ナマクラ!Reviews

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2014年08月のレヴュー更新(まとめ)

今月もイマイチの更新。気分が乗らないのよねえ、何かやる気の出るレヴューの題材ねえかな?と探していると、やっぱり放置していたメフィスト賞を順に消化していくほうがやる気が出るかもしれん。それとも、金が発生する方法でも導入してみるか?そもそも儲からなそうだし、営利でやると、それはそれで面倒臭くなりそうで嫌なんだが……まあ、Twitterの雪男で(……面白げ!)なアイディアが浮かんだので、もうちょっとネットに関わり合いを持っていたいな、と思う次第。

●電撃小説大賞●
第19回電撃小説大賞 金賞:エーコと【トオル】と部活の時間。/柳田狐狗狸
第17回電撃小説大賞 金賞:青春ラリアット!!/蝉川タカマル
第17回電撃小説大賞 銀賞:はたらく魔王さま!/和ヶ原聡司

●ファンタジア大賞●
第24回ファンタジア大賞(後期) 金賞:空戦魔導士候補生の教官1/諸星悠

●アーティスト一覧●
BUMP OF CHICKEN

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☆★ 今月のパワープレイ ☆★
2014年8月

#.8 Minor Swing/Biréli Lagrène 【Gypsy Project & Friends (2002)】
名スタンダード「Minor Swing」のカバーは数多あるが、ビレリ・ラグレーン(G.)のこのカバーは野性味溢れて良い感じ。チョーちょーチョー良い感じ!チョーちょーチョーちょー良い感じ!!

#.1 Singularity/Ranjit Barot 【Bada Boom (2010)】
ジョン・マクラフリン(G.)目当てに聴いていたら、変態的なギタートーンが……クレジットを調べてみれば、そこには「Mattias IA Eklundh」の刻印が!参加しているとは知らなかったので思わぬ拾い物でした。

#.4 Lovely Fruit/水樹奈々 【ROCKBOUND NEIGHBORS (2012)】

俺は声優信者ではない。むしろ若干のアンチでさえあるのだが、周りとネット界隈に毒されて、時たまに水樹奈々を聴いている。それでもってこの曲のような、「いつもお馴染み水樹奈々の……」なアッパーなバトルソングではない変化球な曲を耳にすると(……やっぱ歌唱力あるよね)と感心してしまう。色んな顔がありますよね。

#.1 BREAK ADDICTION/G-FREAK FACTORY 【S.O.S (2013)】

地方のお薦めアーティストを募集していたら、お薦めされたアーティストの事実上のベスト選曲のアルバム、そのOP。イケイケさが出てて良い。知名度上がれば、実際、もっと売れるんでない?新録らしい代表曲(らしい)「日はまだ高く」も良かったよ。

#.14 時間列車/supercell 【ZIGAEXPERIENTIA (2013)】

列車と銘打ってるだけあって、ドラムの意図したループが気に入りました。相変わらず歌詞との合わせた遊び心を忘れていないのが良い。「さあ」とか。

#.5 ラストワン/BUMP OF CHICKEN 【RAY (2014)】

私の中では「ハンマーソングと痛みの塔」と軒を連ねるご近所ソング。ボンボン馬鹿ボン、柿食えば!蟹が泡吹く宝籤!私はカラオケに行くと、このようにその場で替え歌しますので、この曲も色々と変えていこうと思います。

#.12 The Live/Dragon Ash 【THE FACES (2014)】

バカテクのKenKen(B.)がフィーチャーされたラウド・チューン。KenKenがTwitterで48Gやらを批判して叩かれたのが懐かしいが、懲りずにアテぶりバンドを批判した歌詞を届けてくる精神が素晴らしい。ちなみに私、モーツァルトが己の音楽に残した言葉の数々が大嫌いです。モーツァルトよ、音楽に謝れ。さ、ねます。

category: 更新情報

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RAY/BUMP OF CHICKEN (2014)


1. WILL
2. 虹を待つ人
3. ray
4. サザンクロス
5. ラストワン
6. morning glow
7. ゼロ
8. トーチ
9. Smile
10. firefly
11. white note
12. 友達の唄
13. (please)forgive
14. グッドラック

Price Check.――― ¥ 200

BUMP OF CHICKEN、どこを目指す?と思わず首を傾げた格好で聴いてしまった7thアルバム。前作『COSMONAUT』より3年のブランクを置いてのリリースとなったわけだが、その間の映画やドラマ、ゲームの大々的なタイアップが付いたシングルが5曲収録されているように、バンドの活動自体は切れ目なく続いていた印象。シングル曲でとりわけ話題になったと云えるのが、初音ミクとのコラボレーション・バージョンが制作された表題曲③「RAY」だろう。ファンの間で賛否両論となったとのことだが、……この辺は本当に時代を感じるエピソード。そもそも、BUMP OF CHICKENは「ボクらの」というヲタクご用達のバンドとしてチャートを駆け上がっていったイメージがあるので、長ネギを持ち、長ネギを振る初音ミクとのコラボレーションはある種必然、遅過ぎるくらいに思ったが、それを否定されるってことは本当に日本のロックシーンを背負うバンドになったってことなんでしょう。実際、順当に年齢を重ねた証左に、あからさまなファンタジーからは距離を置き、宇宙を臨み、それを謳う姿勢はヲタクが大人になった姿として正しい。2nd『THE LIVING DEAD』収録の曲なんて本人たちだってそろそろ覚悟を決めないと若い子たちの前では歌えまい。……と、歌詞の問題は片付いたところで、ここで冒頭「BUMP OF CHICKEN、どこを目指す?」と問いたくなるのは、その音楽性。前作で垣間見せたルーツ・ミュージックへいよいよ踏み込むものだとばかり思っていただけに聴いてみれば拍子抜け、音楽的探究が見られないのが何よりも残念だった。ここに収められている曲は他のバンドでも届けられる。BUMP OF CHICKENだからその規模で届けられる曲があると思う。真ん中にいるバンドが鳴らす音にしてはつまらない。音だけはファンタジーを残しておいて欲しいね。俺、……特にファンってわけじゃないけどさ!

RAY/BUMP OF CHICKEN (2014)

category: A-G

tag: MUSIC 250円

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COSMONAUT/BUMP OF CHICKEN (2010)


1. 三ツ星カルテット
2. R.I.P.
3. ウェザーリポート
4. 分別奮闘記
5. モーターサイクル
6. 透明飛行船
7. 魔法の料理 ~君から君へ~
8. HAPPY
9. 66号線
10. セントエルモの火
11. angel fall
12. 宇宙飛行士への手紙
13. イノセント
14. beautiful glider

Price Check.――― ¥ 350

通算6枚目のオリジナルアルバムである本作は現時点でのバンドの最高傑作と云える出来で、藤原基央(Vo.&G.)一人が作詞作曲を担う故に曲の均一化が目立つ悪循環を、しかし変わらず藤原基央が一手に担ったままながら断つことに成功している。そうは言っても耳を惹く新しい試みと云えば、ケルトの響きを大胆に採用してきた④くらいで、他の楽曲は既出の方法論で組まれた「らしい」曲をビルドアップしてきた印象。なんてイマイチ誉めているのか判別の付かない書き口を止めれば、……コンクリートジャングルで育ったカントリーボーイ。私は藤原基央がネルシャツ着て、ガンベルト締めた穴の空いたジーパン履いて、Made in Japanのスニーカーをつっかけ、安物のカウボーイハットを目深にかぶり、さあハーモニカを首に下げ、〆にアコギ一本持って「1、2、3......」と爪弾いて歌えば、それでBUMP OF CHICKINが成り立つと思っているが、本作に収められた楽曲群は如何にもバンド然とした佇まい。ようやくギターに電気を通す意味を見い出せるようになったのは、ドラムの存在感が増したことに因る。カントリーが作曲の下地なら、そこから縁遠い楽器を強調すればバンドとしての姿が現れる。序盤をミドルテンポで固めてから疾走する⑤、⑥の流れは絶品で、冒頭を安易な疾走曲に任せないアルバム構成はバンドの確かな成長の跡だ。ファンには賛否両論となっている歌詞だが、……三十路超えた男にファンタジーを語らせるのは酷だ。中二病罹患者はとりあえず(俺は偉大な存在のはずだが、俺の仲間たちはどんなヤツなのだろう?)と「神」話にハマり、そうして、大人(社会人)になると、すべからく(……こんなでけえ世界が、……俺の世界なのか!←俺、すげえ!)と宇宙に焦がれる。藤原基央はこのまま「宇宙」を歌えばよろしい。中二病は時を経れば(傍目には)治る、そんな力強いエールをファンは直視直聴しましょう。次作では、④のようなカントリーのルーツ(ケルト民謡等)に接近する曲が増えるのかしらん?久しぶりに楽しみです。

COSMONAUT/BUMP OF CHICKEN (2010)

category: A-G

tag: MUSIC 500円

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orbital period/BUMP OF CHICKEN (2007)

orbital period
1. voyager
2. 星の鳥
3. メーデー
4. 才悩人応援歌
5. プラネタリウム
6. supernova
7. ハンマーソングと痛みの塔
8. 時空かくれんぼ
9. かさぶたぶたぶ
10. 花の名
11. ひとりごと
12. 飴玉の唄
13. 星の鳥 reprise
14. カルマ 
etc...

Price Check.――― ¥ 150

貴方はノートの片隅に詩なり、歌詞なり、―――響きを正すならば、そんな「散文」を書いたことがあるだろうか?「無い!」と言い張るなら、それならそれで構わない。こんなことを訊くのも、書いていたほうがこのレヴューが面白く感じるというだけの話だ。シングル『天体観測』で、“ボクら”の、という枕詞を手に入れたBUMP OF CHICKIN。バンドの中心人物は作詞作曲を一手に担う藤原基央(Vo.&G.)であることにまず異論は無いことだろう。前作『ユグドラシル』から三年以上の間を置いてリリースされた本作でも、全ての楽曲に彼の名前が当然のように刻まれている。過去のレヴューでも言及しているが、私はBUMP OF CHICKINが「バンド」である意味をあまり見い出せていない。それは藤原基央の作る音楽がロックというよりも、カントリーやブルーグラスに根ざしていて、ロングヒットとなった⑭のような典型的な曲を除けば、藤原基央with BUMP OF CHICKINとでも評したくなるソロワークにしか思えないからだ。⑦はそんな私の主張を象徴する一曲で、見事なまでにバンドの姿が見えない。それでいて、「らしい」のだから末期的だ。本作は新規のファンを取り込むというにはバンドとしての新味が足りず、前作からのファンを何とか繋ぎ止める、そんな防戦一方な「繋ぎ」の一作と云える。この内容なら3rd『jupitar』の次に出せても良かっただろう。さて、冒頭の言及に戻ろう。「ガラス」である。どんなアーティストでも、特定のワード(主に名詞)にそれ以上の意味を無意識に込めてしまうことがある。それはひとつではなく、大概複数あるが、藤原基央の場合はたとえば「ガラス」の使い方が面白い。彼にとっての「ガラス」は、我々にとっての「ガラス」と意味合いが異なる。これは別に良い/悪いの話ではなく、ある種の個性を見い出すためのひとつの方法だ。貴方にも好きなアーティストがいるならば、歌詞の全体像を掴むのではなく、一単語を取り上げてみるのも理解が深まって面白いと思う。語彙は意識して増やすものだが、しかし、元から培っていた語彙はいつの間にかその人の中だけで複数の意味を持つのだ。……言ってる意味、分かるかしらん?分かると面白いんだけどね。好きなアーティストで試したら、自分のそういう言葉を探すのが醍醐味よん。

orbital period/BUMP OF CHICKEN (2007)

category: A-G

tag: MUSIC 250円

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ユグドラシル/BUMP OF CHICKEN (2004)

ユグドラシル
1. asgard
2. オンリー ロンリー グローリー
3. 乗車権
4. ギルド
5. embrace
6. sailing day
7. 同じドアをくぐれたら
8. 車輪の唄
9. スノースマイル
10. レム
11. fire sign
12. 太陽
13. ロストマン
14. midgard

Price Check.――― ¥ 100

ちょうど中古書店でアルバイトしていたので、その当時の思い出を語らせて貰えば、……まあ、よく「買い取った」。それで店頭に出したら出したで、「買われていった」。出入りの激しいアルバム、というのが本作に対する私の印象で、いざ聴いてみても、新鮮味を感じない曲調に(……こりゃ、売られるわ)と納得した覚えがある。改めて聴き直してみても感想は特に変わらず。初のシングルチャート1位を獲得した②、映画『ONE PIECE THE MOVIE デッドエンドの冒険』の主題歌となった⑥、藤原基央(Vo.&G.)のソロシングルと言いたくなる⑧あたりは、過去のアルバムのどこに入っていても違和感の無い曲の典型に挙げられるだろう。そういう視点で語ってみるならば、本作中でギラリと輝くのは③で、若りし頃の浅井健一を彷彿させる切迫感に藤原基央のヴォーカリストとしての可能性が伺える一曲となっている。しかしながらファンからすれば本作の目玉的楽曲は現在もバンドの最高傑作に挙げられる⑬なのだろう。タイムレスな言葉を選んで綴られた歌詞は成程、全年齢に対応するもので、これは確かにバンドにとって異色の一曲と云える。テクニックに頼らないギターソロも意外なまでに耳に残る。もっとも、バンドに思い入れが無いと響かないのも事実で、その辺りは私にとっての道産子バンドOLDの「song for anarchy」と解釈した。梶井基次郎的マインドがよく描写されてると思うんだが、反応良くないので驚いた。本作の表題「ユグドラシル」とはいつぞやの一曲同様に北欧神話から拝借したもの。それに合わせてか、アルバムのイントロ(①)&アウトロ(⑭)を取って付けたように配置しているが、これは(本当の意味で)自己満足以外の何物でもないな……。

ユグドラシル/BUMP OF CHICKEN (2004)

category: A-G

tag: MUSIC 100円

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jupiter/BUMP OF CHICKEN (2002)

jupiter.jpg
1. Stage Of The Ground
2. 天体観測
3. Title Of Mine
4. キャッチボール
5. ハルジオン
6. ベンチとコーヒー
7. メロディーフラッグ
8. ベル
9. ダイヤモンド
10. ダンデライオン

Price Check.――― ¥ 150

メジャー移籍後、初のアルバムであり、インディーズでリリースした前二作と比して音質の向上が著しい3rdアルバム。ミリオンこそ達成しなかったものの、息長くセールスを伸ばし続けたシングル②で開拓した新規のファンからすれば待ちに待たされた、まさに待望のアルバムながら、そんな彼らの期待に応え切れなかった、というのが正味な話で、シングルと「その他」と一括りに出来てしまう曲それぞれのクオリティーのバラつきが悪目立つ仕上がりとなっている。インディーズ時代からのファンからすれば、前二作で見られた歌詞の特色が薄まり、……セルアウト!の烙印を押した人も多かった記憶がある。もっとも、個人的にはセルアウトというよりも、メジャーレーベルへの移籍に気負って凝った曲を作ってきたという印象が強い。①なんてヴォーカルパートを無視して作ったとしか思えん……誰が喜ぶんだ、こんな曲?そんな中、シングル曲以外で耳を惹くのはラストを任された⑩だろう。新旧のファンの溜飲を下げる表題を絡めたファンタジーな香りをまとう歌詞で、カントリー調のアレンジも光る。バンドの実質の代表曲となっている⑨、②の両シングルの後ということで、埋もれてしまった感のあるシングル⑤はギターソングならぬベースソング。ギターに支えられ、曲の主役としてVo.のように「歌っている」。

jupiter/BUMP OF CHICKEN (2002)
Pick Up!/#.2 天体観測
飽和するヴィジュアル系バンドを死に追いやったのはHip-Hop、それに類するミクスチャー・バンドだったが、その死人に鞭を打ったのがインディーズ・パンク……ならば、そこからシーンより完全に浄化せしめたのはこのBUMP OF CHICKENだろう。いわゆる<格好良い>とは違うベクトルからやってきたこのバンド、ラジオ、テレビと移り変わるメディアを基準に考えれば、ネット世代を代表する初めてのバンドと言っても過言ではないと思う。コンクリートジャングルで育ったカントリーボーイ・藤原基央の紡ぐ歌詞はどれも現代文化に影響されたもので、それらは本作を前に作曲された、1stアルバム収録「アルエ(綾波レイへの想いを綴った変態ソング)」、2ndアルバム収録「K(聖騎士爆誕)」といった初期作品に顕著だ。これらの曲はアスキーアート他、爆発的に普及していたYoutubeなどで映像化されて評判を呼び、現在の確固たるファンベースを築くことに貢献した。さりとて、バンドの知名度を飛躍的に高めたのは、本作に疑いの余地は無い。多重録音によるイントロがフェードインしてくれば、イメージそのまま、まさに流れ星―――未だ楽曲としての質はこの曲を超えるモノは創れていないのではないだろうか?というくらいに、耐性のあるギターワークが印象的だ。事実、インディーズ時代からのファンは総じて本作を「バンプらしくない!」と突如雪崩れ込んで来た新規ファンを邪険に扱う売り文句にしたように、非常に「凝って」いる。メインのリフにしろ、何にしろ、それまでの勢いに任せた一発録り的、ガレージロックにストーリーを附けることで、下手だけど「何か(・∀・)イイ!」と誤魔化していた金太郎飴的楽曲群とは明らかに一線を画している。流れ星のリフは世界で通用する名リフだと思うが、個人的には3:20秒前後の唐突な掻き毟りっぷりもセンス良過ぎて失禁モノだ。本作のリリースされた2001年は、秋にしし座流星群が到来。深夜、友人たちと連れ立って河川敷に出掛ければ、そこでさらに違うグループとも合流、そうして、周りを見渡せば大人も子ども夜更かしをして、空を見上げながら願い事かけ放題の幻想的な夜だったことも記憶に深い。再生ボタンを押し、フェードインしてくるイントロは私にとって高校時代のその夜を連れて来てくれる、そんな流れ星の音でもある。

category: A-G

tag: MUSIC 250円

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THE LIVING DEAD/BUMP OF CHICKEN (2000)

THE LIVING DEAD
1. Opening
2. グングニル
3. ベストピクチャー
4. 続・くだらない唄
5. ランプ
6. K
7. リリィ
8. Ever lasting lie
9. グロリアスレボリューション
10. Ending

Price Check.――― ¥ 350

本作は物語形式の楽曲で〆られたコンセプトアルバム。1stが元より処女作らしい処女作だったので、音楽的成長はあるにせよ、引き続いて楽曲的には決して「質」の高いアルバムとは言えない。それでも、例えばはっぴぃえんどの『はっぴぃえんど』、レジェンドな邦楽ロックバンド、その名盤の横に本作を並べたくなるのは、日本語詞の実験という観点から。あまりに字余りな歌詞がここにある。それを端的に象徴する⑥はBUMP OF CHICKINの初期を代表する一曲。初聴時、単調な曲調とそれに見合わない歌詞の量に「……Hurricaneかよ!」とボブ・ディランの名曲を引き合いに出したが、その場の誰にも通じなかったのが懐かしい。個人的に、6thアルバム「COSMONAUT」の発表まで藤原基央(Vo.&G.)にバンドは本当に必要なのか甚だ疑問だったが、その疑問が生まれた根底を遡ってみれば、この曲でボブ・ディランを思い浮かべたことに行き着く。まあ、(中二の皆が大好き♪)北欧神話から拝借したタイトルを持つ②あたりはオーソドックスな作りで、バンドの曲ってイメージだが……。この②、そして、⑥を含めて言及出来ることだが、本作収録の曲はどれもモラトリアムに生きる人が聴くからこそ輝く。バーコード頭の上司が「高波よ悪魔となれ」、「見ろよ悪魔の使者だ」とか歌ったら引くでしょ?でも、よくよく考えてみてくれ、……ここに収められた曲を歌う君自身の年齢を。本作はその歌詞によってエバーグリーンなアルバムとなり、しかし、故に歳を重ねるリスナーを痛めつける諸刃の傑作。人は思い出の中で生きさせてもらえない、まさに「お前ら、THE LIVING DEAD!」と突きつけてくれる逸品。ところで本稿冒頭、音楽的成長はあるにせよ、と書いたものの、曲の質的には実は1stのほうが粒揃いな気がするのは私だけでしょうか?

THE LIVING DEAD/BUMP OF CHICKEN (2000)

category: A-G

tag: MUSIC 500円

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FLAME VEIN/BUMP OF CHICKEN (1999)

Flame Vein
1. ガラスのブルース
2. くだらない唄
3. アルエ
4. リトルブレイバー
5. ノーヒットノーラン
6. とっておきの唄
7. ナイフ

Price Check.――― ¥ 150

一聴して分かる、―――チープな音質、拙い演奏。ほとんどのリスナーにとってスピーカーから流れてくる音楽は、イメージした通り!と云うには程遠いものだったに違いない。メジャー配給によってどこからともなく流れてくるようになったあの時代に不似合いな、無骨で飾らない『ダイヤモンド』、そして、素朴なのに煌びやかな『天体観測』といったシングルが収められた3rdアルバム「jupiter」がリリースされるまでにはまだ時間があった。その二つのシングルに魅せられた新規のファンは、飢餓感からインディーズ時代のアルバムに手を伸ばし、そうして、初聴時は本稿冒頭のような肩透かしを食らい、買ってしまった手前、借りてしまった手前の、仕方なくなリピートをしていくうちにコンクリートジャングルで育ったカントリーボーイ・藤原基央の紡ぐ「新しい」歌詞を知るのだ。アニメのヒロインに捧げた「イタい」ラブソング③、敗者たちからの期待に苛まれる⑤、まるでパズー(ver.現代っ子)の旅立ちを思わせる⑨……これらに象徴されるその《視点》はそれまでのチャートを賑わすロックバンド、ロックスターたちが歌い上げてきたモノとは一線を画す。道端の石コロでさえ転がせば世界一のロックバンド(=The Rolling Stones)となるように、BUMP OF CHICKENが起こしたのはそんな歌詞の市民革命で、ギターの音さえまともに武器に出来ないこの1stアルバムにおいては、日常をドラマやファンタジーに置き換えてくれる歌詞は唯一つの聴き所となっている。それでも、ガレージサウンドなんて言葉が下手であることを肯定してくれる。今なおバンドが歌い続ける①は初期衝動をブリリアントに削った結晶。たとえすべてが拙くとも、輝く物は輝くことを証明してくれる曲となっている。思い出して聴く度に驚くが、6分以上もあるのよね。ちなみに現在流通しているアルバムは再発盤で、1stシングル「LAMP」のカップリング曲「バトルクライ」が足された『FLAME VEIN+1』として発売している。

FLAME VEIN/BUMP OF CHICKEN (1999)

category: A-G

tag: MUSIC 250円

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第24回ファンタジア大賞(後期) 金賞:空戦魔導士候補生の教官1/諸星悠

空戦魔導士候補生の教官
(あらすじ)
人類が大地から離れ、魔甲蟲という畏怖と戦う世界。「特務小隊の裏切り者」と蔑まれる学園の嫌われ者カナタは、連戦連敗のE601小隊の教官に任命される。そこには一癖も二癖もありそうな3名の少女がいて……?

answer.――― 62 点
「古典を読め」という助言があったとする。だが、それをそのまま鵜呑みにして読破しても、ほとんどの人にとっては《読んだ》という事実以外に収穫を得ることは難しいだろう。古典(の原典)を読むなら、その古典について解説&考察した本を4、5冊読んだほうが余程その後に実を結ぶ。貴方の周りに「古典を読め」と仰る有難い御方がいるのなら、こっそり上記の対応をした上で、その古典への高説を賜ってみよう。きっと、目の前の相手が本物のインテリゲンチャなのか、ナンチャッテ!な輩なのかが解るだろう。さて、本作は先日、アニメ化企画進行中!の発表もされたファンタジア文庫が期待掛ける俺Tueeee!一作。俺Tueeee!というと、もはや説明不要のキリトさん、カッケー!だが、本作も主人公カナタ・エイジは“黒の剣聖”だけれども“特務小隊の裏切り者”であり、半端なく強いけど、俺には制約が!という説明不要のカナタさん、だけどカッケー!と一応、落ちこぼれの少女たちを預かる「教官」としてアレンジを施しているのが本作の特徴なのだが、俺Tueeee!にはやはり違いなく、その辺は読んでご確認あれ、といったところ(ちなみに、俺Tueeee!はエンタメの「王道」兼「覇道」なのでそれを否定する意味は全くないのでdisりたい人は違う角度から攻めよう)。時に本作、個人的にちょっと推したいのが、主人公と落ちこぼれの少女三人との出会い方。(著者が意図的に用いたのかは定かではないが)現在にも継がれる大デュマの名作『三銃士』を思わせるバッティングもので、古典のチョイス、その引用アレンジの参考例に挙げたい。ダルタニャンと三銃士の出会い方はタイムレスに魅力的なので、プロ&アマ問わず、物は試しにアレンジしてパクってみましょう。

第24回ファンタジア大賞(後期) 金賞:空戦魔導士候補生の教官1/諸星悠

category: ま行の作家

tag: ファンタジア大賞準入選(金賞) OPEN 60点 諸星悠

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