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2015年11月のレヴュー更新(まとめ)

定期訪問して頂いている方、いつも有難うございます!これからも宜しくお願いします!と置いてみたのは、年始の挨拶の練習である。さてさて、やる気はあれども、まったく更新出来なかった11月。今年は手応えのあるレヴューを書けなかったので、最後の最後に起死回生なレヴューなり、リストなりを完成させたいんだが、……目下、師走なのよねえ。とりあえず、12月早々にレヴューをUPして、その勢いに乗りたいところ。

●スーパーダッシュ小説新人賞●
第7回スーパーダッシュ小説新人賞 佳作:反逆者 ウンメイノカエカタ/弥生翔太

●ラノベ好き書店員大賞●
第2回ラノベ好き書店員大賞 6位:覇剣の皇姫アルティーナ/むらさきゆきや

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category: 更新情報

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第7回スーパーダッシュ小説新人賞 佳作:反逆者 ウンメイノカエカタ/弥生翔太

反逆者 (204x290)
(あらすじ)
『進化薬』と呼ばれる薬物によって驚異的な力を手に入れた『先駆者』が存在する世界。立花浩平は、『先駆者』として特別治安維持局で任務にあたる高校生。他者の死を見る予知能力を持つ浩平はある日、一人の少女の死を予知する。その直後に護衛の任務を与えられるが、対象として現われたのはその少女、シア=ヴァレンタインだった。

answer.――― 63 点
自分が面白いと思うから、=面白い!という図式は、あるいはストレートに成立することもあるが、それはある種の幸運でしかなく、ひと度その幸運を手放してしまえば、(……あれ?)から始まる(……どうして!?)への際限のないドロ沼へと嵌まりこみ、そこから拗らせてしまうと他人への責任転嫁へ至ってしまう。絶対的な事実がある―――《面白い》は、他人を意識して初めて成立する。そのためには己を知り、その過程で感性の是正を行い、属するジャンルにおける《お約束》を知識として学んでおかねばならない。その当然の準備を無視して、あくまで無頼の『自分』を通すならば、―――俺は芸術家なんだ!という必「死」の覚悟を持って臨まなければならない。が、エンターテイメントで《面白い》に挑む場合、―――俺は芸術家なんだ!は自殺行為以外の何物でもないので止めておきなはれ。さて、本作の著者は弥生翔太……なのだが、このペンネームはもはや闇へと葬られ、今や誰しも『小説家になろう』!にて『Re:ゼロからはじめる異世界生活』を上梓し、鼠色猫/長月達平として転生完了!弥生翔太なんていなかった!とばかりに目下、著者はライトノベル作家人生を全力でやり直している。この事実からも察する通り、本作は著者の、自分の《面白い》を詰め込んだ “無自覚”なデビュー作。本作を乱暴にまとめれば、グローバルな組織に属する超人な高校生が自らの能力で死を予知してしまった可愛い子を守る、という形。一読の印象は、「死」という着地点を予告して進める構造、達者な戦闘描写など素養を感じさせる筆から“次作”を手に取りたくなったものの、如何せん、あくまで『自分』の《面白い》で勝負しているため、十把一絡げから抜け出せていない。少なくとも著者はこの時点では、本作を「つまらない」と言ってしまう人の感性を理解出来なかっただろう。本作は、たとえば新宿でスーツ着た中年のサラリーマンたち(格闘技経験あり)の殴り合いを見掛けることと変わらない。見所満載でも、人生枯れた素人たちによる高度な殴り合いなのである。つまりは、人を寄せる「華」が無い。というわけで、本作で辛酸を舐めた経験からの“次作”、『Re:ゼロからはじめる異世界生活』の仕上がり具合は気になるところ。本作と対照して読むべき一冊になってるかもしれないのでチェックしたい。

第7回スーパーダッシュ小説新人賞 佳作:反逆者 ウンメイノカエカタ/弥生翔太

category: や行の作家

tag: スーパーダッシュ小説新人賞優秀賞(佳作) OPEN 60点 弥生翔太 鼠色猫/長月達平

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第2回ラノベ好き書店員大賞 6位:覇剣の皇姫アルティーナ/むらさきゆきや

覇剣の皇姫アルティーナ
(あらすじ)
剣も弓も苦手で、本ばかり読んでいる落ちこぼれ軍人のレジス。左遷された辺境で、彼は運命を変える少女―――赤い髪、紅い瞳を持ち、覇者の大剣を携えた皇姫アルティーナと出会う。覇剣の皇姫と、読書狂の青年が織り成す覇道戦記ファンタジー。

answer.――― 71 点
主人公ないしヒロインの取り扱う武器に《大剣》が当たり前のように選択肢として挙げられるようになった昨今、今や“異世界ハーレムが俺に究極の選択を迫ってくる”ファミ通文庫にも、そんな《大剣》使いの軒先に名を連ねるヒロインが!本作は、覇者の大剣を担いだ落胤のお姫様アルティーナと読書家の落ちこぼれ軍人レジスによる民のための下剋上の物語。中世を想起させる魔法を排した世界、剣戟打ち鳴らされる軍記物なわけだが、兎にも角にも、本作の「冒頭」を注視して読んで頂きたい。絵画的に貼られた辺境への左遷を告げる辞令の一頁目、「――ああ、本があれば、私は自由であり、そこは我が家となる」と主人公の認識を紹介する作中作の引用文、そんな彼だからこそ絶望する左遷先の配本状況、嘆いてたら迎えがやってきたぜ、Boy Meets Girl!読まずとも「先が読める」、それが《王道》なわけだが、本作はまさしくその《王道》を征くライトノベル。「先が読める」ことは時に見切られてしまう/見限られてしまうことにも繋がるが、《王道》が在り来たりへ到らない、その分岐点となる要素は結局、「キャラクター」に尽きる(「文章」も大事だが、本作ではリーダビリティを重視しているようなので省く)。「先が読める」―――にもかかわらず、頁をめくる手が止まらないのは、そこに読み手が望む主人公(&ヒロイン)がいるからだ。内向的な落ちこぼれ(のような才人)と陽気な落胤(&戦女神な美少女)という掛け合わせは、マイナスからのスタートにもかかわらず、すでに快進撃が始まっている。故に、作品としてのピークは“勝負”の冒頭とも云え、以降は読み手にとっての“期待”のオマケである。この「冒頭」、この「二人」が気に入れば、続刊も楽しめるだろう。辺境伯ジェロームを仲間に引き入れる、というのがこの一巻の着地点。個人的には、たとえば主人公が本巻の敵役ジェロームの側に「一度」付くなりのヒロインへの否定、王道への回り道が欲しかったかな、と。

第2回ラノベ好き書店員大賞 6位:覇剣の皇姫アルティーナ/むらさきゆきや

category: ま行の作家

tag: OPEN 70点 むらさきゆきや ラノベ好き書店員大賞

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