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BATTLE AND ROMANCE/ももいろクローバーZ (2011)

バトル アンド ロマンス
1. Z伝説 ~終わりなき革命
2. CONTRADICTION
3. ミライボウル
4. ワニとシャンプー
5. ピンキージョーンズ
6. キミノアト
7. Dの純情
8. 天手力男
9. オレンジノート
10. 行くぜっ!怪盗少女
11. スターダストセレナーデ
12. コノウタ
13. ももクロのニッポン万歳!

Price Check.――― ¥ 250

アイドル(Idol)とは何か?それ、すなわち“偶像”である。私の人生で後悔を挙げるならば、「本を読まなかった」こと、そして、「アイドルを創らなかった」ことの二点に尽きる。前者はコンセプトを持って読まなかったが故に、後者はアイドルなるものの存在意義を考えすらしなかった故に、その時分の自分を現在までに継続出来ず、「欠けてしまった」我が身を嘆いている。『自分を創る』、―――これが二つの後悔にある共通項だ。本については自明だろう。何のために読むのか、それを決めて読まないことには本は世に溢れ過ぎている。では、アイドルの存在意義とは?おそらく、多くの人が私と同じように、アイドルの存在意義に気づけていないはずだ。なので、単刀直入に言おう。あれは『鏡』だ。年を取り、現実を伝えてくれる、生きる『鏡』だ。人はある時から年を取らなくなる。加齢の自覚を持てなくなる。しかし、自分を預けた“偶像”にだけは辛辣なまでに冷静になれる。思春期にアイドルを創り、持つことは、『時間経過』を実感する上で、とても効果的なのである。そんな機能を私に提示してくれた、 “偶像”に“偶像”を重ねた異色のアイドルグループ・ももいろクローバーZ。本作は、本屋大賞ならぬ第4回CDショップ大賞「大賞」さえ戴冠してしまった1stアルバム。アイドルにありがちのシングル収録曲が並ぶ構成かと思いきや、アルバム限定曲が多く、シングルも前身のももいろクローバー(6人編成)時にリリースされた曲は、現在の5人編成で収録し直されているため、実質の新曲となっている。自己紹介も兼ねた①に代表されるようにユーモアを含んだパーティーソングが多いが、このグループの本質は②や⑧、そして、この10年で史上最強のアイドルソングと謳われる⑩のような人称を突発的に壊して、いつの間にか“偶像”と「対峙する」歌詞にあるだろう。これは理解してみれば、背筋も凍る恐ろしい仕掛けだった。まあ、細かく書いても仕方が無い。詳しくは、歌詞を読みながら⑩のライヴ映像を観て震えて欲しい。歌詞中で、理想の貴方に「会える」。そりゃ、オッサンほどハマるだろうよ( ´_ゝ`)b

BATTLE AND ROMANCE/ももいろクローバーZ (2011)

category: は-ら

tag: MUSIC 250円

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GUITARHYTHM V/布袋寅泰 (2009)

GUITARHYTHM Ⅴ
1. GUITARHYTHM RETURNS
2. INTRO~Welcome to G.V~
3. DECALOGUE
4. SCIENCE KILLED THE FUTURE
5. SUNSHINE OF YOUR LOVE
6. 風の銀河へ
7. TiC TaC
8. VICIOUS BEAT CLASHERS
9. OPUS
10. BEAUTIFUL MONSTERS featuring LOVE
11. アストロノーツ
etc...

Price Check.――― ¥ 100

「GUITARHYTHM」シリーズとしては、『GUITARHYTHM IV』リリース以来、15年ぶりの第5弾。過去のコンセプト・シリーズを再始動させる発端は、コンピューターを使用しなかったライヴ・ツアーの反動、その意を汲んで制作したCREAMの名曲⑤のデモ完成によって……とのことだが、こんな至極納得のエピソードさえ眉唾と捉えてしまうのは、私が布袋寅泰を“打算”のアーティストと認識しているからに他ならない。過去のレヴューでも述べているが、布袋寅泰は日和見主義なところがあり、(商業的)失敗を極度に恐れる。『GUITARHYTHM』に幕を引いたのはデジタル・ロックという時代遅れの産物に関わっていたくないためだ。それが15年が経ち、再びデジタル・ロックにアプローチしてきたのは、ひとえに欧米での80年代のリヴァイバル・ブームに呼応した、サカナクションを始めとする日本での電子音楽の隆盛の兆しに目ざとく興味を示し、己がこのジャンルの先駆者というアピールの意味を含めて……なんて本作の制作背景を推し量ってみる。そんなゴシップは置いて、本作のテーマは「言葉のリズム」への挑戦とのこと。確かに一聴して「歌う」のが目的ではないのが分かる。ただ、これなら「英語詞で歌ってくれ」という一部の指摘も首肯したくなる。曲自体はクリス・ペプラーを起用した宣誓②からしばし唾棄したくなる思いつきの退屈さを覚えるものの、「聞かせ」にきた⑥、起伏ある⑦などは流石の仕事っぷりを魅せる。元CORE OF SOULのVo.を担ったLOVEをフィーチャリングした⑩は「GUITARHYTHM」と呼べるか否かは忘れての本作のハイライト。布袋節とも云えるフィードバックが随所で唸る。ギタープレイを目的で買うと散財になるだろうが、相変わらず音数多く、アイディアを盗む観点で聴けば参考になるだろう作品。

GUITARHYTHM V/布袋寅泰 (2009)

category: は-ら

tag: MUSIC 100円

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GUITARHYTHM IV/布袋寅泰 (1994)

GUITARHYTHM Ⅳ
1. TIME HAS COME
2. SERIOUS?
3. SURRENDER
4. 薔薇と雨
5. 気まぐれ天使
6. INTERMISSION
7. SIREN
8. OUTSIDER
9. さらば青春の光
10. ESCAPE
11. RUN BABY RUN
12. GUITARHYTHM FOREVER

Price Check.――― ¥ 150

デヴィッド・ボウイの名盤『ジギー・スターダスト(The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars)』を模したジャケットに映る二人の布袋寅泰が示すは振り返る「これまで」と待ち構える「これから」……今後の布袋寅泰の音楽活動というアングル(プロレス用語)の通り、本作を以って「GUITARHYTHM」シリーズは幕を閉じる。そして、本作では「スピード」「リフレイン」「メロディー」「コンピュータ」「パンク」と並べられた当初の「GUITARHYTHM」の方針から「コンピュータ」の要素が欠け、バンド・サウンドが鳴り響く。自らのソロ活動のアイデンティティーとしていたデジタル・ロックとの決別の理由は何なのか?答えは単純で、デジタル・ロックが「時代遅れ」だったからである。そして、何より、「売れたかった」からだ。布袋寅泰の現在に到るディスコグラフィーを俯瞰的に眺めてみれば、彼の音楽には実のところ、先進性が無いことが分かる。すべてがその当時の欧米のヒットチャートの後追いで、新しい「試み」は欧米での成功例の模倣をしているに過ぎない。ただ、逆にこの節操の無さが布袋寅泰の凄味で、流行から間を置かず要点を消化し、すぐさま「作品」としてリリース出来るのはまさに才能の為せる業だ。「GUITARHYTHM」と冠されながらまるで「GUITARHYTHM」ではない本作は、1stからの布袋ファンにすこぶる評判悪いが、J-POPとして聴いてみれば特段非難を向けられる謂れのない作品。収録曲では前作から引き続く“男の中の男” 路線での代表曲となったシングル③、⑨がつとに有名だが、オーケストレーションで己のナルシズムの粋を表した④(デヴィッド・ボウイも絶賛とのこと。Wikipedia参照)も十二分に耳を惹く。全作詞/作曲を布袋自身が担当し、その意味では純度は100%ながら、1stのような突き放すエゴを感じられない。本作は1stと比較することで、《アーティスト》のなんたるかを逆説的に実感出来る作品となっている。

GUITARHYTHM IV/布袋寅泰 (1994)

category: は-ら

tag: MUSIC 250円

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GUITARHYTHM III/布袋寅泰 (1992)

GUITARHYTHM III
1. MILK BAR PM11:00
2. UPSIDE-DOWN
3. DIRTY STAR
4. さよならアンディ・ウォーホル
5. DIVING WITH MY CAR[RED ZONE VERSION]
6. PRECIOUS DEAL
7. EMERGENCY
8. ELECTRIC WARRIORS
9. GUILTY
10. I’M FREE
11. LONELY★WILD[UPPER VERSION]
etc...

Price Check.――― ¥ 250

―――皮ジャンはロックンローラーの皮膚なんだ。いつからか、布袋寅泰には“男の中の男”なイメージがついているが、それは布袋自身も自覚的に演じ始めた本作からではないだろうか? 少なくとも、ソロワーク当初における布袋の目指した像は《ロックスター》ではなく、いわゆる《アーティスト》だったはずだ。個人的に、布袋寅泰に学ばせてもらったことはトータルのコンセプトを持つことの意味だ。これは彼が「魔法使い」マーク・ボランや「宇宙人」デヴィッド・ボウイから学んだことなのだと思うが、それでも、その着眼点だけでも称えたくなる。音楽だけでなく、ファッションを含めたひとつの「自己像」を創り、聴衆にプロレスを仕掛ける―――絶対に「売れる」ための高度な方法論。これによって才能だけでは辿り着けない、現在に到る“Special One”な彼の地位は築かれた訳だ。さて、本作は、「スピード」「スリル」「ワイルド」をコンセプトとした「GUITARHYTHM」シリーズの第三弾。前二作と比して、明らかに音数を減らしたのは独り善がりに終わる危機感からだろう。ロックファンの多くが求めるスピードを強調した楽曲群は、ライヴを意識した、というのは事実にしても、前二作に見られたアートから遠ざかる。有り体に云えば、再びBOOWYに近づいた。デジタル・ロックが主体なのだから、音楽性は勿論違う。しかし、「俺は何でも出来る!」と酔っていたナルシシズムは息を潜め、誰もがイメージする分かり易い《ロックスター》へと向かい始めた事実に、私は布袋寅泰の日和見主義を垣間見る(もっとも、後にロカビリーという活路を見い出したのには器用を飛び越えた才人故の離れ業なのは認める)。しかしながら、バイク、ブォーン!の馬鹿を「演じる」のは流石に嫌なようで、①&⑬のようなメロウなインスト、アンディ・ウォーホールの名を借りた④(なんと、名曲「Motorbikin'」で著名なクリス・スペディング(G.)がゲスト参加!ついでに、⑩にも!濡れる!!)などに《アーティスト》な一面を覗かせる。迫力のイントロを持つ⑧は盟友マイク・エドワーズとの共作。批判的に書いてはいるが、「GUITARHYTHM」シリーズで一番気に入ってます。You've gotta run, find a new time and tide!

GUITARHYTHM III/布袋寅泰 (1992)

category: は-ら

tag: MUSIC 250円

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GUITARHYTHM II/布袋寅泰 (1991)

GUITARHYTHM II
---『時空を超えた魂の旅』---
本作は「BEAT EMOTIONによって解き放たれた魂が時空を自由に飛びまわり、綺麗なもの、哀しいものなどを見たりしながら傷つきながら彷徨い、最後に火星からきたスターマンに拾い上げられ天に昇っていく」といったシナリオとなっている。

Price Check.――― ¥ 200

吉川晃司とのスペシャル・ユニット「COMPLEX」の活動休止後にリリースされた、「GUITARHYTHM」シリーズの第二弾。全24曲、二枚組の大作で、Disc 2に収録された“憧れの人”デヴィッド・ボウイのカバー⑫を除けば、前作で見られた英語詞は消え、日本語詞となっている。比較的UK色強かった音楽性もより拡散、拡張し、ニューエイジの趣あるDisc1の⑥&⑦、ZZ Topばりのダイナミックなギターを響かせる⑨、ギターonly光るインスト⑫、Disc 2ではオーケストラのみの楽曲⑤など、ソロワークならではの自由な作曲活動が目立つ。しかし、チャートで初登場1位こそ飾るものの、本作、それに伴うライヴ・ツアーでのファンのリアクションがイマイチだった事実は当然と云えば当然で、その理由は本作が……というよりも、「GUITARHYTHM」シリーズ自体があくまで布袋自身のための作品だからに他ならない。BOOWY解散後、氷室京介は(実質、布袋が造った)BOOWYサウンドを継承し、布袋はそのBOOWYでは無いサウンドを追求した。BOOWY以前、BOOWY以後なんて語られるように、BOOWYは「日本での」バンドサウンドの答えだ。これに背を向けるとなると、必然的にアート(個人=理解者無き道)へと向かう。ただ、布袋寅泰は極めて器用な才人で、自己演出に長けたロックスターであるのは御承知の通り。「GUITARHYTHM」なるコンセプトが枷になると分かると、呆気なく、実に適当な理由を述べて放り捨てる。事実、次作『GUITARHYTHM Ⅲ』では本作の不評を早くも考慮して、本作で人気高いDisc 2の⑦のような割合ストレートな曲調を並べてくる。故に、アートへ向かう「GUITARHYTHM」らしい「GUITARHYTHM」の最後の作品が本作と云える。Wikipedia参照ながら、氷室京介の本作の感想が「長げーよ」と置き、「いいけど長い」「長いのつくりたかったんだからいいんじゃない?」なるエピソードは、私のなかで氷室京介の株を上げました。

GUITARHYTHM II/布袋寅泰 (1991)

category: は-ら

tag: MUSIC 250円

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GUITARHYTHM/布袋寅泰 (1988)


1. LEGEND OF FUTURE
2. C’MON EVERYBODY
3. GLORIOUS DAYS
4. MATERIALS
5. DANCING WITH THE MOONLIGHT
6. WIND BLOWS INSIDE OF EYES
7. WAITING FOR YOU
8. STRANGE VOICE
9. CLIMB
10. GUITARHYTHM
11. A DAY IN AUTUMN

Price Check.――― ¥ 300

「わかりやすくいうと、SEX PISTOLSのギタリストとSIGU SIGU SPUTNIKのリズム隊をバックに、Eddie CochranがThe Beatlesの歌を赤いスーツを着て歌うということ。」とコンセプト付ける本作は、今やイギリスはロンドン在住となった布袋寅泰の1stアルバムであり、現在まで続く「GUITARHYTHM」シリーズの第一弾。その音楽性を区分けすれば、発売当時、最先端の“ロック”として持て囃されていたデジタル・ロックの範疇に入る。全曲英語詞が採用されているが、これは事実上、未だに到達出来ていない「世界的ギタリスト」の地位を目指した野心の跡で、布袋自身のまだ不慣れなヴォーカル・パフォーマンスを鑑みれば、冒険し過ぎた感がある。当時は近未来的に響いただろうサウンドも、発売から干支が二回りする現在では、何ともレトロな耳触りで時代性を感じる。しかしながら、そんな粗も承知の上で旧来のファンが本作を最高傑作と挙げるように、布袋寅泰の、一個人のアートが密度高く封じ込められている。収録時間は45分ながら、体感的にはその倍の長さに感じられる。布袋寅泰のソロワークは、氷室京介へのコンプレックス、そして、エゴイズムとナルシシズムから端を発していると(私は)解釈しているが、その意味で云えば、本作は処女作にして集大成の一作と断言出来る。BOOWYでは無い事実を突き詰めた怪奇なリズム、世界を過剰に意識した東洋音階、⑨で魅せるフラッシーなギターソロでの当時のギターヒーロー・ブームへの参加表明など、各曲で散見されるエゴイズムは類まれない。後にもリメイクされ続ける表題曲⑩は、英米の80年代のロックを布袋式溶鉱炉へ溶かし込んだ大曲(……と思ったら、これもせいぜい5分超だった)。冒頭のコンセプトを証明付けるように、エディ・コクランの②をカバー。これがまた、格好良い。余談だが、⑤はイギリスでのみシングルとしてリリースされているが、話題を呼ばず、ここから何度となく布袋寅泰は世界の壁に阻まれ続ける。

GUITARHYTHM/布袋寅泰 (1988)

category: は-ら

tag: MUSIC 500円 代表作

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WHITE ROOM /YOSHII LOVINSON (2005)

WHITE ROOM
1. PHOENIX
2. CALL ME
3. 欲望
4. WANTED AND SHEEP
5. RAINBOW
6. JUST A LITTLE DAY
7. FINAL COUNTDOWN
8. NATURALLY
9. トブヨウニ(ALBUM VERSION)
10. FOR ME NOW
11. WHAT TIME

Price Check.――― ¥ 200

THE YELLOW MONKEYの成功が確約された曲が「JAM」ならば、吉井和哉のソロ活動を支えることになった一曲は間違いなく本作の先行シングル②「CALL ME」だろう。吉井和哉は作詞の妙手として数えられるのは衆目の一致するところだと思うが、同曲でも「狙い」済ましたフレーズを挿し込んでくる。それは「”人間的”とは何かな?」と問い掛けるラインであり、「人が人の上を目指し」と前置いて「” I LOVE YOU”が灰になる」と掛け合わせてくるライン、オマケで「恋に罪に欲に胸に花に水に風に雲に空に星に」と概念を並べて飛翔してくる最後のライン。吉井和哉は「狙う」とき、歌詞に二つ以上の「仕掛け」を施してくる。彼の基本的な作詞スタイルは、安易な言葉遊び……韻をガラクタのように踏むことだと解釈しているが、人が定める「名曲」な歌詞を把握し、そのニーズに沿って創れるところは、さすがロックスター!とやんやの喝采を送りたくなる。②に対する言及が長くなってしまったが、本作はYOSHII LOVINSON名義の最後のアルバム。前作同様、テクニカルな面は控え目ながら、盟友EMMAこと菊池英昭(G.)の他、セッション・ミュージシャンを起用しているため、演奏はかっちり仕上がっている。楽曲は陰を引き摺りながらも、⑥、⑦でスライドギターが飛び出すように、アメリカン・ロックを下敷きにした陽性も感じられ、次作にて実行される本命名義「吉井和哉」への準備が整ったことを予感させる。ただ、……どこか満足出来ないのは結局、THE YELLOW MONKEYのハードロックを依り代にした毒っ気を求めているんだろうな、と。

WHITE ROOM /YOSHII LOVINSON (2005)

category: は-ら

tag: MUSIC 250円

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at the BLACK HOLE/YOSHII LOVINSON (2004)

at the BLACK HOLE
1. 20 GO
2. TALI
3. CALIFORNIAN RIDER
4. SADE JOPLIN
5. SIDE BY SIDE
6. FALLIN' FALLIN'
7. SPIRIT'S COMING (GET OUT I LOVE ROLLING STONES)
8. BLACK COCK'S HORSE
9. SWEET CANDY RAIN
10. AT THE BLACK HOLE

Price Check.――― ¥ 150

ロックスターを演じることに疲れ果てた吉井和哉が、2004年にYOSHII LOVINSON名義でリリースした初のソロアルバム。その内容は、THE YELLOW MONKEYから流れてくるだろうファンを拒むような、どこか淡々と脱力気味にこぼす歌唱と、ギターで陰影彫るオルタナティヴ・ロック。各楽器パートに複雑なフレーズは無く、それはドラム以外のパートをすべて吉井和哉が担当した事実で納得する。「内省的」、とバンド活動からソロワークに転じるアーティストによくありがちな要素を軸にしているのが本作と云える。THE YELLOW MONKEYにおいてもこの手の「陰」に焦点を当てた曲はあったが、……本作に収められている楽曲はいささかと言わず、それらと趣が違い、パフォーマンスの「華」を取り除くことに腐心している節がある。④における裏で吹かれるリコーダー(?)の短音はその典型だ。Radioheadに共感している、なるインタヴュー記事を読んだことがあるが、それも⑦、シングルに選ばれた⑨などで顕著に伺える。下品なタイトル⑧では「俺の歌は俺の歌 君のものじゃないぜ」なんて歌ってくれる。暗い、なんて内省的なんだ!……しかし、そこで聴いていて思ったのが、これは病んでさえいない、という結論。YOSHII LOVINSON名義の作品は次作「WHITE ROOM」で終わり、三作目以降は、本名である「吉井和哉」名義に変更される。これが意味するところは結局、ファンへの踏み絵、ファンのふるい落とし作業なのだろう。吉井和哉は「吉井和哉」を汚される前に、「YOSHII LOVINSON」となって非難を浴びたのだ。ロックスターを演じる人は兎角、頭が良い。吉井和哉は「YOSHII LOVINSON」を生け贄にして、THE YELLOW MONKEYの吉井和哉とソロアーティストの「吉井和哉」、二つのアタリ役を手に入れるのである。個人的なフェイバリット・トラックは本作中、一番「らしさ」溢れる才能ひけらかしソング⑥。こういう歌詞が書けて、曲が作れるなら、周りが馬鹿に見えて仕方ないだろう。

at the BLACK HOLE/YOSHII LOVINSON (2004)

category: は-ら

tag: MUSIC 250円

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