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第14回山本周五郎賞 受賞作:五年の梅/乙川優三郎

五年の梅 (205x290)
1.後瀬の花
2.行き道
3.小田原鰹
4.蟹
5.五年の梅

answer.――― 78 点
山本周五郎賞、「初」の時代小説の受賞作が本作『五年の梅』。表題作を含めた五つの短編で、いずれも男女の仲を描いた短編集。冒頭を飾る『後瀬の花』は仕掛けに工夫あれども何とも渋く我慢を強いられるが、続く忍び難きを忍ぶことを迷いながらも選ぶ『行き道』、《時》とどこからか届く謎の鰹が最低男の性格を変えていく『小田原鰹』からは“裏・直木十五賞” たる山本周五郎賞受賞も納得の佳作が並ぶ。時代小説ながら登場人物の決意、行動を「変えていく」文学的アプローチは物珍しく、《時》を仕掛けの軸にしているのも本格的。そんな粒揃いのなか、個人的ベストには第4話『蟹』を挙げたい。家の都合で離縁を繰り返した女が辿り着いたのは、腕は立つが貧しい武士。ようやく「幸せ」を掴んだ女だったが、昔、自棄になって情事を重ねた男たちの魔の手が迫る!裏切りたくない、でも仕方がない。女の哀しみ溢れたところに……!思わず「あと少しだ、負けんな!」と声を掛けたくなるまばゆいばかりにいぶし銀のラストが秀逸だ。勿論、その『蟹』と甲乙つけがたい表題作、一途な男が漢を見せる『五年の梅』も素晴らしい。月に叢雲、それを払う強い風!といった風流な短編集。

第14回山本周五郎賞 受賞作:五年の梅/乙川優三郎

category: あ行の作家

tag: OPEN 70点 乙川優三郎 山本周五郎賞

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