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2016年7月のレヴュー更新(まとめ)

既読済みの電撃小説大賞受賞作のレヴューを処理してから、―――と目論んでいたら、七月が終わってしもうた( ゚д゚)ポカーン!ふふん、そこそこな角度から書いてやろう!と意気込むと、止まってしまいますわな。適当に書こうと思えば、二日に一稿くらいのペースで書ける気もするんだが、気がするだけで出来ないんだろうなぁ。来月は定期訪問して頂いている方でも楽しめるように、All Time Best Song 100! を実行する予定です。

●電撃小説大賞●
第20回電撃小説大賞 銀賞:王手桂香取り!/青葉優一
第20回電撃小説大賞 銀賞:思春期ボーイズ×ガールズ戦争/亜紀坂圭春
第19回電撃小説大賞 メディアワークス文庫賞:路地裏のあやかしたち 綾櫛横丁加納表具店/行田尚希

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category: 更新情報

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第20回電撃小説大賞 銀賞:王手桂香取り!/青葉優一

王手桂香取り!
(あらすじ)
三度の飯より将棋好きの中学一年・上条歩が秘かに憧れる人は同じ将棋クラブの主将・大橋桂香先輩。そんな歩のもとに「私たちは、将棋の駒だ」と突如美少女たちが現れる。そ人知を超えた将棋の強さをそなえる彼女たちの指導のもと、歩は棋力をめきめき上げていく。

answer.――― 70 点
将棋の駒の化身が現れ、少年を強き棋士へと導く!というアイディアからも漫画『ヒカルの碁』をそのまま彷彿させる《将棋》を題材にした作品。ライトノベルにかぎらずだが、売上の多寡を《キャラクター》がとりあえず握る昨今、巨乳姉御肌の「香車」、和装しとやかな「歩」、上からの西洋貴族令嬢な「桂馬」と駒の化身たちを総じて女性化したのが、先の漫画からのライトノベルらしいアレンジ。「桂馬をちゃんと有効に使わないからよ!」と内容自体もなかなかに本格的で、(二流とはいえ)プロ棋士を早々に打倒するなんて「大」イベントを前半で消化しての、《横歩》をキーワードにした終盤の一戦は、相手方のBUMP!な気概含めて素直に〇を打てる出来。丁寧な筆致で、巷の評判通り、いわゆる《良作》に数えられることに何ら異論ない。がしかし、どうにも手放しで褒められないのは、素直で受け身な主人公、そして、良くも悪くも破綻の無い展開からか。本作、結局、真っ当に将棋の話であり、駒の化身たちもそんな「設定」を取り払えばファンタジー要素0の年上の女師匠に過ぎない。ライトノベルというティーンが手に取るジャンルで出版するのだから、もっと《キャラクター》を押し出す演出―――それこそ化身たちの『日常』、各々のパーソナルな『過去』、現代に対する好奇心を描く、そんな「寄り道」があって然るべきだったと思う。著者的には巻数を重ねて《キャラクター》化していく意図があったんだろうが、……時勢を見誤ったかな?この辺、大評判の後発の将棋ライトノベル『りゅうおうのおしごと!』(未読)が答えを出してくれているでしょう。個人的には主人公の想い人“ザ・優等生”な桂香部長が優等生として100点満点に描けているだけに大化けが期待出来て◎のキャラクターメイキングでした。なお、《将棋》題材というと大衆小説ですが、『盤上のアルファ』が快作でしたので未読の方はオススメです。

第20回電撃小説大賞 銀賞:王手桂香取り!/青葉優一

category: あ行の作家

tag: 電撃小説大賞銀賞 OPEN 70点 青葉優一

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第20回電撃小説大賞 銀賞:思春期ボーイズ×ガールズ戦争/亜紀坂圭春

思春期ボーイズ ガールズ戦争
(あらすじ)
正しく生きるのを止め、“男であり続ける”ことを誓った三人の少年がいた。彼らは女の子を知るためには、大きな力にも屈することなく立ち向かっていこうと誓ったのだった。覗きすら辞さない―――つまり、どうしようもなく思春期だった。こじらせすぎてしまった少年達と怒りの鉄槌を下そうとする女子達。思春期ボーイズ×ガールズの青い戦いの行方は!?

answer.――― 62 点
投稿時の表題が『放課後猥雑倶楽部』という事実からも察せられるように、貴方の下半身(Oh,Pocket Monster!)をストレートに狙った本作。その概要は、女尊男卑法蔓延る社会で三人の思春期ボーイズが「エロ本を創る!」という決意から困難辛苦に見舞われる、というもの。『多摩湖さんと黄鶏くん』の稿でも言及したように、ライトノベルにはエロ本としての側面があり、本作はその側面を前面へ採用してきた形。エロ本制作のために想い人のパンティーを眺めに向かい、偶然にも拾得、良心から投げ返したものの、翌日に下駄箱に何故か仕込まれていた!という陰謀めいた序盤から、女子寮務め、おトイレ目撃……と、ライトに猥雑を陳列していく展開は、ライトノベル=エロ本という認識の方にはある程度その需要に応えられている印象。ただ、……もっと過激にしても良かったのでは?と思ってしまうのは、あらすじからも了承済みのストーリーの弱さから。例えば、パンティーは履いちゃって良かったと思う。その上で主人公たちのポケモンを立ち上がらせる。そして、そこから先こそ著者の個性と覚悟、倫理規定との鍔迫り合いではないだろうか。一昔前ならばいざ知らず、表紙にヒロインがセックスアピール気味に占拠している現在で、遠慮なんて要らない。持ち物検査やらの小イベントのチョイスが良質なだけに、我慢出来ず主人公が射精してしまうような「マジかよ!?そんなことが許されるのか!?」とこちらも驚かざるを得ない演出がなかったのが残念でした。

第20回電撃小説大賞 銀賞:思春期ボーイズ×ガールズ戦争/亜紀坂圭春

category: あ行の作家

tag: 電撃小説大賞銀賞 OPEN 60点 亜紀坂圭春

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第19回電撃小説大賞 メディアワークス文庫賞:路地裏のあやかしたち 綾櫛横丁加納表具店/行田尚希

路地裏のあやかしたち (203x290)
1.人間の話
2.天狗の話
3.狸の話
4.猫又の話
5.狐の話

answer.――― 69 点
「職業」「職人」のような現実社会に根ざした1テーマにスポットを当てると、キャラクターではなく、人と面と接するかの如く《知識》挿され、自ずと大衆小説の匂いをまとうものだ。年重ねるライトノベラー、そして、隙あらばライトノベルのコーナーに寄りつかない層を取り込むべく創設されたMW文庫。そこへ配属された本作は掛け軸、屏風等を扱う『表具師』を題材にしたライトノベル。5つの短編連作で、各章の表題で察せるように表具に「妖怪」というファンタジーを絡めるのがエンターテイメントとしての味付けとなっている。全体の印象を述べれば、無難、その一言に尽きる。1章「人間の話」を読めば、以降はゲストキャラクター、表具を変えただけの金太郎飴的展開で、5章「狐の話」でようやく変化をつけてくるが、時すでに遅し。「悪くはないけど、……」と語尾濁され、イマイチの烙印を押されてしまうことだろう。金太郎飴と切ったが、《怪異(表具)が持ち込まれる→解決》という展開自体が悪いわけではなく、根本の問題は「主人公がどの章でも傍観的」なことにある。これを改善するだけで金太郎飴の印象は払拭されるが、果たして著者は気づける―――もとい、気づけたかな?文章含めソツのない仕事っぷりに伸びしろを感じるので、ここは絶筆するつもりで入魂の一作を創って頂きたい。結婚詐欺師の狸は、次巻以降の化け具合が気になるキャラクターでした。

第19回電撃小説大賞 メディアワークス文庫賞:路地裏のあやかしたち 綾櫛横丁加納表具店/行田尚希

category: や行の作家

tag: OPEN 60点 行田尚希 メディアワークス文庫賞

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