ナマクラ!Reviews

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Standing on the Shoulder of Giants/Oasis (2000)

Standing on the Shoulder of Giants
1. Fuckin' in the Bushes
2. Go Let It Out
3. Who Feels Love?
4. Put Yer Money Where Yer Mouth Is
5. Little James
6. Gas Panic!
7. Where Did It All Go Wrong?
8. Sunday Morning Call
9. I Can See a Liar
10. Roll It Over

Price Check.――― ¥ 150

高校時代、洋楽にかぶれ、ヘッドバンギングに勤しんでいた私だが、メタルが《ダサい音楽》だと言うことは周囲の反応から若干察していたものの、まだまだ現実を受け入れず、超Coolだぜ!hail!!と日々を過ごしていた。が、無意識下で防衛本能が働いたのか、メタル以外の音楽にも精通しておこうと、―――メタルは買うモノ、それ以外は借りるモノ!という方針を定め、友人/知人/TUTAYAのお世話になっていった。そんな私にとって、初めてのOasisが本作。リリース当時流行していたエレクトロニカを推し出した作風で、ややと言わず、Oasisのディスコグラフィでも異彩を放つ実験的なアルバムなのだが、初めて聴く身からしてみればそんなことは解るはずもない。ふわふわと浮遊感を得るロック(要するに、サイケデリック・ロック)に、……趣味じゃねえな!と切って捨てた記憶が残っている。それでも、ドラムループ、サンプリング、メロトロンなどエレクトロニカな本作を象徴するリードシングル②は新機軸にもかかわらず、OasisらしいOasisと言える一曲で耳を惹いた。インド色豊かなジョージ・ハリスンな③、これぞサイケデリック!な⑥も面白い。1st&2ndに憑りつかれていた当時のファンは前作に引き続き「……コレじゃない」と首を振ったが、改めて聴いてみると新しい発見があってスルメなアルバムだと解る。個人的に、改めて聴き直してみるとインストゥルメンタル①が意外なまでに攻撃的(ドラムがOasisとは思えない抜けの良さ)で気に入りました。「弟」リアム(Vo.)が初めて作詞作曲を手掛けた⑤も特記事項と云えば特記事項。

Standing on the Shoulder of Giants/Oasis (2000)

category: O-U

tag: MUSIC 250円

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Be Here Now/Oasis (1997)

Be Here Now
1. D'You Know What I Mean?
2. My Big Mouth
3. Magic Pie
4. Stand By Me
5. I Hope, I Think, I Know
6. The Girl In The Dirty Shirt
7. Fade In-Out
8. Don't Go Away
9. Be Here Now
10. All Around The World
11. It's Gettin' Better (Man!!)
12. All Around The World (Reprise)

Price Check.――― ¥ 100

衝撃の1st『Definitely Maybe』、世界を制した2nd『(What's the Story) Morning Glory?』―――立て続けに90年代を代表する《名盤》を世に届け、口を開けばゴシップ誌を喜ばせたギャラガー兄弟率いる大英帝国の至宝Oasis。しかし栄華を極めていたそのキャリアを文字通り、地におとしめたのが本作『Be Here Now』。「Rock 'n' Roll Star」、「Hello」……これまでリリースされたアルバムの冒頭を飾ってきた軽快なR&Rから一転、(……おや?)と首を傾げたくなる8分近い大曲①からして生々しく不吉だったのは、きっと皆さんも御存知のことだろう。そして、次の曲に移る度にその(……おや?)がひとつ増え、ふたつ増え、結局、(……おやおやおや?)とどこまでも増え続け、Oasisの栄華の幕が呆気なく閉じられることも。バンドのメインソングライターである「兄貴」ノエル・ギャラガー(G.&Vo.)が自ら事ある毎に「失敗作」と扱き下ろすように、あの1stとは、あの2ndとは何だったのか!?と問い詰めたくなる退屈な楽曲が並ぶ。後に発売されるライヴアルバム『Familiar to Millions』、ベストアルバム『Stop the Clocks』でも、本作の楽曲が見事にピックアップされていない事実は納得しつつも、まさに瞠目に値するだろう。この箸にも棒にも引っかからないB面な曲のなか、上記のライヴアルバムでも採用された故ダイアナ姫に捧げられた④だけはイントロのギターからして(……おっ!)と思わせてくれるものの、……これだけじゃ「救い」にはならないよね。Oasisの入り口としては最低最悪のアルバム。絶対に本作から聴かないように注意し(ていき)ましょう。余談だが、「弟」リアム(Vo.)はこのアルバムをフェイバリットに挙げ、「兄貴」が必要以上にこき下ろしていると主張しているのが個人的に二人の性格の違いが出ていて面白く感じる。

Be Here Now/Oasis (1997)

category: O-U

tag: MUSIC 100円

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(What's the Story) Morning Glory?/Oasis (1995)

Morning Glory
1. Hello
2. Roll With It
3. Wonderwall
4. Don't Look Back In Anger
5. Hey Now!
6. Untitled
7. Some Might Say
8. Cast No Shadow
9. She's Electric
10. Morning Glory
11. Untitled
12. Champagne Supernova

Price Check.――― ¥ 1000

《Oasisのアルバム》とは、1st『Definitely Maybe』と2nd『(What's the Story) Morning Glory?』を指す。……なんて乱暴にくくってしまっても、ファンからもさして異論が出ないことが予想されるように、Oasisと云えば『Definitely Maybe』と『(What's the Story) Morning Glory?』、この2つのアルバムに集約される。そして、どちらも《代表作》ではあるものの、全曲シングル・カットも検討された!なんて噂に真実味を感じしてしまう「Untitled」を除けば、実に10曲中6曲のシングル・カット!なんて横暴がまかり通ってしまった事実が燦然と輝く本作『(What's the Story) Morning Glory?』こそOasis入門に相応しいアルバム。とにかくメロディアス、とにかくキャッチ―。臆面ないゲイリー・グリッターな引用を堪能出来る①、Blurに遅れを取った②と軽快なR&Rを続け、満を持しての代表曲③「Wonderwall」、Imagineなイントロを彼方に葬り去るアンセム「Don't Look Back In Anger」の畳み掛けで、本作がロック史に名盤中の名盤と刻まれることを確約させる。以降の楽曲もその後の彼らの作品に収録されようものなら中核を成す曲としてピックアップされるだろうブリリアントな逸品で、文句のつけようがない。上述のOasis入門だけと云わず、洋楽入門にも相応しいアルバムと云える。本作……ではないが、③に関して思い出に残っているのは、友人の「バックのストリングス―――チェロを聴いている」なる言及。指摘されてみて、確かにどっちがこの曲の《本質》なんだろうね?と以来、疑問に思い続けています。

(What's the Story) Morning Glory?/Oasis (1995)

category: O-U

tag: MUSIC 1000円

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Definitely Maybe/Oasis (1994)

Definitely Maybe
1. Rock 'n' Roll Star
2. Shakermaker
3. Live Forever
4. Up In The Sky
5. Columbia
6. Supersonic
7. Bring It On Down
8. Cigarettes & Alcohol
9. Digsy's Diner
10. Slide Away
11. Married With Children

Price Check.――― ¥ 650

大英帝国の至宝Oasisの衝撃の1stアルバム。本作(に限らず、Oasis)に関しての言及は諸所で語り尽されているだろうから、ごく個人的なことを述べさせて貰えば、メイン・ソングライターであるノエル・ギャラガ-(G.&Vo.)の、バンドのクラシック①「Rock 'n' Roll Star」(そして、⑧「Cigarettes & Alcohol」)に対しての言及―――「俺が書きたいことは全て、この曲に書いた」は、今でも曲そのものよりも面白く響く。続く彼の言葉は「誰か歌詞を書いてくれ」なわけだが、ここから抱く疑問は《人間》に繋がっていくように思えて、一つのキッカケとしてアーティストのインタヴューを読む習慣が身に着いた。自意識過剰なロックスターたちのインタヴューは実に興味深く、読んでみれば誰も彼もが自分が(そして、自分が手掛けた曲が)如何に特別なのかをアピールするが故に、「逆に」、彼らがよくいる者であり、彼らの曲はよくある曲であることを証明してしまう不可思議なリアリティを目の当たりに。何が本物で、何が偽物なのかを見分けることは難しいことではあるが、謙遜とは違う、己を唾棄する言葉にもある種の真実を見い出せることが解った。Maybe……!と第一声でエバーグリーンに輝かせる代表曲③、ドラムのイントロが病みつきになる⑥、「ご先祖」ポール・マッカートニーもお気に入りらしい⑩など、1stにして完成されたイギリスの90年代を代表する名盤。ところで邦題が『オアシス』のために、原題『Definitely Maybe』が目に耳に馴染むまで時間が掛かったのはきっと俺だけではないと思う。

Definitely Maybe/Oasis (1994)

category: O-U

tag: MUSIC 750円 代表作

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LAST DANCE/BLANKEY JET CITY (2000)

last dance
(内容)
横浜アリーナで行なわれたラスト・ライヴから初日の模様を完全収録。ファンにとっては忘れられないメモリアル・ライヴをたっぷり楽しめる必須アイテム。ライヴでしか鳴らされない隠れた名曲「BABY BABY」収録。

Price Check.――― ¥ 500

<LAST DANCE>と銘打ったバンド最期の公演(よく注釈されている通り、本当の最期はフジロックだが、バンド主催の単独コンサートはこれが最後)を収録した2枚組ライヴアルバム。最高のアルバム『HARLEM JETS』からのナンバーを中心にしながら、主だった代表曲はすべて収められているセットリストはBEST盤としても活用出来る豪華なもの。演奏面でミス(別に構わないのだが、Disc 2の⑧はClassic並みにカッチリ決めて欲しかった)はあれども総じてテンション高く、何よりDisc 1の⑤やDisc 2の⑥での観客の自作自演とも云えるシンガロングな熱狂が良い。ライヴで目立つのは、やっぱり中村達也(Dr.)の存在感。ベンジーのヘロヘロのギターを釘打つように叩きつけて、その都度、バンドの体裁を整えてくれている。もちろん、Ahhhhhhhhhhhhhhhhhh!の照井利幸(B.)も良いけど、目立つのはね。昨今はDVDなりでの映像で「聴く」のが主流になって、ライヴアルバムの名盤が生まれにくい状況ではあるが、2枚組というボリュームと充実したセットリスト、ライヴの背景(解散)、何よりライヴならではの音が詰め込まれた本作は、ライヴアルバムの名盤に数えられるクオリティ。あ、ライヴでしか演奏されない隠れた名曲「Baby Baby」を、―――こういう気分で、と紹介して収録。そんな意味でも、稀少価値が高いアルバム。

LAST DANCE/BLANKEY JET CITY (2000)

category: A-G

tag: MUSIC 500円

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HARLEM JETS/BLANKEY JET CITY (2000)

Harlem Jets
1. SEA SIDE JET CITY
2. CAMARO
3. ADVENTURE OF GOOFY
4. PANTERA
5. SALINGER
6. 不良の森
7. SWEET DAYS
8. 動物実験撲滅ソング
9. DERRINGER
10. リス (STRIPヴァージョン)
11. COME ON

Price Check.――― ¥ 300

私見だが、ロックスターには「元よりそうであった」人と、それを「自覚的に演じる」人がいると思う。たとえば前者はベンジーこと浅井健一で、たとえば後者は吉井和哉だ。活動再開以降、シングル、アルバムのセールスこそ伸びているものの、その作風に懐疑の声がいよいよ高まって来たBLANKEY JET CITY―――本作は、発売前の新聞広告上にて「最高のアルバムが出来たので俺達は解散します」と突然の解散宣言を告げた最後のスタジオアルバム。故にか、どうしてか。本作での浅井健一は元来の姿ではなく、自覚的にロックスターを演じている節がある。グラマラスなリフで攻め立てる①、そのPVからして「格好つけている」のが象徴的だ。このアルバムはとにかくPOPで、聴きやすい。聴き手を試す踏み絵のような曲が無い。旧来のファンにはそれで不興を買っているわけだが、過去にその歌詞からインディーズでのリリースとなった問題作「悪いひとたち」を彷彿させる10分を超える長尺の⑥があることで、批判は幾ばくか抑えられている。このアルバムを評価するときに必要なのは、<ロックスター>の捉え方にあるように思う。元来のベンジーをイメージして聴けば曲はセルアウトしたように聴こえるし、ベンジーがロックスターを演じていると思って聴けば「最高のアルバム」として聴ける。本作に収められた曲群はそういうものなのだ。……なんて、ベンジーでレヴューがまとめられてしまったあたりで、BLANKEY JET CITYのアルバムとしてはどうなのかな?とは改めて思う一作。ただ、⑤と⑦を良いと言える旧来のファンが本作を否定するのはどうかと思う。この2曲こそセルアウトでしょ?アルバムジャケットはベンジーの手によるもの。……HI-HO!

HARLEM JETS/BLANKEY JET CITY (2000)

category: A-G

tag: MUSIC 500円

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ロメオの心臓/BLANKEY JET CITY (1998)

ロメオの心臓
1. パイナップルサンド
2. ぼくはヤンキー
3. VIOLET FIZZ
4. 彼女は死んだ
5. 君の手のひらに
6. スクラッチ
7. 赤いタンバリン
8. ロメオ
9. HAPPY SUNDAY MORNING
10. 古い灯台
11. 幸せな人
12. ドブネズミ
13. 小さな恋のメロディ
14. ハツカネズミ

Price Check.――― ¥ 100

一般層を取り込むことに成功したヒット・シングル⑦が収められていることで知られる本作は、“ギターも弾ける”ロックスター・浅井健一ことベンジーの、ギター・プレイヤーとしての限界を証明してしまったアルバム。バンドの作曲の舵を握っているのは時たま、照井利幸(B.)なことはあるものの、やはりベンジーであり、本作での新味と云えるインダストリアル・ミュージック、打ち込みサウンドを積極的に取り入れたのも彼だ。冒頭①こそお約束のドライヴ・チューンながら、②からしばし続く往年のファンなら「勘弁してくれ……」となるテクノロジーの導入は、ジャズを大胆に取り入れた5thアルバム「幸せの鐘が鳴り響き僕はただ悲しいふりをする」を彷彿させる迷走的な作風。しかし何よりも印象的だったのは、ギターパートがつまらないこと。音を飾っていても「この音があれば……」というバンドとしての根幹が維持されていると有難がられるものだが、インダストリアル・ミュージックにおいては例外に思う。ベンジーのギターはいつも通りで、それが“新しい音楽” であるインダストリアル・ミュージックのなかでは「遅れていた」。ベンジーはそこに気づいて、ギターのスタイルを変えなければならなかったと思う。自分の個性を捨てなければならなかったと思う。その為に、(おそらく毛嫌いしているだろう)シュラプネル系ギタリストたちからギターを学び直さなければならなかったと思う。……でもまぁ、あの人、嫌なことは結局、出来ないでしょ?だから、このアルバムもその程度の作品。自分の個性を捨てず、やりたいと思ったからやってみただけの作品。⑧はBOBSONジーンズのCMソング、⑬は人気番組「家族そろってボキャブラ天国」のEDと前作以上にタイアップが目立つように本作、ファンの評価とは裏腹に、しっかり「売れた」。

ロメオの心臓/BLANKEY JET CITY (1998)

category: A-G

tag: MUSIC 100円

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LOVE FLASH FEVER/BLANKEY JET CITY (1997)

LOVE FLASH
1. プラネタリウム
2. PUDDING
3. MICKEY DUCK
4. 皆殺しのトランペット
5. 感情
6. SPAGHETTI HAIR
7. CANDY STORE
8. ガソリンの揺れかた
9. デニス ホッパー
10. 海を探す

Price Check.――― ¥ 250

2nd、3rdを絶頂期とした初期作品こそ<本当の>ブランキーという意見に異論は無い。実際、後追いながらにそれらのアルバムを聴いたときには、「後期」と一括りにされる作品群はどうしても聴き劣る。さて、本作はその後期の始まり―――メンバーの各々のソロ活動を経た活動休止後、初めてのアルバム。この作品を取り上げるときに判で押したように言及されるのが、シングル⑧の「あの細く美しいワイヤーは初めから無かったよ」という歌詞。これは前作収録「Dynamite Pussy Cats」の歌詞に出てくるカウンターワードで、詩人ベンジーが聴き手に向けて分かりやすく「何か」をアピールしてきたもの。個人的にはこういう意図したメッセージよりも、「BLANKEY JET CITY」というバンド名の由来だったり、特定の単語に自分の価値観を反映させたり、のベンジーの<ズレた>詩才にこそ注目すべきだと思う。肝心の音楽性は実のところ変わっておらず、むしろセルフプロデュースの分だけ音が粗く、性急性が強調されている印象。オープニングからアクセル全開のスピードチューンが続いての④は、中村達也(Dr.)によるシュールなトランペットとベンジーの語りを組み合わせた実験的な曲。アルバムに絶妙な小休止を与えてくれる。曲調が似ている故に⑧ばかり取り沙汰されるが、「初期」作品と勢いだけなら十分に張り合える快作。セルアウトしたと揶揄される「後期」の悪印象は実質、次作「ロメオの心臓」でもたらされている気がしてならない。⑥は聴くよりも、歌詞をただ読むほうがイケてる珍しい曲。

LOVE FLASH FEVER/BLANKEY JET CITY (1997)

category: A-G

tag: MUSIC 250円

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Boys for Pele/Tori Amos (1996)

Boys for Pele
1. Horses
2. Blood roses
3. Father Lucifer
4. Professional Widow
5. Mr Zebra
6. Marianne
7. Caught a lite sneeze
8. Muhammad my friend
9. Hey Jupiter
10. Way down
11. Little Amsterdam
12. Talula
13. Not the Red Baron
etc...

Price Check.――― ¥ 100

トーリ・エイモスのキャリアに少なくない「傷」をつけた本作は全19曲、70分を超える大作。チェンバロを大胆に導入するなど、分かり易い実験色が目立つのも、デビュー以来のプロデューサーであり、恋人でもあったエリック・ロッセと破局し、セルフ・プロデュースとなったことも関係無くないだろう。天才は兎角、画一的であり、拡張的―――そんな矛盾を表現してくれるように、「個」が躍る。特に②、④、⑦はチェンバロを用いた初めての<Rock>と形容しても良い程に攻撃的で、彼女がその才を比されるKate Bushとは明らかに違うベクトルへ深化させているのが分かる。ただ、作品全体としては如何せん冗長で、アクセントとなっているチェンバロはあまりに個性的な音となって、他の曲との融和を拒んでいる。散漫だ。いわゆる天才型のアーティストがよく踏み入れる冗長で散漫、そんな迷走をトーリ・エイモスも踏襲した感じ。セールスこそ悪くは無かったが、次作での落ち目のキッカケは本作にあるのは間違いないだろう。⑬は天才女性アーティスト(笑)が好んで取り上げるパイロットをテーマにしたもの、⑭はベトナム戦争で使用された枯葉剤を歌った反戦歌。余談ですが、失恋の痛手のなかで本作の制作を進めたトーリ・エイモスだが、この時のサウンド・エンジニアと後に結婚します。

Boys for Pele/Tori Amos (1996)

category: O-U

tag: MUSIC 100円

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Under The Pink/Tori Amos (1994)

Under the Pink
1. Pretty Good Year
2. God
3. Bells For Her
4. Past The Mission
5. Baker Baker
6. The Wrong Band
7. The Waitress
8. Cornflake Girl
9. Icicle
10. Cloud On My Tounge
11. Space Dog
12. Yes, Anastasia

Price Check.――― ¥ 200

デビュー作で成功を収めたアーティストにとって、2ndアルバムはその才能を超一流のソレと認識させるか、しばしシーンの一線に残る権利を獲得するか、はたまた一発屋として処理されるか―――本人の事情or都合なんて意にも介されず、勝手に「見極められてしまう」、キャリアにおいて1stアルバム以上に大事な勝負作と云える。陰影ある情念をピアノに、そして、声に乗せ、ロックバンドよりも「90年代」を最前線で先取ったトーリ・エイモス。ミリオン・セラーとなった1stアルバムに続く本作は、才能を超一流のソレと認識させるまでには至らないながらも、しばしシーンの一線で活躍を約束させるに足る快作。一言で云えば、音が<ポップ>になった。それはマーケットを意識したというよりも単純に前作の成功から予算と時間を十分に取れた故のごく自然な変化だろう。音楽性自体は特段の変化は無く、前作同様、ピアノを軸に①、⑦に代表される「静」から「動」へのロックバンドもかくやのダイナミックな展開が印象的だ。ギターによるノイジーなアレンジ光る②、ピアノとドラムが両輪となって躍る⑧の両シングルは「選ばれる」だけの出来で、やはり作中でも耳を惹く。前作のアクの強さこそないが、その分、SSWとして洗練された一作。

Under The Pink/Tori Amos (1994)

category: O-U

tag: MUSIC 250円

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Little Earthquakes/Tori Amos (1992)

Little Earthquakes
1. Crucify
2. Girl
3. Silent All These Years
4. Precious Things
5. Winter
6. Happy Phantom
7. China
8. Leather
9. Mother
10. Tear In Your Hand
11. Me And A Gun
12. Little Earthquakes

Price Check.――― ¥ 350

かのKate Bushの名を引き合いに出される、米国孤高の歌姫トーリ・エイモスのデビュー作。ピアノを全面に押し出した仄暗いファンタジータッチな曲と情感溢れる声はなるほど、Kate Bushに比されるだけの高いクオリティで、似ている、の一言で片づけられない衝撃的な個性を感じざるを得ない。発表当時、まさに直撃中のオルタナティヴ・ムーヴメントへの呼応からか、アレンジも驚くほど攻撃的で、④のドラムの入り方なんて鼓膜への爆弾テロだ。ただ、本作の数年後に出すカバーアルバムには泣く子も頭を振るスレイヤーの名曲≪Raining Blood≫を収録しているので、その辺を考えれば、当然のアレンジなのかもしれない。本作以降の作品も素晴らしいが、ロック色が一番強い点でイチオシなのが本作。売り上げ的な意味合いもあるだろうが、シングル③、⑤はエイモスの代表曲、そして、90年代の名曲として数えられている。

Little Earthquakes/Tori Amos (1992)

category: O-U

tag: MUSIC 500円 代表作

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Layla and Other Assorted Love Songs/Derek & The Dominos (1970)

Layla and Other Assorted Love Songs
1. I Looked Away
2. Bell Bottom Blues
3. Keep On Growing
4. Nobody Knows You When You're Down And Out
5. I Am Yours
6. Anyday
7. Key To The Highway
8. Tell The Truth
9. Why Does Love Got To Be So Sad
10. Have You Ever Loved A Woman
11. Little Wing
12. It's Too Late
13. Layla
14. Thorn Tree In The Garden

Price Check.――― ¥ 250

洋楽にかぎらず、ジャズ、クラシックといった《J-POP以外》に手を出そうとする人が誰しも出くわす困難が「どこから手を出して良いか分からない」という事態だと思うが、洋楽に手を出した際には御多分に洩れず、私もそこに陥り、日本盤についてくるライナーノーツ、一部ではエロ漫画『BASTARD!! -暗黒の破壊神-』に出てくる登場人物、魔法を参考にしてメタル、メタル、また、メタルと散財していった。そうして、当てのない散財も慣れてくると、いよいよジャケットに目を向ける余裕が出て、いわゆる「ジャケ買い」なる―――当たらぬも八卦、当たらぬも八卦!という自棄じみた衝動買いに突き動かされるまでが《お約束》の道である。人生で初めて「ジャケ買い」したアルバム、私の場合、それがエリック・クラプトン(G.)とデュアン・オールマン(G.)というビッグ・ネームの奇跡的共演が為されている本作『いとしのレイラ』だった。何の予備知識もないまま、《Greatest Songs of All Time》なんて企画があれば100%選ばれる、また、選ばれるべき名曲⑬が流れたときの驚きといったらなかった。上述から察せられる通り、Heavy MetalでAll hail!していた私でさえ(……遅い曲のくせにイケてんじゃん?)とセンスの欠片もない上から目線で褒めて遣わした。情念渦巻くギターソングからピアノを中心とした牧歌的なインストゥルメンタルに移る二部構成も渋い。この通り、否が応でも⑬にばかり焦点が当たってしまうアルバムだが、寝取り男の哀歌「……お揃いのジーンズ買ってきたぜ?」②やジミ・ヘンドリックスのカバー⑪(イントロのアレンジは必聴!)など聴き所も多い。がしかし、地味なのは事実なので、名盤かと訊かれると首を傾げざるを得ない。巷でも言われているように、クラプトンよりもデュアンのスライド・ギターを目当てに聴くアルバムだと思う。

Layla and Other Assorted Love Songs/Derek & The Dominos (1970)

category: A-G

tag: MUSIC 250円

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Philharmonic or die/くるり (2008)

Philharmonic or die
(内容)
パシフィコ横浜でのウィーンアンバサーデオーケストラとの豪華共演、京都磔磔での一夜限りのライブハウスでの演奏を収録した2枚組ライヴアルバム。エッジの効いた、対照的かつ魅力あふれる両サイドをご堪能あれ!

Price Check.――― ¥ 400

今や日本のロックシーンはくるりを中心にくるりしてんじゃねえか?と思うほどに、音楽専門誌は彼らの動向を追っている。そんな斜に構えている自分でさえ新譜がリリースされれば「買う」「借りる」「聴く」の三つの選択肢のなかから選ぶのだから、その存在感は現在のシーンではやっぱり指折りには違いない。しかしながらリピートする作品となると、近作では―――と、遡っていけば2枚組のライヴアルバムである本作『Philharmonic or die』に行き着いた。そうだった、本作のセットリストでも軸になっている7thアルバム『ワルツを踊れ Tanz Walzer』からくるりに対して興味をゴッソリと削がれたのだった。同作でのクラシックへの接近、格式あるジェントルなメロディーは、くるりに「青い空」を、「WORLD'S END SUPERNOVA」を望む私的には( ´_ゝ`)フーンだった。しかしながら、そんなイマイチな7thの楽曲が多く収録された本格的なオーケストラとの共演を果たした本作の[Disc 1]は、……なるほど!と膝を打つクオリティー。田中宗一郎がDeep Purpleのオーケストラとの共演を引き合いに出して、アレより500倍良かった!とタナソーした(=持ち上げた)が、その真偽はともかく、金をかけただけの森厳さが素晴らしい。[Disc 1]に収録されたインストゥルメンタル⑧「惑星づくり」は本作のハイライト。こんな希望を含んでいた曲だったのかと驚かされた。が一転、[Disc 2]はごく普通のライヴアルバムの印象。ライブベストアルバムと銘打ってはいるものの、ベストとは言い難いセットリストなので、「Philharmonic」なくるりの稀少性を求めて手を出すなら出してみましょう。

Philharmonic or die/くるり (2008)

category: あ-な

tag: MUSIC 500円

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Rotator/Dizzy Mizz Lizzy (1996)


1. Thorn In My Pride
2. Run
3. Rotator
4. 11:07 PM
5. Back-Bone-Beat
6. When The River Runs Dry
7. Break
8. I Like Surprises
9. Riff Sang
10. Take It Or Leave It
11. Find My Way
12. Two Of You
13. Rise And Fall
14. Outro

Price Check.――― ¥ 100

デビューアルバム『Dizzy Mizz Lizzy』の大ヒットを受けて、期待高まるなかでリリースされた2ndアルバム。しかしながら前作に引き続きトレードマークの変拍子、転調は施されているものの減退。オーソドックスなハードロックとなってしまい、前作からの+αを望んでいたファンから失望を買って、……あれよあれよで「はい、解散!」のバンドあるあるが起こってしまった。表題を担い、シングルにも選ばれた本作随一のHRソング③、ティム・クリステンセン(Vo.&G.)がジョン・レノンが死んだニュースを聞いたときに時計を見た時刻から付けられた④、どういう風に組み立てたのか奇怪な⑩など、バンドとしてのクオリティは諸所に感じられるだけに需要と供給が合致し切れなかったのが無念だ。そう、ヨーロッパの辺境(デンマーク)のバンドに期待していたのは、アメリカやイギリス、ロックのメインストリートで見掛けない音楽性であって、それなりに質が高かろうが、―――The Goo Goo Dollsの新曲です!と紹介されても違和感のない楽曲では支持出来ないのだ。そういう意味では過小評価に落ち着きがちなアルバムだが、だからといって好んで聴こうとも思えないのが実情。それでも、③はやっぱり格好良いな、とも思う。

Rotator/Dizzy Mizz Lizzy (1996)

category: A-G

tag: MUSIC 250円

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Dizzy Mizz Lizzy/Dizzy Mizz Lizzy (1994)

dizzy mizz lizzy
1. Waterline Intro
2. Waterline
3. Barbedwired Baby's Dream
4. Love Is A Loser's Game
5. Glory
6. 67 Seas In Your Eyes
7. Silverflame
8. Love Me A Little
9. Mother Nature's Recipe
10. And So Did I
11. Wishing Well
12. Hidden War
13. For God's Sake
14. Too Close Too Stab

Price Check.――― ¥ 300

デンマークのThe Beatles!と喩えると実際の彼らの音楽性から語弊が生じてしまうが、バンド名「Dizzy Mizz Lizzy」がThe Beatles由来のものであるせいか、随所でThe Beatlesを引き合いに出して言及するレヴューを見掛けた覚えがある。確かに変拍子、転調が多用されているにもかかわらず、あたかもポップスのように響くのは驚きでしかなく、デンマークでの歴代のセールスを更新した事実からもThe Beatlesというポップ・アイコンがピタリとハマる。ながらに、やはりDizzy Mizz Lizzyが演じているのはハードロックだ。ジョージ・ハリスン(G.)やリンゴ・スター(Dr.)が本作の楽曲をプレイしていたら絶対に笑ってしまう自信がある。前置きが長くなったが、本作について言及する際、避けては通れないのが不朽の名曲⑤「Glory」。むしろ、この名曲のせいでバンドが「一発屋」として扱われている感があるのが残念だ。このアルバム、(ひねくれ方がやや一本調子ではあるが)間違いなく佳曲揃いの名盤だと思う。1stシングルに選ばれた⑦なんてアメリカのオルタナティヴ・バンドがリリースすればバンドの代表曲、そのバンドが著名ならば時代を代表する曲になったはずだ。しかし、本作は「Glory」一曲が全部持っていってしまった。それもこれも、―――Welcome to my inspiration.から始まるサイケデリック・ワード・アート。この曲はまず歌詞を読んで頂きたい、きっと貴方を幻想の彼方へ連れて行ってくれる。Could this remind you of the sixties or am I making a mistake?I mean one guitar a bass and a drummer that's really all it takes!これぞ、オルタナティヴ・ロックに求められていた歌詞である。さて、例によって私も「Glory」のレヴューを書いてしまったが、歌詞についての言及は巷ではあまりされてなかったと思うので良しとする。こんな歌詞を書けてしまうティム・クリステンセン(Vo.&G.)には、もっと光が当たって欲しい。

Dizzy Mizz Lizzy/Dizzy Mizz Lizzy (1994)

category: A-G

tag: MUSIC 500円

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Royal Albert Hall London May 2-3-5-6, 2005/Cream (2005)


(内容)
37年間の不在を経てクリームは2005年5月に再結成をした。ロイヤル・アルバート・ホールでの一連のコンサートのためで、これが彼らの最後のイギリスでのステージだった。常に真摯に音楽に取り組んできた3人組らしく、彼らはファンファーレもなしに舞台にあがると、手短にサウンド・チェックをして、完璧な「I'm So Glad」を演奏した。

Price Check.――― ¥ 150

リヴァイヴァル・ブームの先駆けだったのか、便乗だったのか、それとも、あくまで「たまたま」だったのか。再結成の経緯&通説はもはや思い出せないが、エリック・クラプトン(G.)、ジャック・ブルース(B.)、ジンジャー・ベイカー(Dr.)のレジェンドたちが「伝説、再び……」と銘打ってロイヤル・アルバート・ホールを満員にして、お金をたんまりと稼いだ。本作は、そんな身も蓋もないようなライヴを吹き込んだもの。誰しも聴後の印象は、枯れている、に尽きると思う。「あの」インプロビゼーションは当然起こるはずもなく、Creamへの思い入れがなければ、耳に届いてくるのは老いたレジェンドたちの「出来るうちに演っておこう」的共演である……なので、決して期待して聴いてはいけない。しかし、実際に観たことも聴いたこともない「バンド」、Creamへの憧憬、老いたロックスターたちの今現在というゴシップ的興味から聴きたくなってしまうのも人間の性だと思う。頭から馬鹿にするつもりで聴いてみれば、瞬間、瞬間に煌めきも捉えられる。個人的には、ジンジャー・ベイカーのドラムの「軽さ」に暗い喜びを見い出してしまった。老いるということを教えてくれる2枚組ライヴアルバム。

Royal Albert Hall London May 2-3-5-6, 2005/Cream (2005)

category: A-G

tag: MUSIC 250円

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Live Cream Volume II/Cream (1972)

live cream vol 2
1. Deserted Cities Of The Heart
2. White Room
3. Politician
4. Tales Of Brave Ulysses
5. Sunshine Of Your Love
6. Steppin' Out

Price Check.――― ¥ 550

意地になって選びに選んだ苦心の企画『All Time Best Album 100!』で、本作へ「エリック・クラプトン(G.)、ジャック・ブルース(B.)、ジンジャーベイカー(Dr.)の当時名うての三者が三すくみになって原曲を壊していくドキュメンタリー Vol.2。②「White Room」、⑤「Sunshine of Your Love」と知名度の高い曲が収録されている分、取っつきやすさは『Live Cream』よりもある。」なんて短評を載せていたが、流石に自分の言葉だけに「……そうですな」と読んでみれば頷く他なかったが、中古市場の買い取り価格的にも本作のほうが『Live Cream』よりもウケが良い印象。もっとも、楽曲の壊し具合ではその『Live Cream』には譲るだろう。上述のヒット曲の存在もあるように、本作は「歌」を聴かせにきた形で、その意味では割とオーソドックスなライヴアルバム……ながら、大迫力なのは変わらない。どちらもライヴの名盤に数えられると思うが、Creamに何を求めるかで『Live Cream』と本作の甲乙が付けられる。本作なら13分を超える⑥をフェイバリットに挙げるところからも察せられるように、私は『Live Cream』のほうがお気に入りです。

Live Cream Volume II/Cream (1972)

category: A-G

tag: MUSIC 750円

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Live Cream/Cream (1970)

LIVE CREAM
1. N.S.U.
2. Sleepy Time Time
3. Sweet Wine
4. Rollin' And Tumblin'
5. Lawdy Mama

Price Check.――― ¥ 600

Creamと云うと、洋楽にかぶれ立ての頃は「ギターの神様」エリック・クラプトン(G.)が在籍していたバンド程度の認識だと思うが、実際に聴いてみれば、ジャック・ブルース(Vo.&B.)、ジンジャー・ベイカー(Dr.)の自己主張の凄まじさに呆然となり、Creamがいわゆる《スーパーバンド》だと悟る。そして、それはスタジオアルバムよりもライヴアルバムでこそ確認が出来る。とにかく、三者が三様に己の楽器を用いて原曲を壊していく。①は原曲ならば3分に満たないのだが、本作では10分を超える。③も原曲はこれまた3分+αながら、本作では15分を超える。隙あらばギターは主役は俺だろ!!と前へ出て下がらず、ベースはもはやソロを弾くように所構わずのたうち回り、ドラムは手数を増やしながらその顔が気に食わない!!と殴りつけるように喚き立てる。まさに《破壊》である。高校時代、友人に私はCreamをジャムバンドと教えられたが、本作を聴くまではその意味が解らなかった。リッチー・ブラックモア(G.)は雑誌のインタヴューでクラプトンについて「特に巧いとは思わなかったが、インプロビゼーションが素晴らしい」なる評価を下していた(と思う。記憶があやふやです)が、本作を聴いて友人のジャムバンド言及と合わせ、ひどく納得した覚えがある。ギターの神様「だった」、なる揶揄も見かける昨今だが、本作こそ《Clapton is God》の真髄が刻まれたライヴの名盤だと思う。もっとも、個人的には本作はクラプトンよりもジンジャー・ベイカーのエゴイスティックなプレイを目当てに聴いている節がある。いや、マジで信じられないくらい五月蝿く叩いてるんだわ。

Live Cream/Cream (1970)

category: A-G

tag: MUSIC 750円

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Zappa Plays Zappa/Dweezil Zappa (2008)

zappa plays zappa
1. Tell Me You Love Me
2. Florentine Pogen
3. Cheapnis
4. Cosmik Debris
5. I'm The Slime
6. Don't Eat The Yellow Snow
7. St. Alfonzo's Pancake Breakfast
8. Father O'Blivion
9. Black Page #2
10. Peaches En Regalia
11. Zomby Woof
12. The Torture Never Stops

Price Check.――― ¥ 150

中二病罹患者たちがきっと生涯欲しがり続けているだろう、「天才」「奇才」「変態」という半ば呆れ交じりの賞賛を死後も受け続けているフランク・ヴィンセント・ザッパことフランク・ザッパ。彼がロック界に留まらずの音楽界に刻んだ伝説は枚挙に暇がないが、しかし60作を超えるアルバム、そこに収められた楽曲群はポップと謳われつつもやはり難解で、巷で《スタンダード》として引き継がれていない現況は否定出来ないところ。が、そんな状況を覆そうと―――偉大なるフランク・ザッパを忘れてはならない!と「Zappa Plays Zappa」と銘打って表立った行動(ツアー)に移したのが実子ドゥイージル・ザッパ(G.)である。自らのソロワークでは父とは似ても似つかないオーソドックスなハードロックを披露していたが、この「Zappa Plays Zappa」ツアーでは己の打ち立てたコンセプト通り、それこそ《クラシック》の曲のように父の曲を忠実に再現することに腐心し、2008年にはグラミー賞、ベスト・インストゥルメンタル・パフォーマンス部門で受賞!なんて栄誉も授かった。本作はそんなそこそこに成功しているツアーを掻い摘んだライヴ盤。スティーヴ・ヴァイ(G.)、テリー・ボジオ(Dr.)といった所縁あるミュージシャンの参加が嬉しいが、さした感慨も湧かないのが正味な話で、忠実に再現しているので何が悪いわけでもないけれども、それだけに驚きも無い。あくまで「Zappa Plays Zappa」はライヴに立ち会ってこそ意味のあるものなのだと思う。同名タイトルでDVDもリリースされているので、興味を持ったのならばそちらを優先するのがベターでしょう。それでも、ドラマー殺しの⑨や知名度高い⑩なんかはどういう風にプレイしていたのか忘れては取り出して聴いております。

Zappa Plays Zappa/Dweezil Zappa (2008)

category: A-G

tag: MUSIC 250円

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The First Day/David Sylvian & Robert Fripp (1993)

The First Day
1. God's Monkey
2. Jean The Birdman
3. Firepower
4. Brightness Falls
5. 20th Century Dreaming (A Shaman's Song)
6. Darshan (The Road To Graceland)
7. Bringing Down The Light

Price Check.――― ¥ 300

《JAPAN》、《KING CRIMSON》という「金看板」の所有者と云えるデヴィッド・シルヴィアン(Vo.)と ロバート・フリップ(G.) 、両者が二人の名義で残したコラボレーション・アルバム。この夢見れるコラボレーションの経緯は、そもそも、フリップがクリムゾンの空いたVo.の座にシルヴィアンを据えようと画策したところから始まるらしいが、「クリムゾンはフリップのバンド」という動かせざる事実からシルヴィアンが一度断ったものの、時を経て自身のソロワークの一環として思惑が一致、リリースの運びとなった模様。肝心の楽曲はシルヴィアンが全ての作詞を手掛け、フリップが作曲でイニシアチブを握る大方の予想通りの形式で、そこにサンプリングなどの《モダン》なテクノロジーを駆使して新味を演出する格好。シルヴィアン&フリップが確かに存在する「まさに!」なコラボレーションな①、フリップによる、フリップのためのギターソング③、17分は流石に冗長ながらフリップの変態性が存分に伝わるマッドチェスター風味の⑥と訳詞を目で追いながらの私にはやはりフリップが前に出てくる曲に聴き所を見い出してしまうが、両者の「金看板」に泥をつけない好盤の出来には違いない。本作の後に同名義でライヴ盤『Damage』をリリースするが、そちらは同じ楽曲でもシルヴィアン色が強く反映されているのでフリップ目当ての方は手を出す際には注意が必要です。

The First Day/David Sylvian & Robert Fripp (1993)

category: A-G

tag: MUSIC 500円

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Bring on the Night/Sting (1986)

Bring on the Night
(内容)
スティングの初のソロアルバム『ブルー・タートルの夢』リリース後に行なわれたコンサート・ツアーの模様を収録した2枚組ライヴ盤。ブランフォード・マルサリス(sax)を始めとするアルバム参加メンバーたちによるハイ・クオリティな演奏をじっくり楽しめる。

Price Check.――― ¥ 300

80年代前半のロックシーンを振り返るならば間違いなくその中心に配されるバンドのひとつに数えられるThe Policeのフロントマン、スティング(Vo.&B.)のソロワークにおける初のライヴアルバムが本作『Bring on the Night』。ジャズピアニストの上原ひろみがフェイバリットに挙げているように、ブランフォード・マルサリス(sax)、ダリル・ジョーンズ(B.)、オマー・ハキム(Dr.)など本作リリース当時は新進気鋭―――そして、30年の時を経ても未だ第一線で活躍するミュージシャンたちを金に物を言わせて(?)起用しており、各曲、ロックにあるまじき上品なアレンジ、テクニカルなアドリブが施されている。とりあえず、百聞は一見に如かず!ではないが、Disc 1における①「Bring On The Night / When The World Is Running Down You Make The Best Of What's Still Around」、今は亡きケニー・カークランドの後世に語り継ぎたいピアノソロを聴いて頂きたい。流麗極まりないアドリブプレイ、そこから完全に客ウケを狙っているアドリブ風味の決め打ちは解っちゃいるけど逆らえるはずもない絢爛の「ジャズ」パフォーマンス。本作の名義が「スティング」なのが記載ミスにさえ思えるはずだ。収録曲はソロでの1st『ブルー・タートルの夢(The Dream of the Blue Turtles)』を軸にはしているが、シングルのB面にブルース・スタンダード、それらにThe Police時代の楽曲を惜しみなく組み込んだなかなかにマニアックな選曲で、その辺も後追いのファンならば付加価値がつけられるかもしれない。何にせよ、スティング(主役)が脇に追いやられてしまうことが間々起こってしまっているライブアルバム。貴重ですわ。ちなみに本作、基本は2枚組のはずだが、2枚に分けずに一枚にまとめた仕様もある模様。

Bring on the Night/Sting (1986)

category: O-U

tag: MUSIC 500円

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RAY/BUMP OF CHICKEN (2014)


1. WILL
2. 虹を待つ人
3. ray
4. サザンクロス
5. ラストワン
6. morning glow
7. ゼロ
8. トーチ
9. Smile
10. firefly
11. white note
12. 友達の唄
13. (please)forgive
14. グッドラック

Price Check.――― ¥ 200

BUMP OF CHICKEN、どこを目指す?と思わず首を傾げた格好で聴いてしまった7thアルバム。前作『COSMONAUT』より3年のブランクを置いてのリリースとなったわけだが、その間の映画やドラマ、ゲームの大々的なタイアップが付いたシングルが5曲収録されているように、バンドの活動自体は切れ目なく続いていた印象。シングル曲でとりわけ話題になったと云えるのが、初音ミクとのコラボレーション・バージョンが制作された表題曲③「RAY」だろう。ファンの間で賛否両論となったとのことだが、……この辺は本当に時代を感じるエピソード。そもそも、BUMP OF CHICKENは「ボクらの」というヲタクご用達のバンドとしてチャートを駆け上がっていったイメージがあるので、長ネギを持ち、長ネギを振る初音ミクとのコラボレーションはある種必然、遅過ぎるくらいに思ったが、それを否定されるってことは本当に日本のロックシーンを背負うバンドになったってことなんでしょう。実際、順当に年齢を重ねた証左に、あからさまなファンタジーからは距離を置き、宇宙を臨み、それを謳う姿勢はヲタクが大人になった姿として正しい。2nd『THE LIVING DEAD』収録の曲なんて本人たちだってそろそろ覚悟を決めないと若い子たちの前では歌えまい。……と、歌詞の問題は片付いたところで、ここで冒頭「BUMP OF CHICKEN、どこを目指す?」と問いたくなるのは、その音楽性。前作で垣間見せたルーツ・ミュージックへいよいよ踏み込むものだとばかり思っていただけに聴いてみれば拍子抜け、音楽的探究が見られないのが何よりも残念だった。ここに収められている曲は他のバンドでも届けられる。BUMP OF CHICKENだからその規模で届けられる曲があると思う。真ん中にいるバンドが鳴らす音にしてはつまらない。音だけはファンタジーを残しておいて欲しいね。俺、……特にファンってわけじゃないけどさ!

RAY/BUMP OF CHICKEN (2014)

category: A-G

tag: MUSIC 250円

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COSMONAUT/BUMP OF CHICKEN (2010)


1. 三ツ星カルテット
2. R.I.P.
3. ウェザーリポート
4. 分別奮闘記
5. モーターサイクル
6. 透明飛行船
7. 魔法の料理 ~君から君へ~
8. HAPPY
9. 66号線
10. セントエルモの火
11. angel fall
12. 宇宙飛行士への手紙
13. イノセント
14. beautiful glider

Price Check.――― ¥ 350

通算6枚目のオリジナルアルバムである本作は現時点でのバンドの最高傑作と云える出来で、藤原基央(Vo.&G.)一人が作詞作曲を担う故に曲の均一化が目立つ悪循環を、しかし変わらず藤原基央が一手に担ったままながら断つことに成功している。そうは言っても耳を惹く新しい試みと云えば、ケルトの響きを大胆に採用してきた④くらいで、他の楽曲は既出の方法論で組まれた「らしい」曲をビルドアップしてきた印象。なんてイマイチ誉めているのか判別の付かない書き口を止めれば、……コンクリートジャングルで育ったカントリーボーイ。私は藤原基央がネルシャツ着て、ガンベルト締めた穴の空いたジーパン履いて、Made in Japanのスニーカーをつっかけ、安物のカウボーイハットを目深にかぶり、さあハーモニカを首に下げ、〆にアコギ一本持って「1、2、3......」と爪弾いて歌えば、それでBUMP OF CHICKINが成り立つと思っているが、本作に収められた楽曲群は如何にもバンド然とした佇まい。ようやくギターに電気を通す意味を見い出せるようになったのは、ドラムの存在感が増したことに因る。カントリーが作曲の下地なら、そこから縁遠い楽器を強調すればバンドとしての姿が現れる。序盤をミドルテンポで固めてから疾走する⑤、⑥の流れは絶品で、冒頭を安易な疾走曲に任せないアルバム構成はバンドの確かな成長の跡だ。ファンには賛否両論となっている歌詞だが、……三十路超えた男にファンタジーを語らせるのは酷だ。中二病罹患者はとりあえず(俺は偉大な存在のはずだが、俺の仲間たちはどんなヤツなのだろう?)と「神」話にハマり、そうして、大人(社会人)になると、すべからく(……こんなでけえ世界が、……俺の世界なのか!←俺、すげえ!)と宇宙に焦がれる。藤原基央はこのまま「宇宙」を歌えばよろしい。中二病は時を経れば(傍目には)治る、そんな力強いエールをファンは直視直聴しましょう。次作では、④のようなカントリーのルーツ(ケルト民謡等)に接近する曲が増えるのかしらん?久しぶりに楽しみです。

COSMONAUT/BUMP OF CHICKEN (2010)

category: A-G

tag: MUSIC 500円

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orbital period/BUMP OF CHICKEN (2007)

orbital period
1. voyager
2. 星の鳥
3. メーデー
4. 才悩人応援歌
5. プラネタリウム
6. supernova
7. ハンマーソングと痛みの塔
8. 時空かくれんぼ
9. かさぶたぶたぶ
10. 花の名
11. ひとりごと
12. 飴玉の唄
13. 星の鳥 reprise
14. カルマ 
etc...

Price Check.――― ¥ 150

貴方はノートの片隅に詩なり、歌詞なり、―――響きを正すならば、そんな「散文」を書いたことがあるだろうか?「無い!」と言い張るなら、それならそれで構わない。こんなことを訊くのも、書いていたほうがこのレヴューが面白く感じるというだけの話だ。シングル『天体観測』で、“ボクら”の、という枕詞を手に入れたBUMP OF CHICKIN。バンドの中心人物は作詞作曲を一手に担う藤原基央(Vo.&G.)であることにまず異論は無いことだろう。前作『ユグドラシル』から三年以上の間を置いてリリースされた本作でも、全ての楽曲に彼の名前が当然のように刻まれている。過去のレヴューでも言及しているが、私はBUMP OF CHICKINが「バンド」である意味をあまり見い出せていない。それは藤原基央の作る音楽がロックというよりも、カントリーやブルーグラスに根ざしていて、ロングヒットとなった⑭のような典型的な曲を除けば、藤原基央with BUMP OF CHICKINとでも評したくなるソロワークにしか思えないからだ。⑦はそんな私の主張を象徴する一曲で、見事なまでにバンドの姿が見えない。それでいて、「らしい」のだから末期的だ。本作は新規のファンを取り込むというにはバンドとしての新味が足りず、前作からのファンを何とか繋ぎ止める、そんな防戦一方な「繋ぎ」の一作と云える。この内容なら3rd『jupitar』の次に出せても良かっただろう。さて、冒頭の言及に戻ろう。「ガラス」である。どんなアーティストでも、特定のワード(主に名詞)にそれ以上の意味を無意識に込めてしまうことがある。それはひとつではなく、大概複数あるが、藤原基央の場合はたとえば「ガラス」の使い方が面白い。彼にとっての「ガラス」は、我々にとっての「ガラス」と意味合いが異なる。これは別に良い/悪いの話ではなく、ある種の個性を見い出すためのひとつの方法だ。貴方にも好きなアーティストがいるならば、歌詞の全体像を掴むのではなく、一単語を取り上げてみるのも理解が深まって面白いと思う。語彙は意識して増やすものだが、しかし、元から培っていた語彙はいつの間にかその人の中だけで複数の意味を持つのだ。……言ってる意味、分かるかしらん?分かると面白いんだけどね。好きなアーティストで試したら、自分のそういう言葉を探すのが醍醐味よん。

orbital period/BUMP OF CHICKEN (2007)

category: A-G

tag: MUSIC 250円

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ユグドラシル/BUMP OF CHICKEN (2004)

ユグドラシル
1. asgard
2. オンリー ロンリー グローリー
3. 乗車権
4. ギルド
5. embrace
6. sailing day
7. 同じドアをくぐれたら
8. 車輪の唄
9. スノースマイル
10. レム
11. fire sign
12. 太陽
13. ロストマン
14. midgard

Price Check.――― ¥ 100

ちょうど中古書店でアルバイトしていたので、その当時の思い出を語らせて貰えば、……まあ、よく「買い取った」。それで店頭に出したら出したで、「買われていった」。出入りの激しいアルバム、というのが本作に対する私の印象で、いざ聴いてみても、新鮮味を感じない曲調に(……こりゃ、売られるわ)と納得した覚えがある。改めて聴き直してみても感想は特に変わらず。初のシングルチャート1位を獲得した②、映画『ONE PIECE THE MOVIE デッドエンドの冒険』の主題歌となった⑥、藤原基央(Vo.&G.)のソロシングルと言いたくなる⑧あたりは、過去のアルバムのどこに入っていても違和感の無い曲の典型に挙げられるだろう。そういう視点で語ってみるならば、本作中でギラリと輝くのは③で、若りし頃の浅井健一を彷彿させる切迫感に藤原基央のヴォーカリストとしての可能性が伺える一曲となっている。しかしながらファンからすれば本作の目玉的楽曲は現在もバンドの最高傑作に挙げられる⑬なのだろう。タイムレスな言葉を選んで綴られた歌詞は成程、全年齢に対応するもので、これは確かにバンドにとって異色の一曲と云える。テクニックに頼らないギターソロも意外なまでに耳に残る。もっとも、バンドに思い入れが無いと響かないのも事実で、その辺りは私にとっての道産子バンドOLDの「song for anarchy」と解釈した。梶井基次郎的マインドがよく描写されてると思うんだが、反応良くないので驚いた。本作の表題「ユグドラシル」とはいつぞやの一曲同様に北欧神話から拝借したもの。それに合わせてか、アルバムのイントロ(①)&アウトロ(⑭)を取って付けたように配置しているが、これは(本当の意味で)自己満足以外の何物でもないな……。

ユグドラシル/BUMP OF CHICKEN (2004)

category: A-G

tag: MUSIC 100円

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jupiter/BUMP OF CHICKEN (2002)

jupiter.jpg
1. Stage Of The Ground
2. 天体観測
3. Title Of Mine
4. キャッチボール
5. ハルジオン
6. ベンチとコーヒー
7. メロディーフラッグ
8. ベル
9. ダイヤモンド
10. ダンデライオン

Price Check.――― ¥ 150

メジャー移籍後、初のアルバムであり、インディーズでリリースした前二作と比して音質の向上が著しい3rdアルバム。ミリオンこそ達成しなかったものの、息長くセールスを伸ばし続けたシングル②で開拓した新規のファンからすれば待ちに待たされた、まさに待望のアルバムながら、そんな彼らの期待に応え切れなかった、というのが正味な話で、シングルと「その他」と一括りに出来てしまう曲それぞれのクオリティーのバラつきが悪目立つ仕上がりとなっている。インディーズ時代からのファンからすれば、前二作で見られた歌詞の特色が薄まり、……セルアウト!の烙印を押した人も多かった記憶がある。もっとも、個人的にはセルアウトというよりも、メジャーレーベルへの移籍に気負って凝った曲を作ってきたという印象が強い。①なんてヴォーカルパートを無視して作ったとしか思えん……誰が喜ぶんだ、こんな曲?そんな中、シングル曲以外で耳を惹くのはラストを任された⑩だろう。新旧のファンの溜飲を下げる表題を絡めたファンタジーな香りをまとう歌詞で、カントリー調のアレンジも光る。バンドの実質の代表曲となっている⑨、②の両シングルの後ということで、埋もれてしまった感のあるシングル⑤はギターソングならぬベースソング。ギターに支えられ、曲の主役としてVo.のように「歌っている」。

jupiter/BUMP OF CHICKEN (2002)
Pick Up!/#.2 天体観測
飽和するヴィジュアル系バンドを死に追いやったのはHip-Hop、それに類するミクスチャー・バンドだったが、その死人に鞭を打ったのがインディーズ・パンク……ならば、そこからシーンより完全に浄化せしめたのはこのBUMP OF CHICKENだろう。いわゆる<格好良い>とは違うベクトルからやってきたこのバンド、ラジオ、テレビと移り変わるメディアを基準に考えれば、ネット世代を代表する初めてのバンドと言っても過言ではないと思う。コンクリートジャングルで育ったカントリーボーイ・藤原基央の紡ぐ歌詞はどれも現代文化に影響されたもので、それらは本作を前に作曲された、1stアルバム収録「アルエ(綾波レイへの想いを綴った変態ソング)」、2ndアルバム収録「K(聖騎士爆誕)」といった初期作品に顕著だ。これらの曲はアスキーアート他、爆発的に普及していたYoutubeなどで映像化されて評判を呼び、現在の確固たるファンベースを築くことに貢献した。さりとて、バンドの知名度を飛躍的に高めたのは、本作に疑いの余地は無い。多重録音によるイントロがフェードインしてくれば、イメージそのまま、まさに流れ星―――未だ楽曲としての質はこの曲を超えるモノは創れていないのではないだろうか?というくらいに、耐性のあるギターワークが印象的だ。事実、インディーズ時代からのファンは総じて本作を「バンプらしくない!」と突如雪崩れ込んで来た新規ファンを邪険に扱う売り文句にしたように、非常に「凝って」いる。メインのリフにしろ、何にしろ、それまでの勢いに任せた一発録り的、ガレージロックにストーリーを附けることで、下手だけど「何か(・∀・)イイ!」と誤魔化していた金太郎飴的楽曲群とは明らかに一線を画している。流れ星のリフは世界で通用する名リフだと思うが、個人的には3:20秒前後の唐突な掻き毟りっぷりもセンス良過ぎて失禁モノだ。本作のリリースされた2001年は、秋にしし座流星群が到来。深夜、友人たちと連れ立って河川敷に出掛ければ、そこでさらに違うグループとも合流、そうして、周りを見渡せば大人も子ども夜更かしをして、空を見上げながら願い事かけ放題の幻想的な夜だったことも記憶に深い。再生ボタンを押し、フェードインしてくるイントロは私にとって高校時代のその夜を連れて来てくれる、そんな流れ星の音でもある。

category: A-G

tag: MUSIC 250円

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THE LIVING DEAD/BUMP OF CHICKEN (2000)

THE LIVING DEAD
1. Opening
2. グングニル
3. ベストピクチャー
4. 続・くだらない唄
5. ランプ
6. K
7. リリィ
8. Ever lasting lie
9. グロリアスレボリューション
10. Ending

Price Check.――― ¥ 350

本作は物語形式の楽曲で〆られたコンセプトアルバム。1stが元より処女作らしい処女作だったので、音楽的成長はあるにせよ、引き続いて楽曲的には決して「質」の高いアルバムとは言えない。それでも、例えばはっぴぃえんどの『はっぴぃえんど』、レジェンドな邦楽ロックバンド、その名盤の横に本作を並べたくなるのは、日本語詞の実験という観点から。あまりに字余りな歌詞がここにある。それを端的に象徴する⑥はBUMP OF CHICKINの初期を代表する一曲。初聴時、単調な曲調とそれに見合わない歌詞の量に「……Hurricaneかよ!」とボブ・ディランの名曲を引き合いに出したが、その場の誰にも通じなかったのが懐かしい。個人的に、6thアルバム「COSMONAUT」の発表まで藤原基央(Vo.&G.)にバンドは本当に必要なのか甚だ疑問だったが、その疑問が生まれた根底を遡ってみれば、この曲でボブ・ディランを思い浮かべたことに行き着く。まあ、(中二の皆が大好き♪)北欧神話から拝借したタイトルを持つ②あたりはオーソドックスな作りで、バンドの曲ってイメージだが……。この②、そして、⑥を含めて言及出来ることだが、本作収録の曲はどれもモラトリアムに生きる人が聴くからこそ輝く。バーコード頭の上司が「高波よ悪魔となれ」、「見ろよ悪魔の使者だ」とか歌ったら引くでしょ?でも、よくよく考えてみてくれ、……ここに収められた曲を歌う君自身の年齢を。本作はその歌詞によってエバーグリーンなアルバムとなり、しかし、故に歳を重ねるリスナーを痛めつける諸刃の傑作。人は思い出の中で生きさせてもらえない、まさに「お前ら、THE LIVING DEAD!」と突きつけてくれる逸品。ところで本稿冒頭、音楽的成長はあるにせよ、と書いたものの、曲の質的には実は1stのほうが粒揃いな気がするのは私だけでしょうか?

THE LIVING DEAD/BUMP OF CHICKEN (2000)

category: A-G

tag: MUSIC 500円

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FLAME VEIN/BUMP OF CHICKEN (1999)

Flame Vein
1. ガラスのブルース
2. くだらない唄
3. アルエ
4. リトルブレイバー
5. ノーヒットノーラン
6. とっておきの唄
7. ナイフ

Price Check.――― ¥ 150

一聴して分かる、―――チープな音質、拙い演奏。ほとんどのリスナーにとってスピーカーから流れてくる音楽は、イメージした通り!と云うには程遠いものだったに違いない。メジャー配給によってどこからともなく流れてくるようになったあの時代に不似合いな、無骨で飾らない『ダイヤモンド』、そして、素朴なのに煌びやかな『天体観測』といったシングルが収められた3rdアルバム「jupiter」がリリースされるまでにはまだ時間があった。その二つのシングルに魅せられた新規のファンは、飢餓感からインディーズ時代のアルバムに手を伸ばし、そうして、初聴時は本稿冒頭のような肩透かしを食らい、買ってしまった手前、借りてしまった手前の、仕方なくなリピートをしていくうちにコンクリートジャングルで育ったカントリーボーイ・藤原基央の紡ぐ「新しい」歌詞を知るのだ。アニメのヒロインに捧げた「イタい」ラブソング③、敗者たちからの期待に苛まれる⑤、まるでパズー(ver.現代っ子)の旅立ちを思わせる⑨……これらに象徴されるその《視点》はそれまでのチャートを賑わすロックバンド、ロックスターたちが歌い上げてきたモノとは一線を画す。道端の石コロでさえ転がせば世界一のロックバンド(=The Rolling Stones)となるように、BUMP OF CHICKENが起こしたのはそんな歌詞の市民革命で、ギターの音さえまともに武器に出来ないこの1stアルバムにおいては、日常をドラマやファンタジーに置き換えてくれる歌詞は唯一つの聴き所となっている。それでも、ガレージサウンドなんて言葉が下手であることを肯定してくれる。今なおバンドが歌い続ける①は初期衝動をブリリアントに削った結晶。たとえすべてが拙くとも、輝く物は輝くことを証明してくれる曲となっている。思い出して聴く度に驚くが、6分以上もあるのよね。ちなみに現在流通しているアルバムは再発盤で、1stシングル「LAMP」のカップリング曲「バトルクライ」が足された『FLAME VEIN+1』として発売している。

FLAME VEIN/BUMP OF CHICKEN (1999)

category: A-G

tag: MUSIC 250円

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未だかつて見たことのない素晴しいもの/OLD (2013)

未だかつて見たことのない素晴しいもの
1.音楽の神よ ~opening~
2.宝石
3.どうしようもなく叫びたくて、何か奏でたかった
4.Sun
5.果てのない歌
6.花を見たことはあるかい
7.妖精
8.鏡を見ていたら…
9.傷つけたくない、傷つけちゃうけど
10.Don't Stop
11.雲は流れ続け
12.Boy
13.音楽の神よ ~Ending~

Price Check.――― ¥ 250

前作であるミニアルバム『美しく内側から包み込む』と同様、メンバーを補充せず、3ピースのままリリースされた本作は、フルアルバムとしては約5年ぶりとなる御無沙汰な一作。かつてないエレクトロ色を予感させるポエトリーディング①から、―――まさに!のビッグ・ビート、エレクトロアレンジが各曲で炸裂していく。この音楽性の変化は間違いなく専任ギタリストの不在から起こったのだと思うが、良い意味で裏切られたものの、聴き進めていくと一聴では曲の区別が出来なくなっていったのはネガティヴな事実。どれも単体で聴くと捻りの効いた佳曲にも思うだけに勿体無い。それでも、変幻していくVo.が印象的な④、そして、アコースティック・インスト⑧の先に待っているOLD史上最速シングル⑨は本作随一のキラー・チューン。字余りな歌詞を圧迫し、似通う作中に埋もれ切れない個性へと曲を昇華させている。この路線に今後のバンドの活路があるように思う。PV作られた長尺の⑫は品川洋(Vo.)が「Boy」と呼び掛け、過去と現在を繋ぐ一曲。試み自体は面白いが、フックが足りず、ダレてしまうのが残念。アルバム全体の印象としては「勿体無い」にまとめられてしまうが、CDショップ大賞2014の地方賞、北海道ブロックにてノミネートされたように、次作を求めたくなる「質」は変わらず感じるので今後もひっそりと追っていきたい所存。「RISING SUN ROCK FESTIVAL 2014 in EZO」に出演するとのことなので新規のファンを開拓してくださいな、と。

未だかつて見たことのない素晴しいもの/OLD (2013)

category: O-U

tag: MUSIC 250円

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美しく内側から包み込む/OLD (2012)

美しく内側から包み込む
1.美しく内側から包み込む
2.THE LOVE SONG
3.ピンク
4.それが巨大であればある程 
5.wonderFULworld
6.繋がっている

Price Check.――― ¥ 150

久方ぶりにオフィシャルHPを開けば「OLD史上最もポップな春のミニアルバム!」と謳われているミニアルバムとともに、【OLDから皆様へ大切なお知らせ】なる告知―――クリックしてみれば、専任ギタリストの無期限休養。脱退理由のお茶濁し「音楽性の違い」ではない故にゴシップの匂いが漂い、どんな状況だよ!?と探りたくもなったが、兎にも角にも、まずは取り寄せて聴いてみた。①と④はSE風味のインストゥルメンタルで、実質の収録曲は4曲。曲数で云えばシングルの色合いが濃いが、「美しく内側から包み込む」「それが巨大であればある程」「繋がっている」と表題が繋がるように、コンセプトからミニアルバムとして発売したのだろう。一聴しての感想は、物の見事にギターが一本「減っている」。ここまで劇的にメンバーの不在が音楽性に影響が出るのも珍しい。面白いのは、このギターの不在を楽しめたこと。隙間を埋めようと、品川洋(Vo.&G.)のリックがまあ細かい。何かしらが、ずっと「鳴っている」印象さえある。⑥あたりはその極地で、スロウテンポのはずなのにとにかく忙しく、途中で笑ってしまった。謳い文句の「OLD史上最もポップな~」は、②と③のとろけるような装飾音と鼻に掛かったヴォーカル・パートからだろう。本作は春にリリースされているが、これはクリスマス・シーズンにリリースされるのが相応しい。個人的なベスト・トラックは⑤で、挑発気味のカンフーなリズムが心地良い。結果、本作随一の「スルメ」ソングとなった。次作以降、どういうサウンドになるのかは定かではないが、⑤のような実験精神を忘れないで欲しいね。いつまでも応援しています。

美しく内側から包み込む/OLD (2012)

category: O-U

tag: MUSIC 250円

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