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第19回山本周五郎賞 受賞作:安徳天皇漂海記/宇月原晴明

安徳天皇漂海記
第一部 東海漂泊
第二部 南海流離

answer.――― 64 点
ブログのコンセプトの都合上、《受賞作》、《ランクイン作》のために半ば強制的に目を通すことになる作品が出てくるわけだが、その中には当然、肌に合わない作家の作品も現れる。たとえば本屋大賞では目下、有川浩伊坂幸太郎あたりは食傷の上に手抜きも目立って個人的に「……もう、マジ勘弁!」な作家たちだが、その他にも、インテリゲンチャ&歴史ヲタクさえ感嘆する《知識》に唸らせられるものの、あたかも教科書や資料を読んでいる錯覚に陥る飯嶋和一あたりも「…………」とぐうの音も出ずに閉口してしまう。そして、この宇月原晴明である。選考委員より「この作者の頭の中は妄想に満ちている!」という激賞を受けて第11回日本ファンタジーノベル大賞《大賞》受賞作『信長 あるいは戴冠せるアンドロギュヌス』―――信長は両性具有で、これは遡れば!―――でデビューした逸材で、本作でも二部構成で《入水》という死に際の共通点から安徳天皇と祥興帝が海と時代を超えて「この作者の頭の中は妄想に満ちている!」顛末を描く。正直、勿体ぶった言い回しを多用する故に著者の妄想以前にそもそも何を描いているのか掴めず、……(」゚ロ゚)」カンツォーネ!と誤魔化し気味に頁をめくっていたが、第一部を引き継ぐ第二部の“ここだけの話”マルコ・ポーロの《視点》からは意図も透けて見始め、読みやすさは増す印象。だからといって、内容それ自体を《面白い》とは感じられないあたりは、著者の作風に私が「合わない」ということなのだろう。《歴史》を学んだ上でそこに著者のイッテQな妄想の入り込み具合を楽しむ、ある種、インテリゲンチャのための同人誌的作品。楽しむためには「素養」が要ります。

第19回山本周五郎賞 受賞作:安徳天皇漂海記/宇月原晴明

category: あ行の作家

tag: OPEN 60点 宇月原晴明 山本周五郎賞

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