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第4回GA文庫大賞 大賞:ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか/大森藤ノ

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか
プロローグ 「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」
1.世界と現実と憧憬
2.だから僕は走る
3.覚醒前夜
4.だからボクは力になりたい
5.女神のイタズラ
6.バンプ・オブ・チキン!
エピローグ 「ファミリア・ミィス」

answer.――― 77 点
GA文庫大賞《大賞》受賞のみならず、目下、『このライトノベルがすごい(2014年版)』で3位、第3回ラノベ好き書店員大賞で1位と支持を受け、15年の春には(……ここが攻め時!)とばかりにアニメ化!と、GA文庫自前の《エース》として台頭してきた本作『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』。その概要は、迷宮都市オラリオで駆け出しの少年冒険者ベルが高名な女性冒険者アイズに一目惚れし、彼女に釣り合う冒険者になるべく迷宮攻略に勤しむ、というもの。昨今の俺TUEEEE!に辟易している人にとっては舌打ちする他ない、捻りの効いた俺TUEEEE!作品で、それというのもこの主人公、……「挫折する」のである。そう、本シリーズを追っている読み手の心を一手に掴んだのは、まず間違いなく嘲笑浴びせられ、言い返すことも出来ずにダンジョンへと向こう見ずに飛び込む「挫折」場面だろう。「喜」「怒」「哀」「楽」―――感情表現の中核と言えるこれらは、どれも作中の登場人物たちが発露してみれば関心を引く場面となるが、「哀」からの「怒」は兎角、《鉄板》である。そこには《変身》があり、《爆発》がある。そこに《間違いは無い》のだ。逆に言えば、書き手のある種の「底」が量れる感情移行なのだが、大森藤ノは「怒り」とそれに端を発する(意識の)「フェードアウト」、この妙を心得て実にしたたかに演出。感情移行の成功例として一読の価値があるだろう。もっともそんなピークな場面を経て、牛歩な紆余を消化すると結局、俺TUEEEE!(予約済み)となる設定が貼りつけられるのだが、……それの何が悪い?という話。ライトノベル(笑)と安易に見下げられない文章力、大きなオッパイ揺らすロリ女神様と同棲中など、実務と接待に抜かりはない。成熟された俺TUEEEE!ライトノベル。「稼ぎ」終わったら、著者の単刊作品を読んでみたいね。どんな作品を書くのか興味があるわ。

第4回GA文庫大賞 大賞:ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか/大森藤ノ

category: あ行の作家

tag: GA文庫大賞大賞 OPEN 70点 大森藤ノ ラノベ好き書店員大賞

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2012年09月のレヴュー更新(まとめ)

すべての記事に貼ってあるブログ村のバナー、消えたと思いません?ええ、消してみました!これ、意味ねえわ!と思いつつ、惰性で貼り続けていたのですが、とある方から「退会したらむしろ訪問者が増えた!」なる都市伝説を披露され、こりゃ丁度良いわ!と踏ん切りがついたのです。さてさて、私の結果はどうなるのでしょうか?楽しみです。 ← 残念、特に増えませんでしたw

●GA文庫大賞●
第4回GA文庫大賞 奨励賞:木崎くんと呼ばないで!/長物守

●HJ文庫大賞●
第6回HJ文庫大賞 金賞:サムライブラッド ~天守無双~/松時ノ介

●小学館ライトノベル大賞(ガガガ文庫部門)●
第6回小学館ライトノベル大賞(ガガガ文庫部門) 大賞:狩りりんぐ! 萩乃森高校狩猟専門課程/森月朝文

●受賞作以外のライトノベル●
富士見ファンタジア文庫:BLACK BLOOD BROTHERS 1 -ブラック・ブラッド・ブラザーズ 兄弟上陸-/あざの耕平 (2004)
富士見ファンタジア文庫:神仙酒コンチェルト/宇野耕平 (1999)
早川書房:マルドゥック・スクランブル [改訂新版]/冲方丁 (2010)
SD文庫:六花の勇者/山形石雄 (2011)

●受賞作以外の大衆小説●
角川文庫:推定少女/桜庭一樹 (2010)

●アーティスト一覧●
Green Day
SR-71

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category: 更新情報

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第4回GA文庫大賞 奨励賞:空に欠けた旋律<メロディ>/葉月双

空に欠けた旋律
(あらすじ)
百年以上前から泥沼の戦争が続く世界。レイは単騎で敵を撃墜し続ける銀色の魔女、クッキィに恋をした。彼女への憧れから士官学校を卒業後、パイロットとしてクッキィのいる基地へとやってきたレイ。配属早々の戦闘のさなか、敵軍のエースに撃墜されたクッキィを救うため、レイは戦線を離脱する。ところが戦域から離れた場所で、死を望んでいるかのようなクッキィの言動に、思わず告白してしまう。

answer.――― 55 点

駒都えーじのイラストで手に取った、という話が散見される本作は、端的に言ってしまえば、幕下による横綱相撲を真似た失敗作。ストーリーラインはあらすじの通り、泥沼続く戦争でメロディなる呼称のロボットに乗り、やはり終わることのない戦いを続ける青年たちを描く。概してロボットを題材に扱う輩にはヒロイックな悲劇嗜好があるものだが、この著者も例に違わず、登場人物たちにバンザイを強いる。悲劇を取り扱う際に留意しなければならないのは《自分に酔わないこと》。自らの手で登場人物が死ぬ、あるいは殺す、苦しみ、悶える……それは他者の自由を奪い、己へ万能感をもたらす作家の本懐とも云えるが、故に読み手を置いての一人相撲になりがちになる。本作では冒頭から、何て哀しい!何て虚しい!何て悲劇!と登場人物が台詞で半ば言ってしまう完全な一人相撲を展開し、頁をめくる度にうすら寒さ覚える自慰倒錯の仕上がりとなっている。先にこれはネタバレになってしまうが、販促の上ではプラスに働くと考え、打ち明けさせて貰えば、本作は百合小説。そして、それが著者の一人相撲の中で理性を唯一感じることが出来る本作最大の仕掛けとなっている。つまり、主人公のシコシコは実はグチョグチョであり、読みようによっては……まとめると、読む時間が勿体無い作品。ただ、ロボット作品を描く際は、反面教師な作品として一読するのも良いかもしれない。文章はやや背伸びしている印象。とりあえず、著者は自分の「鑑」を見つけないとな。何で売れなかったのか、本人、未だに分からんべ?

第4回GA文庫大賞 奨励賞:空に欠けた旋律<メロディ>/葉月双

category: は行の作家

tag: GA文庫大賞奨励賞 OPEN 50点 葉月双

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第4回GA文庫大賞 奨励賞:木崎くんと呼ばないで!/長物守

木崎くんと呼ばないで!
1.ラブレターを読まないで!
2.宮様なんて遠ざけないで!
3.そうやすやすと触れないで!
4.チャイナドレスを着せないで!
5.彼氏彼女と見てないで!
etc...

answer.――― 61 点

恋に目覚めた、「漢」前の天然美少女をオタク男子が完全サポート!?青春&乙女育成系ラブコメディ!!……この概要で、レヴューはほとんど事足りるだろう。この概要を読んだ貴方の想像通りにストーリーは展開し、エンディングを迎える。評判は芳しくないが、それは「この手」の作品が氾濫し、読み手が食傷気味を通り越して、食傷に陥っているからに他ならない。事実、新味は「無い」に等しい。サービスシーンも諸所に挿し込んではいるが、印象に残るのはイラスト付きのπ揉み、チャイナドレスのコスプレイくらいだろう。そんな中でも、それなりに文章に気を遣ったりの工夫は買えるところ。また、メインの「漢」前のヒロインのお嬢様化こそボボンチュウながら、ヒロインの恋する相手・のほほん世間知らず系天然完璧好男子の御曹司くんに近づき、彼の人生初の友人となって、買い食いやら道草やら教える様は本編を食い気味の求心力。ここをクローズアップして逆算的に創作すれば、新味も出ただろう。凡作には違いないながら、そこそこに丁寧な印象を受けた作品。「この手」の作品の初心者ならば楽しめるだろう。ま、あくまでライトノベルの初心者用ってことで。

第4回GA文庫大賞 奨励賞:木崎くんと呼ばないで!/長物守

category: な行の作家

tag: GA文庫大賞奨励賞 OPEN 60点 長物守

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第19回電撃小説大賞 大賞:アリス・リローデッド ハロー、ミスター・マグナム/茜屋まつり

アリス・リローデッド ハロー、ミスター・マグナム
1.グッバイ、サラマンデル
2.ハロー、ミスター・マグナム
3.ライトニング・ワイルド
4.イッツ・ア・バッド・デイ
5.ブラック・ザ・ポイゾナス・スカイ
6.マイ・ネーム・イズ

answer.――― 68 点

プロとアマチュアの差を考えれば、―――読み手を意識するかしないか。端的に言って、そんな結論に辿り着く。しかしながら、実はそんな結論にも盲点的な事実が隠されていることを、プロになった者さえ気づかないままであることが多い。すなわち、読み手を意識して「魅せる」のはストーリーか、はたまた、自分の力か。―――これ(掌底)、顎に当てると倒れんねん。とニヤつくゴロツキ・茜屋まつり。電撃文庫の黎明期は第3回電撃(ゲーム)小説大賞《銀賞》受賞者にもかかわらず、名を変え、ド素人として改めて電撃小説大賞に殴り込みをかけた生粋の喧嘩師である。本作は、今やライトノベルの最高勲章となった電撃小説大賞《大賞》受賞作であり、アマチュア臭を残しながらも、茜屋まつり、喧嘩三段!と謳いたくなる自分の力を魅せてきた一作。その概要は、わたしの名前はミスター・マグナム。偉大なる魔女によって生み出された魔法の銃だ。という紹介の一文通り、物珍しい《銃》からの視点で語られる「過去」への時間跳躍、呪術絡んだGun action!ライトノベルらしく、歴史の変化そのものより「時間跳躍」によってキャラクターの(心境)変化に力点をおいているのが特徴で、合い間に挿されるエピソードが登場人物の紹介も兼ねた予告の役割を担っている。1章から4章まで活劇満載で、特に2章【ライトニング・ワイルド】の終盤、ヘッジストーンでの暴動は頁数に反比例したかのようなコミカル且つ、ソウル揺らしてくれる茜屋パレード。大向うから「茜屋っ!」「(受賞)二度目!」と声掛けしたくなること必至のインテリジェントな名場面だ。幼女アゴンロジを筆頭に《せくしゅある》な仕掛けも如才なく施し、本作が読み手を意識して作られた作品なのがよく分かる―――が、しかし。《銃》視点、時間跳躍といった粗目立ちながらも喧嘩三段!なアレンジはともかく、捨て切れなかった【オリジナリティ】は自ら貶めた格好。造語、スラングへのルビ振りの嵐は見苦しく、幕間は雑多で、それら読み手を振り回す横暴に世界観への感嘆の前に拒絶が入ってしまう。それでも、前半は上質の掛け合い&活劇で-(マイナス)を帳消しに出来ていたのだが、……喧嘩師ならではのスタミナ切れか。3章、その途中よりストーリーが整理し切れずに渋滞し始め、4章はストーリーの処理に奔走した印象で、ハッピー・リローデッドながらに後味が悪い。用意したストーリー自体は悪くないが、続刊前提のキャラクター処理が透けて見えるのは頂けないところ。ここはプロになって欲しかった。ただ、個人的には粗さが魅力にも映るので、読みやすさを求めつつも、喧嘩四段、喧嘩五段と昇段して行って欲しいな、と。とりあえず、アゴンロジに「どんどん噛みなさい」と萌えました。

第19回電撃小説大賞 大賞:アリス・リローデッド ハロー、ミスター・マグナム/茜屋まつり

category: あ行の作家

tag: 電撃小説大賞大賞 OPEN 60点 茜屋まつり

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第19回電撃小説大賞 大賞:きじかくしの庭/桜井美奈

きじかくしの庭
1.亜由の復讐
2.舞の親友
3.祥子の居場所
4.田路の便乗

answer.――― 59 点

「きじかくし」―――それ即ち、「アスパラガス」。本作を読んでの主だった収穫は、そんな豆知識だった、……終わり。と呆気なく〆るのは天下の電撃小説大賞、その《大賞》受賞作に若干と言わずの後ろめたさを感じるので、作品内容に触れれば、本作は三十路手前の男性教諭・田路を軸に、生徒たちの恋愛、友情、進路など“悩み”を描いていく物語。とりあえず、恋人取られちゃった、親友に裏切られちゃった、というスパイスで各章を編んでいるが、著者が《ライトノベル》というジャンルで何をしたかったのかが「全く」伝わってこないのが本作最大の問題点。ライトノベルと大衆小説のクロスオーバーを狙った、というなら、《ライトノベル》の要素はどこにあるのか?これを著者自身答えられないなら、著者のデビューはもはや《ライトノベル》への害悪でしかない。本作は何のことはない、単なる「大衆小説」だ……それも、かなり出来の悪い部類の。軸キャラクターである田路が三十路前ということで「ちょっと疲れたアラサーたちへ、心を癒すこの一冊」とのことだが、どこに焦点を当ててのこの文句なのかが定まらない。生徒の悩みを幼いと楽しむのか?生徒視点時、「やれやれ」と手助けしてくれる大人な田路に気分を良くしろと?まさか、田路が2章であのMOODYSへ向けて「バコバコバスツアーのシリーズ終了反対!断固反対!絶対反対!!」と声に出しながら新任の女教師と自宅でパコっている場面を笑えと?確かにライトノベルでバコバコバスツアーなんて単語を見掛けるなんて信じられなかった。あの場面には爆笑させてもらった。そんな訳で、電撃小説大賞《大賞》受賞作にもかかわらず、本作が電撃文庫ではなく、メディアワークス文庫からのリリースとなっているのが《大賞》授賞のそもそものポイントなのだろう。読み手にこんな文庫ありますよ、書き手にこの程度で良いですよ、と「メディアワークス文庫」の呼び水として《大賞》を与えられた作品。《ライトノベル》という蓑を被せて、作家としての幼さ、作品としての拙さを肯定させる典型的作品というわけだ。大衆小説としては「下」の「中」のクオリティ、ライトノベルとしては「下」の「下」のクオリティです。ライトノベルを舐めてるって、こういう事を言うんじゃねえの?何でライトノベル作家になろうと思ったの?

* あまりにあまりな作品だったので、ちょっと面白い場面創作しちゃいました(・∀<)☆

第19回電撃小説大賞 大賞:きじかくしの庭/桜井美奈

category: さ行の作家

tag: 電撃小説大賞大賞 OPEN 50点 桜井美奈

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第19回電撃小説大賞 金賞:明日、ボクは死ぬ。キミは生き返る。/藤まる

明日、ボクは死ぬ。キミは生き返る (199x290)
(あらすじ)
生まれつきの恐い顔のせいで、学校で浮きまくっている坂本秋月。ある夜、秋月は一人の少女の事故現場に遭遇し、謎の人物から究極の選択『お前の寿命の半分で、彼女を救うか?』 を迫られる。秋月は寿命と引き換えに少女“夢前光”を救った、はずだったのだが……なぜか秋月の体は1日おきに光の人格に乗っ取られるというおかしな展開に!?

answer.――― 68 点
交通事故で少女が死んで―――そこから一日置きに故人となった少女と「人格」が入れ替わり、二人の記憶の繋ぎに《交換日記》を用いる本作。不器用ロンリーウルフな主人公、奔放なヲタク気質のヒロインという組み合わせから、男の072事情など抜かりなくアピールしてくるコメディな日常を軸に、掻きまわされながらもロンリーを返上していく喜劇に戸惑いながら、中盤以降のヒロインの生前のプライベートに踏み込んでいく展開は丁寧なもので、著者のストーリーメイク、そのバランス感覚の良さが伺える。コメディは楽しければ良いと思われがちだが、実際のところ、……だからこそ!と相反するシリアスな一面を作品に望む、読み手からの《暗黙の要求》が存在する。その点を押さえられるか否かがちょっとした作家としての分水嶺なのだが、著者は如才なく掴んでいる印象。勿体無いのは、二人の記憶を繋ぐ《交換日記》だろう。事実上の《信頼できない語り手》なために自ずとSomethingを期待してしまうが、想定のままに運用される「ライト」な仕上がりとなっているため、肩透かし気味に終わってしまう。例えば、主人公サイドが積極的に仕掛ける演出があっても良かったと思う。ラストは「てへぺろ☆(・ω<)」というヒロイン主体のコミカルな幕が下りるわけだが、あくまで主人公を主人公として捉える《発想》があれば、「てへぺろ☆(・ω<)」なヒロインが温かく涙するコメディになったと思う。何にしても、モダンなライトノベルしたライトノベル。同系統と云える題材の『先輩とぼく』と比べてみれば、現在のライトノベル作家の層の厚さも感じられる受賞作。

第19回電撃小説大賞 金賞:明日、ボクは死ぬ。キミは生き返る。/藤まる

category: は行の作家

tag: 電撃小説大賞金賞 OPEN 60点 藤まる

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第19回電撃小説大賞 金賞:エーコと【トオル】と部活の時間。/柳田狐狗狸

エーコと【トオル】と部活の時間。
1.世界の中心に
2.エーコです
3.ムカついて
4.誰、オマエ
5.挨拶みたいな
6.真っ赤な外套を
7.どんな手順で
8.ある人の言葉を借りれば
etc...

answer.――― 64 点
舞台はとある高校。主役はとある事件でクラスより孤立して過ごすエーコ。物語は誰もいない化学部に仕方なく所属することになったエーコが、喋る人体模型【トオル】と無気力に出会い―――ジュブナイルの王道「学校の七不思議」をそれとなく挙げていきながら、人体発火で事件発生!そんな概要もそこそこに頁を捲って思うことは、……センスねえなぁ~。と。それは設定、構成、物語と残念ながら「ほぼ」余すことなく全てに及ぶ。もっとも、センスなんてものは是正すれば良いだけのことなのだが、果たして本作で【結果】を残してしまった著者にその機会は訪れるのか。《文学》ではなく、《エンターテイメント》作品ならば良いモノは必ず売れる、大小の差こそあれ(←これ、重要)。がしかし、「売れなかった」事実だけでは、人は自分のセンスを疑えないものだ。それだからデビューする前に自分を疑えるだけの「知識」、あるいは「経験」を持つ意味を知ろう。と話が逸れたが、……え?本作の何がセンス無いって?いや、【アルキメデスの熱光線】とか【粉塵爆発】を高校生が大真面目に語るところだよ。これ、「語る」んじゃなくて「使う」選択肢だろう?こんなの高校生に説かれてどうすりゃええの?そんな難センスで綴られた全くお薦め出来ない本作ではあるが、上述で「ほぼ」余すことなく、と例外を「ほぼ」で匂わせて頂いたように、―――「文章」が買える。化ける「何か」を持っている。著者自身、己の筆に自信漲らせたからこそこれ程に長々とセンスの無さをひけらかしたのだろう。柳田狐狗狸よ、たとえるならお前は汗水垂らして「江南スタイル!江南スタイル!」と渋谷で大真面目にグラサン掛けて踊っているPSYだ。色々が間違っている。もう一度、アマチュアに戻れ。起承転結以外の構成を学べ、己のセンスを疑え。お前は「青田買い」されただけだ。が、逆に云えば、「青田買い」されるだけの可能性がある。作家人生を「うっかり」無駄にするな。

第19回電撃小説大賞 金賞:エーコと【トオル】と部活の時間。/柳田狐狗狸

category: や行の作家

tag: 電撃小説大賞金賞 OPEN 60点 柳田狐狗狸

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第6回HJ文庫大賞 金賞:サムライブラッド ~天守無双~/松時ノ介

サムライブラッド ~天守無双~
1.婿探し
2.秘めたるもの
3.待人であること
4.御前試合
5.竜の力

answer.――― 57 点

歴史上の人物たちの系譜に己のファンタジーを絡めた作品。ベースとなっているのは安土桃山時代の面々で、主人公は異人の血を引く浅井長政の子孫(♀)。この手の作風は正直好みではないのだが、既知の情報が脳皮を刺激する故か、一定の需要があると見込まれてどこかしらでしぶとく出版され続けている。もっとも、本作の最大の特徴は「障害者」を登用していることだろう。ヒロインの花鳥は(強い)婿を見つけないと代々受け継がれた名門道場が潰れてしまう、ということからのストーリー。しかしヒロインの異人の容姿は避けられて、婿探しは絶望的。諦めかけたその時、身体障害者の旅芸人一座に盲目の天才が……。この少女と見紛う盲目の登場人物が、本作の実質の主役格。ところで障害者を真ん中に配するには、それに相応しい舞台(と力量)が要る。本作ではそれが整っていない。「障害者使いたいな!」という面白半分の発想で、障害者を主役にしている―――中略。著者の性格の悪さを除けば、陰陽道と云えば安倍晴明、と判で押したキャラクターの名前までラストに出してくる、そんじょそこらでよく見掛ける凡作。取り立てて誉めるところはないが、著者がレイプを題材にしたマスターベーションが好きそうなだけに、著者の代理人格と思われる織田信長の子孫がセックスの達人という設定になっているのが、個人的に非常にキモくて面白かったです。

第6回HJ文庫大賞 金賞:サムライブラッド ~天守無双~/松時ノ介

category: HJ文庫大賞

tag: HJ文庫大賞金賞 OPEN 50点 松時ノ介

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Here We Go Again/SR-71 (2004)

here we go again
1. Axi Rose
2. In Your Eyes
3. Gone
4. 1985
5. Mosquito
6. Here We Go Again
7. All American
8. Blue Light Special Life
9. 15 Minute Idol
10. One
11. Everything

Price Check.――― ¥ 250

①と③、本作は実質、この二曲のためのプロモーションCDと言っても過言ではない。①は前作のセールスの低調でメジャーレーベルから見放され、初期メンバーの相次ぐ脱退からバンドが事実上の解散、自身のソロ・プロジェクトと化し、失意のドン底に突き落とされたミッチ・アラン(Vo.&G.)がソングライターとして光明を見い出した曲であり、③はそこから「狙って」発展させた曲として巨漢ギタリストを擁するBowling For Soupに提供、予想通り―――予想以上のヒット・シングルとなってミッチ・アランのプロデューサーへの道を切り拓いた佳曲だ。その表題通り、①はかのGN'Rの“アイコン”アクセル・ローズを題材に、名盤『Appetite For Destruction』収録の楽曲のオマージュを散りばめた曲。これが非常に面白い。踏み外せば単なるパロディ・ソングになるのだが、見事に一級のパワーポップとして昇華し、「Where did you go Axl Rose?」とオジサンとなった自分たちが00年代を彷徨う様を描いている。そして、チャートを駆け上がった③「1985」である。スプリングスティーン、マドンナ、U2、ブロンディと固有名詞で攻め立てるノスタルジー。ジョージ・マイケルがゲイだと知る前、と嘆く青春時代。歌詞がとにかく素晴らしい。日本ではこの手の歌詞が未だメインストリームで流行ってないので、是非とも、チャート賑わす面々にはチャレンジして欲しいところだ。一作品とすると前半と後半でくっきりと曲のクオリティに差が出てしまっているが、1stで魅せたポップロックと2ndで纏った迫力の低音を合わせたサウンドはバンドとしての前進を感じさせる。②はミッチ・アランがそのコード進行を絶賛するピーター・ガブリエルのカバー曲。音楽知識があればもっと楽しめる曲なんだと思うと、非常にもどかしい。とりあえず、①はGN'Rファンなら聴こうぜ?

Here We Go Again/SR-71 (2004)

category: O-U

tag: MUSIC 250円

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