ナマクラ!Reviews

03/1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30./05

第12回山本周五郎賞 受賞作:エイジ/重松清

エイジ
(あらすじ)
ぼくはいつも思う。「キレる」っていう言葉、オトナが考えている意味は違うんじゃないか。通り魔事件が相次ぐ東京郊外のニュータウン。犯人はぼくの同級生。でもぼくの日常は事件にかまけているほど暇じゃなくて……。家族、友情、初恋に揺れる14歳、少年エイジの物語。

answer.――― 71 点
くそまみれの公衆便所、鼻をつんざくアンモニア。ジッパーおろし、たれ流しゃ真っ赤な血のしょんべん……「自分は中学生の時にこの本を読んで衝撃を受けました。まるで中学時代の自分が感じていることをそのまま本に書いたみたいで」と、長渕剛の名曲「英二」に乗せてamazonのとあるレヴューより抜粋させて頂いたが、本作の価値はこの抜粋が端的に表しているように思う。すなわち、思春期に読んで中二病を予防、あるいは早期に完治させるための服薬的作品である。物語は、連続通り魔の犯人が“目立たない”同級生と判明した衝撃と、そこから知らず膨らんでいく主人公の日常への抑えようのない苛立ち―――出版当時の合い言葉「キレる」をキーワードに展開していく。正味な話、「キレる少年」という時事的な社会問題へ切り込んだところに価値があった作品だと思うので、今読んだところで(……俺も普通じゃないのかもしれない!)という主人公が「鏡」となって、中二病へブレーキを掛ける効能しかないように思うのだが、それでも、そこは人情作家・重松清。「最近、父はよくぼくに昔の話をするようになった」など、父の過去を認めない、父を「父」としてしか認めない、子ども特有の視点をさらりと諸所に挿入。成熟した書き手の印象を与えてくる。地味ではあるが、良質で「平凡」な青春譚として紹介出来る一作。重松清作品を未読なら、本作をリトマス試験紙的に読んでみるのも良いかもしれない。

第12回山本周五郎賞 受賞作:エイジ/重松清

category: さ行の作家

tag: OPEN 70点 重松清 山本周五郎賞

[edit]

page top

« 第13回山本周五郎賞 受賞作:ぼっけえ、きょうてえ/岩井志麻子  |  第11回山本周五郎賞 受賞作:血と骨/梁石日 »

コメント

page top

コメントの投稿

Secret

page top

トラックバック

トラックバックURL
→http://medeski02.blog95.fc2.com/tb.php/1146-20e5f887
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
page top