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第17回ファンタジア大賞 準入選 :紅牙のルビーウルフ/淡路帆希


1.赤毛赤眼の狼娘
2.ガーディアン
3.神国と神具
4.狼
5.憧憬の残骸
6.白い魔女と狼王女
7.お姫様ごっこ
etc…

answer.――― 67 点

大学を卒業する間際だったと思う。私と友人たちの間で、しばし話題になった作品があった……それが本作『紅牙のルビーウルフ』。理由は単純明快、帯にデカデカと書いてあった宣伝文句「満場一致の準入選!」。目にしたときは、この文句考えた奴、馬鹿か?と思ったのは言うまでもない。満場一致で「何か足りない」と宣言してどうする?いや、しかし目に留まったのは事実なので、ひょっとするととんでもない釣り師なのかもしれないが……と、本作を買うのも癪なので地元の図書館で借りたのは私の矜持だ。さて、読了して思うことは、―――満場一致の準入選!帯の文句に一字一句、すべてに納得してしまうことである。いやぁ、こいつぁ参ったね!これは「何か足りない」とかではなく、読み進めていくうちに審査員特別賞が佳作になり、佳作が準入選になり、的なステップアップな受賞だったワケだ。本作に用意されたのは、山あり谷ありの豪華絢爛の大展開。暗殺、監禁、逃亡、ゲリラ反抗、選挙に裁判、成り上がり、と雪だるま式に大きくなるブレイヴ・ストーリー。ファンタジー小説にあるまじき、一巻でクライマックス!を実行している。これでつまらないとは実際問題言いづらいが、大賞を逃した最大の要因はキャラクターに魅力が無いことだろう。女性作家特有の、男が抱く「格好良い」との温度差があるように思える。ハゲハゲ言って面白がれるの、小学生だけよ?ただ、「満場一致の準入選」の面白さはあるので、この謳い文句に惹かれて読むのも一興。ファンタジーに手を出すだけあって文章は手堅く、20歳の年齢を考えれば二重丸の語彙。

第17回ファンタジア大賞 準入選 :紅牙のルビーウルフ/淡路帆希

category: あ行の作家

tag: ファンタジア大賞準入選(金賞) OPEN 60点 淡路帆希

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第17回ファンタジア大賞 佳作:七人の武器屋 レジェンド・オブ・ビギナーズ!/大楽絢太

七人の武器屋
1.七人の遭遇
2.七人の素人
3.七人、開店前日
4.七人の武器屋
5.七人の挑戦!
6.エピローグ

answer.――― 64 点

“THE 富士見ファンタジア文庫”―――そんな冠を贈りたくなる生活感溢れるヘッポコ・ファンタジー。主要登場人物はタイトルにあるように、7人。12歳から17歳までの、20歳にも満たない少年少女たちが武器屋の露骨に怪しいオーナー募集の告知にそれぞれの悩める想いを抱きながら集うところから物語は始まる。武器屋を運営する、という要素はゲーム『トルネコの大冒険 不思議のダンジョン』を下敷きにしたようなざっくりとしたもので、本格的とは言い難い。それだから、肝はワイワイガヤガヤの、日常パートの出来が鍵を握ってくる。本作はその握った鍵で見事にプロへの登竜門を開けることに成功。性善説を信じたくなるような明るい登場人物たちが、簡易な文章と相俟って、読み手の心を前向きに整えてくれる。オーナー募集が例の如く詐欺で、その解決には例の如く一発逆転的な魔物退治で、オチもまた例の如く……と、展開の意外性の無さが残念と云えば残念だが、レーベルは違えど、深沢美潮直系のヘッポコ・ファンタジーにプロフェッショナルな仕事を期待するものではない。穏やかな心地に着きたいときにどうぞ、な一冊。3人の看板娘たちはキャラクターとしての幅があるので(特にぶりっ子)、書き手の視点に立てば、色々な実験が出来そうなのも印象的。

第17回ファンタジア大賞 佳作:七人の武器屋 レジェンド・オブ・ビギナーズ!/大楽絢太

category: た行の作家

tag: ファンタジア大賞佳作 OPEN 60点 大楽絢太

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