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2012年06月のレヴュー更新(まとめ)

『第4回本屋大賞』『小説新潮長編小説新人賞』をComplete!!出来たのが、今月の分かり易い収穫。いつかリスト化してみたいと思っていた《文章力ランキング》、突発的に始めてしまったが、いざ記事にしてみようと思うと根本的に読書量が足りていないと痛感。まあ伏せてはあるのですが、ランキング自体は終わっているので、自分のなかで確定したらその都度、更新していこうと思います。自画自讃でアレですが、各作家のキャッチフレーズが最高にイタくて滅茶苦茶気に入っております。完成した折には、是非とも皆さんのお力添えでネットに蔓延ることを願って病みません(笑)来月から禁断の『メフィスト賞』もレヴューしていこうかな、と考え中。『芥川賞』にしようかとも思ったんだけどね。ちょっと俺の読解力だと微妙かな、と弱気になりました。

●スーパーダッシュ小説新人賞●
第4回スーパーダッシュ小説新人賞 佳作:影≒光 シャドウ・ライト/影名浅海

●このライトノベルがすごい!●
このライトノベルがすごい!(2011年版) 4位:ソードアート・オンライン1 アインクラッド/川原礫

●本屋大賞●
第7回本屋大賞 2位: 神様のカルテ/夏川草介
第4回本屋大賞 6位:鴨川ホルモー/万城目学
第4回本屋大賞 8位:陰日向に咲く/劇団ひとり
第7回本屋大賞 5位:猫を抱いて象と泳ぐ/小川洋子
第8回本屋大賞 9位:キケン/有川浩
第4回本屋大賞 7位:ミーナの行進/小川洋子
第2回本屋大賞 9位:私が語りはじめた彼は/三浦しをん

●小説新潮長編小説新人賞●
第7回小説新潮長編小説新人賞 受賞作:ノーティアーズ/渡辺由佳里
第6回小説新潮長編小説新人賞 受賞作:調子のいい女/宇佐美游
第5回小説新潮長編小説新人賞 受賞作:俺はどしゃぶり/須藤靖貴
第5回小説新潮長編小説新人賞 受賞作:風流冷飯伝/米村圭伍

●アーティスト一覧●
Fiona Apple
Living Colour
OLD
thee michelle gun elephant

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category: 更新情報

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第7回小説新潮長編小説新人賞 受賞作:ノーティアーズ/渡辺由佳里

ノーティアーズ
(あらすじ)
アメリカのネット業界は生き馬の目を抜く。そこではビジネスも恋も、泣き言は言いっこなし。日系女性の生き方をスラングを交えた切れのいい文章で描く快作。

answer.――― 69 点

主人公を日系と云えども異邦人とするのは、なかなか勇気が要る―――というよりも、個人的にはファンタジーでもないかぎりは賛成出来ないのだが、著者のプロフィール(アメリカ在住、翻訳業等)を見るかぎりでは、ジューン・ムラカミを主人公にするのはむしろ自然かとも思う。ここ一年、邦人作家ばかり読んでいただけに、翻訳文を思わせる文体は新鮮に映り、楽しく読めた。物語は、三十路過ぎのキャリアウーマン(バツイチ)が入れ替わりの激しいIT業界で心身ともに疲れ果てながら、キャリアと恋を手にする、というもの。男に舐められないために泣かないと決めた女が涙を流すラストといい、まあ、―――王道である。奇を衒ったのはM&Aが日常場面で執り行われるように、ビジネスをテーマにしていることくらいで、構成こそ起承転結揃えているものの、ストーリーに期待し過ぎると肩透かしをくらうだろう。そんなこんなで、本作のメインは文章表現、スラングだと思える。冒頭のフロイトのエディプス・コンプレックスから拝借しただろうペニス・エクステンダーの件は、なるほど、と思わせるものがあったし、若さに任せた向う見ずな→経験に裏打ちされた云々のラインのように、カウンター的な表現の切り返しは個人的趣向に合う。ただ、上述の通り、物語的には丁寧ではあるものの、サプライズ要素が希薄なのがマイナス。悪くはない、……が、そこから「推す」要素がね。おそらく「破綻」を嫌う癖が著者にあると思うが、それが作品をこじんまりとさせてしまうことを自覚すると化けるかもしれない。

第7回小説新潮長編小説新人賞 受賞作:ノーティアーズ/渡辺由佳里

category: わ行&数字の作家

tag: OPEN 60点 渡辺由佳里 小説新潮長編小説新人賞

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第6回小説新潮長編小説新人賞 受賞作:調子のいい女/宇佐美游

調子のいい女
(あらすじ)
銀座ホステスvs整形キャリアOL――欲望のために二人は秘密を持った。美和子は銀座のホステスでお金を貯め、念願の留学を果たす。だが、ボストンで出会った波江は、整形で顔を塗り固めた「調子のいい女」だった。野心を抱いた二人の女の恋、人生、セックスを軸に、夜の銀座の舞台裏をダイナミックに描いた仰天のデビュー作。

answer.――― 74 点

ホスト、ホステスを題材にした創作物が2000年を前後に爆発的に出版されたのは記憶に残っているが、その理由は主にITバブルに端を発する<無いモノに値がつく>ことによって得た、文字通りのあぶく銭を、使い道分からずに水商売に流していった故の活況が、平成大不況のど真ん中で人の目を惹いたからだと思う。何にせよ、2000年の受賞作である本作もまた、ホステスを扱った作品。主要登場人物は26歳の元ホステスと、24歳の整形女―――男を騙してきた女と、男に騙されてきた女。元ホステスは整形女の「年下」の行動に過去の自分が先輩に働いていた無自覚な無礼を見て、猛省しながら、人間として成長していくストーリーライン。著者自身の経験から書かれたこともあり、「男の人って不思議ですね。お金を出すと途端に良い人になろうとするの。顔まで生き生きしちゃって」「それはね、出したお金の分、アンタに好かれようとするからよ。これが百万ぐらい取ると、今度は顔がどす黒くなってくるわ。女に執着してんるんだか、出したお金に執着してるんだか、自分でも分からなくなるの」など、ヒロインのホステス時代の話、男の転がし方が堂に入っている。前半はもたもたした元ホステスの不幸話だが、整形女を邪険に思いつつ、やがて<育てよう>という意識に切り替わる後半は見事で、あっさりと裏切られる展開を含めて読み応えがあった。文学とも取れなくはないが、やはりホステスという業種ならではの人の捉え方なので、エンターテイメント要素が強い。上述のやり取りがお気に召したならば、「金額は40万ずつ。50でも取れないことはないけど、区切りが良過ぎるの。ピリオドを打つと男は次を、代償を求めてくるから」など他にも散見出来るので、時間の浪費には繋がらないだろう。

第6回小説新潮長編小説新人賞 受賞作:調子のいい女/宇佐美游

category: あ行の作家

tag: OPEN 70点 宇佐美游 小説新潮長編小説新人賞

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第6回小説新潮長編小説新人賞 受賞作:鞄屋の娘/前川麻子

鞄屋の娘
(あらすじ)
寂しさを、ずっと誤魔化して生きてきたんだと思う……いろんな女性を愛したけれど、家族を持とうとはしなかった父。孤独を奥深くに抱き、家族を持つのが怖かった娘。白い木綿のような不思議な魅力に溢れる、衝撃のデビュー作。

answer.――― 76 点

ストーリーラインは、愛人の娘として生まれた主人公がごく一般的な<家族>というものを知らぬまま成長し、子が生まれ、家族を形成せざるえないときに直面した戸惑い……云々、と。そのまま読めば「家族」をテーマにした小説なのだろうが、それを描くことには失敗している。これは著者がごく一般的な<家族>を把握出来ていないことに因る。それなら話として成立しているじゃないか?となるが、ごく一般的……なるものを描きたければ自分こそ普通で、周囲こそ疑心なく異常だと思わねばならない。置いて、そんな「家族」のテーマを除けば、なかなか魅せてくる本作。主人公が著者と同名という仕掛けがまず思い切りが良い。これによって「―――これは文学!」と読者に構えさせ、登場人物に雲霞の作品ではまとえないリアリティを与えてくれる。自伝、半自伝(的書き方)はどんなに中身が無かろうと読み手は有難く感じるもので、投稿作でそれをやってのける辺りは著者の強かさが伺える。個人的に推したいのは、時間を軽快に飛ばす文章。終盤こそ単なる散文になるものの、回想的な節回しは頁を捲る求心力となったのは間違いない。また、作中、尋常でない迫力があったのは鬱病に罹り、妄想の世界に入ってしまったユキコと主人公の電話でのやり取り。「あたしあなたのこと嫌いみたい」と先手を打って、「じゃああたしのこと好きなの」と問い質して相手にも「……嫌いだと思うけど……」と己への嫌悪を言わしめたやり取りは感銘を受けた。これを想像で書けたなら、女の本音を引き出す小説(「暴く」のではないのがポイント)を書くことをオススメする。小説のラストには、作中作でした!的仕掛けを明かすが、これは機能していない。雑感だが、著者は創作ではなく、実体験を描いてこそ映える書き手に思える。次作以降は、どんな作風なんだろうね?興味深いところ(手を出すキッカケ待ち)。

第6回小説新潮長編小説新人賞 受賞作:鞄屋の娘/前川麻子

category: ま行の作家

tag: OPEN 70点 前川麻子 小説新潮長編小説新人賞

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The Chair in the Doorway/Living Colour (2009)

The Chair in the Doorway
1. Burned Bridges
2. The Chair
3. DecaDance
4. Young Man
5. Method
6. Behind The Sun
7. Bless Those (Little Annie's Prayer)
8. Hard Times
9. That's What You Taught Me
10. Out of My Mind
11. Not Tomorrow
12. Asshole

Price Check.――― ¥ 200

華々しい80年代の日々は昔……レコーディングの予算、収入の関係からだと推測される複数枚のライヴアルバムのリリースを挟んでの本作は、スタジオアルバムとしては6年ぶりとなる逸品。ファンク、メタル、ヒップ・ホップ、そこに活動休止以前よりも進化した証拠にエレクトロニクス、ドラムン・ベースまで取り入れてしまった前作は過剰なまでにミクスチャー・ロックを意識した感があったが、ここでのバンドはしっかりと自身を省みての原点、看板ギタリストであるヴァーノン・リードのギタープレイが随所で活躍する。軽やかなタッピングが終始鳴り止まないシングル⑥は、バンドの過去の楽曲群を振り返っても一、二を争うポップな出来で、アーティストとしての進化が見られる一曲。Little Annieとの共作⑦は再レコーディングしたもの。レゲエ・ナンバーながらに、ギターソロに差し掛かるとJimi Hendrixへの敬愛を示すかのようなアーミングが炸裂。また、メンバーが黒人で固められているせいなのか、ドラムの音がどうにも<軽い>のがいつになっても改善されない欠点だったが、本作ではついにメスが入り、もっさりとしたHR/HMらしい硬質なサウンドを獲得。ミドルテンポの曲が多く占めるが、その改善もあって最後まで気抜けすることなく聴ける。⑨、⑩なんて単純なだけにいつものドラムだったら捨て曲に数えられるんだろうけど、「らしい」ドラムしてるからただ刻んでるだけでもすげえ格好良く聴こえる。出る時期が出る時期なら、ディスコグラフィーの上で代表作に数えられても不思議じゃない力作。個人的なハイライトは④で、ヴァーノン・リードのギターセンスがとにかく光る。

The Chair in the Doorway/Living Colour (2009)

category: H-N

tag: MUSIC 250円

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Collideøscope/Living Colour (2003)

Collideøscope
1. Song Without Sin
2. A question of When
3. Operation Mind Control
4. Flying
5. In Your Name
6. Back In Black
7. Nightmare City
8. Lost Halo
9. Holy Roller
10. Great Expectations
11. Choices Mash Up/Happy Shopper
12. Pocket of Tears
13. Sacred Ground
etc...

Price Check.――― ¥ 100

黒人ギタリスト、ヴァーノン・リード率いるリヴィング・カラーの復活アルバム。90年代こそ綺羅星の如く、もしくは雲霞の如く登場したミクスチャー・ロックバンドだが、80年代ではその存在は異端中の異端であり、ヒットとは無縁の位置にあった。そんな中にあって、バンドの1stアルバム「Vivid」はシーンに風穴を開ける形で華々しくチャートを駆け上がり、シングル「Cult of Personality」はグラミー賞のBest Hard Rock Performanceを受賞。同じく黒人メンバー擁するFishboneとともにミクスチャー・ロックの先達として、メインストリームに躍り出た。リヴィング・カラーというと、前述のシングル曲に象徴されるようにリフ主体のサウンドから“黒いLed Zeppelin”なる呼称が広く引用されるが、活動休止からの復活一発目の本作でも、AC/DCの誇るグレイテストなリフの名曲⑥をカバー。原曲に忠実ながら、これがまた、しっかり自分たちの色に染めてある好カバーで、アルバムのハイライトとなっている。しかし、カバー曲がハイライト!と強調してしまったように、本作はいささか肩透かしを食らう出来の作品。エレクトロニクスやドラムン・ベースも取り入れるなど、進化するミクスチャー・バンドとしての自分たちを過分に意識している節が感じられ、セールスポイントであるヴァーノン・リードのテクニカルなギターが霞んでしまっている。『Californication』以降のジョン・フルシアンテのギタープレイを倣ったような浮遊感ある④は新味で、面白く聴けるが……。The Beatlesのカバー⑭も収録。

Collideøscope/Living Colour (2003)

category: H-N

tag: MUSIC 100円

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GEAR BLUES/thee michelle gun elephant (1998)

GEAR BLUES
1. West Cabaret Drive
2. Smokin' Billy
3. Satanic Boom Boom Head
4. Dog Way
5. Free Devil Jam
6. Killer Beach
7. Brian Down
8. Hotel Bronco
9. Give The Gallon
10. G.W.D.
11. Ash
12. Soul Wrap
13. Boiled Oil
14. Danny Go

Price Check.――― ¥ 350

90年代と題を課せば、何も残らなかった時代、とやらに仕上がってしまう傾向があるが、いざその時代を思い出そうとすると確かに色々な面で作られた感じがするのは否定できない。その作られた時代を担っていた人たちでさえ作られた感があるのだから、もはや病的だ。しかし、作ったのに何も残らないというのはおかしい。つまり、壊した者がいた、ということだ。thee michelle gun elephantはその壊した側に属するバンド。閉塞感の漂う日本の音楽シーンにモッズスーツを着込んで登場し、パブ/ガレージ・ロックの流れを汲んだ音で殴り込んだ。本人たちにその意気込みはなかったとしても、メディアがそう仕立てた。パブ/ガレージという音は荒々しさが売りであり、決してポップではない。しかし、売れた。不気味なくらいに売れた。そういう意味ではやはり≪作られた≫バンドではあるが、thee michelle gun elephantはいつの時代でも通じるだけの力量を持っている。ツボをわきまえた演奏陣も素晴らしいが、兎にも角にも、このバンドの要はVo.のチバユウスケだ。がなっても潰れない喉、煙草と酒で燻したドスの利いた声、暴力的に書き散らした歌詞……向こう見ず、という言葉がこれほど似合う人はいない。そのチバの本領が発揮される⑩は思い出したように聴いてみると、いつも度肝を抜かれる。90年代を代表する名盤―――なんて書きながら、それはセールスを意識しての言葉であって、前作である3rd「Chicken Zombies」、あるいは前々作の2nd「High Time」あたりは甲乙付け難い。なので、各々、思い入れのある曲が入っているアルバムが90年代の名盤となることでしょう。せっかくなので余談交じりに言及させて頂くが、1stシングルにして代表曲の「世界の終わり」におけるラストの繰り返される歌詞は<詩>だ。飛び抜けて良いとまでは言わないが、歌詞にしておくには勿体無いラインです。まあ、書いたチバユウスケ自身も解ってないだろうけどね。

GEAR BLUES/thee michelle gun elephant (1998)

category: O-U

tag: MUSIC 500円 代表作

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Extraordinary Machine/Fiona Apple (2005)

Extraordinary Machine
1. Extraordinary Machine
2. Get Him Back
3. O' Sailor
4. Better Version of Me
5. Tymps (The Sick in the Head Song)
6. Parting Gift
7. Window
8. Oh Well
9. Please Please Please
10. Red Red Red
11. Not About Love
12. Waltz (Better Than Fine)

Price Check.――― ¥ 250

フィオナ・アップルから連想するものは、1stではレイプの被験者、2ndではショービズを否定するアーティスト、そして、この3rdでは……もうすぐ4thアルバムがリリースされるが、各メディアが何とまとめてくるのか気になるところ。前作のリリースから約6年と間を置かれての発表となった本作は、お蔵入りだの、音源流出だの、のレコード会社からの度重なる圧力が報道されたゴシップにまみれたもので、可哀想なフィオナ・アップル!とファンが抗議活動を起こすプロモーションまで行われた労作。ジョン・オブライエン、マーク・エリゾンド、ブライアン・ケヒューとプロデューサーが3人となっているところからも本作の制作に関して試行錯誤の過程が伺える。楽曲は過去二作と比して確実に<ポップ>となっており、それはトレードマークであるピアノを用いない冒頭の愛らしい表題曲①からして聴いて取れる。一転、②は各専門誌でベスト・トラックに挙げられているスモーキーなフィオナの声を活かしたピアノ主導の力強い曲。フィオナ・アップルの曲は①と②、この2つを典型としたパターンに分けられると思うが、個人的には①や⑤、⑦のハンドクラップあったりの遊び心溢れる曲に耳を惹かれる。1stを支持する人にはポップ過ぎるサウンドだろうが、私のようにフィオナ・アップルにバロック・ポップを求める人には本作はまさにリピートを繰り返したくなる好盤となっている。⑫は、もはやフィオナ・アップルというよりもオーケストレーションが主役なのも面白いね。4分に満たない曲に挿し込まれるオーケストレーションじゃない(笑)。

Extraordinary Machine/Fiona Apple (2005)

category: A-G

tag: MUSIC 250円

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真実/Fiona Apple (1999)

When the Pawn
1. On The Bound
2. To Your Love
3. Limp
4. Love Ridden
5. Paper Bag
6. A Mistake
7. Fast As You Can
8. The Way Things Are
9. Get Gone
10. I Know

Price Check.――― ¥ 200

When the Pawn Hits the Conflicts He Thinks like a King What He Knows Throws the Blows When He Goes to the Fight and He'll Win the Whole Thing Fore He Enters the Ring There's No Body to Batter When Your Mind Is Your Might So When You Go Solo, You Hold Your Own Hand and Remember That Depth Is the Greatest of Heights and If You Know Where You Stand, Then You'll Know Where to Land and If You Fall It Won't Matter, Cuz You Know That You're Right」―――日本盤は邦題として『真実』と一言でまとめられている本作の正式名称は、ギネスにも認定されたようにあまりに長大なタイトル。日本でのブレイクは本作からなのだが、欧米では前作を評価されてのMTV Video Music Awardsにて音楽業界の現状を批判するアクシデンタルな発言以来、フィオナ・アップルの存在自体が賛否両論の的となっており、レヴューもその通りに分かれている。個人的に、本作の最大の収穫はアメリカの音楽専門誌SPIN誌におけるレヴューで、長大なアルバムタイトルを引用した上での「……おっと、もうレビューを書くスペースがない。星一つ」なるもの。これには、レヴューの醍醐味を学ばせてもらった。肝心の音楽性は前作の延長上のもので、シングル⑦のまくしたてるヴォーカルパート、ドラムループを導入した程度の目新しさ以外、洗練された印象こそあれ、楽曲に変化らしい変化は無い。日本盤にはThe Beatlesのカバー「Across The Universe」がボーナス・トラックとして付いており、これが事実上のベスト・トラックとなっている。

真実/Fiona Apple (1999)

category: A-G

tag: MUSIC 250円

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Tidal/Fiona Apple (1996)


1. Sleep To Dream
2. Sullen Girl
3. Shadowboxer
4. Criminal
5. Slow Like Honey
6. The First Taste
7. Never Is A Promise
8. The Child Is Gone
9. Pale September
10. Carrion

Price Check.――― ¥ 200

ヘアスプレーで固められた80年代の反動で、90年代に入るとスターにはひたすら市井の人であることを求められ、如何に「リアル」かがヒットに繋がっていく混沌の極まりのなかでフィオナ・アップル、19歳の衝撃のデビュー作。12歳を迎える前、学校からの帰宅途中にレイプされた過去、セックスを想起させるPVで物議を醸した④、これらが喧伝されて300万枚を超えるセールスを上げた本作は、そのか細い容姿と相反する低音ボイス、ジャジーなピアノを基軸にした曲が並ぶ。巷では<粗削り>と評されるように、メロディそれ自体は出たトコ勝負な感があり、一聴して惹きつけられるものは少ない。ただ、19歳という若さと力強いのにどこか不安定な声、SSWと名乗るに相応しい独特の作詞が聴き手の期待を煽ってくれる。代表曲は上記のシングルヒットにもなった④なのだろうが、迫力のあるイントロからやさぐれた歌唱が印象的な③、時とともに音数が増えていく⑥、ストリングスのアレンジ光る⑦あたりが本作の本当の聴き所だろう。曲のクオリティという面では次作以降の作品に譲るが、実際、19歳でのデビュー作というドキュメント性は高く、その証明としての<粗さ>が魅力的にこちらに響く。世間一般のイメージする「早熟の天才」を感じたいときに聴きたくなる作品。

Tidal/Fiona Apple (1996)

category: A-G

tag: MUSIC 250円 代表作

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