賞 OPEN 50点 森月朝文

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第1回小説新潮長編小説新人賞 受賞作:あなたへの贈り物/和泉ひろみ

あなたへの贈り物
(あらすじ)
白人の血を引く女医である主人公が、自分で考えて行動していく様子を、丁寧に、そして誠実に描く。生まれながらにして男女平等の考えを持つ彼女が、仕事と家庭に苛立ちながら選んだ生き方とは……?

answer.――― 58 点

あらすじは、共働きの夫婦が育児疲れをキッカケに夫が不倫を起こし、妻が思い悩んだ末に離婚する、というもの。この一連の流れにはエンターテイメントらしいエンターテイメントは不倫相手がスーツの綻びを直すなど姿を見せずに挑発、やがて直接接触してくること、夫の実家に乗り込んで姑を味方に引き入れることくらいで、娯楽作品としては事実上、成立していない。Wikipediaには小説新潮長編小説新人賞は<娯楽作品を対象>と記載されているが、実際は<文学賞>の趣きがあるようだ。あるいは、応募作群がその水準に達せず、仕方なく賞の「格」を維持する消極的な方針として本作を受賞させたのかもしれない。この辺は以降の受賞作群を読んでみないことには分からない。さて、<文学>として読むとすると本作の旨みは、やはり妻が離婚に踏み切るまでの自己分析の過程。視点は医師の妻を基本に、変化球として独善的な姑の視点を挟む。また、家庭以外の舞台として妻は終末医療に関わる。そこで患者夫婦の絆を目の当たりにして自己を振り返る仕組み。……うーん、このレヴューを書いていても、やっぱり「典型的」過ぎる。文学には<謎>……何故、そんな行動を取るのか?が必要だと思うが、妻があまりに冷静に分析してくれるのでそれが無いのも頂けない。夫の不倫相手が可憐なフリして全然可憐じゃないのを男子諸君に理詰めで教えてくれるのが良いと云えば良いか。私は女の子は好きなのだが、異常なまでに女「性」嫌いなので(女「性」を認めない)、そこに関しては得るものはないが、確かに大概の男は引っ掛かっているので、そんなオッパッピー男子は読んで損はないかもしれない。

第1回小説新潮長編小説新人賞 受賞作:あなたへの贈り物/和泉ひろみ

category: あ行の作家

tag: OPEN 50点 和泉ひろみ 小説新潮長編小説新人賞

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第15回スニーカー大賞 ザ・スニーカー賞:ヒマツリ ガール・ミーツ・火猿/春日部タケル

ヒマツリ
1.プロローグ
2.猿、憑く
3.猿、猛る
4.猿、消える
5.猿、還る
6.エピローグ

answer.――― 58 点

天然ドジっ娘をヒロインに据えた、巷に氾濫する『とある魔術の禁書目録』のフォロワー―――なんてあっさり括ってしまうと、著者近辺は遺憾の意を表明してくるのだろうか? それでも、よくある<異能力バトルもの>には違いなく、作品のセールスポイントはやはり異能同士の戦闘シーンに比重を置く捉え方で良いだろう。その戦闘シーンは構成上の配置は上々的確ながら、その他大勢の囲みを突き抜けず……な印象。やはり、この手の作品は質の高低に関わらず、ライトノベルにおいてはもう事実上の「飽和」の域に達している。こうなってくると、同系統の作品を推してきたところでセールスは緩やかでも確実に下がるので、各出版レーベルは新ジャンルの確立にスクラムを組んで対応して欲しい!と目糞鼻糞的エールを送ると、<ゾンビブーム>なんて起こしてポシャッてくれるので、未だ地に伏している新人作家さんに期待だ。本作の独自色は、表題にもあるように<火猿>と呼ばれるマスコット。おそらく中国の古典『西遊記』は孫悟空をベースにしたと思われるキャラクターで、バッドボーイ風の愛嬌のある口の悪さがなかなかにチャーミングだ。キャラクター作りはそこそこにセンスを感じるので、本作をシリーズにすることに拘らず、著者には次回作で弾けて欲しい。点数はフォロワーが氾濫している分を差し引き。作品的には、「ザ・普通」の仕上がり具合。

第15回スニーカー大賞 ザ・スニーカー賞:ヒマツリ ガール・ミーツ・火猿/春日部タケル

category: か行の作家

tag: スニーカー大賞奨励賞 OPEN 50点 春日部タケル

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第14回スニーカー大賞 奨励賞:A&A アンドロイド・アンド・エイリアン 未知との遭遇まさかの境遇/北川拓磨

アンドロイド
1.新月の出会い
2.転校生 月夜野イリヤ
3.経験アップデート
4.ミステリアス・ビーイング
5.アンクロックワーク・ハート
6.エピローグ

answer.――― 56 点

典型という言葉がある。辞書で引いてみれば、<基準となる型。模範。手本。>と説かれるこの単語が、残念なほどに寝そべるのが本作。「未知との遭遇」、副題にも採用されているこの演目はライトノベルの源流と云えるSF作品にて数多扱われているが、ライトノベルという支流においても脈々と継がれている。本作もそこに汲みするわけだが、―――ここで「典型」である。設定はこの際、目を瞑ろう。人類皆、文化人!というある種異常な現在では、オリジナリティを出すのは難しいものだ。そこは折れよう、妥協する……だが、展開くらいは努力の一つや二つでどうにかなるもんじゃなかろうか?本作、0(zero)アレンジとも烙印したくなる「典型」的展開が広げられる。引き合いに出したいのは、本作の発売一年前に発表されたGA文庫の『這いよれ! ニャル子さん』。設定はまたまた目を瞑るとして、序盤、<展開>がコピーしたかのようにそっくりクリリンである。別に参考にした訳ではあるまい、ただ、著者が描いた「未知との遭遇」の自然な展開がGA文庫の看板作品と重なったのである。典型、本作は最初から最後までそれに貫かれた著者の習作と捉えるのが正しい。作品として仕上げるなら、作中で主人公交代(幼馴染みが主人公になるとかね)を起こすくらいの「転」が無いとダメよ。ただ、文章は破綻していないのでアレンジを一生懸命勉強していけばプロになれる可能性もあるぞ―――頑張れっ!

第14回スニーカー大賞 奨励賞:A&A アンドロイド・アンド・エイリアン 未知との遭遇まさかの境遇/北川拓磨

category: か行の作家

tag: スニーカー大賞奨励賞 OPEN 50点 北川拓磨

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第11回スニーカー大賞 奨励賞:繰り世界のエトランジェ 第一幕 糸仕掛けのプロット/赤月黎

操り
1.二つの出会い
2.潜む蟲
3.刃の温もり
4.黒い告白
5.蟲遣い
6.操られた物語
7.果たして人形は

answer.――― 59 点

読者にとってのキャラクターの鮮度次第で、評価が分かれそうな作品。オリジナリティ云々を引き合いに出すと、ライトノベルというジャンルそのものを否定することになると思うが、本作はあちこちで見掛ける「どこかで見たような……」設定が最大のセールスポイントになっているだけに、読者としてある種の踏み絵を要求される。全身に108本の名刀を仕込んだヒロインAやら、メイド姿のキリングマシーンなヒロインB、万物を操る糸遣いの主人公やら、腸が飛び散るような殺害現場など、何かと派手な設定は既視感こそあれ、目を惹くのは間違いない。前述の通り、キャラクターの鮮度の問題さえクリア出来れば楽しめるはずだ。いただけないのは、文章構成の拙さ。改行を経ての場面移動はまさにブツ切りで、かなり目に余る。これが気になってくると、クレーム意識が芽生えて、あれこれと呑んだ部分までケチをつけたくなる(ex.ダブルヒロイン、失敗してるよね?)。語彙の多寡はともかく、文章構成に関してはまだまだアマチュア。プロ意識が足りないと思う。デビュー作だから仕方ない面はあるだろうが、今後も研鑽の目を向けて欲しい。ラストの付け足したような主人公の発狂は、個人的に見慣れないパターンなのでプラスに受け取った。

第11回スニーカー大賞 奨励賞:繰り世界のエトランジェ 第一幕 糸仕掛けのプロット/赤月黎

category: あ行の作家

tag: スニーカー大賞奨励賞 OPEN 50点 赤月黎

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第10回スニーカー大賞 優秀賞:レゾナンス 1.夕色の墜落/山原ユキ

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1.悪霊の存在
2.鳥
3.側面を語るものたち
4.たとえ偽りでも静穏な日々
5.雨の午後、きみをさがして
6.精神寄生体

answer.――― 58 点

脳の中、精神に寄生された「何か」を持つ主人公が、同じくその「何か」に寄生された者が起こす怪事件を解決する物語。捜査が杜撰だったり、推理が前提無く進んだり、唐突に現れた新キャラクターが物語の核に関わる人物だったり、と総じて粗いクオリティ。その上でバッドエンドなので、<受賞作だから読む>など外的な目的意識を持たないと読み込むには厳しい作品。登場人物が「何か」に寄生されているだけあってサイコとなる部分もあり、この辺も人を選びそうだ。突き詰めて断じれば、読んで誰が得する話なのか?と。本作は作者自身の、おそらくはセラピーの色合いが強い。何かにつけて<壊す>ことを念頭に置いているのが証左だろう。「1」とナンバリングして、5年が過ぎた今でも「2」が出ないのもセラピーが書く動機だからだ。そう、この作者、本質的にアマチュアなのだ。そして、おそらくこれからもプロとして書く気はないだろう。だから「2」が書けない、あるいは書け切れない。本作は書いた人が得する話であって、読んだ人が得する話ではない。終盤の心情描写だけはセラピー作品だけあって雄弁だ。作中、ライトノベルには珍しくSEXをする。作者自身は気づけないだろうが、これは己のセラピー上、どうしても描きたかった筈。さて、なーんでだ?仮に答えに気づいても、作者は恥ずかしさのあまり手首は切らないでね。同じバッドエンドでも、電撃文庫の『火目の巫女』とは違います。

第10回スニーカー大賞 優秀賞:レゾナンス 1.夕色の墜落/山原ユキ

category: や行の作家

tag: スニーカー大賞優秀賞 OPEN 50点 山原ユキ

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第3回GA文庫大賞 奨励賞:ブラパン!/笠原曠野

ブラパン
1.トラウマ仕掛けのメリケンサック
2.英国紳士は華麗に嗜む
3.燃えるバンカラ 漢道を行く
4.広がる宇宙に誕生せしモノ
5.神、地にいまし 世は全てこともあり
6.CURE

answer.――― 54 点

「月刊ブラカマン」を読みたいなぁ……で、レヴューを終えちゃ駄目ですかね?著者のあとがきによれば、天海亜弓はおっぱいが大きい、なる冒頭の一文を書けただけで満足したらしい本作は確かにそれで終わっても良かったと思えるライトノベル。本作は基本、<おっぱい>のみで読者の関心を引こうとしているのだが、その癖、おっぱいを不良たちに揉みしだかさせるとか、Yシャツを引きちぎられ罵声を浴びせてくるヒロインをぶん殴って無抵抗になったところをハアハア猟奇的に興奮しながらパイズリさせ、そうして、その谷間でヒャッハー!と射精、顔に引っ掛かったザーメンに舌を一生懸命伸ばさせて嚥下させるとか、……とりあえず、<おっぱい>という単語しか書けない作家のくせに、そういう下衆な仕事さえもサボっている。文章的な難は本作のオリジナリティに挙げられるだろう<ブラカマン>なる設定の説明が非常に遅く(且つ、説明不足のため)、ブラカマン、ブラカマンと連呼されてもただ冷めるばかりだった。イラストレーターのNardackによる<おっぱい>が良質だったので、エロ本を買えない、携帯、PCを開けない小学生がこっそり自慰するために役立てるだろう推測から50点台をプレゼントしてあげた。建設的なアドバイスを贈るなら、<ブラカマン>の設定はそれこそ冒頭に持ってきたほうが良い(ex.コンビニのエロ本コーナーの横には、少年誌とともに月刊ブラカマンという雑誌がある。谷間にスイカバーを突き立てて笑うFカップの人気グラビアイドルの表紙に釣られて、……とか前置いてよ)。……アホらし、駄作。B級を狙うのは良いが、キチンとB級に仕上げてこい。本物のB級作品に失礼だ。ちなみに、「月刊ブラカマン」とは作中にあるらしいブラカマンを紹介する雑誌です。え、ブラカマンって何だって?知りたかったら、俺と同じように時間を無駄にして読んでみてください哉。

第3回GA文庫大賞 奨励賞:ブラパン!/笠原曠野

category: か行の作家

tag: GA文庫大賞奨励賞 OPEN 50点 笠原曠野

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第7回MF文庫Jライトノベル新人賞 佳作:オーバーイメージ 金色反鏡/遊佐真弘

オーバーイメージ
1.征白浸色
2.漆黒鋭剣
3.金色反鏡
4.誠孤焔舞
5.想像と現実

answer.――― 55 点

著者の意識の有無にかかわらず、各設定は『とある魔術の禁書目録』『アクセル・ワールド』―――電撃文庫が敷いたライトノベルの表通りに軒を連ねるこの二作品の影響下にて制作されたのが分かる。著者は本作の投稿時はまだ高校生だったようで、自分の好きな作品を己のうちで消化(&昇華)しないまま書いてしまったようだ。アレンジらしいアレンジは表紙を飾るパツキン転校生と幼馴染みキャラクターを巨乳にした程度で、目新しいオッパイプレイも無し。それこそこのレベルの作品は我こそは……!と書店にネット、どこにでも目に留まりきらないほどあるので、わざわざ本作を手にレジに向かう必要はないだろう。残念なことに出版されているわけだが、これは<習作>として扱うべきもので著者は本作の受賞を断るべきだったと思う。もっとも、――目標にしている作家はいますか? 尊敬してる作家さんは沢山いますが、目標にしてる方はいません。 目標にしちゃうと、その人を目指しちゃって、その人の真似ばかりするようになってしまうので。(参照:ラノベニュースオンライン) ―――と答えてしまっているように、無自覚のようだから仕方ないか。凡庸ながらも読みやすい文章には〇を付けても良い。

第7回MF文庫Jライトノベル新人賞 佳作:オーバーイメージ 金色反鏡/遊佐真弘

category: や行の作家

tag: MF文庫Jライトノベル新人賞佳作 OPEN 50点 遊佐真弘

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MF文庫:緋弾のアリア/赤松中学

緋弾のアリア
1.弾籠め
2.La bambina da I`ARIA
3.神崎・H・アリア
4.強襲科
5.前髪の下
6.オルメス
7.La bambina da I`ARIA...
8.エピローグ

answer.――― 55 点

現在、MF文庫アニメ枠を使用して絶賛放映中の本作『緋弾のアリア』。このレヴューで言い訳Maybeするのもなんだが、MF文庫に馴染みがなく、男一人に周り全部が女の子だから「……フツーかな?つまんねえけど」と主人公の置かれたハーレムな状況だけで60点と配点し、楽しんでしまった『IS<インフィニット・ストラトス>』―――本作と読む順番が逆だったら、配点も逆(55点⇔60点)だった。これが噂に名高いMF‘もきゅもきゅ'文庫―――なるほど、本当に皆、中身は同じなんだな!概要としては、主人公がモテてて、複数の女の子がいて、皆、学生だけどアサシンだったり、スパイだったりして、実は創作上の有名人たちの子孫で、結局、俺は火影になるってばよ!←関係ない。何を楽しめば良いのかといえば、やっぱり主人公がモテてることと、強い女の子が裸で「見るなー!」とか恥じらってることかな。うーん、そろそろ新しいパターンねえかな?主人公がチ♂コ出して「見るなー!」とか叫んでいる姿を録画しているヒロインの親友とか。いや、21世紀ならもう溢れてるかそんなパターン。楽しめました(このレヴューを書くのが)、もきゅもきゅfeat.平松可奈子(SKE48)。

MF文庫:緋弾のアリア/赤松中学  (2008)

category: あ行の作家

tag: OPEN 50点 赤松中学

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第10回スーパーダッシュ小説新人賞 大賞:くずばこに箒星/石原宙

くずばこに箒星
1.掃きだめに鶴
2.雉も鳴かずば撃たれまい
3.アンデスのハチドリ
4.足元から烏
5.鷲は鳩を孵さない

answer.――― 56 点

「タイトルに惹かれて」「イラストに惹かれて」のビビビッな一期一会、「古典だから」「有名だから」の下策はとりたくない百聞一見、「もしや……!」「これは……!」の財布から虎の子放り出す虎穴虎児、そして、「課金、課金」「神だから」のもはや惰性の延命措置と、人によって本への手の伸ばし方は様ざまだと思うが、私は基本的に一人の作家を追うことはなく、作家の「処女作」とその「代表作」しか読まないようにしている。「処女作」はその作家の端的な才能を求めて、代表作は世間体を意識して(デビュー作が処女作じゃねえんですけど<丶`∀´>に関しては、こう返すわ―――「処女作」は必ず出版される)。そんなこんなで世の中には読む時間が勿体無いくらいに本が溢れ過ぎている。もっと、しっかり選別しようぜ!と。さてさて、本作は記念すべき第10回スーパーダッシュ小説新人賞《大賞》受賞作。その概要は、テストの成績から日頃の行いまで採点する序列システム「グレードチェア制度」が特色の星了学園を舞台に、「No.2」に甘んじる裏のあるエリート・福山英知が“学園の屑”おそうじ部へ潜入し、……というもの。とりあえず、結論的に言えば、焦点が絞り切れていない情緒不安定なお花畑ライトノベル、……失格!なのだが、本作の続刊には興味が湧かないものの、著者の「次作」には期待したくなる作品となっている。というのも単純に語彙が豊富で、自作のフレーズも散見、要は作家としての《伸び代》を感じるからだ。ライトノベルの肝である台詞回しこそ改善して欲しいものの諸所で《化ける》資質を感じるが、一目で分かる厚顔な頁数の通り、取捨選択が出来ていない。結局、誰の「どんな」話なのか?これはごくシンプルな話のはずだ。ラストの「スターライトパレードさえ主人公に見せれば良い」ストーリー。変人揃いの上位席者、おそうじ部の面々さえも、本作に実は「要らない」。取捨選択するために、変えてはいけない部分を自覚しましょう。

第10回スーパーダッシュ小説新人賞 大賞:くずばこに箒星/石原宙

category: あ行の作家

tag: スーパーダッシュ小説新人賞大賞 OPEN 50点 石原宙

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