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第3回GA文庫大賞 奨励賞:ブラパン!/笠原曠野

ブラパン
1.トラウマ仕掛けのメリケンサック
2.英国紳士は華麗に嗜む
3.燃えるバンカラ 漢道を行く
4.広がる宇宙に誕生せしモノ
5.神、地にいまし 世は全てこともあり
6.CURE

answer.――― 54 点

「月刊ブラカマン」を読みたいなぁ……で、レヴューを終えちゃ駄目ですかね?著者のあとがきによれば、天海亜弓はおっぱいが大きい、なる冒頭の一文を書けただけで満足したらしい本作は確かにそれで終わっても良かったと思えるライトノベル。本作は基本、<おっぱい>のみで読者の関心を引こうとしているのだが、その癖、おっぱいを不良たちに揉みしだかさせるとか、Yシャツを引きちぎられ罵声を浴びせてくるヒロインをぶん殴って無抵抗になったところをハアハア猟奇的に興奮しながらパイズリさせ、そうして、その谷間でヒャッハー!と射精、顔に引っ掛かったザーメンに舌を一生懸命伸ばさせて嚥下させるとか、……とりあえず、<おっぱい>という単語しか書けない作家のくせに、そういう下衆な仕事さえもサボっている。文章的な難は本作のオリジナリティに挙げられるだろう<ブラカマン>なる設定の説明が非常に遅く(且つ、説明不足のため)、ブラカマン、ブラカマンと連呼されてもただ冷めるばかりだった。イラストレーターのNardackによる<おっぱい>が良質だったので、エロ本を買えない、携帯、PCを開けない小学生がこっそり自慰するために役立てるだろう推測から50点台をプレゼントしてあげた。建設的なアドバイスを贈るなら、<ブラカマン>の設定はそれこそ冒頭に持ってきたほうが良い(ex.コンビニのエロ本コーナーの横には、少年誌とともに月刊ブラカマンという雑誌がある。谷間にスイカバーを突き立てて笑うFカップの人気グラビアイドルの表紙に釣られて、……とか前置いてよ)。……アホらし、駄作。B級を狙うのは良いが、キチンとB級に仕上げてこい。本物のB級作品に失礼だ。ちなみに、「月刊ブラカマン」とは作中にあるらしいブラカマンを紹介する雑誌です。え、ブラカマンって何だって?知りたかったら、俺と同じように時間を無駄にして読んでみてください哉。

第3回GA文庫大賞 奨励賞:ブラパン!/笠原曠野

category: か行の作家

tag: GA文庫大賞奨励賞 OPEN 50点 笠原曠野

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第3回GA文庫大賞 奨励賞:双子と幼なじみの四人殺し/森田陽一

双子と幼なじみの四人殺し
(あらすじ)
菱川迷悟は、双子の少女、新山一縷と朽縷と同居していた。美しい双子に翻弄されながら日常を送っていた迷悟だったが、ある日、3人は学校で飛び降り自殺の現場に遭遇する。その自殺に関して一縷は、突き落としたやつが見えたという。正義感の強い、いや、正義感が強過ぎる迷悟は、事件を傍観することができなかった。―学校のアイドル、グッズ販売、そして交際を賭けた決闘…。愛憎が交錯する事件の果てにあるものは!?

answer.――― 62 点

どんな新人賞であれ、投稿作には暗黙の了解―――応募者と下読みの間に明文化されていない<お約束>が存在する。それは序章で作品のピークを示すこと、すなわち<出オチ>をすることだ。4人の死体がぶら下がっている場面で幕を開ける本作、如何にも不穏な出だしで掴みはOKである。続く日常場面の始まりは、巨乳の幼なじみAのはだけたブラウスのボタンを留めるというもの―――オッパイ、OKである。屋上で、双子とイチャイチャ弁当をつつく、―――ハーレム、OKである。実は、この双子と同棲中―――不純異性交遊、OKである。幼なじみBが嫉妬からいきなりキスしてくる、―――俺モテてる、OKである。そうして、気になるストーリーは、―――ネットデ買ッテ自宅ニ届キ、 イラネ!!(*゚Д゚)ノ⌒゚ブ・ク・オで売却♪と。なるほど、これは酷い。たとえば作中で推理という行為があったとして、そこに推は有っても理が無い。人の想いは理を超える!とばかりに人が殺され、殺人犯はすぐに釈放される。読者より非難集まる本作での警察の無能っぷりは最優秀助演団体賞として著者より表彰されて然るべきだろう。酷評に確かに値する本作だが、著者には思いの外、地力を感じる印象も残った。上述したように、不穏な雰囲気は出だしから最後まで貫かれていて、エロヴェント(お色気イベント)も適宜挟んでくる。これはなかなか出来ることではなく、先物買いではあるが、いつまでも売り切れない中堅どころの作家より魅力的に映った。作品に向けられた酷評は正当な評価なのは間違いないが、作家としては「買いたくなる」一人だ。とりあえず、表紙の幼なじみはご覧の通り、―――ノーパン(願望)です。

第3回GA文庫大賞 奨励賞:双子と幼なじみの四人殺し/森田陽一

category: ま行の作家

tag: GA文庫大賞奨励賞 OPEN 60点 森田陽一

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2011年09月のレヴュー更新(まとめ)

今月は本屋大賞を重点的に埋めていこうかと思ったが、思ったよりも冊数を伸ばせなかった。ストックもあるが、個人的には第1回~第5回をまずは埋めてから、という心持ち。とりあえず、今月の初旬から読み始めているのに未だ読み終わる気配のない『黄金旅風』には参っている。ボリュームあり過ぎ。電撃小説大賞はいよいよ残り少なくなってきているので、今年中に全部Complete!!したいなー。来月は、ライトノベルの有名どころ(ex.『キノの旅 -the Beautiful World-』)を意識してレヴューしていく予定。

●電撃小説大賞●
第7回電撃小説大賞 銀賞:ウィザーズ・ブレイン/三枝零一

●ファンタジア大賞●
第16回ファンタジア大賞 佳作 ご愁傷さま二ノ宮くん/鈴木大輔
第3回ファンタジア大賞 準入選:ひとつ火の粉の雪の中/秋田禎信
第17回ファンタジア大賞 佳作:七人の武器屋 レジェンド・オブ・ビギナーズ!/大楽絢太

●このライトノベルがすごい!●
このライトノベルがすごい!(2010年版) 5位:生徒会の一存 碧陽学園生徒会議事録1/葵せきな

●本屋大賞●
第1回本屋大賞 2位:クライマーズ・ハイ/横山秀夫
第3回本屋大賞 1位:東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~/リリー・フランキー
第5回本屋大賞 8位:鹿男あをによし/万城目学
第5回本屋大賞 9位:私の男/桜庭一樹

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category: 更新情報

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第18回電撃小説大賞 大賞:エスケヱプ・スピヰド/九岡望

エスケヱプ・スピヰド
壱.覚醒
弐.記憶
参.使命
四.修羅
伍.意思
六.灼熱

answer.――― 77 点

先日、公称1,000万部―――天下のナベツネ新聞(のコラム@2012年04月22日)にて、その応募総数からライトノベル界の最高勲章に認定された電撃小説大賞。本作はその栄えある大賞作であり、選考委員のKINO SIGSAWAをして「他の選考委員が低評価でも『時雨沢恵一賞』を新設して推そう」とまで意気込ませた快作。その概要は、昭和一〇一年七月と置かれた日本を思わせる近未来を舞台に、冷凍睡眠から目覚めた少女が「鬼虫」と呼ばれる超高性能戦略兵器の暫定的な司令官となることから始まる人間と兵器、ガール・ミーツ・ボーイの物語。一読しての感想としては、巧いな、と。<戦闘兵器>の設定を活かした圧巻の戦闘描写はもちろんのこと、個人的に一番感心したのが「回想」シーンを挿し込むタイミング。本作は昨今のライトノベルに付きものの「萌え」要素をほぼ排しての硬派な作風。これはともするとLightに読めず、その事実が作品に対しての悪印象に繋がってしまうのだが、本作では主人公とヒロイン、それぞれの兵器になる以前の過去、娼館に売られた過去……と、否が応でも関心を持ってしまう「回想」を読み疲れたタイミングで挿し込んでくる。語彙豊富=巧い、という陥り易い罠を避け、しっかりと読者の目(=構成)を意識してあるのが素晴らしい。第4回の大賞作『ブギーポップは笑わない』のような作品が世に出ることで変わる革新性は無いが、それ以外は十分に大賞作の格を備えた作品。終盤における<蜻蛉>との決戦、勝負を決める「速さ」の件は戦闘狂の読者垂涎のモノローグ。この作者は描き方を分かっている。シリーズ化して人気を博すかは今後の女性キャラクターの動向次第だと思うが、一作品としてのクオリティは高い。ライトノベル界の最高勲章を授与されるに相応しい作品だ。ところで当の本人は忘れているが、上述の『時雨沢恵一賞』はすでに創設されており、その第1回の受賞作は『パララバ -Parallel lovers-』である。流石、確固たる地位を築くべく権力闘争に明け暮れるKINO SIGSAWAである。

第18回電撃小説大賞 大賞:エスケヱプ・スピヰド/九岡望

category: か行の作家

tag: 電撃小説大賞大賞 OPEN 70点 九岡望

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第18回電撃小説大賞 金賞:あなたの街の都市伝鬼!/聴猫芝居

あなたの街の都市伝鬼!
(あらすじ)
民俗学者を目指して都市伝説を調べている高校生・八坂出雲。「ムラサキカガミ」の研究をしながら誕生日を迎えた彼のもとに、伝説と同じ怪奇現象が発生!そして出現したのは『都市伝鬼』ムラサキカガミを名乗る少女だった。都市伝説を愛する出雲は、彼女たち都市伝鬼を一冊の本に編纂することになるが……それを聞きつけた伝鬼たちが、続々と出雲の前にやってきた!少し怖くて、とっても可愛い都市伝鬼たち山盛りで贈る、ほんわか怪奇譚。

answer.――― 58 点

―――いつかスピンオフ書かせてください!とは、電撃文庫における妖怪ライトノベルの第一人者・峰守ひろかずの弁。近年の電撃小説大賞の受賞作には現役の作家陣の推薦文が書かれた帯が巻かれているが、自分のジャンルと被ってきた新人を推薦する気分はどんなものなのだろうか?襲い来る都市伝説は、とっても可愛い女の子たち―――歴史浅い<都市伝説>を編纂するという設定は興味深いもので、その蒐集する都市伝説も「ムラサキカガミ」「コトリバコ」「ジェットババア」……と、どれもが平成生まれと推測されるものばかり。「ジェットババア」なんてのは、私としては「ターボばあちゃん」のほうが耳馴染みが良いのだが、その辺の齟齬も含めて楽しめた。もっともアイディアは良くてもストーリーのほうは平均か、それ以下なのが残念。というのも、本作は「都市伝説を編纂する」ために動くストーリーではなく、「都市伝鬼(女の子)が寄ってくる」という体のため、実のところ、ライトノベルによくある萌え小説であり、読者は己の分身である文系主人公がモテモテなのを楽しむ構造だからだ。終盤は妖怪vs都市伝説となるのも、ライトノベル的<お約束>。未読だが、レヴューサイトを回っていると、MF文庫Jの『101番目の百物語』が引き合いに出されているので、本作を読むなら先達らしいそちらを読むほうがベターなのかもしれない。繰り返すが、編纂する、というのはアイディア的には面白いので、続編があるならば著者はそちらで煮詰めてみては如何だろうか?あとは、平坦な展開よりは無理のある凸凹の展開のほうがライトノベラーは喜ぶことをよく理解しよう。

第18回電撃小説大賞 金賞:あなたの街の都市伝鬼!/聴猫芝居

category: か行の作家

tag: 電撃小説大賞金賞 OPEN 60点 聴猫芝居

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第18回電撃小説大賞 銀賞:ウィザード&ウォーリアー・ウィズ・マネー/三河ごーすと

ウィザードウォーリアー・ウィズ・マネー
1.プロローグ
2.ウィザード&ウォーリアー・ウィズ・マネー
3.底辺世界の愚者
4.ストレート・ウォーカー
5.エピローグ

answer.――― 67 点

ライトノベルをたしなむ男性読者の共通項に、ヤンキー漫画を嫌う、という項目がある。その理由は単純で、低俗な発想、下卑た言葉、下劣な態度……そんなパーソナリティを持つ主人公への同一化の拒絶、つまりは「コイツ、……ぜんぜん俺じゃねえし!」に尽きる。しかし、さりとて同じアウトローはアウトローでも、授業中に屋上に寝そべり、煙草を吹かす孤高の学生には積極的に同一化するのだから困ったものだ。では、本作の、地下貧民街で幼い頃から暴力と略奪の下で孤独に生きてきた主人公はどうなのか?―――粗野である。言葉遣い、そして、地の文でさえ悪態をついている。当落線ギリギリの政治家、この主人公は喩えるならばブルー・ブラッド流れるライトノベラーたちにとってはそんな存在だったろう。しかし読了後、レビューサイトを見回ってみれば総じて好評のようで、主人公は「当選」の結果が得られたようだ。それもこれも、見所散見の戦闘描写、終盤の“お約束”の逆転劇が要因だろう。作品それ自体は近未来を舞台にした戦士と魔法使いのタッグ戦という、設定を若干挿げ替えた『アクセル・ワールド』といった趣きで、支持を集めている逆転劇の展開は「模した」と表現出来てしまう近似性さえある。それでも、著者が文章表現を含め戦闘場面の演出に長けているのは間違いない。残念なのは、選考委員も指摘している表題についた<マネー>の部分。おそらく、この要素が一番オリジナリティを発揮できる部分になるはずだが、本巻では借金の金額など申し訳程度の披露に終わってしまっている。逆に云えば、次巻以降の布石にも取れる。サプライズがサプライズとして機能していないなど改善の余地は多々あるが、珍しい直情型ヤンキー主人公の作品だけに今後、性格の変遷が気になる。上記の<マネー>設定、主人公をどう成長させられるかが著者の腕の振るいどころ。

第18回電撃小説大賞 銀賞:ウィザード&ウォーリアー・ウィズ・マネー/三河ごーすと

category: ま行の作家

tag: 電撃小説大賞銀賞 OPEN 60点 三河ごーすと

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第18回電撃小説大賞 銀賞:勇者には勝てない/来田志郎

勇者には勝てない
1.転校生には勝てない
2.泣かれると勝てない
3.妹に勝てない
4.仲間Aにまで負けられない
5.勇者には勝てない

answer.――― 70 点

異世界で勇者に敗れた魔王に次ぐ実力の持ち主たち―――彼らは三魔将と呼ばれ、かつては人間たちを恐怖のどん底に突き落としていたが、今や三人は現代日本に人間として生まれ変わり、平凡な高校生としてノンキな生活を送っていた。しかしそんな平和な学園生活に乗り込んできたのは仇敵・勇者だった!現代で元魔王軍の三魔将が謝り倒す、学園ファンタジー!……そんなあらすじに立ち塞がるのは、<二番煎じ>のレッテル。前回の電撃大賞で同じく銀賞を受賞した『はたらく魔王さま!』が好評を得て順調に刊行されているなか、選んだ選考委員からも総じて指摘されている通り、<二番煎じ>感が何よりの本作の作品的ウィークポイント!なのだが、恥ずかしながらその比較対象作を未読のために、ストレートに評価をさせてもらえば、本作はライトノベルらしい隙間コメディが好展開。三魔将のプライドをかなぐり捨てた<生>への渇望は、過去の自分たちの悪行への反省を含め、思わずニヤけてしまった。勇者との絶望的なまでの戦力差、その癖、これまた途中で合流することになる魔王への忠誠も情けないまでに本物なのが良い。勿体無いのは、仲間Aの扱い。本作での勇者の埋没気味のキャラクターは次巻以降の演出次第でどうにでも取り返せるとして、仲間Aが早々に己の恋愛フラグを折ってしまってはいけない。この設定なら、誰しも合法的な「百合」路線を期待したくなる筈。この設定でラブコメでは無い事実、そして、今どきのライトノベルにしては珍しいくらいに媚びた場面がないので(……硬派な作家だな)と感心したが、これは単純に「萌え」が思いつかなかっただけなのかもしれない。隙間コメディならではの王道を歩む展開を支える「読ませる」構成力もある。あとは、読者が<二番煎じ>な設定をどう判断するか。突き抜けたギャグや場面が無いのも欠点かな?個人的には、十分楽しめました。

第18回電撃小説大賞 銀賞:勇者には勝てない/来田志郎

category: ら行の作家

tag: 電撃小説大賞銀賞 OPEN 70点 来田志郎

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第18回電撃小説大賞 選考委員奨励賞:ミニッツ 一分間の絶対時間/乙野四方字

ミニッツ
1.二人のお母さん
2.馬鹿と天才ゲーム
3.タイムリミット
4.欠片
5.お母さんの歌

answer.――― 64 点

電撃小説大賞において最も低「格」に置かれる選考委員奨励賞、その受賞作―――と云えども侮るなかれ。電撃小説大賞、今やその応募総数(長編)は5000に迫り、他のライトノベルレーベルの追随を許さぬ業界随一の競争率、その受賞者、受賞作なのだから、それこそ(他の公募賞ならば、あるいは大賞……)と著者自身の天狗な邪推さえ許される状況にあると言って過言無い。事実、この第18回にわらわらと集った3000超のライバルたちを蹴落としたクオリティが本作にはある。が、―――トリックとロジックが交錯する、学園騙し合いラブストーリー!というまとめ方をされるストーリー自体は正味な話、どうでも良い出来で、それこそ他の公募賞でも落選の憂き目に遭って何ら不思議無い。本作が勝ち抜けたのは、ひとえに女性キャラクターの造形、何より冒頭から中盤までの一連の登場の演出にある。概して主要登場人物は一箇所、例えば「教室」「部室」「登下校」といった一空間一場面で顔見せし、その後に個別に紹介するのがセオリーだが、本作では一人ずつ丁寧に出し、その癖、どれもアトラクション的なのが素晴らしい。ベッドの中、不意突く(偽)告白、女子トイレの中、……といった具合だ。特に女子トイレ場面は満を持してのお色気巨乳キャラ「相ヶ瀬茉莉」が挑発な対面座位で主人公・相上櫻のリトル櫻をおっ勃て共に赤面する、艶やか~!な描写で、これは秀逸の一言に尽きる。が、残念ながら作品としてのピークがこの場面になってしまったのは頂けないところ。これ以降は、「はは、うはは、うはははははははははは」「ふふ、うふふ、うふふふふふふふふふふ」の著者ゴリ推しの天丼なやり取り以外に見所は無く、肝であるはずの作中ゲーム「馬鹿と天才ゲーム」の肩透かしを始め、ストーリーメイクの修練が足りないことを露呈している。主人公の仄暗い過去も扱い切れておらず、その辺にシリアスへの不適も見受けられる。……と貶めているが、個人的に著者へ大いに可能性を見い出していることがある。それは上述でも言及しているが、コメディ―――否、ピンク適性。著者自身は全く納得出来ないだろうが、(ライトノベル的)エロ本を書く才能がある。対面座位で淫靡に挑発する女(巨乳)が、いざ勃起されたら赤面?―――アンチヒーローとさえ心の内で歌舞く主人公が己の勃起に焦って、慌てふためくクールな童貞に変身?―――ファンタジー、これ、立派なファンタジーじゃねえか!?―――ライトノベルにはエロ本としての側面がある。気づけ、乙野四方字。お前には、―――エロ本を書く才能がある!

第18回電撃小説大賞 選考委員奨励賞:ミニッツ 一分間の絶対時間/乙野四方字

category: あ行の作家

tag: 電撃小説大賞選考委員奨励賞 OPEN 60点 乙野四方字

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