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第11回本屋大賞 6位:教場/長岡弘樹

教場
1.職質
2.牢門
3.蟻穴
4.調達
5.異物
6.背水

answer.――― 83 点
警察小説は数あれど、鶏が先か、卵が先か―――ではないが、その隙間を突いてくるまさかの《警察学校》を舞台にした異色の警察小説が本作『教場』。「警察学校は、優秀な警察官を育てるための機関ではなく、適性のない人間をふるい落とす場である」と煽るように、職質、取り調べ、スピードの取り締まり、変わったところで、医療&生物関連などの豆を含めた《知識》を交えながら、あの手この手の演出でSURVIVEする者、脱落していく者を描いていく。リアリティが在るのか無いのか、登場する教官&警察官候補生たちはもはや犯罪者予備軍のような底意地の悪さを強く押し出され、「……日本、大丈夫か?」と若干の失笑を禁じ得ないが、これに関してはいい年したヒヨっ子たちの失敗をそのまま描いても「つまらない」ことを著者は知っているということだろう。全話通して登場するのは「教官」風間だが、各話の視点人物はそれぞれ「癖」のある候補生たち。一部の例外を除き、警察学校という設定上、彼ら候補生は無知な「凡人」のために感情移入は捗らず、故に欺き、蹴落とす怨恨込みの脱落劇に著者は活路を見い出したのだろう。こうありたい俺!な感情移入が出来ないのはマイナスだが、各話で用意されている見知らぬ常識な《知識》はやはりスパイシーで、「読んで得をする」作品に仕上がっている。「教官」風間を主役にした続編が出ているようだが、個人的には本作でSURVIVE出来た視点人物たちが主役の作品を出すべきだと思うんだが、……話題待ちでもしているんだろうか?第三話「蟻穴」が幕の切り方を含め一番気に入りました。

第11回本屋大賞 6位:教場/長岡弘樹

category: な行の作家

tag: OPEN 80点 長岡弘樹

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