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第3回ラノベ好き書店員大賞 3位:グランクレスト戦記 1 虹の魔女シルーカ/水野良

グランクレスト戦記
1.契約
2.野心
3.災厄
4.戦旗
5.決断

answer.――― 67 点
実しやかに囁かれる噂はどこの業界にもあると思うが、たとえばライトノベル界隈ならば、ライトノベラーは一作家(につき)「1」シリーズしか追わない、というのがある。もちろん、例外は幾らでも見つかるだろう。がしかし、私はこれ、―――本当だと思う。それというのも、ライトノベルを「読む」時期に関係している。ライトノベルは《ティーンが読む》本だ。二十歳超えた、あるいは三十路超えた、ましてや四十路を超えた者のためのジャンルではない。ティーンが読む、つまりは《思春期に読む》本。これが意味するところは、《有限》だ。誰しも加齢とともに時間の進みを早く感じていると思うが、ティーンの三か月と二十歳以降の三か月は、同じ「三か月」でも体感がまるで違う。それだから、たとえば全10巻の足掛け「3」年の「1」シリーズは、実際は「3」年以上、ともすればその「倍」以上の月日を共にしてきたような錯覚を経て、著者を「思い出」へ葬り、「旧い」作家と見做してしまう。著者のイメージも固定され、そこから外れれば、……と、この通り、ライトノベラーが一作家(につき)「1」シリーズしか追わない理由は、ライトノベルを《思春期》に読むが故の特徴だと思う。さて、本作はかの『ロードス島戦記』の著者、水野良の新作ファンタジー。「聖印」を世界観の軸とした領土奪取&……!な本作は、雑感としてヒストリーな『ロードス島戦記』、キャラクターな『魔法戦士リウイ』の氏の代表シリーズの折衷的作風で、前者の水野良を望むファンも強烈な拒否反応の出にくい出来となっている。サクサクと進むファーストフードな展開はモダンで、その辺りも新旧の読み手を意識した著者の本作への意欲が伺えるが、……如何せん、新規開拓の魅力には乏しいかな、と。ファンタジーに求めるのは「未知」、あるいは圧倒的な筆で綴られた「既知」だと思う。本作にはそのどちらの要素も残念ながら「足りない」。それでも、腐っても「水野良」が垣間見えるのは間違いないので、ノスタルジーに駆られた方は手に取って損は無いでしょう。

第3回ラノベ好き書店員大賞 3位:グランクレスト戦記 1 虹の魔女シルーカ/水野良

category: ま行の作家

tag: OPEN 60点 水野良 ラノベ好き書店員大賞

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