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ハヤカワ文庫JA:スワロウテイル人工少女販売処/籘真千歳

スワロウテイル人工少女販売処
1.蝶と姫金魚草とアンブレラ
2.蝶と一日草とカメリア
3.水飲み蝶と白蓮と女王の岩戸

answer.――― 72 点

『文章力ランキング(ライトノベル級)』を書くにあたって、Twitter上で推薦された作者の一冊。出自は電撃文庫ながら、本作はハヤカワ文庫ということからもお分かりの通り、ジャンルはサイエンス・フィクション(以下、SF)。本作の世界では〈種のアポトーシス〉が蔓延し、その感染者は隔離された東京の一部地域で人を模して造られた人工妖精と住んでいる。物語はそこで起こる連続殺人の謎から端を発する、自治区の存亡を賭けた戦い。この人工妖精は知る人ぞ知るヲタクの聖典『ファイブスター物語』のファティマそのもので、そうと思えば聖典のエピソード8「トラフィック2 =黒き死の女神=」編がフラッシュバック。故に、聖典を既読済みの方ならば「人工妖精に初恋する青年」の健気な姿を活字で読む感覚。とレヴューをまとめられる。聖典未読の方ならば、やはり上記の世界観にまず興味が持てるかが勝負。冒頭は戦闘描写で始まるが、それ以降は世界観の説明が占める。これはSF作品の楽しみ方のひとつの「型」なので、著者がハヤカワ文庫に流れたのも頷ける書き口だ。ただ、人工妖精の恋が本作の主題だと思うが、終盤の自治区の存亡によっていささか未消化になった印象。著者にとっての書きたいものが多過ぎるので、人工妖精の恋に絞るなりの「妥協」が必要だったろう。文章に関して言えば、〇×なこと、〇△なこと、そして、×△なこと。のように、五七五ではないが、「三つ」並べる癖がある。自分の安心感のためだろうが、そこを乗り超えないと「巧くなれない」。癖を直して、シンプルに出来たなら「巧い」作家に属せるだろう。まだまだ粗い。

ハヤカワ文庫JA:スワロウテイル人工少女販売処/籘真千歳 (2010)

category: は行の作家

tag: OPEN 70点 籘真千歳

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