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第3回ファンタジア大賞 準入選:ひとつ火の粉の雪の中/秋田禎信

ひとつ火の粉の雪の中
1.鬼の子
2.蜘蛛の里
3.天竜鬼神
4.修羅の話
5.鬼の姿
6.月の影
7.出口
etc...

answer.――― 60 点

秋田禎信、17歳―――今が灼熱の刻!富士見ファンタジア文庫の超級エース『魔術士オーフェン』の著者のデビュー作は、神道と仏教をベースにしたジャパネスク・ファンタジー。その内容は最強の修羅・鳳が、鬼の血を引く少女・夜闇を連れて、辿り着くことのない『海』を目指すというもの。秋田禎信というと、前述『魔術士オーフェン』の人気番外編シリーズ『無謀編』における、ザ・ライテストノベルな会話のやり取りが思い浮かぶが、本作では同じ著者とは思えない、まさに禅問答が全編に渡って展開されている。あとがきにもあるように受賞から丸一年をかけて校正したとあってその禅問答の純度は100%、読者を甘やかすようなシュガースパイスは一頁たりとも見受けられない。ストーリーにしても、見知らぬ町で外国人に道を訊かれるように、ただただ困惑の極み。何せ、本来なら楽しむべき会話は禅問答。問答しては斬り、斬っては問答の繰り返し。一体全体、著者は読者にどんな答え(感想)を出させたいのか?しかし、これを17歳が書いたという事実は注目に値する。後に数多のライトノベラーを虜にする黒瞳黒髪の主人公を産み出す著者が、17歳のときに何を考え、何を創ろうとしたのか。たとえ、本作がタイピングの練習の末の産物だったとしても、ある作家の10代の思考を留めた作品として手を出してみても良いかもしれない。何にせよ、10代の作品とは思えない難解な一作。

第3回ファンタジア大賞 準入選:ひとつ火の粉の雪の中/秋田禎信

category: あ行の作家

tag: ファンタジア大賞準入選(金賞) OPEN 60点 秋田禎信

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