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第3回電撃小説大賞 金賞:パンツァーポリス1935/川上稔

パンツァー
1.序文
2.伝説開始
3.伝説起動
4.伝説発進
5.伝説加速
6.伝説疾駆
7.伝説跳躍
8.伝説飛翔
etc...

answer.――― 55 点

川上稔の代表作『都市シリーズ』の記念すべき第一作目。時はナチスドイツが危険な脈動始める時代、舞台は伯林(ベルリン)―――これだけの設定だと史実ものかと思われるが、時代背景こそ似通わせているものの、精霊式機関などの用語から分かる通り、あくまで異世界でのストーリー。いつの時代にも一定数の人が求める[「宇宙を目指す」というテーマを掲げている。結論から言って旧時代的な作品で、00年以降に青春を迎えた現代っ子には箸にも棒にもなかなか引っ掛からないだろう。ただ、シリーズにもなったように物語としての骨組みはさすがにしっかりしている。宇宙を目指す、機体が進化するなどの要素の他、ほとんどの場面が大地に下りず、空中での出来事で占められている点が興味深い。キャラクターに関しては、当時はこれで良いのだが、現在のつゆだくなキャラクター群と対峙させると薄味と断じざるを得ない。今風にアレンジすると面白い物語になりそうなので、谷川流あたりにトリビュートさせてみるのはどうですかね?

第3回電撃小説大賞 金賞:パンツァーポリス1935/川上稔

category: か行の作家

tag: 電撃小説大賞金賞 OPEN 50点 川上稔

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第3回電撃小説大賞 金賞:NANIWA捜神記/栗府二郎

NANIWA.jpg
(あらすじ)
21世紀大阪。俺、時家鴒は霊能探偵をやっている。霊能者故に可笑しな事件は慣れているつもりだが、人捜しならぬ神捜しとは……。

answer.――― 54 点

インターネットを題材にしているのは、本作が97年に出版されている事実から考えても、著者がなかなかの着眼点の持ち主だと分かる。且つ、そこにストーリーの要素として<言霊>を絡めてくるのは何気にインテリ的才覚を感じさせてくれる。そうして、全編を関西弁で通すアナーキズム。この著者、ひょっとして……と期待すると、「……うん、残念」な出来具合。初期電撃文庫作品とすればオープニングこそ快調なものの、そこからは何かと散漫な印象を与えてくれる本作。上記の通り、要素こそ揃えてきたが、いわゆる「ここが面白い!」と唸りたくなる求心力が無い。キャッチーなイラストは藤岡建機。売れっ子イラストレーターの売れる前の仕事が拝見出来る。

第3回電撃小説大賞 金賞:NANIWA捜神記/栗府二郎

category: か行の作家

tag: 電撃小説大賞金賞 OPEN 50点 栗府二郎

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PSYENCE/hide (1996)

PSYENCE.jpg
1.PSYENCE
2.ERASE
3.限界破裂
4.DAMAGE
5.LEMONed I Scream
6.Hi-Ho
7.FLAME
8.BEAUTY & STUPID
9.OEDO COWBOYS (In Low-Fi Mono!)
10.BACTERIA
11.GOOD-BYE
12.Cafe Le Psyence
13.LASSIE(demo master version)
14.POSE
etc...

Price Check.――― ¥ 250

前作にて散見された活動母体であるX JAPANのHR/HM色を取り払い、インダストリアル・ミュージックへの接近を顕わにした本作はhideのソロワークにおける実質の最高傑作。シングルは⑥(&⑪。両A面)、⑧、⑮とあるが、ファンにとってはともかく、さほど熱心にhideを追っていない人にとってはチャートアクションでの露出具合を鑑みてもその印象は薄いだろう……ながらに、驚くのは曲順の妙。本作は「通して」聴けるのが最大のセールスポイントで、上記のシングル群がこの曲順で掛かれば不思議なまでに極彩色へと変化する。hide自身、「最短期間・最少人数で最高のアルバムが出来た」と豪語したように、アルバムとしての制作期間は一ヶ月に満たず、hideによるBite,bite!bite!が全編で聴ける⑬にはそれを象徴する (demo master version) なる副題さえある。ただ、<demo>と耳にしてイメージする粗さは感じられず、むしろ躍動的とさえ感じる。インダストリアル・ミュージックとは要すればサンプリングや打ち込みなど音を加工する音楽なのだが、このアルバムではNine Inch Nails、Ministryといったそのジャンルの先駆けのバンドとはまた違ったインダストリアル・ミュージックが展開されている。上記のバンドはその時代背景からも大前提としてまずHeavyであることを求められていたが、hideはあくまでPopを追求している。④のリフはHeavyだが、曲全体としてはポップロックの範疇に収まっている。このHeavyとPopの矛盾が結実するのが9thシングル『ピンクスパイダー』なのだが、それはまた後の話。ライヴのオープニングを想像して書かれた①など、曲間を繋ぐインストゥルメンタルは4曲。どれもいちいち格好良く、これがあるからアルバムとしてのトータルバランスが飛躍的に向上しているのが分かる。ただ、その意味でも一曲を切り取って聴くと<弱い>アルバムなのも事実。ちなみに、表題「PSYENCE」は「PSYCHO(精神病)」と「SCIENCE(科学)」を掛け合わせたhideお得意の造語、訳としては「バカ学」とのことです。

PSYENCE/hide (1996)

category: H-N

tag: MUSIC 250円

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