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第11回本屋大賞 10位:去年の冬、きみと別れ/中村文則

去年の冬、きみと別れ
(あらすじ)
ライターの「僕」は、ある猟奇殺人事件の被告に面会に行く。彼は、二人の女性を殺した容疑で逮捕され、死刑判決を受けていた。調べを進めるほど、事件の異様さにのみ込まれていく「僕」。そもそも、彼はなぜ事件を起こしたのか?それは本当に殺人だったのか?何かを隠し続ける被告、男の人生を破滅に導いてしまう被告の姉、大切な誰かを失くした人たちが群がる人形師。それぞれの狂気が暴走し、真相は迷宮入りするかに思われた。だが……!

answer.――― 76 点
“そんな平和を訴えたいなら日本じゃなくて中国でしてこい!!”大江健三郎が自身の作家生活50周年と講談社創業100周年を記念して創設した大江健三郎賞。その栄えある第4回の受賞作『掏摸<スリ>』が特典として英訳され、ウォール・ストリート・ジャーナル紙で、2012年のベスト10小説に選ばれ、次作『悪と仮面のルール』も同誌で2013年のベストミステリーの10作品に選ばれ、―――このビッグウェーブを俺は逃さない!とばかりに、主要登場人物をすべて倒錯者にした著者の意気込みを感じる本作。手記を交えた、“信頼できない語り手”風味の進行で、その都度、登場人物の《異常》な「(性)癖」が披露されていく。著者が文学畑の出自もあり、《人》というよりも《人間》を描くアプローチを取っている印象。それが個性的と云えば個性的なのだが、……ミステリじゃないわな。仕掛けそのものを楽しむというよりも、登場人物たちの道から逸れた嗜好を「―――狂気!」と受け取って楽しめるかが評価の分かれ目だろう。著者の考える《売れ線》を文学鍋で煮込んだ一作。個人的には、序盤に披露される蝶の写真の評と殺人を犯した写真家の憐れな"WANT TO BE"っぷりが気に入りました。

第11回本屋大賞 10位:去年の冬、きみと別れ/中村文則

category: な行の作家

tag: OPEN 70点 中村文則

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