ナマクラ!Reviews

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Philharmonic or die/くるり (2008)

Philharmonic or die
(内容)
パシフィコ横浜でのウィーンアンバサーデオーケストラとの豪華共演、京都磔磔での一夜限りのライブハウスでの演奏を収録した2枚組ライヴアルバム。エッジの効いた、対照的かつ魅力あふれる両サイドをご堪能あれ!

Price Check.――― ¥ 400

今や日本のロックシーンはくるりを中心にくるりしてんじゃねえか?と思うほどに、音楽専門誌は彼らの動向を追っている。そんな斜に構えている自分でさえ新譜がリリースされれば「買う」「借りる」「聴く」の三つの選択肢のなかから選ぶのだから、その存在感は現在のシーンではやっぱり指折りには違いない。しかしながらリピートする作品となると、近作では―――と、遡っていけば2枚組のライヴアルバムである本作『Philharmonic or die』に行き着いた。そうだった、本作のセットリストでも軸になっている7thアルバム『ワルツを踊れ Tanz Walzer』からくるりに対して興味をゴッソリと削がれたのだった。同作でのクラシックへの接近、格式あるジェントルなメロディーは、くるりに「青い空」を、「WORLD'S END SUPERNOVA」を望む私的には( ´_ゝ`)フーンだった。しかしながら、そんなイマイチな7thの楽曲が多く収録された本格的なオーケストラとの共演を果たした本作の[Disc 1]は、……なるほど!と膝を打つクオリティー。田中宗一郎がDeep Purpleのオーケストラとの共演を引き合いに出して、アレより500倍良かった!とタナソーした(=持ち上げた)が、その真偽はともかく、金をかけただけの森厳さが素晴らしい。[Disc 1]に収録されたインストゥルメンタル⑧「惑星づくり」は本作のハイライト。こんな希望を含んでいた曲だったのかと驚かされた。が一転、[Disc 2]はごく普通のライヴアルバムの印象。ライブベストアルバムと銘打ってはいるものの、ベストとは言い難いセットリストなので、「Philharmonic」なくるりの稀少性を求めて手を出すなら出してみましょう。

Philharmonic or die/くるり (2008)

category: あ-な

tag: MUSIC 500円

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シンガーソングライター/坂本真綾 (2013)

シンガーソンガー
1. 遠く
2. サンシャイン
3. everywhere(HAL mix)
4. ニコラ
5. Ask.
6. なりたい
7. カミナリ
8. 誓い(SSW Edition)
9. 僕の半分る
10. シンガーソングライター

Price Check.――― ¥ 150

「シンガーソングライター」、その表題通りの作詞&作曲、プロデュースまで坂本真綾自ら手掛けた意欲作。初のベストアルバム「Everywhere」で同名題の自作曲を手掛けて以来、曲ごとにプロデューサーが異なる7th「You can't catch me」など独り立ちへの準備をしていた感があったので、満を持してのリリース!とも云える本作。OPを飾る①はサビで繰り返される「遠く」以外に引っ掛かり少ない楽曲ながら、間奏のホーンセクションの物珍しさとドラムの主張の凄まじさに編曲者の仕事が見られる。と、このようにSSWの作品は結局、編曲次第で主役が変わるので、本作の鍵は編曲を担当した河野伸、渡辺善太郎の二人にある。前者は①、③、⑦、⑧、⑩を、後者はそれ以外の楽曲の編曲を担当。アルバムのリード曲はMVを作られた④なのだろうが、ハイライトは本作を既聴済みならば満場一致で⑦に決まるだろう。雷鳴のSEに導かれてギター一本、そこからVo.掛け合った後に絡んでくるストリングスは「SSW」坂本真綾を貶めることない編曲者の勝利だ。ながら、この⑦を除けば、可も無く不可も無く……の評価に落ち着く本作。手堅くまとめられ耳心地こそ良いものの、驚くような「何か」は見当たらず、曲の区別がつく瞬間は間奏(編曲者)任せになってしまっている。菅野よう子がプロデュースから離れても、ファンが坂本真綾を追い続けるのは「声」が主だった理由なんだろうから、SSWなんて箔付けで三十路を過ぎた女性の「これから」を巷の48グループ的な「成長」を見守る観点で《買う》のはキツイ。SSW成長譚はシングルのB面で披露して頂いて、次作以降は楽曲提供をしっかり受けて臨んで欲しい。それこそ未だ現役!なSSWの鈴木祥子なりに丸々一作プロデュースを受けるなりして。『かぜよみ』収録の「失恋カフェ」の出来も良かったので、TABO(ex-Superfly)のプロデュースでも面白そう。クレジットの注釈通り、③&⑦は過去収録の楽曲のmix違い、Ver.違いです。

シンガーソングライター/坂本真綾 (2013)

category: あ-な

tag: MUSIC 250円

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Driving in the silence/坂本真綾 (2011)

Driving in the silence
1 Driving in the silence
2 Sayonara Santa
3 Melt the snow in me
4 homemade christmas
5 今年いちばん
6 たとえばリンゴが手に落ちるように
7 極夜
8 誓い
9 Driving in the silence -reprise-

Price Check.――― ¥ 100

安心のマーヤ節と受け取るか、既存のファンに秋波を送って来たと邪推するか……河野伸をサウンドプロデューサーに招いて、賛否両論の7th『You can't catch me』から約10カ月とわずかな期間を置いてリリースされた本作は、<冬>をコンセプトにしたミニアルバム。曲の提供者にはアニソンをジャズでアレンジする人気シリーズ「Platina Jazz」で知られるラスマス・フェイバー、江口亮、永野亮、柴草玲と新顔が揃う。それでもPVも作成された②からも分かる通り、本作の目玉はやはりラスマス・フェイバー。<冬>がコンセプトと決めて、冬と云えば「―――北欧」というやや安直な連想からの提案ながら、そこからラスマス・フェイバーを引っ張ってきたのは面白い展開。さてどんな曲になるかと思いきや、②はストリングスアレンジといい、奇を衒うことのない「いつもの」坂本真綾ソングでビックリ。耳馴染み良く、これは出だし好調……と安心していると、同じくラスマス提供の③で「……セルフカバー?」と思わずクレジットを見ることとなる。いや、困ったことに③だけではない。他の曲も総じて既視感ならぬ既聴感が付きまとう。ただ、楽器アレンジ多いオモチャ箱ソング⑥で気づくのは、根本的な問題は<歌メロ>にある事実。これは坂本真綾自身では(気づいて欲しいが)気づけないかもしれない。だからこそ全曲編曲に携わった河野伸にどうにかして欲しかった。……いや、もしかすると、編曲した結果こうなったのか?そもそも、ストリングスの挿し込み方といい、編成といい、全部「同じ」に聴こえるぞ?幾らなんでもパターン少な過ぎじゃね?と私個人の判定はアウトながら、新規さん、坂本真綾マンセーな諸氏には安心の一作。BEST盤『everywhere』収録の表題曲以来の自身による作詞/作曲の⑧も収録されているので、彼女のSSWとしての成長具合を確かめるのも良いかもね。

Driving in the silence/坂本真綾 (2011)

category: あ-な

tag: MUSIC 100円

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You can't catch me/坂本真綾 (2011)

You cant catch me
1. eternal return
2. 秘密
3. DOWN TOWN
4. 美しい人
5. キミノセイ
6. ゼロとイチ
7. みずうみ
8. stand up,girls!
9. ミライ地図
10. ムーンライト(または“きみが眠るための音楽”)
11. 手紙
12. トピア

Price Check.――― ¥ 150

先行リリースされたシングル③が70年代に活躍した伝説のバンド「シュガー・ベイブ」のカバーというところからも察せられる通り、収録曲の諸所にレトロな音遣いが目立つ本作。坂本真綾自身もそれに合わせて他作品とは一風違った歌唱を披露し、そこが新鮮で耳を引く。全体的に懐古的でポップスに寄り過ぎな感もあるが、これは坂本真綾の意向というよりは、レコード会社の方針が透けて見える。インターネットの発達により<フリー>思想が蔓延している現在、固定ファンを持っている……踏み込めば、CDという不当に高い<モノ>を買ってくれるファンを持つアーティストを如何に抱えられるかがレコード会社の喫緊の課題な訳だが、坂本真綾は声優であり、故に彼女の支持層は9割方「ヲタク」である。この熱心な購買者を取り逃がさないためには単純にアニメの主題歌とタイアップさせればいいのだが、……要は、若い今は良いが、5年後、10年後はどうなのかと。菅野よう子に見い出されて以来、10代の瑞々しい感性を歌ってきた坂本真綾。その親元を離れて挫いて折れて、前作でとうとう20代の歌を手に入れ、本作では30代で歌っても恥ずかしくない曲を獲得するのがテーマなのだろう。これは実際、女性アーティストには大事な視点で、同じく年齢を重ねていくファンにも優しい視点と云える……がしかし、試みは賛成出来るものの、肝心の曲がパンチに欠ける。スネオヘアー(⑤)、スキマスイッチ(⑥)など従来の作曲陣以外からの楽曲提供も本作のセールスポイントのひとつに挙げられるが、もっと無茶ぶりして良かったと思う。例えば前者なら「トライアングラー」ばりに叫ばせても良かった。その点、もはやお馴染みの鈴木祥子の提供曲⑧は流石の出来。溌剌した女性像を想起させる曲で、歌い手が年を重ねてもその分だけ魅力を増しそうなのが素晴らしい。前作に引き続きスポット参戦した菅野よう子提供の④はリズム面からして明らかに異質の光を放っている……自由だなぁ~、この人。固定ファンには拒否反応が出てしまうだろうが、個人的には今後の坂本真綾に期待を持てた一作。全編鈴木祥子プロデュースの作品が聴いてみたいね。

You can't catch me/坂本真綾 (2011)

category: あ-な

tag: MUSIC 250円

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かぜよみ/坂本真綾 (2009)

かぜよみ
1. Vento
2. トライアングラー  
3. 風待ちジェット~kazeyomi edition
4. Remedy
5. 雨が降る
6. Get No Satisfaction!
7. 蒼のエーテル
8. 失恋カフェ
9. SONIC BOOM
10. ピーナッツ
11. さいごの果実
12. Colors
13. カザミドリ
14. ギター弾きになりたいな

Price Check.――― ¥ 300

自身のシングルでの最高記録であった3rdシングル「奇跡の海」のセールスを約10年振りに更新した②はTVアニメ「マクロスF」のオープニングという話題もさることながら、久方ぶりの菅野よう子の楽曲提供ということが何よりもファンを狂喜させた。曲自体も、坂本真綾「らしくない」声を張り上げる意外性のあるもので、これまた、プロデューサーとしての菅野よう子の辣腕ぶりを証明。そのままアルバムも全編プロデュースに戻るのかと思ったら、そこは話が違うようで、関わっているのは②と⑦のマクロス関連のみ。しかし本作、ようやく<脱・菅野よう子>と評しても批判を浴びない良質のポップスを揃えた好盤となった。やはり注目すべきは、<10代の歌>を止めたことだろう。鈴木祥子の手掛ける③、⑪のシングルはもちろんだが、収録曲はこれから年齢を重ねても歌える曲となっている。ボッサ歌謡⑧はその象徴的トラック。歌詞も含め、残り30秒からの展開は「新しい」坂本真綾と称えるに相応しい仕上がりだ。曲のバラエティに富んでいるのも特徴で、ライヴで自らリズムギターを弾くストレートなポップ・ロック⑥は中盤の良いアクセントになっている。大ヒットとなった②が実はこの作中で違和感バリバリの曲なのだが、エスペラント語で歌われる小曲①の後に配されているために気にならないのが隠れたファインプレー。ラスト⑫のアットホームな音作りも良かった。ファンの新規開拓も出来る坂本真綾の20代最後のアルバム。キャリアの上では、中期の代表作に数えられるだろう。

かぜよみ/坂本真綾 (2009)

category: あ-な

tag: MUSIC 500円

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30 minutes night flight/坂本真綾 (2007)

30minutes night flight
1. 30minutes night flight
2. ドリーミング
3. 記憶 - there's no end
4. 僕たちが恋をする理由
5. セツナ
6. ユニバース
7. 30minutes night flight-sound of a new day

Price Check.――― ¥ 100

前作での悪夢がありありと残るファンに、―――菅野よう子復帰!の吉報のないまま届けられたのは、『30 minutes night flight』と題されたミニアルバム。本作は全曲を合わせて「30分」のランニングタイムに設定されたコンセプトアルバム。坂本真綾のコンセプトアルバムと云えば同じくミニアルバム『イージーリスニング』が曲から歌詞(私が坂本真綾の歌詞で「巧い」と思うのはこの作品に収められたものだけ。異常に「巧い」故に、実はここでの歌詞、本当は書いてないんじゃないかとさえ疑っている)まで傑作だっただけに、否が応でも期待してしまうが、……さて、その結果は如何に?30分間の夜間飛行の幕開けを飾る①は新境地とも云えるダンスビートを採用した佳曲で、前作から遡って「初めて」外部ライター起用の意味を見い出せる一曲。それで、次の曲は、……と期待してはいけないのが本作。②からは前作での悪夢がフラッシュバックしてくるかのような、当たり障りの無さが逆に印象を悪くしてくれる曲が並ぶ。そういう意味ではコンセプトに反して、眠れない夜も思わず眠れてしまう退屈さはある作品だ。そんな中、坂本真綾自身が度々フェイバリットに挙げる⑥は聴き込んでくるうちに沁みてくるバラード。作曲した鈴木祥子(SSW)を前作の曲提供以来、随分と信頼しているようで、シングルでも続けてコラボしている。三十路も間近となり、曲にせよ、歌詞にせよ、相応の成熟を求められるなかで、40を超えて歌詞を書ける人に興味を持ったのかもしれない。もどかしさが残る内容ながら、上記に挙げた①と⑥、そして、時間制限のコンセプトで菅野よう子不在をファンにどうにか現実として受け入れさせた作品。

30 minutes night flight/坂本真綾 (2007)

category: あ-な

tag: MUSIC 100円

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夕凪LOOP/坂本真綾 (2005)

夕凪LOOP
1. Hello
2. ハニー・カム
3. ループ
4. 若葉
5. パプリカ
6. My Favorite Books
7. 月と走りながら
8. NO FEAR / あいすること
9. ユニゾン
10. 冬ですか
11. 夕凪LOOP
12. a happy ending

Price Check.――― ¥ 50

このアルバムを聴いて、まず思った……というか、気づかされたのが、自分は坂本真綾が好きなのではなく、菅野よう子の曲を歌う坂本真綾が好きだという事実。デビュー以来、一貫してプロデュースを手掛けてきた菅野よう子と離れた本作は、順調に<アーティスト>としてのキャリアを積み上げてきた坂本真綾に初めての明確な挫折をプレゼントしてしまった一作となった。坂本真綾が一声優から一アーティストへとそのランクを大きく上げたのは、CD Journalやミュージック・マガジンなどの音楽専門誌で2ndアルバム『Dive』が年間のベストアルバムに選定されたことに起因する。そこでの称賛は彼女の透明感のある声、それと10代の瑞々しい心情、日常の風景を切り取る作詞に当てられ、それ以来、菅野よう子のバラエティ豊かな楽曲を彼女の力で見事に昇華……なんてファンの勘違いをまさに正してくれたこのアルバムの曲は、7人もの外部ソングライターが持ち寄ったにもかかわらず、いずれも右から左に流れていく気の抜けたポップソング。それを証明するように、後に出すベストアルバムにはシングルとなった③(しかし、「ループ~sunset side」と改題されて完全に編曲し直されている)及び、安定のバラード⑧以外見事に収録されていない。とにかく、菅野よう子が関わらないだけでここまでつまらないアルバムになるとはファンでさえ思わなかった。菅野よう子と本作の作曲陣の分かり易い差は、ベースパートにあるだろう。聴き比べてみれば分かるが、菅野よう子はベースそれだけを追うとプログレ的展開をしているのだが、それでキャッチーに聴こえるのだから意味が分からない。それだから、本作のようなストレートなポップソングでは坂本真綾そのままの実力が出る。本作は、等身大の坂本真綾がいる。適度に透明感のある声で、日常を変わった語彙を使うことなく描くセンス。そして、曲を邪魔しない「無」個性。ラストトラック⑫がせめてもの救いのように平凡に輝く。

夕凪LOOP/坂本真綾 (2005)

category: あ-な

tag: MUSIC 100円

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