ナマクラ!Reviews

04/1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31./06

第6回本屋大賞 10位:モダンタイムス/伊坂幸太郎

モダンタイムス (206x300)
(あらすじ)
29歳の会社員となった渡辺拓海の前で、見知らぬ男が「勇気はあるか?」と訊いてきた。「実家に」と言いかけたが、言葉を止めた。拷問を受けた翌日、拓海は失踪した五反田正臣の代わりに、「ゴッシュ」という会社から依頼されたシステム改良の仕事を引き継ぐことになる。

answer.――― 69 点
本作の見所を挙げるなら、……拷問場面だろうか。ドSな妻に浮気を疑われ、実際、本当に浮気をしているSEな主人公が巻き込まれたのは、国家的陰謀!と風呂敷はデカいものの、市井の者が出来る程度のアクションで幕を閉じられる本作。制作時期を共にしていたらしい前年の本屋大賞第1位の『ゴールデンスランバー』と同じ“小市民の反抗”な作風で、その意味でも兄弟作と云えるものだが、……いつも通り台詞こそ小気味良いものの、だらだらだらだらだらだらと続く頁に「とりあえず、長い。そして、やっぱり長い」と思わずクレームまで繰り返したくなる。こうなると1位から10位への大幅なランクダウンも、伊坂幸太郎という作家が迎えた賞味期限を象徴しているように思えてしまった。伊坂好太郎と言えば……!の十八番《日常》は、現代よりおよそ50年後の近未来にもかかわらず、さした技術革新も起こらず「変わっていない」としている設定。徴兵制が敷かれているのがミソだが、そこは押し出されず、単なるファッションと化している。要するに、著者にとっては労せず現代を演出出来る有用なアイディアだが、読み手には特に還元されないサボタージュなアイディア。まだ伊坂作品を手に取ったことのない新規の読み手へ向けた“野心”を感じられない仕上がりとなっている。それでも、懲罰な拷問を受けながらも善性に満ちた伊坂好太郎節は健在だし、『魔王』(未読)とも世界観を共有しているようなので、ファンならば満足出来るのではないでしょうか。ただ、やっぱり長過ぎるとは思う。ドS妻・佳代子がいなかったら、個人的に「……Give up!」していた“見限り”な一作でした。

第6回本屋大賞 10位:モダンタイムス/伊坂幸太郎

category: あ行の作家

tag: OPEN 60点 伊坂幸太郎 本屋大賞

[edit]

page top

« 第11回本屋大賞 10位:去年の冬、きみと別れ/中村文則  |  第6回本屋大賞 7位:出星前夜/飯嶋和一 »

コメント

page top

コメントの投稿

Secret

page top

トラックバック

トラックバックURL
→http://medeski02.blog95.fc2.com/tb.php/1096-7f3a90c2
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
page top