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第7回本屋大賞 9位:新参者/東野圭吾

新参者
1.煎餅屋の娘
2.料亭の小僧
3.瀬戸物屋の嫁
4.時計屋の犬
5.洋菓子屋の店員
6.翻訳家の友
7.清掃屋の社長
8.民芸品の客
9.日本橋の刑事

answer.――― 81 点
東野圭吾のデビュー第二作『卒業』から主役に、時には脇役として作品を渡り歩く便利で頼れる加賀恭一郎。本作は「加賀恭一郎」シリーズとしては8作目、加賀が “新参者”として日本橋人形町を歩き回る連作短編。物語の本線としては<マンションで絞殺された40代の独身女性>に関わる事件なわけだが、視点を任されるのは各短編の登場人物で、加賀は名前の印象も残らない脇役のようにふらりと調査にやってくる形式。そのため、事件は常に余談のように扱われ、各章に仕込まれたハートフルな人情劇がメインとなる。そうして、短編の幕〆めに「ついで」のように読み手はおろか、当の加賀も「……?」と首を傾げるヒントを回収していくのだが、……それだけに各ヒントが絡まって本線の《事件》の解決にあれよあれよと繋がる終盤は読み応え十分。何より、解決するその時にも「人情劇」を展開してくるのはコンセプト主義な東野圭吾らしい「仕事」っぷりと云えるだろう。作品のハイライトはそれこそ物語の着地、東野圭吾のその手腕になってしまうが、嫁と姑の対立を描いた3章「瀬戸物屋の嫁」は感情のぶつかり合いとその機微もあって一番推したい。事件それ自体に派手さを用意しなくても楽しめることを証明する一冊。東野圭吾は「巧い」。

第7回本屋大賞 9位:新参者/東野圭吾

category: は行の作家

tag: OPEN 80点 東野圭吾

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