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第2回ラノベ好き書店員大賞 6位:覇剣の皇姫アルティーナ/むらさきゆきや

覇剣の皇姫アルティーナ
(あらすじ)
剣も弓も苦手で、本ばかり読んでいる落ちこぼれ軍人のレジス。左遷された辺境で、彼は運命を変える少女―――赤い髪、紅い瞳を持ち、覇者の大剣を携えた皇姫アルティーナと出会う。覇剣の皇姫と、読書狂の青年が織り成す覇道戦記ファンタジー。

answer.――― 71 点
主人公ないしヒロインの取り扱う武器に《大剣》が当たり前のように選択肢として挙げられるようになった昨今、今や“異世界ハーレムが俺に究極の選択を迫ってくる”ファミ通文庫にも、そんな《大剣》使いの軒先に名を連ねるヒロインが!本作は、覇者の大剣を担いだ落胤のお姫様アルティーナと読書家の落ちこぼれ軍人レジスによる民のための下剋上の物語。中世を想起させる魔法を排した世界、剣戟打ち鳴らされる軍記物なわけだが、兎にも角にも、本作の「冒頭」を注視して読んで頂きたい。絵画的に貼られた辺境への左遷を告げる辞令の一頁目、「――ああ、本があれば、私は自由であり、そこは我が家となる」と主人公の認識を紹介する作中作の引用文、そんな彼だからこそ絶望する左遷先の配本状況、嘆いてたら迎えがやってきたぜ、Boy Meets Girl!読まずとも「先が読める」、それが《王道》なわけだが、本作はまさしくその《王道》を征くライトノベル。「先が読める」ことは時に見切られてしまう/見限られてしまうことにも繋がるが、《王道》が在り来たりへ到らない、その分岐点となる要素は結局、「キャラクター」に尽きる(「文章」も大事だが、本作ではリーダビリティを重視しているようなので省く)。「先が読める」―――にもかかわらず、頁をめくる手が止まらないのは、そこに読み手が望む主人公(&ヒロイン)がいるからだ。内向的な落ちこぼれ(のような才人)と陽気な落胤(&戦女神な美少女)という掛け合わせは、マイナスからのスタートにもかかわらず、すでに快進撃が始まっている。故に、作品としてのピークは“勝負”の冒頭とも云え、以降は読み手にとっての“期待”のオマケである。この「冒頭」、この「二人」が気に入れば、続刊も楽しめるだろう。辺境伯ジェロームを仲間に引き入れる、というのがこの一巻の着地点。個人的には、たとえば主人公が本巻の敵役ジェロームの側に「一度」付くなりのヒロインへの否定、王道への回り道が欲しかったかな、と。

第2回ラノベ好き書店員大賞 6位:覇剣の皇姫アルティーナ/むらさきゆきや

category: ま行の作家

tag: OPEN 70点 むらさきゆきや ラノベ好き書店員大賞

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