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第14回山本周五郎賞 受賞作:白い薔薇の淵まで/中山可穂

白い薔薇の淵まで
(あらすじ)
ジャン・ジュネの再来とまで呼ばれる新人女性作家・塁と、平凡なOLの「わたし」はある雨の夜、書店で出会い、恋に落ちた。彼女との甘美で破滅的な性愛に溺れていく「わたし」。幾度も修羅場を繰り返し、別れてはまた求め合う二人だったが……。

answer.――― 66 点
荒木飛呂彦は代表作『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズ、その作中にて「スタンド使いはスタンド使いにひかれ合う」と御無体な設定を放言してくれたが、何の因果か、私は大学進学以降、メンヘラとよく知り合う。ついでに、そこそこに接触を図られる。理由は定かではない―――と言いたいが、流石に何度となく出遭っていくうちに気づいたのだが、彼女たちのプライドを知らず刺激していたのだと思われる。「大丈夫!」「死にたいなら手首じゃなくて首でしょ?」「俺、リスカするヤツ嫌いなんだわ」etc......と、本人の目の前で笑いながらdisるからだと思う(また、それはそれとして、別途「能力」について称賛していることも関係していると推測される)。公然とdisるこの男を「落としたい」―――そんな胸くそ悪い思考が働いて、何だったら股を開いて挑発してくるのである。くたばれ、Bitch!さて、本作は百合界隈では御用達の作家として名を馳せる中山可穂の例によってなビアンな逸品。平凡なOLが若き天才「女性」作家・塁と百合って別れて、旧知の男と結婚するもすれ違い、やっぱ百合しかねえわ!インドネシアへGo!Go!Heaven!というストーリーライン。塁を「猫」と重ね合わせる文学な手法もあるが、百合へ禁忌も感じなければ目新しさも感じない―――百合への《適性》が無い者からすると、メンヘラがメンヘラっている恋愛劇にしか読めない。たとえば、「わたしは彼のやさしさが少々物足りなかった。キスしたければ、すればいいのに。欲しければ塁のように、がむしゃらに血を流してでも奪えばいいのに」……この手の言及、ある種の「汚されたい」欲求を描いているのがリアリティーとして支持を集めるところなんだろうか?百合好きな方に、こんこんと本作の真髄を語られたい次第。

第14回山本周五郎賞 受賞作:白い薔薇の淵まで/中山可穂

category: な行の作家

tag: OPEN 60点 中山可穂 山本周五郎賞

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