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第12回本屋大賞 6位:怒り/吉田修一

怒り (206x290)
(あらすじ)
殺人現場には、血文字「怒」が残されていた。事件から1年後の夏、物語は始まる。逃亡を続ける犯人・山神一也はどこにいるのか?

answer.――― 75 点
血文字で「怒」と残された未解決の殺人事件から1年―――漁港に暮らす親娘、ゲイの会社員、米兵によるレイプ未遂の体験を持つ少女とその少女に好意を持つ少年が、それぞれ目の前に現れた前歴不詳の男を信頼しつつも疑念を抱いていく様を、読み手は「誰が犯人なのか?」と合わせて楽しむ構図の本作。読売新聞に連載された背景も重なって、『悪人』@朝日新聞連載を連想してしまうが、実際、「登場人物を増やした」だけの兄弟作と云えるだろう。音楽のコード進行ではないが、いわゆる《構成》は雑多に見えても正しく機能する「数」は限られている。そのため一度「(己の)造り」を確立出来てしまえば、たとえ白紙の上に放り出されても、感覚という記憶を頼りに辿り着けてしまう。そうして、安定したエンターテイメントが成り立つが、その代償に(己のなかで)マンネリを招くのが《お約束》だ。勿論、書き手がマンネリを感じるならば、読み手も当然、「感じる」もの。文学畑の出自を持つ著者だけに、昨今の主流である《キャラクター》でも、《人》でもなく、《人間》で魅せてこそいるが、もう一度、この「信頼してるけど……」という疑念持つ《人間》観察&犯人捜しのセットで攻めるのは厳しい気がする。その意味で、終盤、犯人への「怒り」がブスッ……!と執り行われる場面は、手に入れた己の《構成》へさよならbyebyeしている感も。『悪人』Part 2を望む人にはその期待には応えられる出来です。ちなみに本作、お金儲けのためにわざわざ上下巻に分けられておりますので御注意を。

第12回本屋大賞 6位:怒り/吉田修一

category: や行の作家

tag: OPEN 70点 吉田修一 本屋大賞

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