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第9回本屋大賞 6位:ユリゴコロ/沼田まほかる

ユリゴコロ
(あらすじ)
暗黒の欲望にとり憑かれ、さまよう魂。運命は、たったひとつの愛と出会わせた。沼田まほかるの小説は、身も心もからめとる―。おそるべき筆力で描ききった衝撃の恋愛ミステリー。

answer.――― 77 点
父の癌、母の交通事故死―――立て続く不幸に気落ちしていた主人公がある日、実家より「ユリゴコロ」と名付けられたノートを見つければ、そこには猟奇殺人の告白が……。幼き日の記憶と疑問が交錯し、主人公は《真実》を探る!というストーリーラインの本作。いつぞやのレヴューで言及したように、Sex, Drugs & Violence!ついでに、For love or money×money ×money!と、これらの要素を並べてみれば、誰がこねくり回してもエンターテイメントは薫るものだが、本作はそこからDrugを抜いた猟奇な一作。たとえば乙一や道尾秀介といった作家の作品を読んでいる方ならば、取り立てて珍しくもないオーソドックスな作風ではあるが、ユリゴコロとは何ぞや?と前のめさせてくれるノート―――「欠けている」感性による告白は、「らしい」堂に入ったもので、その殺し方を含めて雰囲気を漂わせてくれる。作品の構造としては、「ノート」パートとその真偽を探る「現実」パートがほぼ交互に配されるわけだが、中盤以降はギアを切り替えるように《For love》を押し出してくる意外性が構成として面白い。着地してみれば成る程、恋愛ミステリー。前半を〆めた機械仕掛けなSex, Violence!の不穏な余韻残さぬ、爽やか読後感を味わえる。上述の通り、目新しさが無いのが玉に瑕だが、それだけに著者の地力の高さを伺わせるアピール度の高い一作。個人的に、「楽しい」を理解したときの表現が気に入りました。第14回大藪春彦賞受賞作。

第9回本屋大賞 6位:ユリゴコロ/沼田まほかる

category: な行の作家

tag: OPEN 70点 沼田まほかる 大藪春彦賞

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