ナマクラ!Reviews

03/1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30./05

第5回本屋大賞 6位:八日目の蝉/角田光代

八日目の蝉 (202x290)
(あらすじ)
逃げて、逃げて、逃げのびたら、私はあなたの母になれるだろうか……。東京から名古屋へ、女たちにかくまわれながら、小豆島へ。偽りの母子の先が見えない逃亡生活、そしてその後のふたりに光はきざすのか。心ゆさぶるラストまで息もつがせぬ傑作長編。

answer.――― 72 点
不倫相手の赤子を誘拐した女による三年半の逃亡&育成劇の第1章、その誘拐の被害者である子供の大人になったその後のプライベートを含めた葛藤を描いた第2章からなる本作。「母性」をテーマにした作品とのことだが、見所は一章を通しての誘拐された赤子の成長具合だろう。誘拐というショッキングな出来事から物語の幕が上がるが、誘拐→友人宅へ寄生→見知らぬ老婆宅へ居候→宗教(的)団体に駆け込む→……!という、文字に起こしていると実に派手な逃亡劇なのだが、実際に読んでみると、誘拐犯の誘拐に至る過去を交えた心情が綴られる<文学>色こそ本作のセールスポイントなのが解かる。それだけに、本屋大賞のランクイン作品として―――エンターテイメントとして読もうとすると齟齬が生まれ、放り投げてしまう可能性も無きにしも非ず。極論、「女性」受けしそうな題材で、♂を持つMaleには何かと長々しく女々しく、頁をめくるのが億劫になる印象。しかしながら、上述の通り、赤子が幼児へと成長する過程、特に女性しかいない、貨幣概念の無い環境で育った故の行動/反応はVividで面白く映る。2章は運命の皮肉か、誘拐犯と同じく不倫に陥ってしまう被害者の心境を覗く形。サスペンスと捉えず、<文学>として手に取れば相応に楽しめる一作。

第5回本屋大賞 6位:八日目の蝉/角田光代

category: か行の作家

tag: OPEN 70点 角田光代

[edit]

page top

« 第5回本屋大賞 5位:映画篇/金城一紀  |  第11回本屋大賞 6位:教場/長岡弘樹 »

コメント

page top

コメントの投稿

Secret

page top

トラックバック

トラックバックURL
→http://medeski02.blog95.fc2.com/tb.php/1103-5e8168b1
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
page top