ナマクラ!Reviews

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2014年06月のレヴュー更新(まとめ)

ブラジルW杯のサッカー日本代表、―――まさしく!な惨敗の傷も未だ癒えないまま、そこら辺からコンニチワ!そんなサボったつもりはないものの、記事の更新がイマイチ少なかったような印象が自分でもあるのが反省点。……が、流石にプライベートを犠牲にしてまで記事更新を増やそうとも思わないので、いっそこれからは土日更新を徹底しようか検討中です。とりあえず、来月もメフィスト賞を中心に更新予定。ついでに、ラノベ好き書店員大賞のレヴューを始めてみようかな、と。

●メフィスト賞●
第10回メフィスト賞 受賞作:Kの流儀-フルコンタクト・ゲーム/中島望
第9回メフィスト賞 受賞作:QED 百人一首の呪/高田崇史
第8回メフィスト賞 受賞作:ダブ(エ)ストン街道/浅暮三文
第7回メフィスト賞 受賞作:血塗られた神話/新堂冬樹
第6回メフィスト賞 受賞作:歪んだ創世記/積木鏡介

●受賞作以外の大衆小説●
新潮文庫:旅のラゴス/筒井康隆 (1986)
中公文庫:虚人たち/筒井康隆 (1981)
新潮社:冬虫夏草/梨木香歩 (2013)

●アーティスト一覧●
未だかつて見たことのない素晴しいもの/OLD (2013)

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☆★ 今月のパワープレイ ☆★
2014年6月

#.3 Firth of Fifth/Genesis 【Selling England By The Pound (1973)】
Genesisはお買い得な3枚組のベスト盤『プラチナム・コレクション』で満足してしまい、アルバム単位で聴くことがなかったのだが、ドライヴの気まぐれに流してみれば―――もはや新発見の「名曲」。スティーヴ・ハケット(G.)を始めとした間奏パートの何と幻想的なことよ。聴き入ってしまいました。

#.2 風を撃て/キリンジ 【ペイパー・ドライヴァーズ・ミュージック (1998)】
「風を撃て!」とドライブするサビが流れたその時、誤ってその日の入力データを消してしまい、呆然とした後にしっかりと凹んだのが月末の今でも強烈に印象に残ったままのキリンジのパラッパッパな一曲。

#.7 ハチミツ/スピッツ 【ハチミツ (1995)】

軽やかに、しかし力強く―――終盤は崎山龍男(Dr.)の独壇場となる変拍子のポップソング。後述のBABYMETALの「メギツネ」と並ぶ今月最多のリピート回数。

#.5 ババロア/スピッツ 【三日月ロック (2002)】

「グルーヴ・モンスター」崎山龍男(Dr.)を隠しての、打ち込みの一曲。

#.7 点と点/スピッツ 【さざなみCD (2007)】

スピッツが尖がっているRock 'n' Roll Bandだってことを分かり易くアピールした曲。

#.8 ド・キ・ド・キ☆モーニング/さくら学院(歌唱:重音部 BABYMETAL) 【さくら学院 2010年度 ~message~ (2011)】

長らく(」゚ロ゚)」あーりん、わっしょい!!でTwitterにて更新をお報せして参りましたが、これからは(」゚ロ゚)」ンッリンッリンッ!おはよう、Wake Up!でお報せさせて頂きます。

#.2 Public Enemy No.1/Megadeth 【TH1RT3EN (2011)】

俺の中で“日本のジョン・デリンジャー”のいんのテーマ曲。ちょーかっくぅいー!

#.2 メギツネ/BABYMETAL 【BABYMETAL (2014)】

今月の最大の収穫曲。そして、基本的に俺は「ワッショイ!!」と囃し立てる曲に弱いことを思い知らされ、慎まねばならん、慎まねばならん、とどこぞの劉備玄徳のように自戒した。目下、YUIMETAL、MOAMETALの区別をつけようと奮闘中。

category: 更新情報

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新潮社:冬虫夏草/梨木香歩

冬虫夏草
(あらすじ)
亡き友の生家の守を託されている駆け出し文士、綿貫征四郎。行方知れずになって半年余りが経つ愛犬ゴローの目撃情報に基づき、家も原稿もほっぽり出して鈴鹿山中に分け入った綿貫を瞠目させたもの。それは自然の猛威には抗わぬが背筋を伸ばし、冬には冬を、夏には夏を生きる姿だった。人びとも、人にあらざる者たちも……。

answer.――― 69 点

本作は散文的秀作『家守綺譚』の派生作品『村田エフェンディ滞土録』を挟んでの、満を持しての家守・綿貫征四郎を主役にした続編。がしかし、『家守綺譚』のVo.2を期待していると多くの人は肩透かしを食らうことになるだろう。つれづれなるまゝに、とはかの『徒然草』のオープニングだが、これを(読み手から)求められる作品は、それだけで傑作たり得る。『家守綺譚』はそういう類の作品だった。梨木香歩が「つれづれなるまゝに」綿貫征四郎に怪異を目の当たりにさせ、「言われてみれば、そんなものか」と受け入れさせる展開は、何とも心地良い「(非)日常」だったが、本作では梨木香歩に「われわれ楯の會は、自衞隊によつて育てられ」的なヒットを狙う気負いが感じられ……要するに、真面目に書くなや、と。『決闘ワルツ』のレヴューでも言及したが、絶対に「売れる」文章、というものがある。梨木香歩はそれに意図して手を出し、「誤った」のが残念ながら本作だ。設定こそ引き継がれているものの、本作は『家守綺譚』にて披露されていた「つうと言えばかあ」の心地良い《余白》がない、いわば《書き過ぎ》の作品。時折り、その《余白》を思い出したかのように出してくるのがまた、こちらを渋面にさせてくれる。新登場の菌類学者・南川だが、もっと「推して」も良かったと思う。大方、幽霊・高堂との書き分けがイマイチ出来なかったからだろうが……。再び続編を描くなら、「つれづれなるまゝに」自分も楽しんで書いて欲しい。これ、自分でも書いててつまんなかったろ?

新潮社:冬虫夏草/梨木香歩 (2013)

category: な行の作家

tag: OPEN 60点 梨木香歩

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角川文庫:村田エフェンディ滞土録/梨木香歩

村田
1.鸚鵡
2.驢馬
3.ヨークシャ・プディング
4.神々の墓場
5.アジの塩焼き
6.羅馬硝子
7.ニワトリ
8.雑踏の熊と壁の牡牛
etc...

answer.――― 73 点

梨木香歩の散文的秀作『家守綺譚』の一節に舞い込む、主人公へ土耳古より届けられた手紙……その差出人である村田のトルコ滞在記。いわゆる派生作品ゆえに多少の差こそあれ、小説としてのフォーマットは本編同様の連作短篇。『家守綺譚』では日本人の感性をくすぐる四季折々の妙を楽しむ形だったが、本作は欧羅巴と亜細亜の中継地点である土耳古が舞台ということで、必然と異文化へのカルチャー・ショックを楽しむ体となっている。主人公の住む下宿先もその縮図としてか、住人は英国人、希臘人、独逸人、そして、土耳古人と多彩な顔触れ。且つ、それぞれ信じる宗教も違うという手の込みよう。―――ムハンマドが通りで鸚鵡を拾った。と一行目から淡々と告げてくれるアラビアンなゴングは、先の作品で取り込んだファンにすれば嬉しい予定調和。ただ、想定外に―――本作、読みにくい。文章が下手どうこうという訳ではなく、頁が進まない。原因は、二点。女性キャラクターがなかなか登場しないことと、周りがすべて外国人という気が休まらないアウェイな状況から。これが読み手を窮屈にしている。本作では『家守綺譚』が持っていた<言わずもがな>な情緒が上手く機能していない。これは物語の舞台が馴染み薄い土耳古という舞台だからだ。本作は散文的な進め方ではなく、最初から己の逆境を跳ね返すような強い意志―――「物語」が必要だったと思う。表題の<エフェンディ>とは学問を納めた人物の敬称。村田エフェンディにはもう少し主役として動き回って欲しかった。

角川文庫:村田エフェンディ滞土録/梨木香歩 (2004)

category: な行の作家

tag: OPEN 70点 梨木香歩

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第10回メフィスト賞 受賞作:Kの流儀-フルコンタクト・ゲーム/中島望

Kの流儀 フルコンタクト・ゲーム
1.雨の転校生
2.赤いリボンが舞う夜に
3.尾上のスケープゴート
4.修羅と天使
5.バスケットボール・ファイト!
6.体罰教師
7.七人の敵
8.星月夜
9.かまいたち
10.風散る恋
etc... ...

answer.――― 74 点

登場人物のすべてが選りすぐりのDQN、DQN、ラブどっきゅん!のおそらくメフィスト賞において空前絶後の「お前の青春ラブコメはまちがっている」的完全無欠のDQN小説。それでも、ぶっちゃけ、―――面白い!と唸ってしまうのは徹頭徹尾、DQNしていることだろう。「この物語の主人公である総二の中には、作者であり、極真の門下生である中島望氏の筆によって見事に私達が憧れている極真が象徴的に描かれている。」と、かの松井章圭館長のお墨がついているように、主人公・逢川総二は近未来を思わせる荒廃し切った高校に転校し、極真の名の下、中国拳法、ボクシング、少林寺拳法、柔道、空手、剣道……と様ざまな格闘技に精通するDQNたちを火の粉を払うように制裁していく。とにかく、極悪な作中世界は必見。イジメ、カツアゲ当たり前、女が出てくれば男たちは勃起し、行動的な不良はレイプに励み、女は売春に輪姦(まわ)される。頁を捲れば捲るほど、―――こ、ここ、本当に我らが神国NIPPONなのか!?とおののくこと必至だ。主人公は数多のDQNと交戦する訳だが、個人的なハイライトにはvs剣道シーンを挙げたい。胴体を真っ二つにする高校生なんて演出と云えども常識が邪魔をして出来ないものだが、著者の筆にそんな迷いは微塵も感じられない。これには誰しも天晴れ、お見事、降参となるだろう。悪女にラブコメ(ver.硬派)しつつ、……という変則的な《お約束》もあり、隙のない素晴らしい極真のための番宣受賞作。負け=再起不能に直結する相次ぐバトルは皮肉無く楽しめました。作中における中ボス的立ち位置の天才ボクサーはそのキャラクター含め、作中で一番「凝ってた」ね。きっと、極真のライバルはボクシングってことなのでしょう。DQNのダイヤモンドたちが血飛沫上げて散る様は本当に圧巻の作品。ラノベで例えるなら、筆力のある『学園武芸帳「月に笑く」』な印象も。

第10回メフィスト賞 受賞作:Kの流儀-フルコンタクト・ゲーム/中島望

category: メフィスト賞

tag: OPEN 70点 中島望

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第9回メフィスト賞 受賞作:QED 百人一首の呪/高田崇史

QED 百人一首の呪 
(あらすじ)
百人一首カルタのコレクターとして有名な会社社長・真榊大陸が自宅で惨殺された。一枚の札を握りしめて……。関係者は皆アリバイがあり、事件は一見、不可能犯罪かと思われた。だが、博覧強記の薬剤師・桑原崇が百人一首に仕掛けられた謎を解いたとき、戦慄の真相が明らかに!?

answer.――― 55 点

高田崇史のデビュー作にして、好評を博すQEDシリーズの第一弾。個人的には題材となっている《百人一首》に興味を抱けず、ただただ退屈だったが、この《百人一首》を例えばプログレッシヴ・ロックやらモダン・ジャズ、ジーンズ、銅版画に置き換えてみると、途端に興味が湧いたので、題材次第の作風にも思う。キャラクター性は垣間見れるものの、全体的には平坦な登場人物たちのやり取りには改善を求めたいが、ともかくマニアックな含蓄ミステリー。気に入る人はこの一作目から気に入ることでしょう。

第9回メフィスト賞 受賞作:QED 百人一首の呪/高田崇史

category: メフィスト賞

tag: OPEN 50点 高田崇史

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第8回メフィスト賞 受賞作:ダブ(エ)ストン街道/浅暮三文

ダブ(エ)ストン街道
1.目覚めよと呼ぶ声す
2.愛しい君の手紙に見入って
3.入場
4.悲しみは多くの人の心を捉える
5.パノラマ
6.春の声
7.大地礼賛
8.終曲

answer.――― 65 点

「ダブ(エ)ストン街道」なる言葉を目にして何故か日本ファンタジーノベル大賞が浮かんできたが、調べてみれば、本作は第8回の候補作だったことが判明―――そこからの落選作がメフィスト賞に回り、ともあれ花咲いた形。日本ファンタジーノベル賞に応募されている事実からも察せられる通り、ジャンルとしては純然たるファンタジーで、夢遊病の恋人の行方を求め辿り着いた先が行き方も帰り方も分からない謎の島ダブ(エ)ストン。そこでは住人たちも何かを探し、彷徨っていた。というストーリーライン。正直、面白い類のものではなく、物語の矢印が右に左に、上に下に、時には螺旋を描いて、どこへ行くのかを迷い楽しむもので、それ以上を求めてはいけない作品。ながらに、作中のキーワード「赤い影」の正体、何より主人公の恋人へのピュアな想いはあらぬ方向を指し続けた物語の矢印を真っ直ぐにしてくれる良質のスパイスで、いざ迎えた「偶然」、「必然」のエンディングを爽やかに輝かせる。著者と知人ならナンダカンダ誉めたくなる散文ファンタジー。しかし、著者と知人じゃないと、……悪くないんだけどね。と苦笑いで感想を誤魔化すことでしょう。

第8回メフィスト賞 受賞作:ダブ(エ)ストン街道/浅暮三文

category: メフィスト賞

tag: OPEN 60点 浅暮三文

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第7回メフィスト賞 受賞作:血塗られた神話/新堂冬樹

血塗られた神話
(あらすじ)
「悪魔」と恐れられた街金融の若き経営者・野田秋人。彼の周りで関係する人が次々と惨殺されていく。常軌を逸した連続猟奇殺人の目的とは!?「金」ほど人間の本性を剥き出しにし、争いごとを生む物はない。人の命など毛ほどの重さも持たぬ街金融の世界で修羅を生きる著者ならではの超リアルな問題作。

answer.――― 68 点

Sex, Drugs & Violence!ついでに、For love or money×money ×money!と、かのアイルランドのロックバンドが高らかに歌っているように、上記の要素を並べれば、誰がこねくり回してもエンターテイメントは薫るものだ。本作は、読者の目の前に出てこそ―――メディアに出てこそ映える作家・新堂冬樹のデビュー作。過去に就いていた闇金融、その職歴を活かしての創作は成る程、(そんな先入観を含め)迫力があり、本作においてもしっかりとその経験が下敷きとなっている。だが、デビュー作らしくまだまだテンプレートから脱しきれず、後の作品から遡ると《習作》な印象も否めない。《Sex, Drugs & Violence!ついでに、For love or money×money ×money!》の観点で云えば、 「書き手が楽しい」Violence!For love!に歌舞いてしまい、「読み手が楽しい」Sex, Drugsが申し訳程度の盛り込みに終わり、せっかくのド直球のエンターテイメントが盛り上がりに欠けてしまったのが主だった反省点だろう。ただ、いきなりキックボクシングの練習していても不快ではない「ストイック」というナルシズムを持つ主人公像、―――Yes,Violence!という分かり易い展開など、サクサクと気持ち良く読めるのも事実。それでも、本作を読むなら、やはり著者の後の作品を読むほうがベターだろう。

第7回メフィスト賞 受賞作:血塗られた神話/新堂冬樹

category: メフィスト賞

tag: OPEN 60点 新堂冬樹

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第6回メフィスト賞 受賞作:歪んだ創世記/積木鏡介

歪んだ創世記
1.結末
2.挿話
3.過去の消えた男女が現れる
4.割り込み
5.過去を探す
6.ここで「事件」が起こる
7.割り込み
8.消えた死体と西洋扉の問題、或いは、平凡な推理
etc... ...

answer.――― 50 点

「記憶にございません」という言葉を耳にしたのは、例によって国会中継だった気がするが、繰り返されるその言葉に子供心に苛つき、しかし間もなくその意味、その意図を解説されて「……なるほど」と感銘を受けたが、―――さて、「メタフィクション」という言葉がある。「超」「高次な」を意味するギリシャ語の接頭語「メタ」を付けている通り、如何にもキナ臭く便利な言葉で、「これぞメタフィクション!」と銘打てば、あるいは声を大にして誰かが持ち上げれば、読み手はかの張飛益徳に長坂橋で大喝されたかのように安易に放り投げれず、とりあえず最後まで肯定的に読もうとしなければならない。《真犯人は本を閉じた、この本の裏表紙を見るために》―――裏表紙へ誘導するこの文句を読むために、本作はある。そして、俺がその文句を書いた。だから安心していい、……君は読まなくてOKだ。そう、これが「これぞメタフィクション!」なのである。

第6回メフィスト賞 受賞作:歪んだ創世記/積木鏡介

category: メフィスト賞

tag: OPEN 50点 積木鏡介

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未だかつて見たことのない素晴しいもの/OLD (2013)

未だかつて見たことのない素晴しいもの
1.音楽の神よ ~opening~
2.宝石
3.どうしようもなく叫びたくて、何か奏でたかった
4.Sun
5.果てのない歌
6.花を見たことはあるかい
7.妖精
8.鏡を見ていたら…
9.傷つけたくない、傷つけちゃうけど
10.Don't Stop
11.雲は流れ続け
12.Boy
13.音楽の神よ ~Ending~

Price Check.――― ¥ 250

前作であるミニアルバム『美しく内側から包み込む』と同様、メンバーを補充せず、3ピースのままリリースされた本作は、フルアルバムとしては約5年ぶりとなる御無沙汰な一作。かつてないエレクトロ色を予感させるポエトリーディング①から、―――まさに!のビッグ・ビート、エレクトロアレンジが各曲で炸裂していく。この音楽性の変化は間違いなく専任ギタリストの不在から起こったのだと思うが、良い意味で裏切られたものの、聴き進めていくと一聴では曲の区別が出来なくなっていったのはネガティヴな事実。どれも単体で聴くと捻りの効いた佳曲にも思うだけに勿体無い。それでも、変幻していくVo.が印象的な④、そして、アコースティック・インスト⑧の先に待っているOLD史上最速シングル⑨は本作随一のキラー・チューン。字余りな歌詞を圧迫し、似通う作中に埋もれ切れない個性へと曲を昇華させている。この路線に今後のバンドの活路があるように思う。PV作られた長尺の⑫は品川洋(Vo.)が「Boy」と呼び掛け、過去と現在を繋ぐ一曲。試み自体は面白いが、フックが足りず、ダレてしまうのが残念。アルバム全体の印象としては「勿体無い」にまとめられてしまうが、CDショップ大賞2014の地方賞、北海道ブロックにてノミネートされたように、次作を求めたくなる「質」は変わらず感じるので今後もひっそりと追っていきたい所存。「RISING SUN ROCK FESTIVAL 2014 in EZO」に出演するとのことなので新規のファンを開拓してくださいな、と。

未だかつて見たことのない素晴しいもの/OLD (2013)

category: O-U

tag: MUSIC 250円

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美しく内側から包み込む/OLD (2012)

美しく内側から包み込む
1.美しく内側から包み込む
2.THE LOVE SONG
3.ピンク
4.それが巨大であればある程 
5.wonderFULworld
6.繋がっている

Price Check.――― ¥ 150

久方ぶりにオフィシャルHPを開けば「OLD史上最もポップな春のミニアルバム!」と謳われているミニアルバムとともに、【OLDから皆様へ大切なお知らせ】なる告知―――クリックしてみれば、専任ギタリストの無期限休養。脱退理由のお茶濁し「音楽性の違い」ではない故にゴシップの匂いが漂い、どんな状況だよ!?と探りたくもなったが、兎にも角にも、まずは取り寄せて聴いてみた。①と④はSE風味のインストゥルメンタルで、実質の収録曲は4曲。曲数で云えばシングルの色合いが濃いが、「美しく内側から包み込む」「それが巨大であればある程」「繋がっている」と表題が繋がるように、コンセプトからミニアルバムとして発売したのだろう。一聴しての感想は、物の見事にギターが一本「減っている」。ここまで劇的にメンバーの不在が音楽性に影響が出るのも珍しい。面白いのは、このギターの不在を楽しめたこと。隙間を埋めようと、品川洋(Vo.&G.)のリックがまあ細かい。何かしらが、ずっと「鳴っている」印象さえある。⑥あたりはその極地で、スロウテンポのはずなのにとにかく忙しく、途中で笑ってしまった。謳い文句の「OLD史上最もポップな~」は、②と③のとろけるような装飾音と鼻に掛かったヴォーカル・パートからだろう。本作は春にリリースされているが、これはクリスマス・シーズンにリリースされるのが相応しい。個人的なベスト・トラックは⑤で、挑発気味のカンフーなリズムが心地良い。結果、本作随一の「スルメ」ソングとなった。次作以降、どういうサウンドになるのかは定かではないが、⑤のような実験精神を忘れないで欲しいね。いつまでも応援しています。

美しく内側から包み込む/OLD (2012)

category: O-U

tag: MUSIC 250円

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