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第1回ファンタジア大賞 準入選:リュカオーン/縄手秀幸

リュカオーン (206x290)
1.来訪者
2.闇の胎動
3.潜むもの
4.血の記憶
5.暗黒祭
6.魔神終焉

answer.――― 65 点
読んで早々に(……リュカオーンってこの肩に乗ってる女の子のほうなのね)と地味に驚かされた、記念すべき第1回ファンタジア大賞の《準入選》受賞作が本作『リュカオーン』。公募賞の第1回はナンダカンダで(後に)注目されるものだが、ファンタジア大賞の第1回と云えば、―――天下の『スレイヤーズ!』である。数多の公募賞の歴史のなか、第1回の受賞作として同作ほどレーベル、ジャンルを牽引した作品は無いのではなかろうか?そして、そんなBig Bang!的作品と肩を並べて同時受賞していたのが本作であり、故に読みはせずとも「題名だけ、表紙だけは知っている」という人も多いのではないかと思う。かく言う私もその一人だった。ストーリーラインは、人が人の姿を失ってしまった遥かな未来、バロスの街に訪れたのは奇妙な二人組……一人は機械の大男、もう一人は「……ノーマルだ!攫っちまえ!」というもの。出版当時、『スレイヤーズ!』ではなく、本作こそレーベルの本命だったというエピソードは知られているところだが、それも納得の、「ライト」SF……なのか?と首を捻りたくなるSFファンタジーで、水晶ドクロ、ニュートリノ、事象の地平線などノンフィクションな単語を散りばめる。序盤、中盤と広大な作中世界を披露しつつ、終盤にSEKAI NO OWARIを起こそうとするあたりはSFらしいダイナミックな展開。登場人物は誰もが強く、さじ加減で優劣逆転するカオスな様相も魅力的だ。独り善がりでない、読者を楽しませる視点がしっかりと設けられている。“重”のリュカオーン、“軽”のスレイヤーズ!と編集部が対比させたのも実際に頷ける、『スレイヤーズ!』とまさしく好対照な一作。今読んでしまえば「これ、……ライトノベル?」と疑問を呈されてしまうだろうが、そこにジャンルが確立する以前の混沌が覗ける。今あえて手に取るならば、“恐竜”を見つけた気持ちで読みましょう。

第1回ファンタジア大賞 準入選:リュカオーン/縄手秀幸

category: な行の作家

tag: ファンタジア大賞準入選(金賞) OPEN 60点 縄手秀幸

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