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このライトノベルがすごい!(2011年版) 2位:僕は友達が少ない/平坂読

僕は友達が少ない
1.プロローグというか キャラの顔見せというか ツカミのようなもの
2.羽瀬川小鷹
3.夜空
4.柏崎星奈
5.狩り
etc...

answer.――― 70 点

壮大なプロローグに巻き込まれたな、と。MF文庫J(tag、MF文庫で通シマス!)が誇る人気ライトノベル『僕は友達が少ない』。冒頭、闇鍋からの衝撃の吐瀉OPに並々ならぬ可能性を見い出し、頁を捲ること凡そ一〇〇回。そうして気づかされる道なき道、物語無き物語とその顛末。本作、驚くべきことにオチまで含めて丸々一冊、<プロローグ>だった。本を閉じたとき、「……始まったよ!」と天を仰いだのは何も私だけではあるまい。ある意味で、正しい第1巻とも云えるが、それだけに一作品としての完成度は低いと言わざるを得ない。それでも、間違いなく「いや、面白いよ」と注釈を点けられるのは「友人を作るため」に結成された隣人部に属する個性派な面々。暗殺者、未来人、サイボーグのような安易で突飛な設定に頼ることなく、不良と間違えられるハーフの主人公、エア友達と喋る孤高のヒロインA、18禁ゲームにハマる女王様ヒロインB、目指せ漢!のためのその1:ストーカー……と、あくまで地に足ついている設定のキャラクターたちのああでもない、こうでもない部活動は高次元な日常で、実に愉快に楽しく描けている。主人公の、リアル中二病の妹はまさに腐れ界隈待望の発明品。風呂が水風呂だったと、中二キャラも忘れて素っ裸で泣いて抱きついてくるMFクオリティ(挿し絵付き)はさすがとしか言いようがない。脇で輝くのが王道のハズの巨乳キャラクターが、正しくヒロインとして機能している点も見逃せない。終盤の終盤、【プール】、【昔のこと】での怒涛の「本作はプロローグだったのです!」宣言には参ったが、これはこれで、未完の情景……といった趣きとも捉えられる。いや、点数以上に楽しめた。ただ、本当にプロローグなのよ本作。

このライトノベルがすごい!(2011年版) 2位:僕は友達が少ない/平坂読

category: は行の作家

tag: このライトノベルがすごい! 70点 OPEN 平坂読

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このライトノベルがすごい!(2011年版) 4位:ソードアート・オンライン1 アインクラッド/川原礫

ソードアートオンライン
(あらすじ)
クリアするまで脱出不可能、ゲームオーバーは本当の“死”を意味する―――謎の次世代MMO『ソードアート・オンライン』の“真実”を知らずにログインした約1万人のユーザーと共に、その苛酷なデスバトルは幕を開けた。主人公は、いち早くこのMMOの“真実”を受け入れる。そして、ゲームの舞台となる巨大浮遊城『アインクラッド』で、パーティーを組まないソロプレイヤーとして頭角を表していった……。

answer.――― 75 点

第15回電撃小説大賞のWinner・川原礫が、そのデビュー前からオンライン上で発表していた人気Web小説を大賞受賞後、単行本化!というよりも、本作を単行本化させるために大賞を受賞させたと見る方が自然だろう。それ程に、本作のオンライン上の人気は群を抜いていた。ストーリーラインは、電撃文庫の黎明期を支えた御意見番・高畑京一郎の『クリス・クロス』そのままなので(マジで)割愛させて頂く。さて、『アクセル・ワールド』の稿でも書いたが、私は本作をあまり評価出来ない。なるほど、戦闘描写は素晴らしい。構成も上記の『クリス・クロス』を知っている身としては白けるが、盛り上げどころを用意出来ている。しかし、―――この主人公、キモ過ぎねえか?と。ゲーム世界に閉じ込められ、孤高を気取ってパーティーを組まず、そんなところに惚れちゃった♪と超絶美女なヒロインとゲーム内で同棲(結婚)し、お互いを愛し合い、ラストバトルでは黒幕と決戦のとき、―――俺が負けてヒロインが後追い自殺しないようにしてくれ(`・ω・´)と痛い感じで胸張り、黒幕が馬鹿だからよく分からないけど勝って目覚めれば病院で、ガリガリに痩せた俺は点滴スタンドを剣の代わりについて、病院内で(―――俺たち、結婚したよね!)と超絶美女なヒロインを探し回り、見つからなかったら絶対に見つけ出してやる!と決意を固める。……いや、ちょっと待ってくれ。これ、普通に恐いわ。ホラーだわ。……他の皆、どうなのよ?と思ったら、ライトノベラー、ほとんど皆、感動しているし。……いや、これ、ホラーだよね?この後、主人公が執念でヒロインを見つけ出して「俺たち、愛し合ってたよな?」と迫るんでしょ?恐くない?オレ、実はそっちのほうが読みたいんだよね。文学だもん、それ。点数は、文章力と巷の人気を考慮しての配点。ただ、私のようにこの主人公に感情移入出来ないと、本当の恐怖体験が出来てしまいます。

このライトノベルがすごい!(2011年版) 4位:ソードアート・オンライン1 アインクラッド/川原礫

category: か行の作家

tag: OPEN 70点 川原礫 このライトノベルがすごい!

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このライトノベルがすごい!(2011年版) 8位:俺の妹がこんなに可愛いわけがない/伏見つかさ

俺の妹
(あらすじ)
俺の妹は、茶髪にピアスのいわゆるイマドキの女子中学生で、身内の俺が言うのもなんだが、かなりの美人ときたもんだ。けれど、コイツは兄の俺を平気で見下してくるし、俺もそんな態度が気にくわないので、ここ数年まともに口なんか交わしちゃいない。よく男友達からは羨ましがられるが、キレイな妹がいても、いいことなんて一つもないと声を大にして言いたいね!だが俺はある日、妹の秘密に関わる超特大の地雷を踏んでしまう。まさかあの妹から“人生相談”をされる羽目になるとは……。

answer.――― 67 点

第一章を締めくくる「……ばかじゃん? 二次元と三次元を一緒にしないでよ。ゲームはゲーム、リアルはリアルなの。大体さー、現実に、兄のことを好きな妹なんているわけないでしょ?」なる妹の台詞が象徴するように、イタタタタ……な表題そのままから連想出来る「萌え」展開が意外なまでに少ない本作。現在に流通するライトノベルと大衆小説の明確な差異は、<人間>と<キャラクター>―――登場人物のパーソナリティーにあるとは、過去のレビューでも述べた通り。しかし、才色兼備、読者モデルも務める勝ち気な妹が「実は隠れオタク」という秘密を知ってしまったことから始まる本作の物語には、現実空間で存在すれば違和感しか覚えない、<キャラクター>らしいキャラクターは登場しない。自分のヲタク趣味への葛藤、SNSを使っての友人探し、厳格な父親による糾弾……物語の進行上でぶつかる妹の問題は、病んだ現代では誇張どころか、十二分にあり得るエピソードばかりで、本作がライトノベルではなく、大衆小説にカテゴライズされたとしても不思議はない。妹やエロゲーなど際どい題材が作中で押し出されるため、序盤で忌避感が出てしまうこともあるかもしれないが、中盤まで目を通させてしまえば反転、幅広い支持も十分考えられる作品。ただ、大衆小説への接近の代償に、ライトノベルらしい破天荒な展開が見られないのが残念。兄が妹をかばう予定調和なエンディングにはもう一波乱、もう一工夫が欲しかった。余談だが、上記の<人間>と<キャラクター>の観点を本作と対比出来る作品には、同じ電撃文庫の『乃木坂春香の秘密』が良いサンプルになると思う。興味がある方はどうぞ。

このライトノベルがすごい!(2011年版) 8位:俺の妹がこんなに可愛いわけがない/伏見つかさ

category: は行の作家

tag: OPEN 60点 伏見つかさ このライトノベルがすごい!

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このライトノベルがすごい!(2011年版) 9位:デュラララ!!/成田良悟

デュラララ
1.『影』
2.首無しライダー 客観
3.首無しライダー 主観
4.街の日常 昼
5.街の日常 夜
6.矢霧製薬 上層部
etc…

answer.――― 67 点

池袋ウエストゲートパークのライトノベル版。あとがきで作者も言及してるしね。明確な差異は、デュラハンが主要登場人物として関わってくること。さて、この小説は物語が無い。もっと踏み込むと、この作家、物語を作るのがかなり下手だ。これは彼のデビュー作を読んだときにも思ったことだから間違いないと思われる。終盤、「……ん?え?そういう話?」となる。こうなるのも雑多にキャラクターが登場して、その度に視点を切り替えていくからだろう。物語が無いのは普通なら致命的だが、彼は人気作家に座している。その理由はキャラクター作りの上手さにある。特に、バッド・ボーイ(Bad Boy)。ライトノベル特有のCoolをまとうのに成功している。ある種、漫画的だ。手放しで「面白かった!」とは言えないが、出てくるキャラクターはライトノベルならどれも明らかな亜種で、その辺に面白さを求めて良いと思う。しかしデュラハン出てくる度、つまらないと感じさせるのは勘弁して欲しい。メインだべ?平和島‘何だ、バカヤロー!’静雄くらいの楽しみをくれ。

このライトノベルがすごい!(2011年版) 9位:デュラララ!!/成田良悟

category: な行の作家

tag: このライトノベルがすごい! OPEN 60点 成田良悟

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このライトノベルがすごい!(2011年版) 10位:神様のメモ帳/杉井光

神様のメモ帳
(あらすじ)
「ただの探偵じゃない。ニート探偵だ」 路地裏に吹き溜まるニートたちを統べる“ニート探偵”アリスはそう言った。高校一年の冬に僕と同級生の彩夏を巻き込んだ怪事件、都市を蝕むドラッグ“エンジェル・フィックス”―――すべての謎は、部屋にひきこもる少女探偵アリスの手によって解体されていく。僕の答えに、普段は不真面目なニートたちが事件解決へと動き出す!

answer.――― 66 点

昨今のライトノベルが掲げるマ-ケット的テーマに「大衆小説への接近」があると思うが、その接近方法をかなりアバウトに大別すると、私のなかでは「桜庭一樹」型、そして、「有川浩」型に別けられる。前者は「もはや」大衆小説であり、後者は「所詮」ライトノベルである。本作は残念ながら後者の型、所詮、と巷の高評価に期待し過ぎたのか、肩透かしを食らった一作。所詮、と批判的な響きを採用しているが、私の趣向と合致しないだけで、それが悪いという訳ではない。二つの型の差を分ける要因は、読者の想定にある。「桜庭一樹」型は筆力に物を言わせる型であり、ライトノベラーに大衆小説を読ませるのではなく、大衆小説の読者に大衆小説を読ませる、という至極真っ当な書き口を展開する。対して、本作が採った「有川浩」型は、ライトノベルの読者に大衆小説を読ませる―――キャラクターはそのままにストーリーを「大人」っぽくした話を綴る。「大人」っぽくする方法には専ら<死>、<病>、あるいは<記憶喪失>など主人公が身近なモノを喪失することを主題とする。本作では、高校に馴染めない主人公をこれまた社会に染まり切れない面々が集う『ラーメンはなまる』へと案内したヒロインが禁止薬物によって自殺未遂&植物人間になる悲劇と遭遇、その発端を探るべく主人公はニート探偵アリスへ協力云々。主題がラノベ読みたちには重いため、何かバッドエンドな感じで良い話ーサーに映るが、禁止薬物扱う事件の割に登場人物の行動、物語の展開が軽弾みで、この辺を「所詮」と見下げたくなる。ただ、読みやすいのは事実で、ライトノベル特有のキャラクター先行が活きているのも頷ける。要は、合うか合わないかに尽きる。私は×でした。

このライトノベルがすごい!(2011年版) 10位:神様のメモ帳/杉井光

category: さ行の作家

tag: このライトノベルがすごい! OPEN 60点 杉井光

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