ナマクラ!Reviews

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角川文庫:バッテリー/あさのあつこ

バッテリー
1.おろち峠を越えて
2.梅の家
3.少年
4.空き地で
5.勝負
6.ランニング
7.夜明けのキャッチボール
8.青波のボール
etc...

answer.――― 72 点

ドラマ化・シリーズ化している人気小説。冒頭は正直、手が止まってしまうくらい期待ハズレだったが、野球用語が飛び交ってくると、ググッと惹きつけてくれる。読み終わって驚くことは、この巻では「試合」をしていないこと。それだから、アドレナリン溢れる面白さは無かった。それでも評判を呼べたのは主人公を始めとするキャラクターが良いからだろう。左遷やら学歴社会やらの大人の事情を挟んで、病弱な弟が反抗したりの、割に地味なドラマの上に、登場人物たちの個性が躍る。頁をめくれば、そんなのを楽しむ小説だった。簡易な文章ながら、さすがの児童「文学」。ちなみに、「自分に似ている」と主人公を評したダルビッシュの逸話のお陰で、主人公の外見、私の脳内で完全にダルビッシュと化していた。

角川文庫:バッテリー/あさのあつこ (1996)

category: あ行の作家

tag: OPEN 70点 あさのあつこ

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第11回スーパーダッシュ小説新人賞 優秀賞:エンド・アステリズム なぜその機械と少年は彼女が不動で宇宙の中心であると考えたか/下村智恵理

エンド・アステリズム
1.赤い目玉の蠍
2.大熊の足を北に五つ伸ばしたところ
3.オリオンは高く歌い
4.光の蛇のとぐろ

answer.――― 19 点

“鉤突き” “肘打ち” “両手突き” “手刀” “貫手” “左上段順突き” “右中段掌底” “右上段孤拳” “右下段回し蹴り” “左中段膝蹴り” “左下段前蹴り” “右背足蹴り上げ” “左中段前蹴り” “左中段膝蹴り” “右上段膝蹴り” “裏拳” “裏打ち” “鉄槌” “肘打ち” “手刀”……まずい……このままじゃ……ライトノベラーに……なれない……オフ会に……行けなく……なる……“肘振り上げ”……頁がまだある…… “手刀”“鉄槌” “中段膝蹴り” “背足蹴り上げ”……もう読んでいる……暇はない……“左上段順突き” “右中段掌底” “右上段孤拳” “右下段回し蹴り” “左中段膝蹴り”…………コイツ……何を書いているか……自分でも……“下段回し蹴り” “中段回し蹴り” “下段足刀” “踏み砕き” “上段足刀”……解ってねえんじゃねえか……“鉤突き” ……コイツ……何を書いているか……自分でも……“肘打ち”……解ってねえんじゃねえか……“両手突き” “手刀”“貫手”……勘弁してくれ!!―――自らの意志で倒れる事も許されない―――(死ぬ!)―――言葉も届かない―――(助けて!)―――泣いても ―――(助けて!)―――叫んでも ―――(助けて!)―――懺悔しても逃れる術はない―――それが、本作『エンド・アステリズム なぜその機械と少年は彼女が不動で宇宙の中心であると考えたか』。……あとがきを開いてみれば……“裏拳” “裏打ち” “鉄槌” “肘打ち” “手刀”……「ライトノベルのあとがきは読者を楽しませるもの」と聞きましたが、何を書いていいやらさっぱりわかりません。……“肘振り上げ” “手刀”“鉄槌” “中段膝蹴り” “背足蹴り上げ”―――じゃねえよ、何様なんだ、お前は……“下段回し蹴り” “中段回し蹴り” “下段足刀” ……ライトノベルはあんまり読まないですよボク、ってか?わざわざあとがきで言わなくても、1頁目、それも4行目に入ったところでお前のヘタクソ具合は十分伝わったよ……“踏み砕き”“上段足刀”……お前、ライトノベルどころか、きっと馬鹿にしてるケイタイ小説より「下手」だぞ?意味分からねえだろ?……“鉤突き” “肘打ち” “両手突き” “手刀” “貫手” ……とりあえず、『警極魔道課チルビィ先生の迷子なひび』『A/Bエクストリーム CASE-314[エンペラー]』あたりを読んでみろ……“左下段前蹴り” “右背足蹴り上げ” “左中段前蹴り” ……ああ、ちゃんと、このブログでの配点を踏まえて読めよ……“左中段膝蹴り” “右上段膝蹴り”……その二つの作品が『鏡』になって、『お前』がしっかり映るから……下村智恵理「今日はこれくらいにしたるわ」……―――Fin!……メデスキ「ボコボコにされました」。

第11回スーパーダッシュ小説新人賞 優秀賞:エンド・アステリズム なぜその機械と少年は彼女が不動で宇宙の中心であると考えたか/下村智恵理

category: さ行の作家

tag: スーパーダッシュ小説新人賞優秀賞(佳作) OPEN 10点 下村智恵理

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MF文庫:緋弾のアリア/赤松中学

緋弾のアリア
1.弾籠め
2.La bambina da I`ARIA
3.神崎・H・アリア
4.強襲科
5.前髪の下
6.オルメス
7.La bambina da I`ARIA...
8.エピローグ

answer.――― 55 点

現在、MF文庫アニメ枠を使用して絶賛放映中の本作『緋弾のアリア』。このレヴューで言い訳Maybeするのもなんだが、MF文庫に馴染みがなく、男一人に周り全部が女の子だから「……フツーかな?つまんねえけど」と主人公の置かれたハーレムな状況だけで60点と配点し、楽しんでしまった『IS<インフィニット・ストラトス>』―――本作と読む順番が逆だったら、配点も逆(55点⇔60点)だった。これが噂に名高いMF‘もきゅもきゅ'文庫―――なるほど、本当に皆、中身は同じなんだな!概要としては、主人公がモテてて、複数の女の子がいて、皆、学生だけどアサシンだったり、スパイだったりして、実は創作上の有名人たちの子孫で、結局、俺は火影になるってばよ!←関係ない。何を楽しめば良いのかといえば、やっぱり主人公がモテてることと、強い女の子が裸で「見るなー!」とか恥じらってることかな。うーん、そろそろ新しいパターンねえかな?主人公がチ♂コ出して「見るなー!」とか叫んでいる姿を録画しているヒロインの親友とか。いや、21世紀ならもう溢れてるかそんなパターン。楽しめました(このレヴューを書くのが)、もきゅもきゅfeat.平松可奈子(SKE48)。

MF文庫:緋弾のアリア/赤松中学  (2008)

category: あ行の作家

tag: OPEN 50点 赤松中学

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第8回本屋大賞 3位:ペンギン・ハイウェイ/森見登美彦

ペンギンハイウェイ
1.海辺のカフェ
2.観測ステーション
3.森の奥
4.ペンギン・ハイウェイ

answer.――― 71 点

作家という生き物は本来的に傲慢であり、ある程度のセールスを伴うキャリアを積むと、―――己は何でも書ける!と万能ぶる。昨今、高校生が「おともだちパンチ」を始めとするその型に憧れて門を叩いているという新興文学・森見文学。その開祖である森見登美彦は京大出身を全面にアピールすべく奈良県出身であることをひた隠し、「京都」を総ての作品の舞台に採用していることはつと有名だが、本作では、―――己は何でも書ける!とばかりに自慢の京都ブランドを手放して児童文学へと進出、そして、あえなく失敗した。……馬鹿である。本人からすると<泣いて馬謖を斬る>といったところなのだろうが、<泣いてうっかり姜維を斬った>のが現実的結果だ。失敗の起因は表現力の抑制、自己分析の失敗の二つにある。京都以外の舞台を扱ったのは、さして問題では無い……が、京都で森見登美彦の十八番「ええじゃないか」するのは洒落てるが、例えば石川県あたりで「ええじゃないか」したら単なるカッペが騒いでるだけに思えてしまう可能性があるのは否めない。そういう意味で、京都が舞台というのはやはりブランドだ。話が逸れたが、本作は主人公を小学生にした児童文学の体。だが、視点を小学生としたことで表現力を抑制したのは大失敗だった。本作によって見事に森見登美彦の鍍金が剥げた……そう、鍍金である。森見登美彦、実のところ、彼は「面白くない」のである。彼は文章や台詞回しで面白くしているだけで、ストーリーそれ自体はどの作品も決して面白くない。鍍金とは文章力であり、彼が泣いてうっかり斬ったのは馬謖(=京都&大学生)ではなく、姜維(=文章力)だったのだ。二つ目に挙げた自己分析の失敗とは、この、自分(の作品)が根本的に「面白い」と勘違いしているところだ。つまらないと気づいていれば、虎の子である文章力を手放すなんて愚行は絶対に出来ない。本作では、「おっぱい」が連呼される。その単語が出てくる度、それで読者に「凄い」面白いと思わせられると思っている森見登美彦に、ずっと失笑していました。作家として二流の証左とも云える一作。原点に戻れ、お前は所詮、「ええじゃないか」しか出来ねえ作家だ。

第8回本屋大賞 3位:ペンギン・ハイウェイ/森見登美彦

category: ま行の作家

tag: OPEN 70点 森見登美彦 本屋大賞

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新潮文庫:六番目の小夜子/恩田陸

六番目
1.春の章
2.夏の章
3.秋の章
4.冬の章
5.再び、春

answer.――― 85 点

恩田陸のデビュー作。未だ根強い人気を誇る、ジュブナイル小説の金字塔。著者いわく、ただ純粋に面白いモノを書きたかった―――という初期衝動によって書き始められただけあって、ミステリーとファンタジーのバランスが悪い場面も散見出来るが、細かいことに目を瞑れば面白いまま本を閉じられる。恩田陸はいわゆる「完成度」を求めてはいけない典型的な作家だが、10代が集う雰囲気を出せる点においては群を抜いて上手い。そして本作はすべての恩田陸作品のなかで、もっともその<雰囲気>を出せているのが素晴らしい。七不思議を混ぜ合わせた全校生徒参加の劇中劇など、ただ純粋に面白いモノを書きたかった―――とホラ吹くだけあって、大味ながらも類を見ないカタルシスを提供してくれる。読む年齢が早ければ早いほど、有り体に言えば読んだときの年齢に反比例して、思い出の一作になる確率が高まる。期待して読むと、上述したようにミステリーとファンタジーのバランスの悪さが鼻についてしまうかもしれない。そういう意味では是非とも、大人になる前に読んで頂きたい。余談だが、本作は増刷に伴い、大幅に改訂している。頁数が見た目で分かるくらい増えているのが笑える。

新潮文庫:六番目の小夜子/恩田陸  (2001)

category: あ行の作家

tag: OPEN 80点 恩田陸

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第8回本屋大賞 5位:シューマンの指/奥泉光

シューマンの指
(あらすじ)
シューマンに憑かれた天才美少年ピアニスト、永嶺修人。彼に焦がれる音大受験生の「私」。卒業式の夜、彼らが通う高校で女子生徒が殺害された。現場に居合わせた修人はその後、指にピアニストとして致命的な怪我を負い、事件は未解決のまま30年の年月が流れる。そんなある日「私」の元に修人が外国でシューマンを弾いていたという「ありえない」噂が伝わる。修人の指に、いったいなにが起きたのか。

answer.――― 76 点

どこのレヴューにも<二転三転>というフレーズが踊る奥泉光による、講談社創業100周年キャンペーンの枠で書き下ろされた(設定となっている)本作。その概要はシューマンをコンセプトにした異色ミステリー!と謳えば聞こえはいいが、前半は登場人物たちの感性を借りたシューマンについての評論で、物語の進展をどこまでも阻む。この前半を厳しく断じたいのは、読ませる工夫を怠っていることだ。こういう評論まんまな書き方しか出来ないのならばまだしも、仮にも「伊坂幸太郎大ちゅき♪」な書店員が審査員の本屋大賞にランクインしているように、著者は相応の魅せ方が出来る作家だ。それは作中、グールドについて偏屈エピソードを交えた評論が展開された件で私自身も確認した。つまり、それが出来るなら、―――サボってんじゃねえ!と。読みにくい高説ならその辺の指揮者や演者でも出来る。作家ならば作家らしい、読みやすい高説を披露すべきで、本作における前半はその観点において完全に赤点、追試、再提出の出来である。まあ、音を無駄に喩える修飾を頭のなかでDeleteすれば、作曲に根づく(精神論的)解説は個人的には面白く読めた。しかし、書店員に評価されたのはまさかこの評論部分ではあるまい。後半よりようやく始まるミステリーこそ本作のメインディッシュ。プールで起こった突然の殺人事件から、冒頭より匂わされた天才ピアニストの指切断がいよいよ、ひたひたと近づいてくる。事件未解決のまま、時が過ぎ……ある演奏会の後に催されたセレブリティなパーティーでの音大浪人生を誰も彼もが嘲る場面はまさに力作。読んでいるこちらを著者自身が馬鹿にしてきているような錯覚さえ覚えて、「奥泉、こいつら、お前だろ!?」と指摘したくなる珠玉の性悪が演出されている。そんな不穏に満たされた各イベントを経て、少々性急に殺人事件の種明かしへ。力業ながらも二転する展開、才人が犯した事件だけにそこそこの満足感を得るが、―――ラストの四頁で賛否両論、まさかの三転目である。是か非か、おそらく「非」の判断が大半だろう。あまり意味を感じないからだ。シューマンの音楽がどれも<二転三転>するのならこの無駄な展開も分からないでもないが……まあ、波風立たない優等生な作品よりは十分楽しめた。余談だが、表紙の血痕は分かっていてもインパクトがあったね。

第8回本屋大賞 5位:シューマンの指/奥泉光

category: あ行の作家

tag: OPEN 70点 奥泉光

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第8回本屋大賞 6位:叫びと祈り/梓崎優

叫びと祈り
1.砂漠を走る船の道
2.白い巨人
3.凍れるルーシー
4.叫び
5.祈り

answer.――― 72 点

「ミステリの技巧とロマンティックな文章力を併せ持つ、注目の大型新人。」なる紹介から―――はてさて、ロマンティックな文章とはなんぞや?と訝しんで読んでみれば、何のことはない、外国を舞台にした故の(読み手側による)副産物だった。本作は08年のミステリーズ!新人賞受賞作である第1章「砂漠を走る船の道」から派生させた短編連作ミステリー。概要としては、雑誌社に勤める7ヶ国語を操る青年が世界各地を巡り、そこで出会うファンタジックな謎を解いていくというもの。1章はアフリカ、2章はスペイン、3章はロシア、4章は南米、そして、終章は東ティモール……と、まさに主人公は舞台を転々とし、その舞台は舞台でそれぞれ「砂漠」「風車」「修道院」「熱帯雨林」「紛争」といったオプションを付けて異世界風味にアレンジしているのが特色。上述でロマンティックな文章は副産物と書かせて頂いたが、人物描写、風景描写には力を注いでいるのは確認出来るので、著者自身も「筆」を自覚的にセールスポイントにしたいことが伝わってくる。しかしながら、舞台選びのセンスは買えるものの、その異世界の雰囲気を出すため振り回され、描き過ぎな印象。もしかするとミステリーの要素は《売り物》に仕上げるためのオマケ的感覚なのかもしれないが、そうでないならば読み手をもう少し意識して演出するべきだろう。各殺人は加害者の《世界》に触れた背景があり、興味深いものの、トリックそれ自体は構成美あるものではなく、カタルシスはまず得られないだろう。そんな中にあって表題の一端である4章【叫び】はこの著者ならではといった倒錯的悲劇。舞台派生からのアイディアが、疫病からの不合理な殺人の連鎖に説得力を与えている。この【叫び】が今後の著者の道標だろう。ロマンティックな文章(←あくまで読み手が見い出している点に注意)、ミステリに固執していると危ないだろうね。

第8回本屋大賞 6位:叫びと祈り/梓崎優

category: さ行の作家

tag: OPEN 70点 梓崎優 本屋大賞

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第8回本屋大賞 7位:悪の教典/貴志祐介

悪の経典
学校とは、子供を守ってくれる聖域などではなく、弱肉強食の法則が支配する生存競争の場だ。ここから無事に生還するためには、生まれ持った幸運か、いち早く危険を察知する直感か、あるいは暴力的な才能が必要になる。

answer.――― 82 点

生まれついての天使のような容貌とは正反対の悪魔の思考……『黒い家』での絶対<恐怖>の演出で読者の舌を巻きに巻いた貴志祐介が届ける21世紀のスキッツォイドマン・蓮実聖司が主役を飾る本作「悪の経典」。構成は雑誌連載の作品らしく、登場時点で30余人を葬った過去を持つサイコパス教師の視点を中心とした短編を重ねての、メインディッシュ―――<木を隠すなら森の中>を合言葉にしたALL FOR ONE―――2年4組抹殺計画が描かれる。予備知識の有無で評価が分かれる作品があると思うが、本作はまさにそれに該当する。本作はストーリーそれ自体を楽しむものではなく、ハスミンこと蓮実聖司というキャラクターを楽しむ作品。それは喩えれば『13日の金曜日』におけるジェイソン、『エルム街の悪夢』におけるフレディといったアンチヒーローを愛でるがごとくである。前半の短編の出来からストーリーを楽しむものとして本作を読み進めると、後半からの2年4組抹殺計画へ至るハスミンの思考過程はどうにも受け入れ難い間抜けさがある……が、あらかじめ本作が世間一般のイメージする<ホラー映画と同じ類>と認識しておけば、まったく違和感無く読み切れる。ハスミンが猟銃片手にバンバン生徒を殺していく様は凄惨ながらも実際、コミカルだ。もちろん、鼻を砕かれたりの反撃にも遭う。乾坤一擲、アーチェリーで戦おうとする生徒の出現はまさに狙って外す「B級」展開。分かり易いエンターテイメントが繰り広げられる。ただ、前半で見られる知的なハスミンのまま物語を読んでみたかったのも正直なところ。勿体無いと云えば、勿体無い作品だ。個人的に、本作最大の見所は生徒とのSEX描写だと思う。他者への共感能力に欠けたサイコパスという設定を生かし、両想いと勘違いしている生徒を動物的に性処理利用している場面は文章こそ短めながらも迫力があった。……巧い!

第8回本屋大賞 7位:悪の教典/貴志祐介

category: か行の作家

tag: OPEN 80点 貴志祐介

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第8回本屋大賞 8位:神様のカルテ2/夏川草介

神様のカルテ2
1.紅梅記
2.桜の咲く町で
3.花桃の季節
4.花水木

answer.――― 69 点

前作に続いての<カバーデザイン by 中村佑介>は大きな旗印となって本作でも大いにセールスに貢献!だけでレヴューを済ませても良いのだが、一応。冒頭の登山シーンは面白味こそ無いものの、文章がこなれてきた印象。主人公の鼻についた語りが受け付けられなかっただけに、「描写」に力点を置いてきたのには個人的に助けられた。前作に引き続きストーリーは弱いながらも、細君、細君!と妻一途の主人公、その学生時代の細君以外との色恋沙汰は「三文」ながらに意外性に富んでいて関心を惹いた。もっとも、まだまだ「面白くない」のは変わらない。極端に断じればこの作品、嘘が多いのだ。主人公が医師である必要性をまったく感じない。主人公はあくまで善人であり、どこまでも自己犠牲。時折り見せる怒りは、医師が医師の愚痴を吐いているようにしか思えない。著者が現役の医師だという要らぬプロフィールを知ってしまうと、どうしても鼻白む。上述の嘘が多いとは、上っ面の本音ばかりで、醜い本音が無い、ということだ。患者、看護師をレイプしたいとか書けよ。宿直が続いて便所でマスターベーションしたとか書けよ。……書けないだろ? じゃあ、お前、作家じぇねえよ。愚痴を書きたいだけなら、この設定なら細君に語らせろ。医師である夫の悩みを類推させて、挙げ句に勘違いさせろ。それで医師という職業を持ち上げろ。これだけ売れてるんだから、せめてそういうテクニックを持て。お前が下手なせいで、医師の格が墜ちるんだよ。

第8回本屋大賞 8位:神様のカルテ2/夏川草介

category: な行の作家

tag: OPEN 60点 夏川草介 本屋大賞

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第8回本屋大賞 9位:キケン/有川浩

キケン
1.部長・上野直也という男
2.副部長・大神宏明の悲劇
3.三倍にしろ! -前編-
4.三倍にしろ! -後編-
5.勝たんまでも負けん!
6.落ち着け。俺たちは今、

answer.――― 63 点

男子というイキモノは独特の世界を持っていると思います。男子しか共有できないその世界は女子から見るととてもキラキラしていて、自分もあの中に混ざりたいなぁといつも思います。でも、その世界は女子が一人でも居合わせると「本来の姿」ではなくなるのです。……以上が、本作のあとがきにおける著者の言の抜粋である。これを読んでの私の感想は「分かってんじゃねえか」である。それでは有川浩さん、作家業、お疲れ様でした。引退してください。そんなわけで【機研】(仮)の皆さんありがとうございました。 ← あ、これも本作のあとがきからの引用です。

第8回本屋大賞 9位:キケン/有川浩

category: あ行の作家

tag: OPEN 60点 有川浩

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